20 / 59
19
しおりを挟む
女性は熊クマ食堂に案内すると店を見上げて。「これが熊クマ食堂なんだ」と喜んでいるようだ。
――そして。
「ゲームに中では店の名前しか出なかったから……外観まではわからなかった、なんだか感動する。私、本当にあの乙女ゲームの世界にいるんだ」
「……乙女ゲーム?」
「あ、お気になさらず、こちらの話ですわ。あの、あなたに聞きたいことがあるのだけと、聞いてもよくて?」
「オレに聞きたいこと?」
頷くお嬢様に店が終わってからでもいいか? と聞いた。ええ、店の中で持つと言ったのでオレは、お嬢様に3時に閉店すると伝え、仕事に戻ることにした。
「それでは後で……」
店内に入っていくお嬢様を見送り、オレは店の裏口に回り、シンギとマヤに戻ったと声をかけた。
「戻ったか、タヤ。帰りが遅かったが……サロンナの腰はそんなに悪かったのか?」
「おかえりなさい、それなら後で見に行こうかしら?」
「いや、店に戻るのが遅れたのは……今お客様として来ている、お嬢様に商店街の中で出会い頭にぶつかってしまって……話をしていて遅れました」
2人はオレの話を聞き、シンギは暖簾越しに奥に触る令嬢を見て、マヤは注文を取りに行った。
「シュリンサンドイッチひとつと、紅茶をくださる」
「かしこまりました」
注文を受け、調理をはじめたシンギはタヤに。
「それで、あの席のお嬢様は怪我をしていないんだな。まあ、タヤは回復魔法が使えるから……大丈夫だと思うが。貴族令嬢に怪我させると慰謝料だとか、傷害の罪で牢屋に入れられたりと、えらい目に遭うぞ」
「えっ、その話ほんと……?」
頷いたシンギにタヤは焦ったが、とうのお嬢様は注文して届いた海老フライ、サンドイッチ(シュリンフライのサンドイッチ)をおいしそうに食べていた。
「……怪我をさせなくてよかった」
「ほんとうだな。しかし、こんな王都から離れたさびれた町に来るなんて、どこのもの好き令嬢なんだろうな」
「そうね。あの高価なドレスからして伯爵、公爵令嬢かしら?」
伯爵? 公爵? 貴族のことはよくわからないけど……さっきお嬢様が言っていた、乙女ゲームの言葉が気になる。オレはお嬢様の話を聞きたいと思った。
「すみません。海老フライ……シュリンサンドイッチもうひとつ、よろしいかしら?」
――いま、海老フライっていったよな。
「はい、しばらくお待ちください」
2人が、シュリンサンドの調理に入るなか。オレもお昼をお願いすることにした。あのお嬢様、絶対にこの人はオレと同じ転生者だと思う。
「シンギさん、俺のサンドイッチもいいですか」
「ん? ああ、タヤも昼まだだったな、いま作るから待っていろ」
この女性を観察しながら、シュリンサンドを待つことにした。
――そして。
「ゲームに中では店の名前しか出なかったから……外観まではわからなかった、なんだか感動する。私、本当にあの乙女ゲームの世界にいるんだ」
「……乙女ゲーム?」
「あ、お気になさらず、こちらの話ですわ。あの、あなたに聞きたいことがあるのだけと、聞いてもよくて?」
「オレに聞きたいこと?」
頷くお嬢様に店が終わってからでもいいか? と聞いた。ええ、店の中で持つと言ったのでオレは、お嬢様に3時に閉店すると伝え、仕事に戻ることにした。
「それでは後で……」
店内に入っていくお嬢様を見送り、オレは店の裏口に回り、シンギとマヤに戻ったと声をかけた。
「戻ったか、タヤ。帰りが遅かったが……サロンナの腰はそんなに悪かったのか?」
「おかえりなさい、それなら後で見に行こうかしら?」
「いや、店に戻るのが遅れたのは……今お客様として来ている、お嬢様に商店街の中で出会い頭にぶつかってしまって……話をしていて遅れました」
2人はオレの話を聞き、シンギは暖簾越しに奥に触る令嬢を見て、マヤは注文を取りに行った。
「シュリンサンドイッチひとつと、紅茶をくださる」
「かしこまりました」
注文を受け、調理をはじめたシンギはタヤに。
「それで、あの席のお嬢様は怪我をしていないんだな。まあ、タヤは回復魔法が使えるから……大丈夫だと思うが。貴族令嬢に怪我させると慰謝料だとか、傷害の罪で牢屋に入れられたりと、えらい目に遭うぞ」
「えっ、その話ほんと……?」
頷いたシンギにタヤは焦ったが、とうのお嬢様は注文して届いた海老フライ、サンドイッチ(シュリンフライのサンドイッチ)をおいしそうに食べていた。
