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第四章『王女2人』
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悠介と女性型アンドロイドとの戦いは苛烈を極めた。悠介は基本的に自分が有利だと思って動いたことはない。
いかなる時も最新の注意を払いつつ動き、相手の注意を引きつつ、機会を伺って反撃を行えばいいと考えていた。
が、疲労のせいだろうか、やけに体が重い。手と足を動かそうとしてもまるで、鉛でも足に括り付けられているかのように。
無理もない。悠介は今日1日だけでハードなバスケの試合を行い、優勝へと導かせたのに加えてシーレを助けるために連戦を続けていたのだから。
下手をすれば倒れていてもおかしくはない。不安が頭をよぎる。
その時だ。悠介の片足に激痛が走る。体がジィィンと痺れていく。まるで、全身が稲妻にでも打たれたかのように。
悠介が痺れを感じ、フェイスヘルメットの下で両眉を顰めていた時のこと。
女性型アンドロイドが悠介の懐の中へと潜り込む。そして躊躇うことなくビームソードの刃を突き立てようとしていた。
悠介は慌てて空いていた方の手で拳を突き立てたものの、効果は感じられない。当然である。相手はパワードスーツこそ纏っていないものの、強化されたアンドロイド。
悠介の拳など石礫を投げられた程度のものとしか考えていないのではないだろうか。
悠介の前に迫り来るのはビームソードの先端。熱を帯びた赤色の刃。
彼女のことだ。人間のように刃を迷わせることもなく、一気に突き立ててしまうに違いない。そんなことになれば悠介の人生は終了。まだ始まったばかりであるにも関わらず、幕を下ろしてしまう羽目になる。
悠介の中に芽生えてくるのは焦燥感、苛立ち、恐怖といった様々な感情。頭の中をう交錯して巡り回っていくのに対して悠介の脳は感情を冷静さや理論といった人間が持つべき理屈で処理ができずにいた。
焦りは失敗に繋がる。スポーツでもテストでもそう習ってきたが、いざ命の危機に直面すれば話は別。頭の中が一色に染め上げられてしまう。
それは『この場をやり切るには暴れ回るしかない』というただ一つの結論であった。
もう少し頭が良ければ何かしらの妙案が思い付いて上手く立ち回ってみせただろう。舞台の上で大勢の客に囲まれているのにも関わらず、そんな緊張などものともせず奇跡を起こす魔術師のように。
或いはもう少し冷静に考えることができたのであれば今の状況を家族や仲間が放っておくはずがないと考えたはずだ。そんなうっすらとした淡い期待に身を任せていたかもしれない。
だが、悠介の中では、もう『暴れ回る』という解決案に縋るより他になかったのだ。
視界が双眼鏡のように一方面の方向にしか見えていないのであれば仕方がないというべきではないだろうか。
気が付けば悠介は無意識のうちに両足を勢いよく蹴り上げ、そのまま滑らせていくことで逆に女性型のアンドロイドの元へと滑り込もうと目論んだ。悠介が繰り出したのはいわゆるスライディング。
普通の戦闘であれば絶対に用いないであろう苦肉の策ともいえる戦法。しかし悠介が苦し紛れに打ったその一手は戦局を大きく変えていった。
悠介の攻撃で足元を払われたことによって女性型アンドロイドは転倒を塞ぐため、バランスを取らなければならず、その間悠介に対する攻撃が遅れてしまうことになった。
当然悠介はその隙を逃さない。自身のビームソードを用いて女性型アンドロイドが持っていたビームソードをその両手から払い落とす。叩き落とされた勢いに乗って観客席の上をツルツルと滑っていく。気が付けば彼女から数メートルは離れていると思われる席の真下へとビームソードが入り込んでいた。
彼女は悠介を放ってビームソードを取りに向かおうとしたが、悠介は彼女が背中を向けた瞬間にビームソードを思いっきり放り投げていく。槍投げの選手が思いっきり槍を目標へと飛ばすように。
