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第20章
第571話 立法についての議論
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草案に目を通し終え、次はその法律の適用性を考えるために役所会議室に有識者を集めた。
集まってもらったのは、我が国のリーダー・リーヴァント、副リーダー・ルーク、イチトス、キャンフィールド、ジュゼルマリオの四人。
そして各国の法律も参考にするため、水の国からフィンツさんとトーマス、雷の国からヘンリーさん、樹の国からクリストさん、風の国からウィンダルシア、土の国からタナカさんとダイヤラさん。
今回はこの間と同じ面々に、リーヴァントと副リーダーらを加えた会議。
「あの……今更なのですが法律とはどのようなものなのでしょうか?」
リーヴァントからの質問。
国に法律があるところ出身の者とは違い、トロルにはそういったルールが無かったため当然の質問だろう。
「『これはして良い、これはしたらダメ』ってのを国で定めて明確にする。国内のみに適用されるルールってところかしら。だからアルトラルサンズ以外の国には、その国独自のルールがあることが多いよ」
「なるほど、ルールですか」
「そこに外れたことをした場合は、捕まる、もしくは罰金」
「捕まるんですか!?」
「酷い場合に限ってだけどね。殺人とかだと何年も捕まる上に、死罪もあり得る」
「ま、まあ……確かにヒト殺せば、それは重罪ですよね……」
心根の優しいルークはすぐ納得。
「何年も捕まるってのは誰が決めるんだ? アルトラ様か?」
キャンフィールドからの質問。
「いや、それはそういう専門家のヒトが考えて決めるんだよ。私一人でそんな一人一人の刑期について考えてられないし」
「その専門家というのはどこに居るのですか?」
イチトスからの質問。
「そ、それは……今から育てる……」
「何だか気の長い話ですねぇ……」
とジュゼルマリオ。
「し、仕方ないのよ! そりゃ専門家居ない地で、一からやらなきゃいけないんだから! 何事にも当然スタート地点があるわけだし!」
旧トロル村リーダーたちとのやり取りが一段落して、フィンツさんからの疑問。
「リーヴァントたちが参加していること以外はこの間と同じ面子だな。それで……この面子で今から草案を考えるのか? 法律なんて膨大だぞ?」
「いえ、既に草案は作成済みです」
「作成済み!? お前さんだけでか!?」
「あ、いえ、私とカイベルで」
とは言っても作ったのは全部カイベルで、私は草案を読んでこの国に今必要な法律を選別しただけだが……
「で、その草案はどこにあるんだ?」
「今取り出します」
【亜空間収納ポケット】を開き、大量の書類を取り出した。
「「「 おぉっ!? 」」」
詰まれた大量の書類に騒然。
「これをたった二人で作ったんですか!?」
「こんなに大量の書類をいつから作ってたんだ!?」
「ま、まあそんなことはどうでも良いじゃないですか」
カイベルがたった一日弱で作ったとは言えないな……しかも私が選別して二十分の一くらいになってるってことも……
「随分前から法律の運用を想定していたんだな」
「ええ、まあ……国になった以上、絶対必要であろうと考えていましたから」
ずっと考えてはいた。考えてはいたんだ!
でも、草案作ったのは二週間前とは言えない……
「あれ? でもこの紙束随分綺麗ですね。この量だと随分長い間考えてたんですよね? もっと埃とか被っててもおかしくないと思うんですけど……」
ギクッ!
「でも、古そうなのは折れ曲がったりしてますよ? 綺麗過ぎるのは気になりますけど……」
「カ、カイベルが掃除したからじゃないかな? メ、メイドだし……」
折ったり汚れたりは、きちんとカイベルが前々から作っていた風に見えるようにしてくれたからのようだ。
流石抜かりない。
埃被ってないことについても、掃除したって理由で言い訳できてるしね。
「まあ、とりあえず読んでみてもらえますか? 気付いたことがあればその都度教えていただけるとありがたいです。今回の会議で議論し、不都合な点を詰めて、必要な法律は即日にでも施行したいと考えています」
「即日なのか!?」
「はい、殺人や傷害、盗みに関するものは、すぐにでも制定しないとならない法律ですし」
◇
少し経って――
「手書きとは言え、かなり理路整然と作成されているようですが、こんなに大量にどうやって作成したんでしょうか? どこかに参考になるような資料でもあるのですか?」
クリストさんが鋭いツッコミ!
