敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない

如月 そら

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epilogue~天使の逆襲~

epilogue~天使の逆襲~②

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「受賞作品は国立美術館で展示されたのち他の都市でも展示されます。その展覧会が終わった後は授賞式ですね。ちなみに授賞式は出品された方、会員、招待された議員や後援の会社の方がご出席なので、ご主人がご参加されるのは難しいですね」

 神代はにこっと笑って清柊に声をかける。
「なるほど……では、今後後援の会社候補のCEOってどうなんでしょうね?」
 清柊も笑顔を返した。
「神代ホールディングスが後援いただけるということでしょうか? 素晴らしいですね。のちほど会派の会長にお声をかけさせていただきましょう。招待状をお送りいたします」
「ぜひ」

 ──今、一瞬でなにか取引があった気がするけれども、気のせいかしら?
 目の前で交わされている神代と清柊の会話を聞きながら香澄は笑顔で首を傾げる。
「あの……そんなこと決めてしまって大丈夫なんですか?」
「ええ。日本の文化への協力も業務の一環ですから。寄付活動や奨学金などそういう活動もいろいろしていますよ」
 神代は笑顔でそう答えた。それを聞いてなるほど、と香澄は感心する。

「今後、文化の保護に関しても力を入れていけたらいいですね。香澄さん、もちろんご協力してくださいね」
「もし、お役に立てるのでしたらぜひ!」
 うんうん、と神代は頷いている。
「たとえば、子どもたちのための小さな書道展などを実施するのはいかがです? 優秀な作品は弊社の本社ロビーで作品を掲載することもできますよ?」

「佳祐さん、すごく素敵です!」
「審査委員長は翠澄先生ですね」
 神代の提案に清柊もにこにこして付け加えた。
「柚木書道会主催で『柚木書道展』とでもしますか?」
 話がだんだん大きくなっていくので香澄は焦ってしまう。
「一般的には後援の企業の名前を冠することが多いんですよ。新聞社が後援ならその新聞社の名前になりますし」
「では神代書道展?」
 香澄は両手を口の前に持ってきて、提案した。
「神代こども書道展、はいかがですか?」
「ああ、とてもいいな」

 子供には表彰されることはとてもいい機会になり、それが頑張れる原動力にもなる。またそれをきっかけに書道が広がるのだとしたら、香澄にとってもそれほど嬉しいことはない。
 それを自分の愛する夫とできるのだと思うとこれ以上はない幸せだった。
 
「翠澄先生! 佳作賞ですって? おめでとうございます!」
 香澄にそう声をかけてきたのは岡野だ。声のした岡野の方を香澄も振り返った。華やかな山吹色の着物が可愛らしい姿の岡野がにこやかに立っている。
「芳睡先生! ありがとうございます」
「今日はご主人も、清柊先生もご一緒でなんのお話ですか?」
 そこで香澄は先ほどのこども書道展の話をした。
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