悠介の手を離れたビームソードは空中を勢いよく突き進み、そのままビームソードの回収に向かっていた女性型アンドロイドの背中を突き刺した。真上から狙いを定めたように真っ直ぐと落ちていく姿は見事なものであった。バスケットボールと槍投げは本来であれば別の競技。いくら鍛えているといっても畑違いの分野となればどんな選手であったとしても素人同然。いきなり上手くいくわけがない。
加えて、悠介が放り投げたのは本当の槍ですらない。あくまでも『ゼノン』のパワードスーツに付属していたビームソードなのだ。槍投げの槍のように上手くいくはずがない。それ故に上手くいったことは奇跡煮浸しいい。
悠介はポーカーやブラックジャックでいうところの何万分の一の確率を引き当てて大勝したようなものだった。
悠介も自身の運の良さに自惚れたのか、冷やかすようにヒューっと鼻歌を鳴らす。
作戦が成功を収めたことで上機嫌な悠介はビームソードが突き刺さったままであるにも関わらず、悲鳴の一つも上げずに地面の上を這わせながらビームソードの回収へと向かう女性型アンドロイドを見つめていく。
機械音が定期的に鳴り響くのは上半身の背中を支える機能がビームソードの熱によって破壊されてもなお、プラグラミングされた任務をこなすためか、まだ健全な両手と両足を使って移動しているからであった。
両手と両膝を突いて移動する姿は人間であれば屈辱感とコンクリートの上を這う痛みとで動けそうにないはずだ。少なくとも恥辱を受けたと感じ、全身が火照ってしまうに違いない。全身を熟れたての林檎のようにして真っ赤に染め上げてしまうだろう。
だが、彼女に関しては屈辱も痛みも感じていない。それはアンドロイドであるから。
人間が体を動かすために必要な血の代わりにモーターと電気、真空管である。血と涙という人間が持つべきものを持ち合わせておらず代わりに持っているのが電子頭脳と弾丸などものともしないような強靭な肉体。それがアンドロイドなのだ。
悠介は哲学者になったつもりはない。アンドロイドが何で動こうが、何も持ち合わせていなかろうが、そんなことは悠介にとって大きな問題ではない。
問題はシーレの命を奪おうとしたこと、それだけだ。それ以外の問題など眼中にもない。
心のうちでそんな感情が渦巻いたからもあってか、躊躇う素振りも見せず、女性型アンドロイドの目の前のコンクリートの上を目指してレーザーガンの引き金を引く。同時に彼女の動きが止まるのが見えた。
この時にそのまま惨めなアンドロイドを撃ち抜くことをしなかったのはせめてもの情けというものだろうか。本来であれば怒りの感情に囚われているはずだが、こうした優しさや情けを見せる様が悠介らしいともいえた。
少なくとも冷徹な真似をしてシーレに嫌われるような真似をしたくなかったというのは本音だった。
いずれにしろ、悠介は止めを刺してはいない。レーザーガンを構えたまま地面の上で四つん這いのまま静止している女性型アンドロイドへと向けて警告を促す。
「それ以上、動くなよ! もし、そこから一歩でも動いてみやがれ!! 今度はその頭を撃ち抜いてやるぞ!」
この時の悠介はできる限り怖く言っているつもりだった。この時に悠介が脅しに用いた言葉は大昔の刑事が主人公のアクション映画で主人公の刑事が冒頭で強盗に放ったものと同じもの。
映画と同様に44マグナムとはいかずともレーザーガンという強力な銃を構えていることもあってか、脅しに用いる台詞として最適と考えてわざわざ記憶の底から引っ張り出したのである。適切な場面で格好いい台詞を使えたということもあってか、今の悠介は感無量の気であったといってもいい。
が、そんな悠介の気持ちなど何の意味もないと言わんばかりに女性型アンドロイドはまだ無事な頭を180度回転させてから悠介を無言で見つめる。表情は見えない。
無言のまま悠介を見つめているだけだ。精一杯に張った虚勢を嘲笑しているとも自身を酷い目に遭わせた怒りを内に秘めているようにも思えない。それどころか、興味さえ示していない。本当にただジッとこちらを見つめているだけなのだ。「そこにあなたがいるから」とでも言わんばかりに。
そのことを実感すればするほど背筋が冷えていく。氷を服の隙間から流し込まれたような寒気が悠介を襲う。つま先から全身までガタガタと震えていったのはそういった事情がある。