「わ、私の出身地の法律を参考に作成しました!」
「出身地の法律を参考に? まさか全文覚えているのですか? ここにある書類はそれぐらいのことをやっていなければ説明付かないような量なのですが……」
うっ!
墓穴掘ったか!?
「カ、カイベルがかなりの文章量を覚えてたので……」
「この量を覚えていたんですか!?」
「流石カイベルさん……」
「カイベルさん、普通のヒトではないとは思いましたが……法律の文章まで記憶しているのですね……」
うぅ……本当はこんな展開に持っていくべきではなかったんだろうけど……私が「覚えてる」って言うと、いざ法律について問われた時に答えられる自信が無いためカイベルの功績にするより他無かった……
「ま、まあそんなことはどうでも良いじゃないですか。よ、読み込んでいただけたなら質問を受け付けます」
まずはトーマスから。
「あの……水棲亜人についての項目を盛り込んでほしいと思います」
「なに?」
「『水棲亜人は日に最低二回の水浴びを認める』とか。働いているヒトもきっと認めてほしいと思います」
「あ、そうか、水棲亜人は水浴びないと臭いがしてくるんだっけ? それは法制化しておいた方が良いね。本人だけじゃなく周りにも迷惑かかるかもしれないし」 (第383話参照)
次にフィンツさんからの質問。
「この『文化的な慣習の尊重』ってのの中の、『双方が外国からの来訪だった場合、双方に帰国を促す、または強制退去』ってヤツなんだが……」
「はい」
「俺たちのような、もう住み着いてる者はどうするんだ?」
「う~ん……後から来たヒトを退去させるくらいしか方法が無いですね。あまりにも迷惑をかけられる場合は、現地の文化・生活を守るために後から来たヒトに退去してもらいます」
旧トロル村の文化・生活を壊してしまった私が言うのもなんだが……
まあ、私はちょこっと外交に口出して、ちょこっと害獣対策の相談受けて、ちょこっと教育の提案をして、ちょこっと町に足りないものの提案をして、あとは家でゴロゴロしてるだけだから、大概のことはリーヴァントたちトロル族が率先して発展させてくれてるし、そこまで私自身がぶっ壊したとも言えないだろう。
「退去させられた方に不満が出ないか?」
「私の優先順位としては現地民であるトロル族を守ることが最優先なので、やはり後から来たヒトが退去です。それが嫌ならその外国から来たヒトが主張を下ろして、アルトラルサンズの習慣に順応してくれれば良いわけですし。現地民が外国から来たヒトのルールに従うなんてことは有り得ないですよ」
幸いにもこの世界には拘束系の魔法が複数存在する。強制送還も地球ほど難しい話ではない。
「ってことは俺たちが迷惑行為しても?」
「あまりにも酷ければもちろん退去です。ですが、フィンツさんたちには信頼を置いてますし、そんな目に余るような迷惑行為をするとは思えませんけど?」
「そ、そりゃそうだが、一応どういう対応を採るのか明確に聞いておこうと思ってな」
「誰だって平穏に暮らしたいわけですし、意図して迷惑行為しなければ追い出そうなんて話にはならないわけですから。そもそも私たちが交流したいのは、ルールを遵守してくれて、相互に思いやりができる“善良な外国人”であって、“迷惑をかけるヒト”なんて極力来てほしくないわけです」
私には (カイベルに)悪人を発見する能力もあるし、送り返す能力もある。
この国に害になるようなヒトを置いておくような甘い態度は取らないようにしないといけない。
「時代にそぐわなくなった場合はどうする? 適応させるのか?」
「細かい部分の変更はあるかもしれませんが、少なくとも私の目の黒いうちは現地民に大いに不利になるような法律にはなりません」
「黒いって……あんたの目青いじゃないか」
そうだった! 元々は目が黒いから忘れてた!
