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事の始まりは、約半年前のこと。
王都のアカデミーを無事卒業してすぐ、リーシュの兄であるラズワルドは当主代理として王宮に呼ばれていた。
"オーロラ魔法"の分析に協力して欲しいと、王宮付き魔法士に依頼されたからである。
ギデオン家以外でこの魔法が使えるのは、ギデオン家の遠縁にあたるリリス家とグレンジャー家くらいだ。
オーロラ魔法は転移魔法のことを指す。
この魔法を分析し、血筋に関係なく他の魔法士も使えるようになれば、魔法の発展に直結すると国は考えていた。
「ラズワルド、卒業式ぶりだな。」
「・・・ようやく領地に戻ったと言うのにまた王都ですか。私なら移動は一瞬ですけど・・・早く帰りたい。リーシュと研究の続きがしたい・・・」
「お前は変わらないな。」
「褒め言葉と受け取りました。」
「・・・ふっ、そうしてくれ。」
「・・・はあ、帰りたい。」
国のためとはいえ、ラズワルドはさっさと済ませて領地へ帰りたい。王子を前にしても尚、ぶつぶつ文句を垂れている。
「まあ、そう言うな。弟・・・確かリー・・・えっと、」
「リーシュです、ラファド様。名前まで美しいでしょう?」
「・・・溺愛ぶりが更に増した気がするが・・・。弟は夜会にも出ないんだろう?」
「出しませんよ。羽虫に集られては困ります。」
「俺と同じで"塵"に敏感だったな。」
「この私よりも魔力が多いですからね。」
「そりゃ凄い。」
この2人、アカデミー時代はクラスが一緒、寮の部屋は隣同士。
入学当初、ラファドは基本いつも単独で行動していたのだが、気が付けばラズワルドが自然に一緒にいるようになっていた。
何でもラズワルドの"塵"は殆ど気にならず"静か"なのだと言う。塵が静かとは、一体どういう意味なのだろうとラズワルドは常日頃思っていた。
在学中からラズワルドのリーシュ溺愛ぶりは変わらない。むしろ加速していく一方だった。
口を開けば、弟の話ばかり。
3年間呪文のように言われ続ければさすがにラファドも気になる。
「そういえば例の専属魔法士の件。まだ決めかねているのでしょう?」
「・・・お前のところにまで話が行っているのか。」
「民の噂話はすぐに広がりますからね。こうなったらハンナ様に兼任をしていただいてはどうですか?」
「それは俺に死ねと?」
「まさか。だって過去に例があったはずですよ。」
「よく知っていたな。」
「ギデオン家を指名されたら困りますからね。あんなに気さくな方なのですから、頼みやすいのでは?ハンナ様の"塵"も気にならないっと話されていたの、私は覚えていますよ。」
「・・・計算高い男だ。」
「正直者の間違いでしょう。」
よほどリーシュを王都に連れてきたくないらしい。ハンナを贄にする魂胆が見え見えである。
「兼任なんてそんな恐ろしいことは言えないさ。兄上はそろそろ婚約者にハンナ様を引っ張るおつもりだろう。」
「彼の方の溺愛ぶりもよく耳にしますよ。」
「俺が殺される。あの"耳飾り"にも並々ならない執念を感じる。」
「お綺麗な方ですしね。」
「羨ましくもあるさ。俺にはそんな相手現れない。」
第二王子であるジョシュアのハンナに対する溺愛ぶりは有名だ。
魔力の質も合ったのだろう。
そしてハンナの貴族らしからぬ、飾らないサバサバした性格にこそジョシュアは惚れ込んでいた。
専属魔法士と王子の婚姻は過去にもあったが、数は多くない。今頃必死にハンナを婚約者に、と王を説得していることだろう。
ラファドは兄ともうすぐ義姉になるであろう2人の姿を思い浮かべる。何とも似合いの2人だ。思わずふっと笑いがこぼれる。
「ラファド様が誰かに執着する姿はあまり想像でき・・・いや全くできません。」
「そうだろう。自分でもそう思う。」
「まあそんなラファド様でさえ、うちのリーシュを見ればきっと・・・んん?」
「・・・どうした?」
ラズワルドが急に足を止め、空気が乱れるほど首を左右に振り、周りを見渡し始める。まるで何かを探しているかのようだ。
そんかラズワルドに若干引きつつ、ラファドは彼の様子を見守った。
すると、次の瞬間。
眩く、そしてゆらゆらと揺らめく光が辺りを支配する。