悠介の中では先ほどまで感じていた素晴らしい気分は心の中から一瞬にして消え去り、恐怖という感情にばかり支配されるようになった。
一度抱いた負の感情を消し去るため、悠介は心の中で賢者になり切っていた。
一般的に解釈するのであれば普通の人間であれば不可能なことを機械の作動音だけでこなすことが出来たのはアンドロイドだからこそできた芸当故のこと。サーカスの団員が空中ブランコを成功させるのと同じくらい当たり前のことなのだ。
彼女の電子コンピュータからすればレーザー光線が発射された方向を確認しただけに過ぎない。が、その動作が酷く不気味に感じられたからこそ悠介は怯えていたのだ。真夜中に幽霊でも目撃したかのように。
悪魔に取り憑かれた姿を見ている心境といえばわかりやすいだろうか。不安に苛まれた悠介の脳裏に映画史の授業で習ったホラー映画のポスターが思い浮かぶ。
悪魔に取り憑かれた少女とそれを退治しようとするバチカンの神父の話で、その悪魔に取り憑かれた少女が今の女性型アンドロイドのように首を回している姿が印象に残っていたこともあってか、よく覚えていた。そして、目の前にいる女性型のアンドロイドが悪魔に取り憑かれている少女と同じように見えていたのだ。
正直に言えば彼女は取り憑かれている。ただし少女異なるのは悪魔ではなく、人間が彼女の電子コンピュータの中へとタイプしたプログラミングという存在に。
怖いが、それでも彼女をこの世から消し去るためには終わらせなければならない。悠介がレーザーガンを構えた時のこと。
「そんな卑怯な悠介、私嫌い!」
と、シーレの声が脳裏に響く。シーレが実際に叫んだわけではない。彼女は今もこの戦いを黙って見つめている。先ほどから何も言わずにこちらを見つめていることがその最たる証拠ではないだろうか。
いや、待て。実際に会えば先ほどと同じことを言うに決まってる。確信はない。それでもシーレなら言うだろう。言うに違いない。悠介は自身に対してそのように言い聞かせていた。
悠介にとってはシーレを傷付けてしまうことだけが心配だった。
だからこそレーザーガンを下ろしたのである。レーザーガンが下された時、彼女は訝しげな表情で悠介を見つめていた。
だが、何も言わなかった。頭の中のコンピュータが反応したのか、そのままこれ幸いとばかりに先ほどと同様の姿勢で落としたビームソードの回収に向かう。ナメクジが這うように人間の女性を模した機械が地面の上を動く姿は得も言えぬ恐ろしさとそして哀れみの両方を感じた。
だが、今更悲哀など感じたところで追撃などできるわけがない。悠介が木偶の坊のように女性型アンドロイドが四つん這いのまま動物のように動いていく姿を見つめていた時のこと。
背後から走ってくる音が聞こえた。慌てて振り返ると、そこには姉、麗俐の姿。
背後を振り返ることはなかったので正確なことは分からない。恐らく騒ぎを聞き付けて元の場所へと来ていたのだろう。
そして、それまでは背後でシーレと共に戦いを見守ってくれていたに違いない。
彼女は駆け寄ってくるのと同時に悠介の前へと飛び出し、レーザーガンを抜く。同時に引き金を引いて目にも止まらぬ速さで先ほどの女性型アンドロイドを撃ち抜いていったのである。
麗俐が狙ったのは頭部。微かに狙いが逸れたこともあってか、放った熱線は女性型アンドロイドの左側面を抉り取った。
そのことによってそれまで人工皮膚によって覆われていた頭部が剥き出しとなり、機械人形という真の姿が露わとなっていった。偽物の小判に塗られた金のメッキが剥がれていくかのように。
ルビーのように赤く光り輝く巨大な円形のレンズや鋼鉄製の頑丈な歯、ワイヤー、真空管などといった部品やそれを覆う金属の骨格などが剥き出しになって見えていた。
不気味な姿のアンドロイドはギュルギュルと不気味な音を立てながらもう一度、悠介たちへと向き直る。
赤い瞳がピポピポと信号音を奏でたかと思うと、突然レンズから熱線を放射した。どうやら熱線放射装置としての役割も兼ね備えていたらしい。勢いよく突き出たレーザーを前に呆然と立ち尽くす悠介。