「そ、そこは別に良いじゃないですか。私の出身地にそういう慣用句があるんですよ。話を戻しますけど、現地のルールが気に入らないと言うなら、自分たちが生まれ育ったところへ戻れば良いんですよ。そうすれば、そこは自分たちの好きなルールで社会が動いてるんですから」
「まあそうだな」
「ただでさえ、この国には昼と夜があって他地域と環境が違うので、夜しか無い国から訪れたヒトは住みにくいと感じるかもしれませんし」
と、これに反応したのが二人。
疑似太陽の無い国出身のウィンダルシアとダイヤラさんだ。
「実はそう住みにくくも感じておりません。昼と夜で生活リズムが異なることに初めは少々戸惑いましたが、風の国の光と比べると空が青いためなのか明るく見えますし。この環境は羨ましくもありますね」
確かに風の国は黒い空に光の精霊が浮かべた光だったから、明るくも暗いというイメージだった。地球で言うところの野球のナイターのような空。
「土の国は、上空にあまり光が無いので上からの光は新鮮に映ります。ウィンダルシアさん同様、それほど不便というわけではありません。とりわけ私は光を集める精霊ですので、この光は心地良くも感じております。――」
昼の無い国からの感想は、中々に好感触だな。
「――現在はここ、水の国、雷の国、樹の国の四ヶ所に出現したそうですが、次は土の国にも出現するのではないかと期待しております」
「ははは……そ、そうですね。出現すると良いですね……」
私が創ったとは言えないから、欲しい場合はその国からコンタクトして来てほしい。
まあ、レヴィにも口止めしたから、もうこれ以上疑似太陽が増えることは無いだろうけど……
次にリーヴァントから質問。
「『土地の権利の明確化』というものなのですが、所有者を明らかにするということですよね?」
「そうだね」
「自分が住んでいるところに住み続けても良いのですよね?」
「そうだね。ただ、『その土地が自分の物である』という証明を書類として提出してもらうようにはする。この書類によって権利を明確化させる」
「第一壁の外には住んでない土地が多いですが、そこはどうするのですか?」
第一壁の内側は乱雑と発展していってるが、第一壁から第二壁までの間はそこまでの急速な発展は無い。現状はほとんどの土地が、行商人が乗りつけた馬車の駐車場のようになっている。
第二壁の外側となると、まだまだ荒野も同然。ただ、以前は乾燥した土地だったが、雨が多くなって木や草も育つようになってきている。
「しばらくは国所有の国有地ってことにしておく。それで『どこどこの土地を欲しい』ってヒトが居た場合には、その土地を国から購入、または貸与するようにする」
「土地って売買されるものなのですか?」
「そうなるかな」
「自分が住んでいる土地も買わないといけないのですか?」
「いや、法制化前に住んでいたヒトに関しては、そのままそのヒト所有の土地ってことにしてもらう。流石に住んでいた場所を取り上げられるのはおかしいからね」
「これは外国人でも買えるということですか?」
「う~ん……しばらくは買えないようにするかな。うちはまだ貧乏国だから外国人が買えるようにすると、あっという間に外国人ばかりになってしまいそうだからね」
現在注目度が上がってる我が国は、土地が買えるとなると一瞬で国土のかなりの部分が持って行かれそうだから、外国人が買えるようにするのは余りにリスクが高い。
しかも、七大国の中心に位置するため、所謂ハブ空港 (※)のような役割になりつつあるし。
(※ハブ空港:『多くの航空路線が集まる乗り継ぎや貨物の積み替えの拠点となる空港』だそうです。つまり、ここでは『七大国から集まる』という意味で使っています)
「しばらくと言うと?」
「数十年、もしくは百年以上を想定してる。外国人は原則、土地を借りて住む・借りて事業を行うって感じかな。月ごとに借地料を頂く形で。その他に考えてることは、特例でアルトラルサンズに対して特別な貢献をしたヒトに限り土地を買えるようにするとかかな。アルトラルサンズの国民になった場合はその限りではないね」
「特別な貢献と言うと、例えば?」
「う~ん……今考えられるのは『現地民の生活が大きく向上することに貢献した』とかじゃないかな。他には……『多数の命を助けた』とか、『現地民に特別大きくて良い影響を与えた』とかかな? まあ大きく考えれば特別に良いことをしたヒトってことだよね」
あと、魔界の事情を考えると、行商人にだって好戦的な種族が居ないとは限らない。
もしもの話、私が居なくなった時のことを考えて、治安維持ができるようにフレアハルトやウィンダルシアのような戦力的な面で強い種族をトラブル解決のために住まわせたいとは思うけど……それはまだこの場で言わない方が良いだろう。
「その点ですと、フィンツさん方ドワーフの方々は十分満たせていそうですね」
