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フィーナ・アルファドル
第8話 参上!
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艶やかな栗色の髪に精悍な顔立ち。
耳にはレィフット王太子の証のルビーの耳飾り。
纏う真紅のマントには王家の家紋が金糸で縫い付けられている。
「アルフレッド殿下…?」
「まさか、そんな…!」
怯える憐れな塵共に手をかざせばたちまち近衛兵団が取り囲む。
「貴殿らの話はすべて、ここで聞かせてもらった。私の婚約者を…愛する人をよくも愚弄してくれたな…!」
アルフレッドの声は低く、冷たく、鉄のように重たかった。
「殿下!これは陰謀です!騙されてはなりませぬ!」
「その通りです!我々は、殿下の為に身の程知らずのあの女に引導を渡してやるつもりで…」
「すべてはあの卑しい女が悪いのです!私達は殿下のために!」
審査員達と護衛達の縋る汚らわしい声にアルフレッドは思わず自らの剣に手を伸ばすが、それを制したのはフィーナだ。
「アルフレッド殿下、貴方の手をこのような下衆共の血で汚す必要はございません。僭越ながら私にお任せ下さい」
「ライーツの気高き娘よ。お前はリリアの大切な友人だ、貴女が手を汚す事も私は望まない…だから、殺すな」
「有り難きお言葉、痛み入ります」
優雅に一礼してからフィーナは取り押さえられているレィフットの輩達に視線を向ける。
「と、いうわけで…命どうこうは近衛兵団の皆様に任せます。だから、思いっきり殴る蹴るをやらせて頂きます!」
正拳突き、膝蹴り、空手割り、かかと落とし…!
「誰が卑しい身の程知らずですって!?誰が!?一生懸命努力して頑張って、辛くても泣きたくなっても誰も責めずに努力して好きな人の言葉に答えるために一途に頑張って結果をきっちり出したリリアのどこが!?言えるものなら言ってみなさいよ!!」
背負い投げ、回し蹴り、膝蹴り…!
「テストの書き換え!?お兄様に既成事実を強要!?あんた達どこまで腐ってるのよ!腐ってる野菜の方が肥料になるからずっとマシよ!自分達が得する事しか考えてない頭空っぽの馬鹿!!あんた達なんかにリリアの頑張りが台無しにされてたまるか!!遺伝子から出直して来なさいこの人類の恥共!!!!」
その時のフィーナのパンチは今までで一番綺麗だった…レノードはいつまでもその光景を覚えていようと目に焼き付けてから顔の原型を全く止めていない罪人達を纏めてさらに奥の地下室にぶち込んだ。
「この下にまだいろいろ部屋があるので、そちらで洗いざらい吐かせてからレィフット王国の民はお返ししますねアルフレッド殿下」
「我が国の汚物が本当に申し訳なかった。この件については改めて謝罪と御礼に伺おう」
「ところで兄様…今更ですけど大丈夫なんですか?隣国の王太子殿下を勝手に国に入れてしまって…」
返り血をメイド達が持ってきてくれたタオルで拭いながら目の前のアルフレッド殿下を見上げる。
今までは玉座を見上げて数回挨拶しただけなのだが、目の前の殿下はらしくない気がした。
そう思っているとレノードと殿下は目配せしてから破顔した。
「リリアちゃんが言ってた通り凄い子だね~アルフレッドと俺を見分けられたのは二人目だ」
アルフレッド殿下は暑そうに栗色の髪を取ると明るい金髪が現れた。
「初めまして~アルフレッドの双子の弟のエドワードでっす。アル兄は国にいるから安心して?ま、自分が行くって駄々こねて大変だったんだけどさ~王太子が他国に行くのはヤバいからさ~」
「は?え?双子…?え?!」
「レィフット王国は、双子は不吉の前兆とかで産まれたら片方殺すのが普通なんだけど、陛下も王妃様も優しくてね~幸い付き添ってたお産婆も黙っててくれることになって、俺はこうやって髪の色とか変えて王子の側近として育ててもらえたわけ。言っとくけど王位奪うとかアル兄達に恨みとか全くないからね。むしろ感謝しかしてないし、皆俺を息子だって公言出来ないの申し訳ないとか思ってるみたいだけど十分過ぎるほど愛情もらってるからほんと感謝しかないし?だからあいつらムカつく~父上とアル兄の努力台無しじゃん。ゴミ捨ても楽じゃないんだし、せめてゴミらしく転がってろよバーカ」