そんな不甲斐ない弟を見かねたのか、麗俐が真横から飛び掛かり、地面の上へ叩き付けるように伏せさせたことから悠介は熱線による被害を免れた。
宙の上を凄まじい勢いで飛んでいく熱線は悠介たちの側を通り抜け、そのまま背後へと迫っていった。
幸いこの時の被害は柱の表層をドロドロとよく煮込まれたワカサギの甘露煮のように溶かしただけで済んだのだが、一番の危機は熱線が小柳を掠めたことにあるだろう。
咄嗟の判断で頭を下げて熱戦を交わしたからいいようなものの、あと少しズレるようなことがあれば小柳は間違いなく死んでいた。恐らく、その目的は口封じ。
戦闘のどさくさに紛れ、自分たち諸共小柳を始末する算段であったに違いない。
二兎を追うも一兎も得ずという諺が2人の脳裏に浮かぶ。やはり、欲張りというのは損をするものだ。苦笑の声が互いに漏れた。
麗俐は床に伏せたまま感心しつつレーザーガンの銃口をもう一度、女性型アンドロイドへと向けた。同時に躊躇うこともなく引き金を引く。
彼女は慌てて頭を下げようとするも、麗俐はそれを許さない。2度、3度と執拗に引き金を引き、否が応でも当たるように仕向けた。どこまでも冷徹な態度。
あの言いようのない姿を見て動じる姿すら見せずに撃ち抜ける様はただものではない。
悠介はアメリカ軍の兵士たちが最初こそ戦場において発砲をすることに戸惑うものの、徐々に慣れを覚えて射撃ゲームの的を撃つように標的を倒すという話を思い出した。淡々と狙いを定めて撃ち抜く姉の姿はそうした兵士たちの姿と自然と重なっていく。影と影が重なって影絵となり、芝居として機能するかのように。
それは悠介にとって体の中の血が全て萎縮されて凍りてくような瞬間だった。レーザー光線は彼女の頭部の真ん中へと直撃し、その衝撃で彼女は地面から吹き飛ばされ、放り出された上でもう一度地面の上へと叩き付けられて倒されていた。
人間の頭部を模した場所に大穴が開き、無惨に散らばった赤い円形の瞳を模したレンズやねじれたワイヤー、割れた真空管が飛び出し、煙さえ上っていた。ゴミを燃やす時に生じるような煤塵を噴出する汚い灰色の煙が。
声は聞こえてこない。録音されたテープでもあれば何か決まったことを喋ったのだろうが、彼女は何も言葉を発さなかった。
あとに残っているのは彼女の抜け殻だけ。キラキラと光る金属の構造物と成り果ててしまった。
その姿に悠介は同情を禁じ得ない。危なかったことは事実だが、それでも哀れに思えたことも事実。彼女の未来を奪った姉が急に憎らしく思えてきた。だからだろう。意図せず、
「ちくしょう」
と、悪態を口に出す。そのことを咎めるかのように。
反対に、麗俐はその姿を見て何も言わなかった。ただ、じっと握っていたレーザーガンを見つめていた。後ろめたさを感じているかのように。
姉の判断で助けられたことは事実。本来であれば出てくる言葉はお礼の言葉だろう。
だが、口から出てきたのはお礼とは正反対の言葉。
「……よく、撃てたな。あの人、だいぶ、体にガタがきてたぞ」
「仕方がないじゃん。あそこで撃たないと悠介は死んでたんだよ」
「でも、見ていて可哀想だったよ。何か、彼女を活かしてあげる方法はあったんじゃないのか?」
違う。こんなことを言いたいんじゃない。悠介は強く首を横に振ろうとした。だが、出てくるのは今の自分が発せなければならない言葉とは真逆の言葉ばかり。
「おれもうお姉ちゃんが分からないよ! 第一、お姉ちゃんはアンドロイドと人類が共存できるような世界を夢見てるんじゃないの!? アンドロイドの役に立ちたいんじゃないの!?」
「そうだよ」
麗俐は非難の言葉を口にする悠介を前にして躊躇うことなく言い放つ。予想外の態度に漠然と立ち尽くす悠介を前にして麗俐は話を続けていく。
「けど、弟の命が天秤にかけられてしまった。だから、あたしは重く傾いた天秤の方に重きを置いた。それだけの話なんだ」
麗俐はそういうとレーザーガンをガンベルトの中へと戻す。西部劇でガンマンが一仕事を終えた後のような手付きで。
この時に得意げな手付きでグルグルと回さなかったのは贖罪の意識が多少なりともあるからだろうか。