「お? そうなのか? じゃあ買っちまおうかな」
「まあ、いずれにしても厳格な審査は設けたいところだよ。隣に危険なヤツや生活を脅かすヤツに住み着かれたら誰だって嫌だし」
「そうですか。我々が不利になるようなお考えでなくて安心しました」
ホッとするリーヴァント。
この一年と少しの間に環境が激変したから不安に思っていたのだろう。彼には気苦労かけるわ……
が、ここでジュゼルマリオからの質問。
「私たちレッドトロルの者たちやフレアハルトさんらレッドドラゴンはどういう扱いなんですか? 外国人?」
「いや、あなたたちは私が移住させたとは言え、元々この国に住んでるから国民。つまり土地を買って住めるヒトたち。フレアハルトも同様だね。希望すれば土地を買うことができるようにする」
「そうですか、それは一安心です」
次にキャンフィールドから。
「なぁ、『遺産相続』ってのは何だ? 聞いたことない言葉なんだが……」
「『遺産』ってのは所有者が死んだ時に所有している財産のこと。所有者が死んでしまった時にその財産を生きてる者に譲るのが『遺産相続』。『遺産相続の行方の明確化』ってのは、例えば財産所有者に子供が三人居たとしたら、『長男に四割、次男に三割、三男に三割財産を渡す』みたいなことを書類にして明確にしておくってこと」
「なるほど財産か。金目の物の存在しなかった俺たちの生活には無かった言葉なわけだな。理解した」
「トロル村時代にそんな言葉あっても、相続するものが無いですしね」
「赤い狼の肉でも相続するか?」
「ははは、すぐ腐ってしまいますよ」
ルークが納得したところに、キャンフィールドが茶々を入れ、それにルークがツッコむ。
腐った物食べたところでこのヒトたち全く腹壊さんから、ある意味では相続の対象になり得る気がする……
ちなみに、腐った肉を食べられるのに食べないのは、ただ単に『不味いから』だそうだ。
集まってもらったのは、我が国のリーダー・リーヴァント、副リーダー・ルーク、イチトス、キャンフィールド、ジュゼルマリオの四人。
そして各国の法律も参考にするため、水の国からフィンツさんとトーマス、雷の国からヘンリーさん、樹の国からクリストさん、風の国からウィンダルシア、土の国からタナカさんとダイヤラさん。
今回はこの間と同じ面々に、リーヴァントと副リーダーらを加えた会議。
「あの……今更なのですが法律とはどのようなものなのでしょうか?」
リーヴァントからの質問。
国に法律があるところ出身の者とは違い、トロルにはそういったルールが無かったため当然の質問だろう。
「『これはして良い、これはしたらダメ』ってのを国で定めて明確にする。国内のみに適用されるルールってところかしら。だからアルトラルサンズ以外の国には、その国独自のルールがあることが多いよ」
「なるほど、ルールですか」
「そこに外れたことをした場合は、捕まる、もしくは罰金」
「捕まるんですか!?」
「酷い場合に限ってだけどね。殺人とかだと何年も捕まる上に、死罪もあり得る」
「ま、まあ……確かにヒト殺せば、それは重罪ですよね……」
心根の優しいルークはすぐ納得。
「何年も捕まるってのは誰が決めるんだ? アルトラ様か?」
キャンフィールドからの質問。
「いや、それはそういう専門家のヒトが考えて決めるんだよ。私一人でそんな一人一人の刑期について考えてられないし」
「その専門家というのはどこに居るのですか?」
イチトスからの質問。
「そ、それは……今から育てる……」
「何だか気の長い話ですねぇ……」
とジュゼルマリオ。
「し、仕方ないのよ! そりゃ専門家居ない地で、一からやらなきゃいけないんだから! 何事にも当然スタート地点があるわけだし!」
旧トロル村リーダーたちとのやり取りが一段落して、フィンツさんからの疑問。
「リーヴァントたちが参加していること以外はこの間と同じ面子だな。それで……この面子で今から草案を考えるのか? 法律なんて膨大だぞ?」
「いえ、既に草案は作成済みです」
「作成済み!? お前さんだけでか!?」
「あ、いえ、私とカイベルで」
とは言っても作ったのは全部カイベルで、私は草案を読んでこの国に今必要な法律を選別しただけだが……
「で、その草案はどこにあるんだ?」
「今取り出します」
【亜空間収納ポケット】を開き、大量の書類を取り出した。
「「「 おぉっ!? 」」」
詰まれた大量の書類に騒然。
「これをたった二人で作ったんですか!?」
「こんなに大量の書類をいつから作ってたんだ!?」
「ま、まあそんなことはどうでも良いじゃないですか」
カイベルがたった一日弱で作ったとは言えないな……しかも私が選別して二十分の一くらいになってるってことも……
「随分前から法律の運用を想定していたんだな」
「ええ、まあ……国になった以上、絶対必要であろうと考えていましたから」
ずっと考えてはいた。考えてはいたんだ!
