女神様の間違いで落とされた、乙女ゲームの世界で愛を手に入れる。

にのまえ

文字の大きさ
24 / 59

23

しおりを挟む
「父上からの信頼が厚い、元騎士団長から伝えてもらえるのはありがたい。シンギさん、しばらくタヤと二人きりになりたい、上の部屋を使ってもいいか?」

「はぁ……仕方がありませんね。部屋はいつも掃除してありますが……フォルテ殿下、最後までなさってはなりませんよ。あと、タヤが嫌がったらおやめください」

「あたりまえだ。タヤに嫌われたくないからな、わかってるよ」

 二人に圧倒されているうちに、話の内容が2階の部屋に行く話になっていた。シンギはフォルテ殿下に"一時間だけです"と言って、ミサを連れて店から出て行き、オレはフォルテと二人きりになった。

「フォルテ殿下?」
「ルテだ。タヤ……私のことはルテと呼んでくれ」

「え、……ルテ」
 
「タヤ」

 フォルテに熱い瞳で見られて、収まりそうな熱がぶり返す。どうしてこうなるのかわからないが、オレはフォルテに見られるだけで……抑制剤を飲んでいても体が疼き。ゾクゾクして、尻が疼きフォルテが欲しくなる。

 これは何?
 
 フォルテの全てが欲しい。もしかして、初めてフォルテと会ったときに、オレはフォルテに恋をしたの?

「タヤ……」
「あ、……ンンッ」

 いきなりフォルテの熱い胸板に抱き寄せられて、唇を奪われた。フォルテのいきなりのキスに驚くまもなく――むしゃぶりつくように唇を吸われて、唇をこじ開けられて、フォルテの分厚い舌が入り込んできた。

 ――あっ、ああ。

 フォルテの熱い舌はオレの舌とクチュクチュと絡み、歯の裏側を、口中を舐められ快感に体が震える。

「んん、あ、あぁあ…………ル…テ……待ってくれ、あっ、ああ」

 息が苦しくて、フォルテの胸を押してもびくともしない。そんなに唇を吸われると腫れるし、もう足に力が入らなくて立っていられない。

「我慢ができない。タヤ……甘い、私だけの」
「まて……ルテ、あっ、ああ、……ンンッ!」

「いままで、我慢してきたんだ待てない……」

 フォルテの熱い胸板に抱きしめられた……あ、うそ……フォルテにさんざん煽られていたからか、いま抱きしめられてイッた。

(んわぁ……マジか)
 
 パンツの中は自分が出したもので、ヌルヌルで冷たくて気持ち悪い。……くそ、フォルテの熱杭もガチガチだ。オレだけイクなんて嫌だと、スラックスの上からフォルテの熱杭に指をはわせた。

 その指に反応してピクッと杭がする。
 フォルテも、少しさすればでそうだ。

「くっ、タヤ……でちまう」
 
「黙れ……ルテの熱いキスで、すでに出たオレに言うな」

 オレより身長の高いフォルテを下から睨むと、一瞬瞳を大きくさせ、そのあと口元を緩ませた。

「そうか、私の熱いキスでタヤはイッたのか。クックク、可愛いな。タヤ、私の部屋でもっと愛しあおう」

「ハァ? ルテの部屋でもっと愛し合う?」

「そうだよ」

 フォルテは軽々とオレを抱えて二階に上がり、使われていない部屋の鍵を器用に開けた。中は綺麗に掃除が行き届き、高級な家具が置かれていて、その部屋の奥にはキングサイズのベッドが置かれていた。

「凄い、部屋」

「そう。タヤに会うまでは冒険終わりによくこの部屋で、仮眠を取っていたんだ。――シンギさんたち以外誰も知らない私だけの秘密基地だ」

「秘密基地? それを俺に教えていいのか?」
「フフ、いいよ」

 フォルテは笑ってそんなことを言い、オレをベッドに押し倒してふたたび唇を奪った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生した新人獣医師オメガは獣人国王に愛される

