モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉

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「姉さん!姉さん!見てくれ、やっと全キャラを攻略できたんだよ!!褒めてくれてもいいんだぞ」

「えーー!すごいじゃん!全キャラ攻略ってかなり難しいのに、じゃあ次は——の攻略だね」

「えーそんなキャラいるの~早く行ってよぉ~って頭撫でないでよ!」

「ごめんごめん、我ながら弟は可愛いなぁと思ってつい」

「もぉ~このブラコンめ!」


…………。



和気藹々と笑う彼らを見てると不覚にも羨ましと思ってしまった。僕は羨ましいと思っている。彼は僕で僕は彼だ。そこで僕はやっとわかったんだ。あの違和感。




僕は……転生者だ。






さて、状況を一旦整理しよう。まずどうして僕がベットにいるかからだ。僕が意識を失う前確か僕は床に倒れ頭を打った。
あぁ~だから僕の頭に包帯が巻いてあったのか。そういえば以前怪我したときも次の日には手当されていた。その前もその前も次の日には手当されていた。一体誰が?ふーむ?うーん?………ダメだ。考えるのをやめよう。頭が痛くなってきた。


さっき僕が見ていたのはきっと前世記憶なのだろう。全キャラを攻略できたと言っていたからおそらくこの世界はゲーム中ということになる。今僕は12歳、そしてこのゲーム『聖女との禁断の恋』が本格的に始まるのは多分僕が15歳になる頃だろう。えー確か突然覚醒して聖力が使えるようになったとかならなかったたとか?で学園に編入されたって感じかな?曖昧なんだよね僕の記憶。父上に平手打ちされた後遺症かな?なーんちゃって、あはははははって笑ってる場合じゃない。
前世の記憶は曖昧だけど大体このゲームがどのように進むかはわかる。そして僕は一刻も早くこの家から出て行きたい!

こんな愛のない、毎日何かしらの理由をつけて僕を呼び出し暴力を振るう父上、使用人ですら僕に冷遇してくるこの家から僕は……出て行きたい消えたい

あとできれば学園では攻略対象や聖女とは関わりたくない。何故なら彼女たちに関わると死ぬからだ。

どうして死ぬのだ?と疑問に思うだろう。答えは簡単。攻略対象と聖女が嫉妬深いからだ。聖女に関わると攻略対象に殺される。そして攻略対象一人にでも関われば聖女が悲しみ何故かモブたちに殺される。

なんだこの狂気じみたゲームは、ほぼデスゲームじゃないか。とは言っても僕はモブだ。目立たなければいい話、そう……目立たなければ………目立たなければ、ね。

自分で言うのもなんだけど僕って結構美形だから目立たなくするって結構難しい。ふぅん、どうしたものか?学園の入学式が二週間後、この期間で僕は地味に存在感のないようなモブにならなければいけない。そうだなまずはこのピンク髪からどうにかしなくては目立ってしょうがない。




——————————

「えーと確かこの辺に………あった!」

さすが僕!物を大切にする心大事!
この指輪があれば多少は目立たなくなるはず。

これ、父上が僕の母上に似た髪色を不快に思ってくれた物なんだよね、反抗心でつけてなかったけど。でも取っておいてよかった。

僕は指輪をはめ、鏡で自分の姿を見た。
黒髪に元々の黒に近いグレーの瞳、うん!普通だ!あとは雰囲気だが、前世では今の自分でも引くほど陰キャだ。
あれ、お前居たんだって気づかないくらい影も薄くできる。ふふふ完璧じゃないか。あとは攻略対象もしくは聖女が僕に近づかない限り僕が死ぬことはない。そういえば聖女や攻略対象たちに嫌がらせをするキャラみたいな居た気がするけど……うん!思い出せないからいいや!





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