でも、草案作ったのは二週間前とは言えない……
「あれ? でもこの紙束随分綺麗ですね。この量だと随分長い間考えてたんですよね? もっと埃とか被っててもおかしくないと思うんですけど……」
ギクッ!
「でも、古そうなのは折れ曲がったりしてますよ? 綺麗過ぎるのは気になりますけど……」
「カ、カイベルが掃除したからじゃないかな? メ、メイドだし……」
折ったり汚れたりは、きちんとカイベルが前々から作っていた風に見えるようにしてくれたからのようだ。
流石抜かりない。
埃被ってないことについても、掃除したって理由で言い訳できてるしね。
「まあ、とりあえず読んでみてもらえますか? 気付いたことがあればその都度教えていただけるとありがたいです。今回の会議で議論し、不都合な点を詰めて、必要な法律は即日にでも施行したいと考えています」
「即日なのか!?」
「はい、殺人や傷害、盗みに関するものは、すぐにでも制定しないとならない法律ですし」
◇
少し経って――
「手書きとは言え、かなり理路整然と作成されているようですが、こんなに大量にどうやって作成したんでしょうか? どこかに参考になるような資料でもあるのですか?」
クリストさんが鋭いツッコミ!
「わ、私の出身地の法律を参考に作成しました!」
「出身地の法律を参考に? まさか全文覚えているのですか? ここにある書類はそれぐらいのことをやっていなければ説明付かないような量なのですが……」
うっ!
墓穴掘ったか!?
「カ、カイベルがかなりの文章量を覚えてたので……」
「この量を覚えていたんですか!?」
「流石カイベルさん……」
「カイベルさん、普通のヒトではないとは思いましたが……法律の文章まで記憶しているのですね……」
うぅ……本当はこんな展開に持っていくべきではなかったんだろうけど……私が「覚えてる」って言うと、いざ法律について問われた時に答えられる自信が無いためカイベルの功績にするより他無かった……
「ま、まあそんなことはどうでも良いじゃないですか。よ、読み込んでいただけたなら質問を受け付けます」
まずはトーマスから。
「あの……水棲亜人についての項目を盛り込んでほしいと思います」
「なに?」
「『水棲亜人は日に最低二回の水浴びを認める』とか。働いているヒトもきっと認めてほしいと思います」
「あ、そうか、水棲亜人は水浴びないと臭いがしてくるんだっけ? それは法制化しておいた方が良いね。本人だけじゃなく周りにも迷惑かかるかもしれないし」 (第383話参照)
次にフィンツさんからの質問。
「この『文化的な慣習の尊重』ってのの中の、『双方が外国からの来訪だった場合、双方に帰国を促す、または強制退去』ってヤツなんだが……」
「はい」
「俺たちのような、もう住み着いてる者はどうするんだ?」
「う~ん……後から来たヒトを退去させるくらいしか方法が無いですね。あまりにも迷惑をかけられる場合は、現地の文化・生活を守るために後から来たヒトに退去してもらいます」
旧トロル村の文化・生活を壊してしまった私が言うのもなんだが……
まあ、私はちょこっと外交に口出して、ちょこっと害獣対策の相談受けて、ちょこっと教育の提案をして、ちょこっと町に足りないものの提案をして、あとは家でゴロゴロしてるだけだから、大概のことはリーヴァントたちトロル族が率先して発展させてくれてるし、そこまで私自身がぶっ壊したとも言えないだろう。
「退去させられた方に不満が出ないか?」
「私の優先順位としては現地民であるトロル族を守ることが最優先なので、やはり後から来たヒトが退去です。それが嫌ならその外国から来たヒトが主張を下ろして、アルトラルサンズの習慣に順応してくれれば良いわけですし。現地民が外国から来たヒトのルールに従うなんてことは有り得ないですよ」
幸いにもこの世界には拘束系の魔法が複数存在する。強制送還も地球ほど難しい話ではない。
「ってことは俺たちが迷惑行為しても?」
「あまりにも酷ければもちろん退去です。ですが、フィンツさんたちには信頼を置いてますし、そんな目に余るような迷惑行為をするとは思えませんけど?」
「そ、そりゃそうだが、一応どういう対応を採るのか明確に聞いておこうと思ってな」