悠介には理解できなかった。姉のことも、それからアンドロイドと人類とがこの先にどう向かっていくのかということも。そして、風見鶏のように心境がコロコロと変わっていく自分自身のことも。
いかなる時も最新の注意を払いつつ動き、相手の注意を引きつつ、機会を伺って反撃を行えばいいと考えていた。
が、疲労のせいだろうか、やけに体が重い。手と足を動かそうとしてもまるで、鉛でも足に括り付けられているかのように。
無理もない。悠介は今日1日だけでハードなバスケの試合を行い、優勝へと導かせたのに加えてシーレを助けるために連戦を続けていたのだから。
下手をすれば倒れていてもおかしくはない。不安が頭をよぎる。
その時だ。悠介の片足に激痛が走る。体がジィィンと痺れていく。まるで、全身が稲妻にでも打たれたかのように。
悠介が痺れを感じ、フェイスヘルメットの下で両眉を顰めていた時のこと。
女性型アンドロイドが悠介の懐の中へと潜り込む。そして躊躇うことなくビームソードの刃を突き立てようとしていた。
悠介は慌てて空いていた方の手で拳を突き立てたものの、効果は感じられない。当然である。相手はパワードスーツこそ纏っていないものの、強化されたアンドロイド。
悠介の拳など石礫を投げられた程度のものとしか考えていないのではないだろうか。
悠介の前に迫り来るのはビームソードの先端。熱を帯びた赤色の刃。
彼女のことだ。人間のように刃を迷わせることもなく、一気に突き立ててしまうに違いない。そんなことになれば悠介の人生は終了。まだ始まったばかりであるにも関わらず、幕を下ろしてしまう羽目になる。
悠介の中に芽生えてくるのは焦燥感、苛立ち、恐怖といった様々な感情。頭の中をう交錯して巡り回っていくのに対して悠介の脳は感情を冷静さや理論といった人間が持つべき理屈で処理ができずにいた。
焦りは失敗に繋がる。スポーツでもテストでもそう習ってきたが、いざ命の危機に直面すれば話は別。頭の中が一色に染め上げられてしまう。
それは『この場をやり切るには暴れ回るしかない』というただ一つの結論であった。
もう少し頭が良ければ何かしらの妙案が思い付いて上手く立ち回ってみせただろう。舞台の上で大勢の客に囲まれているのにも関わらず、そんな緊張などものともせず奇跡を起こす魔術師のように。
或いはもう少し冷静に考えることができたのであれば今の状況を家族や仲間が放っておくはずがないと考えたはずだ。そんなうっすらとした淡い期待に身を任せていたかもしれない。
だが、悠介の中では、もう『暴れ回る』という解決案に縋るより他になかったのだ。
視界が双眼鏡のように一方面の方向にしか見えていないのであれば仕方がないというべきではないだろうか。
気が付けば悠介は無意識のうちに両足を勢いよく蹴り上げ、そのまま滑らせていくことで逆に女性型のアンドロイドの元へと滑り込もうと目論んだ。悠介が繰り出したのはいわゆるスライディング。
普通の戦闘であれば絶対に用いないであろう苦肉の策ともいえる戦法。しかし悠介が苦し紛れに打ったその一手は戦局を大きく変えていった。
悠介の攻撃で足元を払われたことによって女性型アンドロイドは転倒を塞ぐため、バランスを取らなければならず、その間悠介に対する攻撃が遅れてしまうことになった。
当然悠介はその隙を逃さない。自身のビームソードを用いて女性型アンドロイドが持っていたビームソードをその両手から払い落とす。叩き落とされた勢いに乗って観客席の上をツルツルと滑っていく。気が付けば彼女から数メートルは離れていると思われる席の真下へとビームソードが入り込んでいた。
彼女は悠介を放ってビームソードを取りに向かおうとしたが、悠介は彼女が背中を向けた瞬間にビームソードを思いっきり放り投げていく。槍投げの選手が思いっきり槍を目標へと飛ばすように。
悠介の手を離れたビームソードは空中を勢いよく突き進み、そのままビームソードの回収に向かっていた女性型アンドロイドの背中を突き刺した。真上から狙いを定めたように真っ直ぐと落ちていく姿は見事なものであった。バスケットボールと槍投げは本来であれば別の競技。いくら鍛えているといっても畑違いの分野となればどんな選手であったとしても素人同然。いきなり上手くいくわけがない。
