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第一部 四章 女王陛下の騎士たち
ブレーメレの街のデス・ドーム パート5
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ガラドリエルは空中に佇むエリザーベートに向かって叫ぶ。彼女は勝ち誇ったような笑顔を浮かべながら、腕を組みながら相手に向かって笑いかけ、
「どうやら、その顔を恥辱の顔で歪めるのは私ではなく、貴様の方だったようだな?」
ガラドリエルの言葉が癪に触ったのだろう。エリザベートは声を振り絞り、
「黙れッ!貴様こそ、後で傭兵どもの慰み者になった後でも後悔するなよ?」
エリザベートはもう一度呪文を呟く。すると、鳥籠の中の空間が裂け、中から一つ目の角を持った目の潰れた巨人が現れた。目の傷の具合からすると、巨人の目の傷は塞がっているらしい。だが、その目はもう見える事がないだろう。彼は腕を乱暴に振り回しながら、獲物を求めて暴れていた。そのために、ガラドリエル達の閉じ込められている鳥籠が大きく揺れていく。地震が起こっているかのようにグラグラと揺れる様子にも、目の前の三人は動じない。
「これが、私の魔法だよ。遠くに存在する魔物を使役し、任意の場合に召喚する『魔物達への招待状』だよ。しかも、この子はお前達に恨みを持っていると聞く、私の魔法とこのサイクロプスの恨みのパワーが合わせれば、もう怖いものはないッ!お前達を簡単に殺してくれるッ」
エリザベートは杖剣をサイクロプスの足元の女王の一行に向けて放つ。それが合図となり、サイクロプスは所狭しと暴れ回っていく。サイクロプスが暴れる様子を見て、二人は顔を見合わせ、左右に分かれ、交互に復讐と言う名の炎に体を燃やすサイクロプスに向かって叫ぶ。
「久しぶりだね?もう一回ボクの歌を聴きたいかい?」
その声にサイクロプスはゴリラのように胸元を叩き、ディリオニスに立っている籠の中へと向かって行く。
「おのれ、おのれ、よくも、俺を騙したな、おれを騙し、酒を飲ませ、その挙句にオレの目を奪ったッ!許せないッ!」
盲目の巨人は手に持っていた木の棍棒をディリオニスに向かって振り下ろす。
ディリオニスは盲目の一つ目の巨人の大きな棍棒をその何十分の一にも満たない自身の剣を使って防ぐ。普通なら、あっさりと剣ごと捻り潰されるはずなのに何故か今、自分が潰そうしている男は潰れない。反対に自分が押し返されかねない状況だ。復讐に燃える盲目のサイクロプスは肉食獣のように尖った歯を噛み合わせながら、真下の男を睨む。
だが、男は動じる気配は見せない。反対に剣の持つ力が強まっていくような気がする。サイクロプスが押されそうになると、エリザベートは何やら呪文を呟き、サイクロプスにその呪文を浴びせた。
エリザベートの呪文により、力を増した盲目の人喰い巨人は力を強めたようで、硬直状態を脱却せんとばかりに、一度棍棒を持つ手を離す。その機会を逃さんとばかりに、ディリオニスは険しい顔を浮かべて飛び上がり、サイクロプスの肩の上に乗り、操っているエリザベートに向かって剣を振るう。肩の上の魔道士は慌てて杖剣を異常とも言える程の脚力で飛び上がった騎士に向かって突き上げる。
だが、騎士は空中で弧を描き、その剣先を肩のエリザベートに向かって振るう。
鎧に身を包んだ魔道士の女は顔を引きつらせたものの、直ぐに正気を取り戻し、杖剣を横斜めに構え、騎士の剣を塞ぐ。
騎士の長い剣と魔道士の杖剣が短い火花を散らしたが、その打ち合いは長くは続かずに、ディリオニスは世界の重力に引かれて、地面に落ちていく。
だが、彼は怪我をしたりはしない。彼は地面に体がぶつかる前に、体をかがめ、衝撃を防ぐ。
「ちくしょう!何で倒れないんだッ!」
エリザベートは金切り声を上げる。目標を失った巨人が棍棒を振り上げながら、鼻から興奮によって生じた荒い息を放ちながら、唸っていた。
盲目の巨人が鳥籠の中を大きく揺らしながら歩いていていると、今度は左の方向から声が聞こえた。肩の上に座る偉大なる魔道士はその正体に気が付く。男の騎士と良く似てはいるが、豊満な胸と長い黒髪が彼との決定的な違いを表している。間違いない。左側にいるのはマートニアだ。
盲目の巨人は声が聞こえないために、左の端に寄っていく。
マートニアは大きな声を振り絞り、
「覚えてない?お兄ちゃんや他のお供と一緒にあなたの目を貫いたあたしの事を!」