見たこともないほど美しいオーロラが、王宮の中庭で輝きを放った。
そしてその中心からオーロラを纏うようにして現れたのは、一人の黒髪の少年。
ラズワルドは、その少年の方へ慌てて駆け寄った。
「リ、リーーーシュ!?な、な、なぜこのような場所に!?」
挙動不審にも程がある。
わたわたと手を振り、首を振るラズワルド。
そしてそんな彼とは対照的に、突然現れた少年は兄に向かって一言。
「書類お忘れでしたよ。すぐ会えてよかった。じゃ、僕は帰りますね。」
「はへ?」
「ではまた夕食の時に」と小さく手を振り、オーロラを纏った少年はすぐにその場から消えた。
滞在時間、30秒。
近くにいた騎士やメイド、文官までもこの30秒間の出来事を上手く飲み込めず固まっている。
それはあの男も同様だ。
リーシュが消えた後、ラファドはしばらく動けなかった。
鼓動が早く、身体が熱い。
さっきの光景が頭から離れない。
このわずかな時間の間に、ラファドは恋に落ちた。
文字通りすぐ帰ったリーシュにラズワルドは「もっと兄に会えたことを喜んでくれてもいいのに」という寂しい気持ちと変な虫がつく前に帰ったことを喜ぶ気持ちとが複雑に絡まっていた。
はあ、と一人ため息をつき、大理石の廊下まで戻ってきたラズワルド。
そして自分の目の前で耳や首まで真っ赤にした銀髪の男に絶句した。
「ああ・・・っ、面倒な虫がこんなところにも。」と、一国の王子に対して呟いた。
この日のラズワルドは、ツイてなかった。
リーシュが見つかってしまった。
王宮付き魔法士には根掘り葉掘りオーロラ魔法について聞かれげっそり。
用を済ませたからにはさっさと帰ろうと、転移魔法を使おうとした瞬間、どこからともなく現れた"悪い虫"に腕を掴まれ、帰れなくなった。
この日の宿泊先は、王宮内のラファドの部屋。
「俺はお前の弟を専属魔法士・・・いや、婚約者にしたい。今後の流れを話し合おう。」
「・・・絶っっっ対に許しませんからね!!」
この晩、この話し合いに決着がつくわけもなく。
この後、ラファドは約2ヶ月間を掛けて、ラズワルドを説得し、そして条件付きで、リーシュへの専属魔法士の打診を許したのだった。
王都のアカデミーを無事卒業してすぐ、リーシュの兄であるラズワルドは当主代理として王宮に呼ばれていた。
"オーロラ魔法"の分析に協力して欲しいと、王宮付き魔法士に依頼されたからである。
ギデオン家以外でこの魔法が使えるのは、ギデオン家の遠縁にあたるリリス家とグレンジャー家くらいだ。
オーロラ魔法は転移魔法のことを指す。
この魔法を分析し、血筋に関係なく他の魔法士も使えるようになれば、魔法の発展に直結すると国は考えていた。
「ラズワルド、卒業式ぶりだな。」
「・・・ようやく領地に戻ったと言うのにまた王都ですか。私なら移動は一瞬ですけど・・・早く帰りたい。リーシュと研究の続きがしたい・・・」
「お前は変わらないな。」
「褒め言葉と受け取りました。」
「・・・ふっ、そうしてくれ。」
「・・・はあ、帰りたい。」
国のためとはいえ、ラズワルドはさっさと済ませて領地へ帰りたい。王子を前にしても尚、ぶつぶつ文句を垂れている。
「まあ、そう言うな。弟・・・確かリー・・・えっと、」
「リーシュです、ラファド様。名前まで美しいでしょう?」
「・・・溺愛ぶりが更に増した気がするが・・・。弟は夜会にも出ないんだろう?」
「出しませんよ。羽虫に集られては困ります。」
「俺と同じで"塵"に敏感だったな。」
「この私よりも魔力が多いですからね。」
「そりゃ凄い。」
この2人、アカデミー時代はクラスが一緒、寮の部屋は隣同士。
入学当初、ラファドは基本いつも単独で行動していたのだが、気が付けばラズワルドが自然に一緒にいるようになっていた。
何でもラズワルドの"塵"は殆ど気にならず"静か"なのだと言う。塵が静かとは、一体どういう意味なのだろうとラズワルドは常日頃思っていた。
在学中からラズワルドのリーシュ溺愛ぶりは変わらない。むしろ加速していく一方だった。
口を開けば、弟の話ばかり。
3年間呪文のように言われ続ければさすがにラファドも気になる。
「そういえば例の専属魔法士の件。まだ決めかねているのでしょう?」