加えて、悠介が放り投げたのは本当の槍ですらない。あくまでも『ゼノン』のパワードスーツに付属していたビームソードなのだ。槍投げの槍のように上手くいくはずがない。それ故に上手くいったことは奇跡煮浸しいい。
悠介はポーカーやブラックジャックでいうところの何万分の一の確率を引き当てて大勝したようなものだった。
悠介も自身の運の良さに自惚れたのか、冷やかすようにヒューっと鼻歌を鳴らす。
作戦が成功を収めたことで上機嫌な悠介はビームソードが突き刺さったままであるにも関わらず、悲鳴の一つも上げずに地面の上を這わせながらビームソードの回収へと向かう女性型アンドロイドを見つめていく。
機械音が定期的に鳴り響くのは上半身の背中を支える機能がビームソードの熱によって破壊されてもなお、プラグラミングされた任務をこなすためか、まだ健全な両手と両足を使って移動しているからであった。
両手と両膝を突いて移動する姿は人間であれば屈辱感とコンクリートの上を這う痛みとで動けそうにないはずだ。少なくとも恥辱を受けたと感じ、全身が火照ってしまうに違いない。全身を熟れたての林檎のようにして真っ赤に染め上げてしまうだろう。
だが、彼女に関しては屈辱も痛みも感じていない。それはアンドロイドであるから。
人間が体を動かすために必要な血の代わりにモーターと電気、真空管である。血と涙という人間が持つべきものを持ち合わせておらず代わりに持っているのが電子頭脳と弾丸などものともしないような強靭な肉体。それがアンドロイドなのだ。
悠介は哲学者になったつもりはない。アンドロイドが何で動こうが、何も持ち合わせていなかろうが、そんなことは悠介にとって大きな問題ではない。
問題はシーレの命を奪おうとしたこと、それだけだ。それ以外の問題など眼中にもない。
心のうちでそんな感情が渦巻いたからもあってか、躊躇う素振りも見せず、女性型アンドロイドの目の前のコンクリートの上を目指してレーザーガンの引き金を引く。同時に彼女の動きが止まるのが見えた。
この時にそのまま惨めなアンドロイドを撃ち抜くことをしなかったのはせめてもの情けというものだろうか。本来であれば怒りの感情に囚われているはずだが、こうした優しさや情けを見せる様が悠介らしいともいえた。
少なくとも冷徹な真似をしてシーレに嫌われるような真似をしたくなかったというのは本音だった。
いずれにしろ、悠介は止めを刺してはいない。レーザーガンを構えたまま地面の上で四つん這いのまま静止している女性型アンドロイドへと向けて警告を促す。
「それ以上、動くなよ! もし、そこから一歩でも動いてみやがれ!! 今度はその頭を撃ち抜いてやるぞ!」
この時の悠介はできる限り怖く言っているつもりだった。この時に悠介が脅しに用いた言葉は大昔の刑事が主人公のアクション映画で主人公の刑事が冒頭で強盗に放ったものと同じもの。
映画と同様に44マグナムとはいかずともレーザーガンという強力な銃を構えていることもあってか、脅しに用いる台詞として最適と考えてわざわざ記憶の底から引っ張り出したのである。適切な場面で格好いい台詞を使えたということもあってか、今の悠介は感無量の気であったといってもいい。
が、そんな悠介の気持ちなど何の意味もないと言わんばかりに女性型アンドロイドはまだ無事な頭を180度回転させてから悠介を無言で見つめる。表情は見えない。
無言のまま悠介を見つめているだけだ。精一杯に張った虚勢を嘲笑しているとも自身を酷い目に遭わせた怒りを内に秘めているようにも思えない。それどころか、興味さえ示していない。本当にただジッとこちらを見つめているだけなのだ。「そこにあなたがいるから」とでも言わんばかりに。
そのことを実感すればするほど背筋が冷えていく。氷を服の隙間から流し込まれたような寒気が悠介を襲う。つま先から全身までガタガタと震えていったのはそういった事情がある。
悠介の中では先ほどまで感じていた素晴らしい気分は心の中から一瞬にして消え去り、恐怖という感情にばかり支配されるようになった。
一度抱いた負の感情を消し去るため、悠介は心の中で賢者になり切っていた。
