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第四章『王女2人』
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『……支社長、これは由々しき事態ではないか?』
電話の向こうから聞こえる声は重い。明らかにこちらを糾弾している声だ。同時に失望の色も混じっている。
無理もない。自身があの襲撃で負った失敗というのは思っていたよりも大きかったのだ。『エインガナ』社が日本へと派遣した戦力の殆どを壊滅させられ、残る戦力というものが港にあるコンテナと自身のみという状況になっていることが重役たちを失望さらしめている要因ではないだろうか。
ここにまだアンドロイドが残っていれば事態も前に進んだのだろうが、彼はあくまでも人間。アンドロイドが搭載しているような武器は用いていない。
が、パワードスーツを用いてアンドロイドと同等の力を用いることはできる。
青い髪を背中にまで垂らした支社長は机の上に置かれている『ロトワング』のカプセルを見遣る。メトロポリス社より購入した強力なパワードスーツを身に纏えることができる『ロトワング』のカプセル。
極秘に入手したこのカプセルを用いればアンドロイドに負けるとも劣らない凄まじい力を手に入れることができるというのはあまりにも大きい。
仮に妨害してくる者が居たとしても瞬きをする間もなく、その命を散らすことができるだろう。道端にあるゴミを蹴っ飛ばして進んでいくかのように。
若き支社長はそう信じてやまなかった。
話によれば会社が秘密の伝手で手に入れた『ロトワング』のモチーフとなっている生き物はクロコダイルであるとのこと。
ワニの巨大な口をモデルにしたフェイスヘルメットは相手の喉元に齧り付いてその喉を掻き切るほど強力な刃であるらしい。
巨大な鱗をモデルにした甲殻類のようなプロテクターを身に纏っているという話も聞く。全て白色であるらしいが、彼からすれば色などどうでもいいこと。問題は強力なクロコダイルの力を身に付けられることにある。
彼は手元に置いてあった『ロトワング』のカプセルを強く握り締めていく。力を込めて握ったせいか、ロトワングのカプセルをもう一度見た時には自身の手汗が付いていた。掌の跡がこびり付いたように。
「ご心配には及びません。この私の手で必ず両王女も円盤も手に入れてみせます」
彼は電話口の向こうで不適な笑みを浮かべながら答えた。口元を歪めて笑う異様な姿は悪魔の顔そのものといっていい。
にも関わらず、彼がそれを悔やんだことはない。『悪魔』と呼ばれることに対して抵抗がない。キリスト教が強い欧米圏の出身であるにも関わらずそのことを誇りにさえ思っていた。
青い髪の支社長は通信を切った後にウィンドウを開いてキーボードを目の前で開く。
デジタル式のタッチパネルであることから場所を取ることもない。指を宙の上で動かすだけでホームページが開かれていった。
22世紀の人間であれば水や空気のように生きている時からあって当たり前のものであるが、過去の人間から見れば映画や小説でしか知ることができないものであったはずだ。
この便利なシステムを知らない過去の人間に対してどこか憐れみのようなものを抱きつつ青い髪の支社長は自らの立てた計画書を開いていく。そこに記されているのはあの襲撃事件の失敗から自身が立てた入念な計画とそのタイムスケジュール。
事細かに手順が記されており、万に一つも計画が狂うことはない。万一狂うことがあればそれはな即ち人間の過ちということのみにならないだろうか。
が、人間の失敗ということもあり得ない。青い髪の支社長からすれば何度も目を通した計画書。失敗などするはずがない。
が、それでも穴があってはならない。最後の確認だとばかりに何度も読み込んでから、完全に頭の中へと叩き込む。
彼は完全に計画を読み込んだ。もし、第三者に計画を尋ねられるようなことがあればスラスラと詠唱できるほどに。
それからコンテナの中で用意を整えた後にスーツのまま倉庫群から抜け出してから宇宙船の発射空港へと向かう。それもコソコソと動かず、堂々とタクシーを用いて。
不審な行動をすることもなく、丁寧に電子マネーからタクシーの代金を支払い、空港の前へと降り立つ。時刻は夜の21時。そこまで遅くない時間ということもあってか、人々の動きも激しい時間帯である。
空港の出入り口からは多くの車や人々が行き交っている姿が見えた。
普段であればそこまで人々は押し寄せないであろうが、翌日は地球に初めて訪れた異星からの王女たちが旅立つという大々的なセレモニーが行われることになっているとのこと。