こたま
BL
北の大地で牧場主の次男として産まれた陽翔。生き物がいる日常が当たり前の環境で育ち動物好きだ。兄が牧場を継ぐため自分は獣医師になろう。学業が実り獣医になったばかりのある日、厩舎に突然光が差し嵐が訪れた。気付くとそこは獣人王国。普段美形人型で獣型に変身出来るライオン獣人王アルファ×異世界転移してオメガになった美人日本人獣医師のハッピーエンドオメガバースです。

転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています

柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。 酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。 性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。 そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。 離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。 姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。 冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟 今度こそ、本当の恋をしよう。

転生したら猫獣人になってました

おーか
BL
自分が死んだ記憶はない。 でも…今は猫の赤ちゃんになってる。 この事実を鑑みるに、転生というやつなんだろう…。 それだけでも衝撃的なのに、加えて俺は猫ではなく猫獣人で成長すれば人型をとれるようになるらしい。 それに、バース性なるものが存在するという。 第10回BL小説大賞 奨励賞を頂きました。読んで、応援して下さった皆様ありがとうございました。 

【完結】悪妻オメガの俺、離縁されたいんだけど旦那様が溺愛してくる

古井重箱
BL
【あらすじ】劣等感が強いオメガ、レムートは父から南域に嫁ぐよう命じられる。結婚相手はヴァイゼンなる偉丈夫。見知らぬ土地で、見知らぬ男と結婚するなんて嫌だ。悪妻になろう。そして離縁されて、修道士として生きていこう。そう決意したレムートは、悪妻になるべくワガママを口にするのだが、ヴァイゼンにかえって可愛らがれる事態に。「どうすれば悪妻になれるんだ!?」レムートの試練が始まる。【注記】海のように心が広い攻(25)×気難しい美人受(18)。ラブシーンありの回には*をつけます。オメガバースの一般的な解釈から外れたところがあったらごめんなさい。更新は気まぐれです。アルファポリスとムーンライトノベルズ、pixivに投稿。

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

【BL】正統派イケメンな幼馴染が僕だけに見せる顔が可愛いすぎる!

ひつじのめい
BL
αとΩの同性の両親を持つ相模 楓(さがみ かえで)は母似の容姿の為にΩと思われる事が多々あるが、説明するのが面倒くさいと放置した事でクラスメイトにはΩと認識されていたが楓のバース性はαである。  そんな楓が初恋を拗らせている相手はαの両親を持つ2つ年上の小野寺 翠(おのでら すい)だった。  翠に恋人が出来た時に気持ちも告げずに、接触を一切絶ちながらも、好みのタイプを観察しながら自分磨きに勤しんでいたが、実際は好みのタイプとは正反対の風貌へと自ら進んでいた。  実は翠も幼い頃の女の子の様な可愛い楓に心を惹かれていたのだった。  楓がΩだと信じていた翠は、自分の本当のバース性がβだと気づかれるのを恐れ、楓とは正反対の相手と付き合っていたのだった。  楓がその事を知った時に、翠に対して粘着系の溺愛が始まるとは、この頃の翠は微塵も考えてはいなかった。 ※作者の個人的な解釈が含まれています。 ※Rシーンがある回はタイトルに☆が付きます。

転生黒狐は我が子の愛を拒否できません!

黄金 
BL
幼馴染と一緒にトラックに撥ねられた主人公。転生した場所は神獣八体が治める神浄外という世界だった。 主人公は前世此処で生きていた事を思い出す。そして死ぬ前に温めていた卵、神獣麒麟の子供に一目会いたいと願う。 ※獣人書きたいなぁ〜で書いてる話です。   お気に入り、しおり、エールを入れてくれた皆様、有難う御座います。

オタク眼鏡が救世主として異世界に召喚され、ケダモノな森の番人に拾われてツガイにされる話。

篠崎笙
BL
薬学部に通う理人は植物採集に山に行った際、救世主として異世界に召喚されるが、熊の獣人に拾われてツガイにされてしまい、もう元の世界には帰れない身体になったと言われる。そして、世界の終わりの原因は伝染病だと判明し……。 

処理中です...