一般的に解釈するのであれば普通の人間であれば不可能なことを機械の作動音だけでこなすことが出来たのはアンドロイドだからこそできた芸当故のこと。サーカスの団員が空中ブランコを成功させるのと同じくらい当たり前のことなのだ。
彼女の電子コンピュータからすればレーザー光線が発射された方向を確認しただけに過ぎない。が、その動作が酷く不気味に感じられたからこそ悠介は怯えていたのだ。真夜中に幽霊でも目撃したかのように。
悪魔に取り憑かれた姿を見ている心境といえばわかりやすいだろうか。不安に苛まれた悠介の脳裏に映画史の授業で習ったホラー映画のポスターが思い浮かぶ。
悪魔に取り憑かれた少女とそれを退治しようとするバチカンの神父の話で、その悪魔に取り憑かれた少女が今の女性型アンドロイドのように首を回している姿が印象に残っていたこともあってか、よく覚えていた。そして、目の前にいる女性型のアンドロイドが悪魔に取り憑かれている少女と同じように見えていたのだ。
正直に言えば彼女は取り憑かれている。ただし少女異なるのは悪魔ではなく、人間が彼女の電子コンピュータの中へとタイプしたプログラミングという存在に。
怖いが、それでも彼女をこの世から消し去るためには終わらせなければならない。悠介がレーザーガンを構えた時のこと。
「そんな卑怯な悠介、私嫌い!」
と、シーレの声が脳裏に響く。シーレが実際に叫んだわけではない。彼女は今もこの戦いを黙って見つめている。先ほどから何も言わずにこちらを見つめていることがその最たる証拠ではないだろうか。
いや、待て。実際に会えば先ほどと同じことを言うに決まってる。確信はない。それでもシーレなら言うだろう。言うに違いない。悠介は自身に対してそのように言い聞かせていた。
悠介にとってはシーレを傷付けてしまうことだけが心配だった。
だからこそレーザーガンを下ろしたのである。レーザーガンが下された時、彼女は訝しげな表情で悠介を見つめていた。
だが、何も言わなかった。頭の中のコンピュータが反応したのか、そのままこれ幸いとばかりに先ほどと同様の姿勢で落としたビームソードの回収に向かう。ナメクジが這うように人間の女性を模した機械が地面の上を動く姿は得も言えぬ恐ろしさとそして哀れみの両方を感じた。
だが、今更悲哀など感じたところで追撃などできるわけがない。悠介が木偶の坊のように女性型アンドロイドが四つん這いのまま動物のように動いていく姿を見つめていた時のこと。
背後から走ってくる音が聞こえた。慌てて振り返ると、そこには姉、麗俐の姿。
背後を振り返ることはなかったので正確なことは分からない。恐らく騒ぎを聞き付けて元の場所へと来ていたのだろう。
そして、それまでは背後でシーレと共に戦いを見守ってくれていたに違いない。
彼女は駆け寄ってくるのと同時に悠介の前へと飛び出し、レーザーガンを抜く。同時に引き金を引いて目にも止まらぬ速さで先ほどの女性型アンドロイドを撃ち抜いていったのである。
麗俐が狙ったのは頭部。微かに狙いが逸れたこともあってか、放った熱線は女性型アンドロイドの左側面を抉り取った。
そのことによってそれまで人工皮膚によって覆われていた頭部が剥き出しとなり、機械人形という真の姿が露わとなっていった。偽物の小判に塗られた金のメッキが剥がれていくかのように。
ルビーのように赤く光り輝く巨大な円形のレンズや鋼鉄製の頑丈な歯、ワイヤー、真空管などといった部品やそれを覆う金属の骨格などが剥き出しになって見えていた。
不気味な姿のアンドロイドはギュルギュルと不気味な音を立てながらもう一度、悠介たちへと向き直る。
赤い瞳がピポピポと信号音を奏でたかと思うと、突然レンズから熱線を放射した。どうやら熱線放射装置としての役割も兼ね備えていたらしい。勢いよく突き出たレーザーを前に呆然と立ち尽くす悠介。
そんな不甲斐ない弟を見かねたのか、麗俐が真横から飛び掛かり、地面の上へ叩き付けるように伏せさせたことから悠介は熱線による被害を免れた。
宙の上を凄まじい勢いで飛んでいく熱線は悠介たちの側を通り抜け、そのまま背後へと迫っていった。
