田舎の幼馴染に囲い込まれた

兎角

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開かれた小屋の中は程よい広さの一室だった。というか、普通に部屋だ。1人用ベッドにキャビネット、小さなテーブルに椅子が2脚…いやいやいや待て、やばい予感しかない。ちょっと足元踏ん張って入るのを拒否してみたが、引きづられるように小屋に入れられバタンと扉を閉められた。ひいん(涙)何故こんな場所に私連れてこられたんですか。ハァ…と深い吐息が私の首元にかかり体がビクリとしたと同時に幼馴染に後ろから抱きすくめられた(本日2度目)。ごめんねとまた一言。もうほんとに何なのよ、スキンシップの多いやつだとは思ってたけど、年頃の男女が、ましてや恋人でも何でもない男女がしていいスキンシップじゃないのよこのバカ強い抱擁は。今回のは正面じゃなく後ろからだから窒息は免れそうだけど胸やら腹を絞められて死ぬかもしれない顔に似合わないムチムチの身体でそういうことするなマジで。苦しいと何度か訴えたのちに解放されて血の巡りを身体中で感じていたら、先ほどよりは優しめに抱き抱えられて(お姫様抱っこ)幼馴染はそのままイスに座り、私は幼馴染の膝の上に座らされた。イス二脚あるんだから1人1脚使った方がいいと思うよ。幼馴染が私の肩に顔を埋めながらポツポツと話し始めた。ここは幼馴染の小屋で3年前に自分で建てた、私が帰ってくるのをずっと待ってた、帰ってきたらここに連れてきたかったなどと供述しているがどうにも大人に隠れてこっそり作った秘密基地を紹介するピュアな感じの内容ではなく、何ならなぜかいたって普通の部屋であるにもかかわらず今の私を取り巻く全てから薄らとした貞操の危機を感じているのだが…首元にかかる息は熱く、身体に回された手はじんわりと汗ばんでおり腰や胸の脇付け根のあたりをそわそわと薄ら撫でている。くすぐったがりなので、ンフフとかふひゃとか声が出てしまって恥ずかしい。ここに連れてきた理由はわかったからとりあえずその狙った獲物は逃しませんよの狩人の目の熱視線で顔を覗き込むのやめてほしい。ついでに膝の上に座らせられるのも。ステキナオウチダネ、オジサンオバサン(幼馴染の両親)トハベツニスンデルノネ、フタリハゲンキナノ?とカタコトで聞いてみるも“君と過ごすために作った家だからね”“材料が揃ったらもっと大きくする予定だよ”“2人とも元気だけど、君が気を使わずに済むこの離れが過ごしやすいかと思って”と返って来た。ヒィン。私と過ごすための家って何。怖いよう。…もしかして、幼馴染は田舎の人間の『男女の幼馴染だしお似合いだから結婚するものだ』の偏った思想の流れを信じてしまっているのでは?ありえる、大いにありえる。そう思って、田舎の妄信と因習に縛られてるんじゃないかとそのまま思ったことを正直に伝えてみたがこれが不味かったようで…「は?」の一言で黙り込み鋭すぎる眼光で顔に穴が開くのではないかと思うほど見据えられ、田舎を飛び出て都会に出た割には何もわかってないんだねと、めちゃくちゃ棘のある感じで鼻で笑われた。はあ?クソ田舎で畑仕事ばかりやって大した収入もなく幼馴染に異常に執着してるお前に言われたくないわとキレかかるもここは都会の女の嗜み…!都会のイケてるお姉さんは感情的に怒ったりしない…!(実家から閉め出された時の事は置いといて)ぐっと我慢して睨みつけるだけに抑えた。のだが、反論しないの?図星みたいな?それとも凄まれて怖くなっちゃった?と何故かうっとりと目を細め、まくし立てるように言葉を投げつけてくるのでこちらが悪いわけではないはずなのに追い詰められるようにタジタジになり体を少し引こうとしたがガッチリとムチムチ幼馴染に捉えられており逃げること叶わず…。どんどん近づいてくる幼馴染の瞳にただならぬ熱を感じて「あ」と声を発した時には既に遅し。鼻先が触れ合い唇を味わうように食まれ、声を発した際に薄く開いていた隙間に熱い舌をねじ込まれる。呆気にとられて反応が遅くなったが抵抗をしようと体を捩り、手でムチムチを突っぱねようとするが微動だにせず、ン゛ーっ!と抗議音を出すも余計に抑え込まれ、口内を弄るかのように舐め啜られているうちに息が苦しくなってきて鼻で息をすればいいとわかっていても急なことに頭が回らず幼馴染の舌を噛んで逃げればいいものを逆に息をしようと口を開けてしまうので悪循環。あまりにも執拗で長いキスのせいで抵抗力が落ち、突っぱねる手はいつの間にか幼馴染の綿でできたシャツを掴み、体からは力が抜けてきていた。たっぷりじっくりひとの口を弄んだ後、ゆっくりと唾液の糸を引きながら幼馴染の顔が離れていく。こちらははあはあと肩で息しているのになんだその恍惚とした表情は。
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