国賓保護の目的のためか、警備員はおろか警察の大々的な警備が目立っていた。それでも発着場の前に盾を構えた機動隊の姿が揃っているのが見えた際には驚きを隠しきれない。予想していたこととはいえ余りにも厳重であり過ぎた。これでは戒厳令を行使している20世紀の軍事国家となんら変わらないではないか。
入念な計画を立てているとはいえ、やはり目的を達成することは並大抵のことではない。と、一瞬の不安が襲ってきたのを代わりきりに次々と心配事が浮かんでは消えて行く。洪水のように頭の中に溢れる不安を前にして青い髪の支社長は思わず自らの生唾を飲み込む。
が、すぐに忘れてしまったかのようにそのまま元に戻っていく。パニックに陥ったとしても即座に方向転換できるのは頭が柔和な証拠ではないだろうか。
青い髪の支社長は待合室と呼ばれる長椅子が設置されたロビーにて待つことを決めた。人を待っているかのように堂々と長椅子の上に腰を掛けて足を組む。
その上で電子新聞までも購入して開いている様に誰も疑いの目を向ける者はいなかった。ハンサムな長く青い髪のビジネスマンに思わず足を止めた女性さえいた。
こうして堂々とした振る舞っているからこそ、誰も怪しむ者はいない。人間の心理を突いた行動であったといってもいいだろう。
厳重な監視の目こそあれども人々は今日も何事もなく地球に戻るため或いは他の星へと向かう準備を進めている。まさか、自分たちの中に日本の将来を脅かしかねない男が堂々と新聞を読んで忍び込んでいるとも知らずに。
こうして人々にとって何事もなく1日は過ぎていったのである。
*
大津修也とその子どもたちは最後の研修を終えてその日は自宅へと戻ってきた。東京の中心部から郊外の町田市。いかに離れているのかということは修也も子どもたちもよく分かっていた。
背中を落としながら3人は殆ど同時に翌日のことを頭の中へと浮かべて行く。翌日はいよいよ次の交易の日、それに加えて護衛官である自分たちには国賓として日本を訪れた異星の王女たちを送り届けるという使命まで付与されている。
本来であればこういった仕事は公安や自衛隊の仕事であるはずだ。自衛隊の宇宙装備のことはテレビやインターネット等でも堂々と報じられている。
超電磁砲でも搭載した宇宙空母でも護衛に付ければいいのだろうが、生憎なことにそうはいかないらしい。
フレッドセンによれば、
「宇宙空母などで他の星を訪れることになればその星の人たちを威圧しかねません」
と、いうことだそうだ。
確かにフレッドセンの説明に納得はいく。巨大な武装船が天の上からいきなり現れるようなことがあれば修也たちだって不快感を示すに違いない。人間にとって自分たちの生活圏を脅かされるほど不快なことはないからだ。
人類の手が通っていない他の星であれば明確な国際法違反なる。それに人類が地球に代わる故郷として様々な場所に所有している植民惑星であっても不快感を示すことに変わりはない。
下手をすれば地球の尊大な態度に反発を感じた植民惑星の総督が宇宙艦隊を率いて地球に報復を行うかもしれない。
それを避けるため自衛隊の宇宙空母を出すことはできないそうだ。
が、自衛隊に関してはそれでいいのだが、問題は公安。彼らに関しては国内外の敵組織への対処が忙しくて、とても長期間に渡って貸し出せる人材が不足しているためである、とのこと。
一般の警察官を大量に動員するわけにもいかない。そこでメトロポリス社から護衛官を駆り出すことになったそうだ。
そういった意味では王女たちの顔見知りかつ既に護衛官としての経験を積んでいる修也たちこそが最適な存在であったといっていいだろう。
お陰でまた江田山をはじめとした講師陣から会社の中でしごかれることになったが、それに関して苦痛を感じることはなかった。
むしろ、両王女を守るにはまだまだ力不足であると生え考えていた節さえあったといっていい。
格闘技や射撃の練習に加えて3人が受けたのは宇宙に関する講習。今度向かう予定となるカメーネやオクタヴィルの予習の他に新たに加えられた交易の星についての学習。予習等は済ませておいて損はない。
しかし量が量。悠介も麗俐も学校を休むことになったが、2人ともそれに関しての不満は見られない。
むしろ、これだけの学習で足りるのかと危惧している様子すら見せていた。王女たちとの友好が2人の護衛官としての意識を高めていることに違いない。
何はともあれ全員にとって鬼のような研修が終わったのも事実。夕飯は豪華なものとなっているに違いない。