幸いこの時の被害は柱の表層をドロドロとよく煮込まれたワカサギの甘露煮のように溶かしただけで済んだのだが、一番の危機は熱線が小柳を掠めたことにあるだろう。
咄嗟の判断で頭を下げて熱戦を交わしたからいいようなものの、あと少しズレるようなことがあれば小柳は間違いなく死んでいた。恐らく、その目的は口封じ。
戦闘のどさくさに紛れ、自分たち諸共小柳を始末する算段であったに違いない。
二兎を追うも一兎も得ずという諺が2人の脳裏に浮かぶ。やはり、欲張りというのは損をするものだ。苦笑の声が互いに漏れた。
麗俐は床に伏せたまま感心しつつレーザーガンの銃口をもう一度、女性型アンドロイドへと向けた。同時に躊躇うこともなく引き金を引く。
彼女は慌てて頭を下げようとするも、麗俐はそれを許さない。2度、3度と執拗に引き金を引き、否が応でも当たるように仕向けた。どこまでも冷徹な態度。
あの言いようのない姿を見て動じる姿すら見せずに撃ち抜ける様はただものではない。
悠介はアメリカ軍の兵士たちが最初こそ戦場において発砲をすることに戸惑うものの、徐々に慣れを覚えて射撃ゲームの的を撃つように標的を倒すという話を思い出した。淡々と狙いを定めて撃ち抜く姉の姿はそうした兵士たちの姿と自然と重なっていく。影と影が重なって影絵となり、芝居として機能するかのように。
それは悠介にとって体の中の血が全て萎縮されて凍りてくような瞬間だった。レーザー光線は彼女の頭部の真ん中へと直撃し、その衝撃で彼女は地面から吹き飛ばされ、放り出された上でもう一度地面の上へと叩き付けられて倒されていた。
人間の頭部を模した場所に大穴が開き、無惨に散らばった赤い円形の瞳を模したレンズやねじれたワイヤー、割れた真空管が飛び出し、煙さえ上っていた。ゴミを燃やす時に生じるような煤塵を噴出する汚い灰色の煙が。
声は聞こえてこない。録音されたテープでもあれば何か決まったことを喋ったのだろうが、彼女は何も言葉を発さなかった。
あとに残っているのは彼女の抜け殻だけ。キラキラと光る金属の構造物と成り果ててしまった。
その姿に悠介は同情を禁じ得ない。危なかったことは事実だが、それでも哀れに思えたことも事実。彼女の未来を奪った姉が急に憎らしく思えてきた。だからだろう。意図せず、
「ちくしょう」
と、悪態を口に出す。そのことを咎めるかのように。
反対に、麗俐はその姿を見て何も言わなかった。ただ、じっと握っていたレーザーガンを見つめていた。後ろめたさを感じているかのように。
姉の判断で助けられたことは事実。本来であれば出てくる言葉はお礼の言葉だろう。
だが、口から出てきたのはお礼とは正反対の言葉。
「……よく、撃てたな。あの人、だいぶ、体にガタがきてたぞ」
「仕方がないじゃん。あそこで撃たないと悠介は死んでたんだよ」
「でも、見ていて可哀想だったよ。何か、彼女を活かしてあげる方法はあったんじゃないのか?」
違う。こんなことを言いたいんじゃない。悠介は強く首を横に振ろうとした。だが、出てくるのは今の自分が発せなければならない言葉とは真逆の言葉ばかり。
「おれもうお姉ちゃんが分からないよ! 第一、お姉ちゃんはアンドロイドと人類が共存できるような世界を夢見てるんじゃないの!? アンドロイドの役に立ちたいんじゃないの!?」
「そうだよ」
麗俐は非難の言葉を口にする悠介を前にして躊躇うことなく言い放つ。予想外の態度に漠然と立ち尽くす悠介を前にして麗俐は話を続けていく。
「けど、弟の命が天秤にかけられてしまった。だから、あたしは重く傾いた天秤の方に重きを置いた。それだけの話なんだ」
麗俐はそういうとレーザーガンをガンベルトの中へと戻す。西部劇でガンマンが一仕事を終えた後のような手付きで。
この時に得意げな手付きでグルグルと回さなかったのは贖罪の意識が多少なりともあるからだろうか。
悠介には理解できなかった。姉のことも、それからアンドロイドと人類とがこの先にどう向かっていくのかということも。そして、風見鶏のように心境がコロコロと変わっていく自分自身のことも。
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