盲目の巨人は大きく棍棒を左の端に向かって振り下ろす。凄まじい音がして、地面は震えたが、そこに肝心の女騎士はいない。エリザベートが周辺を探すと、彼女は兄同様に飛び上がり、エリザベートに向かって剣を振るう。彼女の剣先はくっきりと肩の上の魔導師を狙っていた。
肩の上の魔道士は慌てて魔法を提唱し、緑色の弾を作り出し、目の前から迫る女騎士に向かって放つ。
だが、彼女は眉一つ動かさずに、エリザベートの放つ緑色の弾を剣で破壊していく。何も破壊し得なかった弾の残骸が空中で虚しい爆発音を響かせる。
そして、爆風に流され、彼女の体はエリザベートと同じ肩の上に着地する。
エリザベートはやむを得ずに奥義を使用し、自分と同じ盲目の巨人の肩に乗った女騎士を振り払う。
女騎士は兄同様に地面の着地前にバランスを取り、怪我をする事なく地面に足を付ける。彼女はそれから、真っ直ぐに駆け出し、剣をサイクロプスに向かって振りかざす。盲目の巨人もそれを耳で感じ取ったに違いない。彼は目の前に迫り来る女騎士に向かって棍棒を振り下ろす。
大きな棍棒とマートニアの小さな剣がぶつかり合う。大きな火花が散り、ぶつかった衝撃によって、サイクロプスはバランスを崩してしまう。
マートニアはそれに乗じ、バランスを崩したサイクロプスに向かって飛び掛かる。だが、サイクロプスは目の前から飛び上がっている事に気付いたのだろう。咄嗟に左手を使って勇敢なる女騎士を振り払う。女騎士は流石にこの事態は読みきれなかったに違いない。彼女は小さな悲鳴を上げて地面に落ちていく。
このまま地面に直撃すると思われたが、その前に女騎士の体を別の体が包み込む。
包み込んだのは彼女の双子の兄にして、男の騎士ーーディリオニス。
ディリオニスは遥か上のサイクロプスを睨み、
「よくも、妹を傷付けてくれたな、お前にはそれ相応の報いをくれてやるッ!」
剣を構えるディリオニスの腕にマートニアの腕が絡む。
マートニアはディリオニスに笑顔を向け、
「あたしも戦うからッ!もう前みたいに一人だけで戦って、あんな目に遭うのは嫌だもん!」
その言葉にディリオニスは満面の笑顔を向け、
「流石だぞ!オレ達で力を合わせるんだッ!オレ達で力を合わせて、一緒に頑張るんだ」
兄の言葉に妹は満面の笑みを向け、共にサイクロプスに向かって剣を構える。
と、その間に白いドレスを身に纏った華麗なる姫も現れる。
「おっと、お前たち二人にばかり、いい格好はさせんぞ、今回は私も戦わせてもらう」
三人はそう言うと、顔を合わせ、目の前の脅威に立ち向かっていく。
剣を構えた三人に対し、肩の上のエリザベートは棍棒を振り下ろすように指示を出す。
「どうやら、その顔を恥辱の顔で歪めるのは私ではなく、貴様の方だったようだな?」
ガラドリエルの言葉が癪に触ったのだろう。エリザベートは声を振り絞り、
「黙れッ!貴様こそ、後で傭兵どもの慰み者になった後でも後悔するなよ?」
エリザベートはもう一度呪文を呟く。すると、鳥籠の中の空間が裂け、中から一つ目の角を持った目の潰れた巨人が現れた。目の傷の具合からすると、巨人の目の傷は塞がっているらしい。だが、その目はもう見える事がないだろう。彼は腕を乱暴に振り回しながら、獲物を求めて暴れていた。そのために、ガラドリエル達の閉じ込められている鳥籠が大きく揺れていく。地震が起こっているかのようにグラグラと揺れる様子にも、目の前の三人は動じない。
「これが、私の魔法だよ。遠くに存在する魔物を使役し、任意の場合に召喚する『魔物達への招待状』だよ。しかも、この子はお前達に恨みを持っていると聞く、私の魔法とこのサイクロプスの恨みのパワーが合わせれば、もう怖いものはないッ!お前達を簡単に殺してくれるッ」
エリザベートは杖剣をサイクロプスの足元の女王の一行に向けて放つ。それが合図となり、サイクロプスは所狭しと暴れ回っていく。サイクロプスが暴れる様子を見て、二人は顔を見合わせ、左右に分かれ、交互に復讐と言う名の炎に体を燃やすサイクロプスに向かって叫ぶ。
「久しぶりだね?もう一回ボクの歌を聴きたいかい?」
その声にサイクロプスはゴリラのように胸元を叩き、ディリオニスに立っている籠の中へと向かって行く。
「おのれ、おのれ、よくも、俺を騙したな、おれを騙し、酒を飲ませ、その挙句にオレの目を奪ったッ!許せないッ!」
盲目の巨人は手に持っていた木の棍棒をディリオニスに向かって振り下ろす。
ディリオニスは盲目の一つ目の巨人の大きな棍棒をその何十分の一にも満たない自身の剣を使って防ぐ。普通なら、あっさりと剣ごと捻り潰されるはずなのに何故か今、自分が潰そうしている男は潰れない。反対に自分が押し返されかねない状況だ。復讐に燃える盲目のサイクロプスは肉食獣のように尖った歯を噛み合わせながら、真下の男を睨む。
