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5.初めてのデート
初めてのデート③
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一緒にフライトをするのは毎回違うメンバーなので必ずしも気が合う人と一緒になるとは限らない。
だから客室乗務員は一人で行動することにも、慣れているのだ。
「莉緒も?」
「はい。私も。知らない街を独り歩きするのも結構楽しいです」
「本当に君は頼もしいな。いつか君と旅行にも行きたいよ」
「もう、すごーく綿密に予定を立てることもありますし、行き当たりばったりも得意です」
五十里はきゅっと莉緒の手を繋いだ。
「莉緒と一緒にいると本当に楽しい」
そう言って五十里は嬉しそうに笑っている。
手のぬくもりに加えて無邪気な笑顔が本当に魅力的で、莉緒はそんな姿に胸が締め付けられる心地だった。
「莉緒と一緒に、どこかに行きたいな」
「いつか行きましょう」
「いつか、な。それを楽しみにしていよう」
そう言うと五十里は莉緒の肩を抱いて、軽く引き寄せた。
「到着いたします」
甘い雰囲気になったところだったが、パーテーションが降りて運転手がそう声をかけてくる。
「分かった」
五十里はそっと莉緒から離れると頭を撫でた。
「本当に愛おしいよ」
莉緒もそれは同じだ。一緒にいればいるほど、五十里は胸の高鳴る存在になる。
本当にいつか五十里と一緒に旅に行くことができるのなら、行ってみたかった。
そして運転手の言う通り程なくソシアルグランドホテルに到着し、ドアマンが車のドアを開けてくれる。
先に降りた五十里が中の莉緒に手を差し伸べてくれるので、莉緒はその手に掴まった。
すらりと長身で端整な五十里と、愛らしい雰囲気の莉緒は二人で並んでいても、とても微笑ましくお似合いだ。
「ここのレストランは来たことあるか?」
「いいえ。いつか来たいとは思ってましたけど」
「それはよかった。とても秀逸だから楽しみにしていてほしい」
にこにことしている五十里は、とても楽しそうだ。莉緒をエスコートするのすら、楽しいようだった。
ソシアルグランドホテルは、吹き抜けになった天井から華やかなシャンデリアがぶら下がっており、内装もベージュやゴールドがベースとなっている。
落ち着いた雰囲気で上品でありながらも煌びやかだ。
海外からのお客様が多いのも納得だった。
五十里はスーツの胸ポケットからゴールドのカードを取り出すと、エレベーターのボタンを押す際にかざした。
(もしかして、クラブフロア?)
このソシアルグランドホテルには、クラブフロアと呼ばれるエグゼクティブのためのフロアがあることは莉緒も知っていた。
クラブフロアに入るためにはクラブ会員となることが必要で、年収だけでなく社会的ステータスやその背景すらも審査の対象になるらしい。
専用カードキーがないとフロアに足を踏み入れることはできず、先程のカードがその専用カードキーなのだとさすがに莉緒も察することができた。
一度行ってみたいと思ってはいたが、気軽に入れるものではない。
「クラブフロア……ですね」
「そう。落ち着くからな」
確かにロビーなどは人も多くザワついた雰囲気だ。
ソシアルグランドホテルの落ち着いた雰囲気を堪能するにはやはりクラブフロアが適切なのかもしれない。
最高級のサービスが受けられるとあって、莉緒もわくわくと胸が高鳴ってきたのだった。
だから客室乗務員は一人で行動することにも、慣れているのだ。
「莉緒も?」
「はい。私も。知らない街を独り歩きするのも結構楽しいです」
「本当に君は頼もしいな。いつか君と旅行にも行きたいよ」
「もう、すごーく綿密に予定を立てることもありますし、行き当たりばったりも得意です」
五十里はきゅっと莉緒の手を繋いだ。
「莉緒と一緒にいると本当に楽しい」
そう言って五十里は嬉しそうに笑っている。
手のぬくもりに加えて無邪気な笑顔が本当に魅力的で、莉緒はそんな姿に胸が締め付けられる心地だった。
「莉緒と一緒に、どこかに行きたいな」
「いつか行きましょう」
「いつか、な。それを楽しみにしていよう」
そう言うと五十里は莉緒の肩を抱いて、軽く引き寄せた。
「到着いたします」
甘い雰囲気になったところだったが、パーテーションが降りて運転手がそう声をかけてくる。
「分かった」
五十里はそっと莉緒から離れると頭を撫でた。
「本当に愛おしいよ」
莉緒もそれは同じだ。一緒にいればいるほど、五十里は胸の高鳴る存在になる。
本当にいつか五十里と一緒に旅に行くことができるのなら、行ってみたかった。
そして運転手の言う通り程なくソシアルグランドホテルに到着し、ドアマンが車のドアを開けてくれる。
先に降りた五十里が中の莉緒に手を差し伸べてくれるので、莉緒はその手に掴まった。
すらりと長身で端整な五十里と、愛らしい雰囲気の莉緒は二人で並んでいても、とても微笑ましくお似合いだ。
「ここのレストランは来たことあるか?」
「いいえ。いつか来たいとは思ってましたけど」
「それはよかった。とても秀逸だから楽しみにしていてほしい」
にこにことしている五十里は、とても楽しそうだ。莉緒をエスコートするのすら、楽しいようだった。
ソシアルグランドホテルは、吹き抜けになった天井から華やかなシャンデリアがぶら下がっており、内装もベージュやゴールドがベースとなっている。
落ち着いた雰囲気で上品でありながらも煌びやかだ。
海外からのお客様が多いのも納得だった。
五十里はスーツの胸ポケットからゴールドのカードを取り出すと、エレベーターのボタンを押す際にかざした。
(もしかして、クラブフロア?)
このソシアルグランドホテルには、クラブフロアと呼ばれるエグゼクティブのためのフロアがあることは莉緒も知っていた。
クラブフロアに入るためにはクラブ会員となることが必要で、年収だけでなく社会的ステータスやその背景すらも審査の対象になるらしい。
専用カードキーがないとフロアに足を踏み入れることはできず、先程のカードがその専用カードキーなのだとさすがに莉緒も察することができた。
一度行ってみたいと思ってはいたが、気軽に入れるものではない。
「クラブフロア……ですね」
「そう。落ち着くからな」
確かにロビーなどは人も多くザワついた雰囲気だ。
ソシアルグランドホテルの落ち着いた雰囲気を堪能するにはやはりクラブフロアが適切なのかもしれない。
最高級のサービスが受けられるとあって、莉緒もわくわくと胸が高鳴ってきたのだった。
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