修也が扉を開くと、「お帰りなさい」と出迎えることが聞こえてきた。3人の鼻腔をすだちの香りが刺激していく。さっぱりとした不快感を感じない心地良さというところだろうか。
すだちを用意していることから唐揚げであるに違いない。すだちをふんだんに用いるのは大津家の場合では唐揚げの時が多い。
それに加えて明日は出発の時刻。用意されていてもおかしくはない。
顔を見合わせた後に全員で揃えて靴を脱ぐ。こうして靴を揃えていくこともしばらくはない。ほんの十数時間の後には遠い宇宙へと旅立つことになってしまうのだから。
修也が感慨深い目で玄関に揃えられた革靴と二足のローファーを眺めていた時のこと。
「あっ、まだ唐揚げはダメ! ちゃんと手を洗って、それで着替えてからだよ!」
と、ひろみの声が飛ぶ。どうやら2人はそのまま夕食に手を伸ばそうとしていたらしい。昔外遊びから帰ってきた際に怒られた時のままではないか。
修也は玄関先で密かに笑い声を漏らす。子どもたちがそれを聞いていたら顔を赤くして抗議の言葉を口にしたに違いないが、玄関と台所とは場所が離れている。聞こえる心配はない。
それでも和かになっていく表情筋を抑え切れず、手を洗っていたこともあってか、鏡の前にいる修也は心の底から笑顔を浮かべていた。遊園地に連れて行かれた子どもがアトラクションに乗ってはしゃいでいる時のように。
手を洗い、顔を洗った後でそのまま階段を登って自室へと引っ込む。無論、夕食の時間はそのすぐ後。本などを読むわけにはいかない。次から宇宙へと旅立つこともあってか、修也は名残惜しげに部屋の中に置かれた本棚を眺めていく。
ハードカバーも文庫本も今日を逃せばしばらくは読めないが、それも仕方がないこと。
少し時間をかけて本棚を眺めた後に修也は溜息を吐き出す。それから意を決してと言わんばかりに簡素なスウェットへと着替えて一階にある台所へと向かう。台所では既に子どもたちもひろみも待ちかねていたらしい。少し険しい表情で修也を睨む。
家族から矢のような鋭い視線で射抜かれたこともあってか、修也は少し身じろぎしてしまった。その後で大人しく頭を下げて自らの非を認めたのでこの件はそれで終わりとなった。本棚の前で悩んでいた時間というのは自分が想像していたよりも長かったらしい。今度からは気を付けなければなるまい。
修也は自らの戒めとしながら食卓へと着く。用意されたのは茶碗一杯の白米と豆腐とアオサの味噌汁。そして5個ほどの唐揚げとキャベツが盛られた大皿、そして茄子とピーマンの焼き浸し、えびとほうれん草のオイスター炒め。予想していた唐揚げの他にもご馳走が勢揃いしている。数時間後には宇宙船で空の彼方へと旅立つことが明らかになっていたからか、ひろみが張り切って作ってくれたのだろう。
ご馳走が勢揃いしていたこともあってか、箸を置いたまま生唾味を飲み込む修也であったが、その態度が彼女の自尊心を燻らせたのか、嬉しそうな声で、
「デザートにはアップルパイも用意してるからね」
と、付け足した。修也からすればひろみの一言は嬉しい誤算。これ程の豪華なメニューであるにも関わらず、デザートまでも用意されているとは思いもしなかった。
どの料理も絶品だった。茄子とピーマンの焼き浸しは焼いていることもあってか、焦げが付いていて美味い。サクッとした食感の後に野菜の旨みが口いっぱいに広がっていく仕様になっている。
えびとほうれん草のオイスター炒めも美味しかった。エビのプルっとした食感をほうれん草が包み込む。エビの濃さを優しく包み込むのと同時にほうれん草の持つ苦味も消し去っている。絶妙なボケと突っ込みを持つお笑い芸人の漫才だといえば分かりやすいだろうか。
だが、こういった副菜はあくまでも副菜。主菜の料理には敵わない。修也は待っていましたとばかりに唐揚げへと手を伸ばす。
茶色の衣に包まれた唐揚げを口いっぱいに放り込む。歯で噛んだ瞬間にサクッとした衣の感覚と共に唐揚げの持つ肉汁が口の中いっぱいに飛ぶ。
にんにくの油で下拵えが行われていることもあってか、肉汁とにんにくの旨みが同時に広がっていく。
濃く美味い。ご飯に手が伸びていくのも仕方がないというべきではないだろうか。
修也は堪らなくなってご飯をかき込む。あまりにも慌ててかき込んだこともあってか、詰まってしまったのだろう。ゴホゴホと咳を鳴らしてしまう。
必死に頭を下げてから慌てて味噌汁で流し込む。フゥと小さく溜息を吐いてからお詫びがてらに味噌汁を啜る。
アオサのねっとりとした質感が舌の上に残る。が、不快という意味ではない。ねっとりとした食感であるにも関わらず、ネガティブな感情は全くといっていいほど出てこない。