エドワードは一息で言うとため息をついて、
「とりあえず煮るなり焼くなりお好きにどうぞ。兵団何人か置いてくから自由に使って?ああでも楽に終わらせるのだけなしでよろしくね~」
耳にはレィフット王太子の証のルビーの耳飾り。
纏う真紅のマントには王家の家紋が金糸で縫い付けられている。
「アルフレッド殿下…?」
「まさか、そんな…!」
怯える憐れな塵共に手をかざせばたちまち近衛兵団が取り囲む。
「貴殿らの話はすべて、ここで聞かせてもらった。私の婚約者を…愛する人をよくも愚弄してくれたな…!」
アルフレッドの声は低く、冷たく、鉄のように重たかった。
「殿下!これは陰謀です!騙されてはなりませぬ!」
「その通りです!我々は、殿下の為に身の程知らずのあの女に引導を渡してやるつもりで…」
「すべてはあの卑しい女が悪いのです!私達は殿下のために!」
審査員達と護衛達の縋る汚らわしい声にアルフレッドは思わず自らの剣に手を伸ばすが、それを制したのはフィーナだ。
「アルフレッド殿下、貴方の手をこのような下衆共の血で汚す必要はございません。僭越ながら私にお任せ下さい」
「ライーツの気高き娘よ。お前はリリアの大切な友人だ、貴女が手を汚す事も私は望まない…だから、殺すな」
「有り難きお言葉、痛み入ります」
優雅に一礼してからフィーナは取り押さえられているレィフットの輩達に視線を向ける。
「と、いうわけで…命どうこうは近衛兵団の皆様に任せます。だから、思いっきり殴る蹴るをやらせて頂きます!」
正拳突き、膝蹴り、空手割り、かかと落とし…!
「誰が卑しい身の程知らずですって!?誰が!?一生懸命努力して頑張って、辛くても泣きたくなっても誰も責めずに努力して好きな人の言葉に答えるために一途に頑張って結果をきっちり出したリリアのどこが!?言えるものなら言ってみなさいよ!!」
背負い投げ、回し蹴り、膝蹴り…!
「テストの書き換え!?お兄様に既成事実を強要!?あんた達どこまで腐ってるのよ!腐ってる野菜の方が肥料になるからずっとマシよ!自分達が得する事しか考えてない頭空っぽの馬鹿!!あんた達なんかにリリアの頑張りが台無しにされてたまるか!!遺伝子から出直して来なさいこの人類の恥共!!!!」
その時のフィーナのパンチは今までで一番綺麗だった…レノードはいつまでもその光景を覚えていようと目に焼き付けてから顔の原型を全く止めていない罪人達を纏めてさらに奥の地下室にぶち込んだ。
「この下にまだいろいろ部屋があるので、そちらで洗いざらい吐かせてからレィフット王国の民はお返ししますねアルフレッド殿下」
「我が国の汚物が本当に申し訳なかった。この件については改めて謝罪と御礼に伺おう」
「ところで兄様…今更ですけど大丈夫なんですか?隣国の王太子殿下を勝手に国に入れてしまって…」
返り血をメイド達が持ってきてくれたタオルで拭いながら目の前のアルフレッド殿下を見上げる。
今までは玉座を見上げて数回挨拶しただけなのだが、目の前の殿下はらしくない気がした。
そう思っているとレノードと殿下は目配せしてから破顔した。
「リリアちゃんが言ってた通り凄い子だね~アルフレッドと俺を見分けられたのは二人目だ」
アルフレッド殿下は暑そうに栗色の髪を取ると明るい金髪が現れた。
「初めまして~アルフレッドの双子の弟のエドワードでっす。アル兄は国にいるから安心して?ま、自分が行くって駄々こねて大変だったんだけどさ~王太子が他国に行くのはヤバいからさ~」
「は?え?双子…?え?!」
「レィフット王国は、双子は不吉の前兆とかで産まれたら片方殺すのが普通なんだけど、陛下も王妃様も優しくてね~幸い付き添ってたお産婆も黙っててくれることになって、俺はこうやって髪の色とか変えて王子の側近として育ててもらえたわけ。言っとくけど王位奪うとかアル兄達に恨みとか全くないからね。むしろ感謝しかしてないし、皆俺を息子だって公言出来ないの申し訳ないとか思ってるみたいだけど十分過ぎるほど愛情もらってるからほんと感謝しかないし?だからあいつらムカつく~父上とアル兄の努力台無しじゃん。ゴミ捨ても楽じゃないんだし、せめてゴミらしく転がってろよバーカ」
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