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魔王の譚
捕縛
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数分前
ウルサン 中央大通り
「おい。坊主。立てるか?」
カールが抱えていたリオンをゆっくりと地面に下ろして様子を見ている。
「リオン!大丈夫!?」
姉の声が聞こえていない……って言うか、名演技ってところかな。
弱々しい歩みで俺の元へとたどり着き足に縋りつく。
が、目的は果たせずってところかな。
見下ろす俺に表情を見られまいと俯いたまま体制を立て直してエリザの方へと歩いて行く。
「リオン!?どうしたの?どこか痛いの?」
ん~。流石にこの状況では仕方ないだろうが、お前さんが心配すべきは壁に激突して転がってるジジイなんだがな。まあいい。
そうこうしているうちにリオンは偽エリザの方に近づきその寄りかかる。
『掛かった』
ここまでは順調だ。さて、奴はどう出るかな。
先ほどまでリオン少年のステータスには「カルロス」と表示されていた。奴は偽装しているつもりだろうが、詳細情報が確認できる俺からすると児戯に等しい。これに関してはルークスに感謝しないとな。流石は管理者ってところだ。
ん?あいつカルロスに騙されてなかったっけ?いや。そこは触れてやらない方が良いだろう。武士の情けだ。
しばらく様子を見ていると、リオンはそのまま膝から崩れ落ち、仰向けになって動かなくなった。
目は見開かれ、わずかに開いた口は微笑んでいるようだった。
「リオン!リオン!!」
少女の悲痛な声だけがあたりに響く。リオンは返事をしない。
だろうな。中身は空っぽだしな。
少女はリオンを抱き上げるが反応は全くない。力なくぐったりとしたリオンを少女は強く抱きしめる。
「お願いします!リオンを助けてください!!お願いします!」
俺と偽エリザを交互に見ながら少女は二人に懇願する。
まあ、俺に懇願されても困るよな。『ソウルスティールを後で掛けてやるからしばらく待ってろ』と言いたいところだが、今はそれどころじゃない。ここからが本番だ。
それに対して偽エリザはにこやかに微笑んでいる。少女にやさしいまなざしを向けながら、おもむろに口を開く。
「君。邪魔やね。どいててくれるか?俺はこいつらに用事があんねん」
ほほう。正体を隠さずに来たか。よほど自信があると見える。
俺はてっきりエリザの振りをしてカールを篭絡すると思ってたけどな。これなら勝負はすぐつきそうだ。
『サトシ!聞こえるか?』
『はい!聞こえます』
『カルロスがエリザ擬きに入った。ウルサン上空で待機を頼む。エリザも一緒に来てくれ』
『私が行く意味ありますか?』
『これ自体が陽動って事も考えられる。思ったよりカルロスが安直な行動を取ってるからな。だからクレータ街を別動隊が襲うことも考えられる。お前さん達は一緒に行動してくれ』
『わかりました。そちらに向かいます』
サトシはそう言うと早速俺たちの遥か上空に転移してきた。流石仕事が早いな。魔力感知が出来ないカルロスでは、よほど注意して見ないと存在には気づかんだろうな。良い位置取りだ。
さて、カルロスのお手並み拝見と行きますか。
ウルサン 中央大通り
「おい。坊主。立てるか?」
カールが抱えていたリオンをゆっくりと地面に下ろして様子を見ている。
「リオン!大丈夫!?」
姉の声が聞こえていない……って言うか、名演技ってところかな。
弱々しい歩みで俺の元へとたどり着き足に縋りつく。
が、目的は果たせずってところかな。
見下ろす俺に表情を見られまいと俯いたまま体制を立て直してエリザの方へと歩いて行く。
「リオン!?どうしたの?どこか痛いの?」
ん~。流石にこの状況では仕方ないだろうが、お前さんが心配すべきは壁に激突して転がってるジジイなんだがな。まあいい。
そうこうしているうちにリオンは偽エリザの方に近づきその寄りかかる。
『掛かった』
ここまでは順調だ。さて、奴はどう出るかな。
先ほどまでリオン少年のステータスには「カルロス」と表示されていた。奴は偽装しているつもりだろうが、詳細情報が確認できる俺からすると児戯に等しい。これに関してはルークスに感謝しないとな。流石は管理者ってところだ。
ん?あいつカルロスに騙されてなかったっけ?いや。そこは触れてやらない方が良いだろう。武士の情けだ。
しばらく様子を見ていると、リオンはそのまま膝から崩れ落ち、仰向けになって動かなくなった。
目は見開かれ、わずかに開いた口は微笑んでいるようだった。
「リオン!リオン!!」
少女の悲痛な声だけがあたりに響く。リオンは返事をしない。
だろうな。中身は空っぽだしな。
少女はリオンを抱き上げるが反応は全くない。力なくぐったりとしたリオンを少女は強く抱きしめる。
「お願いします!リオンを助けてください!!お願いします!」
俺と偽エリザを交互に見ながら少女は二人に懇願する。
まあ、俺に懇願されても困るよな。『ソウルスティールを後で掛けてやるからしばらく待ってろ』と言いたいところだが、今はそれどころじゃない。ここからが本番だ。
それに対して偽エリザはにこやかに微笑んでいる。少女にやさしいまなざしを向けながら、おもむろに口を開く。
「君。邪魔やね。どいててくれるか?俺はこいつらに用事があんねん」
ほほう。正体を隠さずに来たか。よほど自信があると見える。
俺はてっきりエリザの振りをしてカールを篭絡すると思ってたけどな。これなら勝負はすぐつきそうだ。
『サトシ!聞こえるか?』
『はい!聞こえます』
『カルロスがエリザ擬きに入った。ウルサン上空で待機を頼む。エリザも一緒に来てくれ』
『私が行く意味ありますか?』
『これ自体が陽動って事も考えられる。思ったよりカルロスが安直な行動を取ってるからな。だからクレータ街を別動隊が襲うことも考えられる。お前さん達は一緒に行動してくれ』
『わかりました。そちらに向かいます』
サトシはそう言うと早速俺たちの遥か上空に転移してきた。流石仕事が早いな。魔力感知が出来ないカルロスでは、よほど注意して見ないと存在には気づかんだろうな。良い位置取りだ。
さて、カルロスのお手並み拝見と行きますか。
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