その後で味噌汁と共に飲み込んだ小さな豆腐を齧る。味噌汁の中に入っている豆腐であり、多少は味噌の味というもの付いているが、所詮は豆腐。味などない。
が、この味のなさが刺激の強い料理を続け様に味わった修也には最適だった。漬け物を食べた時とは異なるが、豆腐が舌の上にこびり付いていた濃いものを吸収していったというべきだろうか。スポンジが水を吸い込むかのように。
一種の中和剤ともいうべき味噌汁を啜った後で修也はもう一度食事に戻る。
すると、先ほどは食事に夢中で気が付かなかったが、麗俐と悠介とが唐揚げで揉めていることに気が付く。
「だーめ! この唐揚げはあたしのだから!」
「いいじゃん! 少しくらいくれよ!!」
古代から繰り広げられてきたであろう不毛な争いに思わず忍び笑いを漏らしてしまう。
といっても、いつまでも互いの箸で唐揚げを引っ張り合うような光景は見ていたくはない。ここは仲裁するべきではないだろうか。
修也は妥協策とばかりに自身の皿を2人に差し出す。予想外の和平案を前にして2人もすっかりと目を丸くしていた。
「えっ、本当にくれるの?」
と、麗俐が驚いた様子で尋ねる。修也は黙って首を縦に動かす。
その直後に2人は顔を輝かせながらほぼ同時に箸を修也の皿へと伸ばしていった。
お陰で残る唐揚げの数は2つになってしまったが、構うことはない。むしろ、子どもにご馳走できて誇らしい気持ちだ(作ってくれたのはあくまでもひろみであるが)。
自身の正面に座るひろみは茶碗を左手に抱えたまま心配そうな表情で修也を見つめていたが、構うことはない。
それでいて残る2個も子どもたちに取られてしまう。ついでだとでも言わんばかりに。
が、これに関しても怒るよりかは先に微笑ましい気持ちの方が出てきてしまう。
白米を味噌汁で平らげた後にアップルパイが出てきた。つやつやと光るパイ生地から香ばしいバターの香りが鼻腔へと届いていく。ひろみ曰くデパートで売っている特上品であるとのこと。
普段であれば食後に出てくるのは日本茶であるのだが、今夜ばかりはアップルパイに合わせて紅茶だった。
紅茶の苦い味が却ってアップルパイの甘さを引き立てていた。自家製のねっとりした甘さのクリームとほろっととろけるりんごのコンビネーションは何者にも変え難いものがある。そこにほの苦い紅茶は反則ではないだろうか。
既にくたびれた中年の男性であるので大きく突き出てしまいかねないお腹のことを思えば控えるべきであるが、このアップルパイにはつい手が伸びてしまう。
アップルパイを平らげた後に全員でテレビを観ることになった。テレビに映るのは大昔の時代を舞台に繰り広げられる叙事詩。
日本の英雄が古代の日本を舞台に恐ろしい悪霊や豪族たちと戦う作品だ。
悠介も麗俐も普段であれば尖って見ないところを今日ばかりは夢中になって視聴している様を見るに、やはり2人ともまだまだ子どもだ。
修也は気が付かないうちに表情を綻ばせていた。温かな視線と微笑みを子どもたちへと向けていた時のこと。
「ねぇ、あなたいい?」
と、ひろみが声を掛けてきた。
「どうしたんだ?」
「いいえ、なぁに、実は……あたし、心配で……」
「心配って?」
いつになく不穏な表現を用いて喋るひろみを前にして修也の表情が険しくなっていく。それに構うことなくひろみは話を続けていった。
「何って、今回の交易……何か妙な予感がするんだ。もしかしたら帰らないんじゃないのかって……」
ひろみの不安そうな視線を前に修也も納得したとばかりに小さく首を縦に動かす。護衛官という仕事の都合上、宇宙で何かがあった場合は必ず応対しなくてはならない。
下手をすれば命を守る落とす結果になるかもしれない。だが、それは高級や好条件と引き換えに行われていること。
言うなれば殺し屋が相手を命懸けで殺すのと引き換えに大金を得るのと同じことだ。
何一つ危険を冒さずに大金をもらえるような世の中にはなっていないのだ。
そのことを伝えようかと迷ったが、ひろみの真剣な表情を前にして何も言えなくなった。代わりに椅子の上を立ち上がって彼女を強く抱き締めていく。
少し戸惑いを見せる彼女の耳元で修也は優しい声で囁いていった。
「安心してくれ、必ず帰ってくる」
その一言は何よりも強い言葉だった。ひろみにとっては毘沙門天のお守りを貰うよりも僧侶たちからの祈願を受けるよりもずっと心を強くさせられた。
あとがき
本日よりしばらくここの連載を休止致します。プライベートでの多忙や女騎士の方でやりたい話があるということから当分の間休載させていただくことをお許しください。
ですが、必ず夏までには帰って参ります。それまでの間、応援して待っていただければ幸いです。
電話の向こうから聞こえる声は重い。明らかにこちらを糾弾している声だ。同時に失望の色も混じっている。
無理もない。自身があの襲撃で負った失敗というのは思っていたよりも大きかったのだ。『エインガナ』社が日本へと派遣した戦力の殆どを壊滅させられ、残る戦力というものが港にあるコンテナと自身のみという状況になっていることが重役たちを失望さらしめている要因ではないだろうか。
ここにまだアンドロイドが残っていれば事態も前に進んだのだろうが、彼はあくまでも人間。アンドロイドが搭載しているような武器は用いていない。
が、パワードスーツを用いてアンドロイドと同等の力を用いることはできる。
青い髪を背中にまで垂らした支社長は机の上に置かれている『ロトワング』のカプセルを見遣る。メトロポリス社より購入した強力なパワードスーツを身に纏えることができる『ロトワング』のカプセル。
極秘に入手したこのカプセルを用いればアンドロイドに負けるとも劣らない凄まじい力を手に入れることができるというのはあまりにも大きい。
仮に妨害してくる者が居たとしても瞬きをする間もなく、その命を散らすことができるだろう。道端にあるゴミを蹴っ飛ばして進んでいくかのように。
若き支社長はそう信じてやまなかった。
話によれば会社が秘密の伝手で手に入れた『ロトワング』のモチーフとなっている生き物はクロコダイルであるとのこと。
ワニの巨大な口をモデルにしたフェイスヘルメットは相手の喉元に齧り付いてその喉を掻き切るほど強力な刃であるらしい。
巨大な鱗をモデルにした甲殻類のようなプロテクターを身に纏っているという話も聞く。全て白色であるらしいが、彼からすれば色などどうでもいいこと。問題は強力なクロコダイルの力を身に付けられることにある。
彼は手元に置いてあった『ロトワング』のカプセルを強く握り締めていく。力を込めて握ったせいか、ロトワングのカプセルをもう一度見た時には自身の手汗が付いていた。掌の跡がこびり付いたように。
「ご心配には及びません。この私の手で必ず両王女も円盤も手に入れてみせます」
彼は電話口の向こうで不適な笑みを浮かべながら答えた。口元を歪めて笑う異様な姿は悪魔の顔そのものといっていい。
にも関わらず、彼がそれを悔やんだことはない。『悪魔』と呼ばれることに対して抵抗がない。キリスト教が強い欧米圏の出身であるにも関わらずそのことを誇りにさえ思っていた。
青い髪の支社長は通信を切った後にウィンドウを開いてキーボードを目の前で開く。
デジタル式のタッチパネルであることから場所を取ることもない。指を宙の上で動かすだけでホームページが開かれていった。
22世紀の人間であれば水や空気のように生きている時からあって当たり前のものであるが、過去の人間から見れば映画や小説でしか知ることができないものであったはずだ。
この便利なシステムを知らない過去の人間に対してどこか憐れみのようなものを抱きつつ青い髪の支社長は自らの立てた計画書を開いていく。そこに記されているのはあの襲撃事件の失敗から自身が立てた入念な計画とそのタイムスケジュール。
事細かに手順が記されており、万に一つも計画が狂うことはない。万一狂うことがあればそれはな即ち人間の過ちということのみにならないだろうか。
が、人間の失敗ということもあり得ない。青い髪の支社長からすれば何度も目を通した計画書。失敗などするはずがない。
が、それでも穴があってはならない。最後の確認だとばかりに何度も読み込んでから、完全に頭の中へと叩き込む。
彼は完全に計画を読み込んだ。もし、第三者に計画を尋ねられるようなことがあればスラスラと詠唱できるほどに。
それからコンテナの中で用意を整えた後にスーツのまま倉庫群から抜け出してから宇宙船の発射空港へと向かう。それもコソコソと動かず、堂々とタクシーを用いて。
不審な行動をすることもなく、丁寧に電子マネーからタクシーの代金を支払い、空港の前へと降り立つ。時刻は夜の21時。そこまで遅くない時間ということもあってか、人々の動きも激しい時間帯である。
空港の出入り口からは多くの車や人々が行き交っている姿が見えた。
普段であればそこまで人々は押し寄せないであろうが、翌日は地球に初めて訪れた異星からの王女たちが旅立つという大々的なセレモニーが行われることになっているとのこと。