「誰だって平穏に暮らしたいわけですし、意図して迷惑行為しなければ追い出そうなんて話にはならないわけですから。そもそも私たちが交流したいのは、ルールを遵守してくれて、相互に思いやりができる“善良な外国人”であって、“迷惑をかけるヒト”なんて極力来てほしくないわけです」
私には (カイベルに)悪人を発見する能力もあるし、送り返す能力もある。
この国に害になるようなヒトを置いておくような甘い態度は取らないようにしないといけない。
「時代にそぐわなくなった場合はどうする? 適応させるのか?」
「細かい部分の変更はあるかもしれませんが、少なくとも私の目の黒いうちは現地民に大いに不利になるような法律にはなりません」
「黒いって……あんたの目青いじゃないか」
そうだった! 元々は目が黒いから忘れてた!
「そ、そこは別に良いじゃないですか。私の出身地にそういう慣用句があるんですよ。話を戻しますけど、現地のルールが気に入らないと言うなら、自分たちが生まれ育ったところへ戻れば良いんですよ。そうすれば、そこは自分たちの好きなルールで社会が動いてるんですから」
「まあそうだな」
「ただでさえ、この国には昼と夜があって他地域と環境が違うので、夜しか無い国から訪れたヒトは住みにくいと感じるかもしれませんし」
と、これに反応したのが二人。
疑似太陽の無い国出身のウィンダルシアとダイヤラさんだ。
「実はそう住みにくくも感じておりません。昼と夜で生活リズムが異なることに初めは少々戸惑いましたが、風の国の光と比べると空が青いためなのか明るく見えますし。この環境は羨ましくもありますね」
確かに風の国は黒い空に光の精霊が浮かべた光だったから、明るくも暗いというイメージだった。地球で言うところの野球のナイターのような空。
「土の国は、上空にあまり光が無いので上からの光は新鮮に映ります。ウィンダルシアさん同様、それほど不便というわけではありません。とりわけ私は光を集める精霊ですので、この光は心地良くも感じております。――」
昼の無い国からの感想は、中々に好感触だな。
「――現在はここ、水の国、雷の国、樹の国の四ヶ所に出現したそうですが、次は土の国にも出現するのではないかと期待しております」
「ははは……そ、そうですね。出現すると良いですね……」
私が創ったとは言えないから、欲しい場合はその国からコンタクトして来てほしい。
まあ、レヴィにも口止めしたから、もうこれ以上疑似太陽が増えることは無いだろうけど……
次にリーヴァントから質問。
「『土地の権利の明確化』というものなのですが、所有者を明らかにするということですよね?」
「そうだね」
「自分が住んでいるところに住み続けても良いのですよね?」
「そうだね。ただ、『その土地が自分の物である』という証明を書類として提出してもらうようにはする。この書類によって権利を明確化させる」
「第一壁の外には住んでない土地が多いですが、そこはどうするのですか?」
第一壁の内側は乱雑と発展していってるが、第一壁から第二壁までの間はそこまでの急速な発展は無い。現状はほとんどの土地が、行商人が乗りつけた馬車の駐車場のようになっている。
第二壁の外側となると、まだまだ荒野も同然。ただ、以前は乾燥した土地だったが、雨が多くなって木や草も育つようになってきている。
「しばらくは国所有の国有地ってことにしておく。それで『どこどこの土地を欲しい』ってヒトが居た場合には、その土地を国から購入、または貸与するようにする」
「土地って売買されるものなのですか?」
「そうなるかな」
「自分が住んでいる土地も買わないといけないのですか?」
「いや、法制化前に住んでいたヒトに関しては、そのままそのヒト所有の土地ってことにしてもらう。流石に住んでいた場所を取り上げられるのはおかしいからね」
「これは外国人でも買えるということですか?」
「う~ん……しばらくは買えないようにするかな。うちはまだ貧乏国だから外国人が買えるようにすると、あっという間に外国人ばかりになってしまいそうだからね」
現在注目度が上がってる我が国は、土地が買えるとなると一瞬で国土のかなりの部分が持って行かれそうだから、外国人が買えるようにするのは余りにリスクが高い。