だが、男は動じる気配は見せない。反対に剣の持つ力が強まっていくような気がする。サイクロプスが押されそうになると、エリザベートは何やら呪文を呟き、サイクロプスにその呪文を浴びせた。
エリザベートの呪文により、力を増した盲目の人喰い巨人は力を強めたようで、硬直状態を脱却せんとばかりに、一度棍棒を持つ手を離す。その機会を逃さんとばかりに、ディリオニスは険しい顔を浮かべて飛び上がり、サイクロプスの肩の上に乗り、操っているエリザベートに向かって剣を振るう。肩の上の魔道士は慌てて杖剣を異常とも言える程の脚力で飛び上がった騎士に向かって突き上げる。
だが、騎士は空中で弧を描き、その剣先を肩のエリザベートに向かって振るう。
鎧に身を包んだ魔道士の女は顔を引きつらせたものの、直ぐに正気を取り戻し、杖剣を横斜めに構え、騎士の剣を塞ぐ。
騎士の長い剣と魔道士の杖剣が短い火花を散らしたが、その打ち合いは長くは続かずに、ディリオニスは世界の重力に引かれて、地面に落ちていく。
だが、彼は怪我をしたりはしない。彼は地面に体がぶつかる前に、体をかがめ、衝撃を防ぐ。
「ちくしょう!何で倒れないんだッ!」
エリザベートは金切り声を上げる。目標を失った巨人が棍棒を振り上げながら、鼻から興奮によって生じた荒い息を放ちながら、唸っていた。
盲目の巨人が鳥籠の中を大きく揺らしながら歩いていていると、今度は左の方向から声が聞こえた。肩の上に座る偉大なる魔道士はその正体に気が付く。男の騎士と良く似てはいるが、豊満な胸と長い黒髪が彼との決定的な違いを表している。間違いない。左側にいるのはマートニアだ。
盲目の巨人は声が聞こえないために、左の端に寄っていく。
マートニアは大きな声を振り絞り、
「覚えてない?お兄ちゃんや他のお供と一緒にあなたの目を貫いたあたしの事を!」
盲目の巨人は大きく棍棒を左の端に向かって振り下ろす。凄まじい音がして、地面は震えたが、そこに肝心の女騎士はいない。エリザベートが周辺を探すと、彼女は兄同様に飛び上がり、エリザベートに向かって剣を振るう。彼女の剣先はくっきりと肩の上の魔導師を狙っていた。
肩の上の魔道士は慌てて魔法を提唱し、緑色の弾を作り出し、目の前から迫る女騎士に向かって放つ。
だが、彼女は眉一つ動かさずに、エリザベートの放つ緑色の弾を剣で破壊していく。何も破壊し得なかった弾の残骸が空中で虚しい爆発音を響かせる。
そして、爆風に流され、彼女の体はエリザベートと同じ肩の上に着地する。
エリザベートはやむを得ずに奥義を使用し、自分と同じ盲目の巨人の肩に乗った女騎士を振り払う。
女騎士は兄同様に地面の着地前にバランスを取り、怪我をする事なく地面に足を付ける。彼女はそれから、真っ直ぐに駆け出し、剣をサイクロプスに向かって振りかざす。盲目の巨人もそれを耳で感じ取ったに違いない。彼は目の前に迫り来る女騎士に向かって棍棒を振り下ろす。
大きな棍棒とマートニアの小さな剣がぶつかり合う。大きな火花が散り、ぶつかった衝撃によって、サイクロプスはバランスを崩してしまう。
マートニアはそれに乗じ、バランスを崩したサイクロプスに向かって飛び掛かる。だが、サイクロプスは目の前から飛び上がっている事に気付いたのだろう。咄嗟に左手を使って勇敢なる女騎士を振り払う。女騎士は流石にこの事態は読みきれなかったに違いない。彼女は小さな悲鳴を上げて地面に落ちていく。
このまま地面に直撃すると思われたが、その前に女騎士の体を別の体が包み込む。
包み込んだのは彼女の双子の兄にして、男の騎士ーーディリオニス。
ディリオニスは遥か上のサイクロプスを睨み、
「よくも、妹を傷付けてくれたな、お前にはそれ相応の報いをくれてやるッ!」
剣を構えるディリオニスの腕にマートニアの腕が絡む。
マートニアはディリオニスに笑顔を向け、
「あたしも戦うからッ!もう前みたいに一人だけで戦って、あんな目に遭うのは嫌だもん!」
その言葉にディリオニスは満面の笑顔を向け、
「流石だぞ!オレ達で力を合わせるんだッ!オレ達で力を合わせて、一緒に頑張るんだ」
兄の言葉に妹は満面の笑みを向け、共にサイクロプスに向かって剣を構える。
と、その間に白いドレスを身に纏った華麗なる姫も現れる。
「おっと、お前たち二人にばかり、いい格好はさせんぞ、今回は私も戦わせてもらう」
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