国賓保護の目的のためか、警備員はおろか警察の大々的な警備が目立っていた。それでも発着場の前に盾を構えた機動隊の姿が揃っているのが見えた際には驚きを隠しきれない。予想していたこととはいえ余りにも厳重であり過ぎた。これでは戒厳令を行使している20世紀の軍事国家となんら変わらないではないか。
入念な計画を立てているとはいえ、やはり目的を達成することは並大抵のことではない。と、一瞬の不安が襲ってきたのを代わりきりに次々と心配事が浮かんでは消えて行く。洪水のように頭の中に溢れる不安を前にして青い髪の支社長は思わず自らの生唾を飲み込む。
が、すぐに忘れてしまったかのようにそのまま元に戻っていく。パニックに陥ったとしても即座に方向転換できるのは頭が柔和な証拠ではないだろうか。
青い髪の支社長は待合室と呼ばれる長椅子が設置されたロビーにて待つことを決めた。人を待っているかのように堂々と長椅子の上に腰を掛けて足を組む。
その上で電子新聞までも購入して開いている様に誰も疑いの目を向ける者はいなかった。ハンサムな長く青い髪のビジネスマンに思わず足を止めた女性さえいた。
こうして堂々とした振る舞っているからこそ、誰も怪しむ者はいない。人間の心理を突いた行動であったといってもいいだろう。
厳重な監視の目こそあれども人々は今日も何事もなく地球に戻るため或いは他の星へと向かう準備を進めている。まさか、自分たちの中に日本の将来を脅かしかねない男が堂々と新聞を読んで忍び込んでいるとも知らずに。
こうして人々にとって何事もなく1日は過ぎていったのである。
*
大津修也とその子どもたちは最後の研修を終えてその日は自宅へと戻ってきた。東京の中心部から郊外の町田市。いかに離れているのかということは修也も子どもたちもよく分かっていた。
背中を落としながら3人は殆ど同時に翌日のことを頭の中へと浮かべて行く。翌日はいよいよ次の交易の日、それに加えて護衛官である自分たちには国賓として日本を訪れた異星の王女たちを送り届けるという使命まで付与されている。
本来であればこういった仕事は公安や自衛隊の仕事であるはずだ。自衛隊の宇宙装備のことはテレビやインターネット等でも堂々と報じられている。
超電磁砲でも搭載した宇宙空母でも護衛に付ければいいのだろうが、生憎なことにそうはいかないらしい。
フレッドセンによれば、
「宇宙空母などで他の星を訪れることになればその星の人たちを威圧しかねません」
と、いうことだそうだ。
確かにフレッドセンの説明に納得はいく。巨大な武装船が天の上からいきなり現れるようなことがあれば修也たちだって不快感を示すに違いない。人間にとって自分たちの生活圏を脅かされるほど不快なことはないからだ。
人類の手が通っていない他の星であれば明確な国際法違反なる。それに人類が地球に代わる故郷として様々な場所に所有している植民惑星であっても不快感を示すことに変わりはない。
下手をすれば地球の尊大な態度に反発を感じた植民惑星の総督が宇宙艦隊を率いて地球に報復を行うかもしれない。
それを避けるため自衛隊の宇宙空母を出すことはできないそうだ。
が、自衛隊に関してはそれでいいのだが、問題は公安。彼らに関しては国内外の敵組織への対処が忙しくて、とても長期間に渡って貸し出せる人材が不足しているためである、とのこと。
一般の警察官を大量に動員するわけにもいかない。そこでメトロポリス社から護衛官を駆り出すことになったそうだ。
そういった意味では王女たちの顔見知りかつ既に護衛官としての経験を積んでいる修也たちこそが最適な存在であったといっていいだろう。
お陰でまた江田山をはじめとした講師陣から会社の中でしごかれることになったが、それに関して苦痛を感じることはなかった。
むしろ、両王女を守るにはまだまだ力不足であると生え考えていた節さえあったといっていい。
格闘技や射撃の練習に加えて3人が受けたのは宇宙に関する講習。今度向かう予定となるカメーネやオクタヴィルの予習の他に新たに加えられた交易の星についての学習。予習等は済ませておいて損はない。
しかし量が量。悠介も麗俐も学校を休むことになったが、2人ともそれに関しての不満は見られない。
むしろ、これだけの学習で足りるのかと危惧している様子すら見せていた。王女たちとの友好が2人の護衛官としての意識を高めていることに違いない。
何はともあれ全員にとって鬼のような研修が終わったのも事実。夕飯は豪華なものとなっているに違いない。
修也が扉を開くと、「お帰りなさい」と出迎えることが聞こえてきた。3人の鼻腔をすだちの香りが刺激していく。さっぱりとした不快感を感じない心地良さというところだろうか。