「……怪我をさせなくてよかった」
「ほんとうだな。しかし、こんな王都から離れたさびれた町に来るなんて、どこのもの好き令嬢なんだろうな」
「そうね。あの高価なドレスからして伯爵、公爵令嬢かしら?」
伯爵? 公爵? 貴族のことはよくわからないけど……さっきお嬢様が言っていた、乙女ゲームの言葉が気になる。オレはお嬢様の話を聞きたいと思った。
「すみません。海老フライ……シュリンサンドイッチもうひとつ、よろしいかしら?」
――いま、海老フライっていったよな。
「はい、しばらくお待ちください」
2人が、シュリンサンドの調理に入るなか。オレもお昼をお願いすることにした。あのお嬢様、絶対にこの人はオレと同じ転生者だと思う。
「シンギさん、俺のサンドイッチもいいですか」
「ん? ああ、タヤも昼まだだったな、いま作るから待っていろ」
この女性を観察しながら、シュリンサンドを待つことにした。
5
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~
トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。
しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。
貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。
虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。
そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる?
エブリスタにも掲載しています。
転生した新人獣医師オメガは獣人国王に愛される
こたま
BL
北の大地で牧場主の次男として産まれた陽翔。生き物がいる日常が当たり前の環境で育ち動物好きだ。兄が牧場を継ぐため自分は獣医師になろう。学業が実り獣医になったばかりのある日、厩舎に突然光が差し嵐が訪れた。気付くとそこは獣人王国。普段美形人型で獣型に変身出来るライオン獣人王アルファ×異世界転移してオメガになった美人日本人獣医師のハッピーエンドオメガバースです。
あの日、北京の街角で
ゆまは なお
BL
5年前、一度だけ体を交わした彼が、通訳として出張に同行するーーー。
元留学生×駐在員。年下攻め。再会もの。
北京に留学していた上野孝弘は駐在員の高橋祐樹と街中で出会い、突然のアクシデントにより、その場で通訳を頼まれる。その後も友人としてつき合いが続くうちに、孝弘は祐樹に惹かれていくが、半年間の研修で来ていた祐樹の帰国予定が近づいてくる。
孝弘の告白は断られ、祐樹は逃げるように連絡を絶ってしまう。
その5年後、祐樹は中国出張に同行するコーディネーターとして孝弘と再会する。
3週間の出張に同行すると聞き、気持ちが波立つ祐樹に、大人になった孝弘が迫ってきて……?
2016年に発表した作品の改訂版。他サイトにも掲載しています。
番だと言われて囲われました。
桜
BL
戦時中のある日、特攻隊として選ばれた私は友人と別れて仲間と共に敵陣へ飛び込んだ。
死を覚悟したその時、光に包み込まれ機体ごと何かに引き寄せられて、異世界に。
そこは魔力持ちも世界であり、私を番いと呼ぶ物に囲われた。
王宮魔術師オメガは、魔力暴走した王子殿下を救いたい
こたま
BL
伯爵家次男のオメガで魔術師のリンは変わり者として知られている。素顔を見たものは少なく、魔力は多いが魔力の種類が未確定。いつも何か新しい魔道具を作っている。ある時、魔物が現れ、その魔術攻撃を浴びた幼馴染のアルファ王子クリスが魔力暴走を起こしてしまった。リンはクリスを救おうと奔走するが、治癒の為には…。ハッピーエンドオメガバース、魔法ありの異世界BLです。
食べて欲しいの
夏芽玉
BL
見世物小屋から誘拐された僕は、夜の森の中、フェンリルと呼ばれる大狼に捕まってしまう。
きっと、今から僕は食べられちゃうんだ。
だけど不思議と恐怖心はなく、むしろ彼に食べられたいと僕は願ってしまって……
Tectorum様主催、「夏だ!! 産卵!! 獣BL」企画参加作品です。
【大狼獣人】×【小鳥獣人】
他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる