女神様の間違いで落とされた、乙女ゲームの世界で愛を手に入れる。

にのまえ

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 学園の応接間で何度も熱杭をしごきあい、私の腕の中で眠ってしまったタヤを転移魔法で、自分の寝室へと連れてきた。

 人を下がらせ私自らタヤの体を清め、衣類を替えてベッドに寝かせた。大切な私のタヤ――いま開始されている作戦を知ったら『ルテ! なんてことをしたんだ!』と、君は怒るだろうか?

 でも、私の番をあんなゲスな――フォックスに渡したくない。兎たちを使ったモンスター襲撃のあと、黒猫にフォックスを調べさせた。黒猫の報告によると、王子は自国に何人ものオメガを飼い慣らし、番にして、ひどい扱いをしているそうだ。

 奴には、怒りしか湧かない。

 話を伝えられたとき、噂だと思っていたが本当のことだった。同じ王子ながらショックを受けたよ。

 そんな奴が誰も幸せになどできるものか。
 
 今行っていることはロッサ嬢の案でもあるが……彼女の手を借りタヤに扮した黒猫と、公爵家に馬車で戻ってもらっている。

 近くに黒猫達も配置して、万全の態勢で作戦を決行した。合図がくれば私もそこに合流する手筈。体を清めた後、いつでも動けるように冒険者の服を身につけた。


 しばらくして、黒猫の1人が部屋の外から念話で伝える。

〈フォルテ殿下――フォックス殿下が、ロッサ嬢が乗る馬車付近に現れました〉

〈そうか……わかった、いま行く〉

 マントを翻して、猫達が準備した転移魔法で移動した。

 

 ♱♱♱

 

 馬車の中でロッサは緊張していた。自分で提案した作戦だけど怖いものは怖い。のだけど、フォルテ殿下の"黒猫"が私を守っている安堵感もある。

 そして、私の目の前には囮役となる白兎、メイドの姿をしたタヤに扮した黒猫がいる。どこをどう見ても、私の友達のタヤにソックリで驚くしかない。

 乗る前に挨拶をしたのだけど、黒猫もタヤと同じ男性だ。肌が綺麗で、見た目も可愛くて、身のこなしも綺麗で負けている。
 
 ――流石としか言えない。

 しばらくして、まえの黒猫が馬車の外を気にし始めた。
 魔法で連絡をとっているのか。それともフォックスの気配を探っているのか、彼の動きが止まる。

 そして目の前の私に。

「ロッサ嬢、フォックス殿下が付近まで来たもようです。僕から離れないようにしてください」

「は、はい、わかりました」

 馬車の中に緊張が走った。
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