「・・・お前のところにまで話が行っているのか。」
「民の噂話はすぐに広がりますからね。こうなったらハンナ様に兼任をしていただいてはどうですか?」
「それは俺に死ねと?」
「まさか。だって過去に例があったはずですよ。」
「よく知っていたな。」
「ギデオン家を指名されたら困りますからね。あんなに気さくな方なのですから、頼みやすいのでは?ハンナ様の"塵"も気にならないっと話されていたの、私は覚えていますよ。」
「・・・計算高い男だ。」
「正直者の間違いでしょう。」
よほどリーシュを王都に連れてきたくないらしい。ハンナを贄にする魂胆が見え見えである。
「兼任なんてそんな恐ろしいことは言えないさ。兄上はそろそろ婚約者にハンナ様を引っ張るおつもりだろう。」
「彼の方の溺愛ぶりもよく耳にしますよ。」
「俺が殺される。あの"耳飾り"にも並々ならない執念を感じる。」
「お綺麗な方ですしね。」
「羨ましくもあるさ。俺にはそんな相手現れない。」
第二王子であるジョシュアのハンナに対する溺愛ぶりは有名だ。
魔力の質も合ったのだろう。
そしてハンナの貴族らしからぬ、飾らないサバサバした性格にこそジョシュアは惚れ込んでいた。
専属魔法士と王子の婚姻は過去にもあったが、数は多くない。今頃必死にハンナを婚約者に、と王を説得していることだろう。
ラファドは兄ともうすぐ義姉になるであろう2人の姿を思い浮かべる。何とも似合いの2人だ。思わずふっと笑いがこぼれる。
「ラファド様が誰かに執着する姿はあまり想像でき・・・いや全くできません。」
「そうだろう。自分でもそう思う。」
「まあそんなラファド様でさえ、うちのリーシュを見ればきっと・・・んん?」
「・・・どうした?」
ラズワルドが急に足を止め、空気が乱れるほど首を左右に振り、周りを見渡し始める。まるで何かを探しているかのようだ。
そんかラズワルドに若干引きつつ、ラファドは彼の様子を見守った。
すると、次の瞬間。
眩く、そしてゆらゆらと揺らめく光が辺りを支配する。
見たこともないほど美しいオーロラが、王宮の中庭で輝きを放った。
そしてその中心からオーロラを纏うようにして現れたのは、一人の黒髪の少年。
ラズワルドは、その少年の方へ慌てて駆け寄った。
「リ、リーーーシュ!?な、な、なぜこのような場所に!?」
挙動不審にも程がある。
わたわたと手を振り、首を振るラズワルド。
そしてそんな彼とは対照的に、突然現れた少年は兄に向かって一言。
「書類お忘れでしたよ。すぐ会えてよかった。じゃ、僕は帰りますね。」
「はへ?」
「ではまた夕食の時に」と小さく手を振り、オーロラを纏った少年はすぐにその場から消えた。
滞在時間、30秒。
近くにいた騎士やメイド、文官までもこの30秒間の出来事を上手く飲み込めず固まっている。
それはあの男も同様だ。
リーシュが消えた後、ラファドはしばらく動けなかった。
鼓動が早く、身体が熱い。
さっきの光景が頭から離れない。
このわずかな時間の間に、ラファドは恋に落ちた。
文字通りすぐ帰ったリーシュにラズワルドは「もっと兄に会えたことを喜んでくれてもいいのに」という寂しい気持ちと変な虫がつく前に帰ったことを喜ぶ気持ちとが複雑に絡まっていた。
はあ、と一人ため息をつき、大理石の廊下まで戻ってきたラズワルド。
そして自分の目の前で耳や首まで真っ赤にした銀髪の男に絶句した。
「ああ・・・っ、面倒な虫がこんなところにも。」と、一国の王子に対して呟いた。
この日のラズワルドは、ツイてなかった。
リーシュが見つかってしまった。
王宮付き魔法士には根掘り葉掘りオーロラ魔法について聞かれげっそり。
用を済ませたからにはさっさと帰ろうと、転移魔法を使おうとした瞬間、どこからともなく現れた"悪い虫"に腕を掴まれ、帰れなくなった。
この日の宿泊先は、王宮内のラファドの部屋。
「俺はお前の弟を専属魔法士・・・いや、婚約者にしたい。今後の流れを話し合おう。」
「・・・絶っっっ対に許しませんからね!!」
この晩、この話し合いに決着がつくわけもなく。
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