すだちを用意していることから唐揚げであるに違いない。すだちをふんだんに用いるのは大津家の場合では唐揚げの時が多い。
それに加えて明日は出発の時刻。用意されていてもおかしくはない。
顔を見合わせた後に全員で揃えて靴を脱ぐ。こうして靴を揃えていくこともしばらくはない。ほんの十数時間の後には遠い宇宙へと旅立つことになってしまうのだから。
修也が感慨深い目で玄関に揃えられた革靴と二足のローファーを眺めていた時のこと。
「あっ、まだ唐揚げはダメ! ちゃんと手を洗って、それで着替えてからだよ!」
と、ひろみの声が飛ぶ。どうやら2人はそのまま夕食に手を伸ばそうとしていたらしい。昔外遊びから帰ってきた際に怒られた時のままではないか。
修也は玄関先で密かに笑い声を漏らす。子どもたちがそれを聞いていたら顔を赤くして抗議の言葉を口にしたに違いないが、玄関と台所とは場所が離れている。聞こえる心配はない。
それでも和かになっていく表情筋を抑え切れず、手を洗っていたこともあってか、鏡の前にいる修也は心の底から笑顔を浮かべていた。遊園地に連れて行かれた子どもがアトラクションに乗ってはしゃいでいる時のように。
手を洗い、顔を洗った後でそのまま階段を登って自室へと引っ込む。無論、夕食の時間はそのすぐ後。本などを読むわけにはいかない。次から宇宙へと旅立つこともあってか、修也は名残惜しげに部屋の中に置かれた本棚を眺めていく。
ハードカバーも文庫本も今日を逃せばしばらくは読めないが、それも仕方がないこと。
少し時間をかけて本棚を眺めた後に修也は溜息を吐き出す。それから意を決してと言わんばかりに簡素なスウェットへと着替えて一階にある台所へと向かう。台所では既に子どもたちもひろみも待ちかねていたらしい。少し険しい表情で修也を睨む。
家族から矢のような鋭い視線で射抜かれたこともあってか、修也は少し身じろぎしてしまった。その後で大人しく頭を下げて自らの非を認めたのでこの件はそれで終わりとなった。本棚の前で悩んでいた時間というのは自分が想像していたよりも長かったらしい。今度からは気を付けなければなるまい。
修也は自らの戒めとしながら食卓へと着く。用意されたのは茶碗一杯の白米と豆腐とアオサの味噌汁。そして5個ほどの唐揚げとキャベツが盛られた大皿、そして茄子とピーマンの焼き浸し、えびとほうれん草のオイスター炒め。予想していた唐揚げの他にもご馳走が勢揃いしている。数時間後には宇宙船で空の彼方へと旅立つことが明らかになっていたからか、ひろみが張り切って作ってくれたのだろう。
ご馳走が勢揃いしていたこともあってか、箸を置いたまま生唾味を飲み込む修也であったが、その態度が彼女の自尊心を燻らせたのか、嬉しそうな声で、
「デザートにはアップルパイも用意してるからね」
と、付け足した。修也からすればひろみの一言は嬉しい誤算。これ程の豪華なメニューであるにも関わらず、デザートまでも用意されているとは思いもしなかった。
どの料理も絶品だった。茄子とピーマンの焼き浸しは焼いていることもあってか、焦げが付いていて美味い。サクッとした食感の後に野菜の旨みが口いっぱいに広がっていく仕様になっている。
えびとほうれん草のオイスター炒めも美味しかった。エビのプルっとした食感をほうれん草が包み込む。エビの濃さを優しく包み込むのと同時にほうれん草の持つ苦味も消し去っている。絶妙なボケと突っ込みを持つお笑い芸人の漫才だといえば分かりやすいだろうか。
だが、こういった副菜はあくまでも副菜。主菜の料理には敵わない。修也は待っていましたとばかりに唐揚げへと手を伸ばす。
茶色の衣に包まれた唐揚げを口いっぱいに放り込む。歯で噛んだ瞬間にサクッとした衣の感覚と共に唐揚げの持つ肉汁が口の中いっぱいに飛ぶ。
にんにくの油で下拵えが行われていることもあってか、肉汁とにんにくの旨みが同時に広がっていく。
濃く美味い。ご飯に手が伸びていくのも仕方がないというべきではないだろうか。
修也は堪らなくなってご飯をかき込む。あまりにも慌ててかき込んだこともあってか、詰まってしまったのだろう。ゴホゴホと咳を鳴らしてしまう。
必死に頭を下げてから慌てて味噌汁で流し込む。フゥと小さく溜息を吐いてからお詫びがてらに味噌汁を啜る。
アオサのねっとりとした質感が舌の上に残る。が、不快という意味ではない。ねっとりとした食感であるにも関わらず、ネガティブな感情は全くといっていいほど出てこない。
その後で味噌汁と共に飲み込んだ小さな豆腐を齧る。味噌汁の中に入っている豆腐であり、多少は味噌の味というもの付いているが、所詮は豆腐。味などない。
