子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~

九條葉月

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別れ

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                  ◇


 そんなことをしているうちにレイスさんがセバスさんとサラさんを連れてきてくれた。

「ありがとうございますレイスさん」

 御礼を言うとレイスさんは目を丸くして驚いていた。え? 御礼を言ったくらいで? ちょっと公爵家ー、就業環境が悪いんじゃないー?

「お嬢様。使用人に対して礼など不要でございます」

「働いてもらったのだから感謝するのは当然では?」

「寛大なお心ですが、それではお嬢様が侮られてしまいます」

「まぁ、その時は『ポキッ』とすればいいのでは?」

「…………」

 あぁ、旦那様の孫娘だなー、みたいな顔をするレイスさんだった。おかしい、私に読心スキルはないはずなのに考えていることが手に取るように分かるぞぅ?

「ふははっ、状況が状況だからな、使用人を試すのも悪くはないだろう」

 腹黒そうに笑うお爺さまだった。

「レイス。査定の準備をしておけ」

「……承知いたしました」

 孫娘を使って人事をしようとするの、やめてもらえません?

 おっと、今はセバスさんとサラさんだね。

「すみませんセバスさん、サラさん。わざわざ来てもらっちゃって」

「いえ、お気になさらず。――お嬢様はお嬢様のままのようで、このセバス、安心いたしました」

 ま~公爵家に引き取られるとなれば調子に乗ってもおかしくはないからね。そう考えると私ってかなり良い子なのでは?

『……みゃー』

 自分で言うな、みたいな感じに呆れられてしまった。やっぱりミャーって心読んでない? 気のせい?

「えっと、私公爵家に行くことになりまして」

「おめでとうございます」

「よかった、本当に……」

 感極まった顔をしてくれるセバスさんと、号泣するサラさんだった。

「お二人はどうするんですか?」

「自分はもう歳ですので、隠居して田舎に帰ろうかと」

「私も、少し早いですが貯蓄はあるので……」

「そうですか……」

 二人も一緒に公爵家へ、と思っていたけど無理強いするのもね。いやフィナさんに無理強いしたばかりの私が言うのも何だけど。ほら、あの人は戦友みたいなものじゃん?

 セバスさんとサラさんとはここでお別れ。
 そう考えると寂しくなってしまった私は――腕を広げた。

 抱きしめて欲しい。
 私の思いを二人は察してくれたみたいだけど……すぐには動かなかった。たぶん『公爵令嬢』に対して遠慮したのだと思う。

「構わん」

 と、お爺さまが口にしたのが効いたのか二人は私を抱きしめてくれた。

 温かい。
 人の温もりだ。

 父も、母も、継母も、家族の誰もが与えてくれなかった温かさ。それを与えてくれたのがこの二人だったのだ。

 この二人が味方でいなければ、私はもう少し『人間らしくない』生き方をしていたように思う。

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