しかも、七大国の中心に位置するため、所謂ハブ空港 (※)のような役割になりつつあるし。
(※ハブ空港:『多くの航空路線が集まる乗り継ぎや貨物の積み替えの拠点となる空港』だそうです。つまり、ここでは『七大国から集まる』という意味で使っています)
「しばらくと言うと?」
「数十年、もしくは百年以上を想定してる。外国人は原則、土地を借りて住む・借りて事業を行うって感じかな。月ごとに借地料を頂く形で。その他に考えてることは、特例でアルトラルサンズに対して特別な貢献をしたヒトに限り土地を買えるようにするとかかな。アルトラルサンズの国民になった場合はその限りではないね」
「特別な貢献と言うと、例えば?」
「う~ん……今考えられるのは『現地民の生活が大きく向上することに貢献した』とかじゃないかな。他には……『多数の命を助けた』とか、『現地民に特別大きくて良い影響を与えた』とかかな? まあ大きく考えれば特別に良いことをしたヒトってことだよね」
あと、魔界の事情を考えると、行商人にだって好戦的な種族が居ないとは限らない。
もしもの話、私が居なくなった時のことを考えて、治安維持ができるようにフレアハルトやウィンダルシアのような戦力的な面で強い種族をトラブル解決のために住まわせたいとは思うけど……それはまだこの場で言わない方が良いだろう。
「その点ですと、フィンツさん方ドワーフの方々は十分満たせていそうですね」
「お? そうなのか? じゃあ買っちまおうかな」
「まあ、いずれにしても厳格な審査は設けたいところだよ。隣に危険なヤツや生活を脅かすヤツに住み着かれたら誰だって嫌だし」
「そうですか。我々が不利になるようなお考えでなくて安心しました」
ホッとするリーヴァント。
この一年と少しの間に環境が激変したから不安に思っていたのだろう。彼には気苦労かけるわ……
が、ここでジュゼルマリオからの質問。
「私たちレッドトロルの者たちやフレアハルトさんらレッドドラゴンはどういう扱いなんですか? 外国人?」
「いや、あなたたちは私が移住させたとは言え、元々この国に住んでるから国民。つまり土地を買って住めるヒトたち。フレアハルトも同様だね。希望すれば土地を買うことができるようにする」
「そうですか、それは一安心です」
次にキャンフィールドから。
「なぁ、『遺産相続』ってのは何だ? 聞いたことない言葉なんだが……」
「『遺産』ってのは所有者が死んだ時に所有している財産のこと。所有者が死んでしまった時にその財産を生きてる者に譲るのが『遺産相続』。『遺産相続の行方の明確化』ってのは、例えば財産所有者に子供が三人居たとしたら、『長男に四割、次男に三割、三男に三割財産を渡す』みたいなことを書類にして明確にしておくってこと」
「なるほど財産か。金目の物の存在しなかった俺たちの生活には無かった言葉なわけだな。理解した」
「トロル村時代にそんな言葉あっても、相続するものが無いですしね」
「赤い狼の肉でも相続するか?」
「ははは、すぐ腐ってしまいますよ」
ルークが納得したところに、キャンフィールドが茶々を入れ、それにルークがツッコむ。
腐った物食べたところでこのヒトたち全く腹壊さんから、ある意味では相続の対象になり得る気がする……
ちなみに、腐った肉を食べられるのに食べないのは、ただ単に『不味いから』だそうだ。
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※1話当たり、1200~2000文字前後です。
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昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
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そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
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