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愛とオルゴール
01. 青天の霹靂
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私の名はジェシカ=ロートレック。
ロートレック侯爵家の長女だ。
私には二人の弟がいる。一人は同じ母から生まれたネイサン、もう一人は父の妾の子であるリカルドだ。
ネイサンと私は異母弟となるリカルドとは別に暮らしている。
私とネイサンの亡き母は、由緒ある伯爵家から嫁いだ侯爵家の正妻だった。
リカルドの母は侯爵家に迎え入れられる立場にない女性であるため、私たちの母が亡くなった後も後妻として迎えられずひっそりと父に囲われている。
両家は父に平民の恋人がいることを前提とした取り決めで政略結婚を推し進めたのだという。
理由はわからないが何かしら母の側にも事情があったと推察できるが、詳しい話は聞かされていない。
父の恋人は元は侯爵家のお針子として雇われていた父よりも七つ年上の平民で、その時の取り決めでは父は恋人との間に子を持つことはできないことになっていた。
双方納得の上で契約を結んだ筈だったが、母がネイサンを身ごもってから少しして、父の妾もリカルドを身ごもったことが判明した。
どうやら父は契約に納得しておらず、実力行使することにしたらしい。最低の男だ。
だが、出来てしまったものは仕方がない。
リカルドの存在は愛し合う二人以外からは歓迎されるものではなかったが、黙認はされた。
同じ父の子として、私はリカルドの立場に同情はしている。
だけれども、リカルドには継承権はないのだからいくら父が望もうとも彼を跡取りにすることなど出来ない。
いったい、何を血迷って父がそんなことを言い出したのか理解に苦しむのだが、実際に父はそう目論んでいる。
今度も実力行使すればいいとでも考えているのか?
母の産んだ子がロートレック侯爵家の跡継ぎになることは婚姻前に両家の契約として結ばれている。
だからネイサンの立場は揺るぎなく、ネイサンに万一のことがあれば私が産む子が跡を継ぐことになるか、親戚から養子をとるかすることになっているのだ。
母の実家であるニュートン伯爵家は家格的には侯爵家に劣るとはいえ、建国からの古い家柄で経済的にも成功している名家だ。
実質的には経済力も他の貴族家への影響力でもロートレック侯爵家に勝るとも劣らない。
ニュートン伯爵家との正式な取り決めを父の身勝手で蔑ろにはできない。リカルドの存在を黙認してもらえたことで、勘違いしているのかもしれないが、それとこれとは全く話が違う。
父は愚かだ。
妾とリカルドへの愛ゆえの愚かさとでも言うべきか。
だが、私たち姉弟には母の実家と私たちの存在を望んで契約を結んだロートレック侯爵夫妻の愛情と強い後ろ盾がある。
だから悲しくはない。
私とネイサンが父からも亡き母からも愛されていなくても。
ロートレック侯爵家の長女だ。
私には二人の弟がいる。一人は同じ母から生まれたネイサン、もう一人は父の妾の子であるリカルドだ。
ネイサンと私は異母弟となるリカルドとは別に暮らしている。
私とネイサンの亡き母は、由緒ある伯爵家から嫁いだ侯爵家の正妻だった。
リカルドの母は侯爵家に迎え入れられる立場にない女性であるため、私たちの母が亡くなった後も後妻として迎えられずひっそりと父に囲われている。
両家は父に平民の恋人がいることを前提とした取り決めで政略結婚を推し進めたのだという。
理由はわからないが何かしら母の側にも事情があったと推察できるが、詳しい話は聞かされていない。
父の恋人は元は侯爵家のお針子として雇われていた父よりも七つ年上の平民で、その時の取り決めでは父は恋人との間に子を持つことはできないことになっていた。
双方納得の上で契約を結んだ筈だったが、母がネイサンを身ごもってから少しして、父の妾もリカルドを身ごもったことが判明した。
どうやら父は契約に納得しておらず、実力行使することにしたらしい。最低の男だ。
だが、出来てしまったものは仕方がない。
リカルドの存在は愛し合う二人以外からは歓迎されるものではなかったが、黙認はされた。
同じ父の子として、私はリカルドの立場に同情はしている。
だけれども、リカルドには継承権はないのだからいくら父が望もうとも彼を跡取りにすることなど出来ない。
いったい、何を血迷って父がそんなことを言い出したのか理解に苦しむのだが、実際に父はそう目論んでいる。
今度も実力行使すればいいとでも考えているのか?
母の産んだ子がロートレック侯爵家の跡継ぎになることは婚姻前に両家の契約として結ばれている。
だからネイサンの立場は揺るぎなく、ネイサンに万一のことがあれば私が産む子が跡を継ぐことになるか、親戚から養子をとるかすることになっているのだ。
母の実家であるニュートン伯爵家は家格的には侯爵家に劣るとはいえ、建国からの古い家柄で経済的にも成功している名家だ。
実質的には経済力も他の貴族家への影響力でもロートレック侯爵家に勝るとも劣らない。
ニュートン伯爵家との正式な取り決めを父の身勝手で蔑ろにはできない。リカルドの存在を黙認してもらえたことで、勘違いしているのかもしれないが、それとこれとは全く話が違う。
父は愚かだ。
妾とリカルドへの愛ゆえの愚かさとでも言うべきか。
だが、私たち姉弟には母の実家と私たちの存在を望んで契約を結んだロートレック侯爵夫妻の愛情と強い後ろ盾がある。
だから悲しくはない。
私とネイサンが父からも亡き母からも愛されていなくても。
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