が、この味のなさが刺激の強い料理を続け様に味わった修也には最適だった。漬け物を食べた時とは異なるが、豆腐が舌の上にこびり付いていた濃いものを吸収していったというべきだろうか。スポンジが水を吸い込むかのように。
一種の中和剤ともいうべき味噌汁を啜った後で修也はもう一度食事に戻る。
すると、先ほどは食事に夢中で気が付かなかったが、麗俐と悠介とが唐揚げで揉めていることに気が付く。
「だーめ! この唐揚げはあたしのだから!」
「いいじゃん! 少しくらいくれよ!!」
古代から繰り広げられてきたであろう不毛な争いに思わず忍び笑いを漏らしてしまう。
といっても、いつまでも互いの箸で唐揚げを引っ張り合うような光景は見ていたくはない。ここは仲裁するべきではないだろうか。
修也は妥協策とばかりに自身の皿を2人に差し出す。予想外の和平案を前にして2人もすっかりと目を丸くしていた。
「えっ、本当にくれるの?」
と、麗俐が驚いた様子で尋ねる。修也は黙って首を縦に動かす。
その直後に2人は顔を輝かせながらほぼ同時に箸を修也の皿へと伸ばしていった。
お陰で残る唐揚げの数は2つになってしまったが、構うことはない。むしろ、子どもにご馳走できて誇らしい気持ちだ(作ってくれたのはあくまでもひろみであるが)。
自身の正面に座るひろみは茶碗を左手に抱えたまま心配そうな表情で修也を見つめていたが、構うことはない。
それでいて残る2個も子どもたちに取られてしまう。ついでだとでも言わんばかりに。
が、これに関しても怒るよりかは先に微笑ましい気持ちの方が出てきてしまう。
白米を味噌汁で平らげた後にアップルパイが出てきた。つやつやと光るパイ生地から香ばしいバターの香りが鼻腔へと届いていく。ひろみ曰くデパートで売っている特上品であるとのこと。
普段であれば食後に出てくるのは日本茶であるのだが、今夜ばかりはアップルパイに合わせて紅茶だった。
紅茶の苦い味が却ってアップルパイの甘さを引き立てていた。自家製のねっとりした甘さのクリームとほろっととろけるりんごのコンビネーションは何者にも変え難いものがある。そこにほの苦い紅茶は反則ではないだろうか。
既にくたびれた中年の男性であるので大きく突き出てしまいかねないお腹のことを思えば控えるべきであるが、このアップルパイにはつい手が伸びてしまう。
アップルパイを平らげた後に全員でテレビを観ることになった。テレビに映るのは大昔の時代を舞台に繰り広げられる叙事詩。
日本の英雄が古代の日本を舞台に恐ろしい悪霊や豪族たちと戦う作品だ。
悠介も麗俐も普段であれば尖って見ないところを今日ばかりは夢中になって視聴している様を見るに、やはり2人ともまだまだ子どもだ。
修也は気が付かないうちに表情を綻ばせていた。温かな視線と微笑みを子どもたちへと向けていた時のこと。
「ねぇ、あなたいい?」
と、ひろみが声を掛けてきた。
「どうしたんだ?」
「いいえ、なぁに、実は……あたし、心配で……」
「心配って?」
いつになく不穏な表現を用いて喋るひろみを前にして修也の表情が険しくなっていく。それに構うことなくひろみは話を続けていった。
「何って、今回の交易……何か妙な予感がするんだ。もしかしたら帰らないんじゃないのかって……」
ひろみの不安そうな視線を前に修也も納得したとばかりに小さく首を縦に動かす。護衛官という仕事の都合上、宇宙で何かがあった場合は必ず応対しなくてはならない。
下手をすれば命を守る落とす結果になるかもしれない。だが、それは高級や好条件と引き換えに行われていること。
言うなれば殺し屋が相手を命懸けで殺すのと引き換えに大金を得るのと同じことだ。
何一つ危険を冒さずに大金をもらえるような世の中にはなっていないのだ。
そのことを伝えようかと迷ったが、ひろみの真剣な表情を前にして何も言えなくなった。代わりに椅子の上を立ち上がって彼女を強く抱き締めていく。
少し戸惑いを見せる彼女の耳元で修也は優しい声で囁いていった。
「安心してくれ、必ず帰ってくる」
その一言は何よりも強い言葉だった。ひろみにとっては毘沙門天のお守りを貰うよりも僧侶たちからの祈願を受けるよりもずっと心を強くさせられた。
あとがき
本日よりしばらくここの連載を休止致します。プライベートでの多忙や女騎士の方でやりたい話があるということから当分の間休載させていただくことをお許しください。
ですが、必ず夏までには帰って参ります。それまでの間、応援して待っていただければ幸いです。
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