54 / 59
51
ロッサ嬢には詳しく説明をして、ワザと馬車を森の中を走らせた。今、それに引っかかったフォックスの者がタヤを狙って現れた。
だが、いとも簡単に黒猫達の剣に倒れる者達……これはフォックスの護衛ではなく、金で雇った騎士崩れ共ばかりだと気付く。黒猫は奴らをすばやく倒し、捕らえ、次の戦闘体制に入る。
ほかに、フォックスが雇ったであろう騎士崩れはいないのか気配を探るも、森の中は静けさに満ちている。だが森にときおり吹く風にのり、奴のシトラスの香水の香りと酒の香りが鼻をくすぐり、フォルテをイラたせる。
(酒まで飲んでいるのか? それに隠れる気はないようだな)
「フォックス、そこで見ているのだろう! 隠れていないで出てこい!」
威嚇にも似た声を上げると、フォルテの視線の先の茂みが揺れ。酒の匂いを漂わせ頬が赤く、目がうつろなフォックスが茂みから現れた。その後ろにはフォックスを守るように、手慣れの騎士も眉をひそめたまま数名現れた。
(護衛達のその表情。フォックスに物申したいが、任務の為に何も言えないのだな)
そんなことを知ってか知らずか、当人のフォックスはニタニタと楽しげに笑い、更にフォルテをいらたせた。
「なぁんだぁ~バレていたのかぁ~……かわいい、タヤを手に入れようと思っていたのに残念だ。ねぇフォルテ、大切にするからタヤを譲ってくれよ~ボクは可愛い、タヤが欲しいんだ」
「タヤが欲しいだと? フォックス、馬鹿げたことを言うな! タヤは……私の大切な番だ」
「えぇ~大切? まだ番の儀式も済んでいないくせに大切な番だって? ……クスクス、笑わせる」
挑発するようにフォックスは腹を抱えて、フォルテを馬鹿にするように笑った。その姿にフォルテはため息を吐く……
(私を挑発して、腰の剣を抜くのを待っているらしい考えが……考えがお粗末だ)
「フォックス、君のお始末な挑発には乗らんよ。だが、フォックスには正式に決闘を申し込む。その勝負に勝ち、二度と、この国の地は踏ませない」
「ボクと勝負? フフ、それでいいよ~じゃ、ボクが勝ったらタヤをもらうねぇ~」
「貴様には勝たせん!」
フォルテは飄々(ひょうひょう)と戯言を言う、フォックスを今すぐ殴りたくなったが我慢した。明日の決闘で叩きのめすと決めた。
「フォックス! 明日の正午、王城の訓練場で待つ」
「明日の正午だね、わかった。タヤ、迎えにいくから待っていてね」
フォックスはタヤが乗っていない馬車に向けて手を振り、声をかけてフォルテを睨み、護衛の騎士達と共に闇夜へ消えていった。
だが、いとも簡単に黒猫達の剣に倒れる者達……これはフォックスの護衛ではなく、金で雇った騎士崩れ共ばかりだと気付く。黒猫は奴らをすばやく倒し、捕らえ、次の戦闘体制に入る。
ほかに、フォックスが雇ったであろう騎士崩れはいないのか気配を探るも、森の中は静けさに満ちている。だが森にときおり吹く風にのり、奴のシトラスの香水の香りと酒の香りが鼻をくすぐり、フォルテをイラたせる。
(酒まで飲んでいるのか? それに隠れる気はないようだな)
「フォックス、そこで見ているのだろう! 隠れていないで出てこい!」
威嚇にも似た声を上げると、フォルテの視線の先の茂みが揺れ。酒の匂いを漂わせ頬が赤く、目がうつろなフォックスが茂みから現れた。その後ろにはフォックスを守るように、手慣れの騎士も眉をひそめたまま数名現れた。
(護衛達のその表情。フォックスに物申したいが、任務の為に何も言えないのだな)
そんなことを知ってか知らずか、当人のフォックスはニタニタと楽しげに笑い、更にフォルテをいらたせた。
「なぁんだぁ~バレていたのかぁ~……かわいい、タヤを手に入れようと思っていたのに残念だ。ねぇフォルテ、大切にするからタヤを譲ってくれよ~ボクは可愛い、タヤが欲しいんだ」
「タヤが欲しいだと? フォックス、馬鹿げたことを言うな! タヤは……私の大切な番だ」
「えぇ~大切? まだ番の儀式も済んでいないくせに大切な番だって? ……クスクス、笑わせる」
挑発するようにフォックスは腹を抱えて、フォルテを馬鹿にするように笑った。その姿にフォルテはため息を吐く……
(私を挑発して、腰の剣を抜くのを待っているらしい考えが……考えがお粗末だ)
「フォックス、君のお始末な挑発には乗らんよ。だが、フォックスには正式に決闘を申し込む。その勝負に勝ち、二度と、この国の地は踏ませない」
「ボクと勝負? フフ、それでいいよ~じゃ、ボクが勝ったらタヤをもらうねぇ~」
「貴様には勝たせん!」
フォルテは飄々(ひょうひょう)と戯言を言う、フォックスを今すぐ殴りたくなったが我慢した。明日の決闘で叩きのめすと決めた。
「フォックス! 明日の正午、王城の訓練場で待つ」
「明日の正午だね、わかった。タヤ、迎えにいくから待っていてね」
フォックスはタヤが乗っていない馬車に向けて手を振り、声をかけてフォルテを睨み、護衛の騎士達と共に闇夜へ消えていった。
あなたにおすすめの小説
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた
木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。
自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。
しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。
ユエ×フォラン
(ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)
黒豹拾いました
おーか
BL
森で暮らし始めたオレは、ボロボロになった子猫を拾った。逞しく育ったその子は、どうやら黒豹の獣人だったようだ。
大人になって独り立ちしていくんだなぁ、と父親のような気持ちで送り出そうとしたのだが…
「大好きだよ。だから、俺の側にずっと居てくれるよね?」
そう迫ってくる。おかしいな…?
育て方間違ったか…。でも、美形に育ったし、可愛い息子だ。拒否も出来ないままに流される。
転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています
柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。
酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。
性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。
そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。
離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。
姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。
冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟
今度こそ、本当の恋をしよう。
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。番外編をちょこちょこ追加しています。
性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000の勇者が攻めてきた!
モト
BL
異世界転生したら弱い悪魔になっていました。でも、異世界転生あるあるのスキル表を見る事が出来た俺は、自分にはとんでもない天性資質が備わっている事を知る。
その天性資質を使って、エルフちゃんと結婚したい。その為に旅に出て、強い魔物を退治していくうちに何故か魔王になってしまった。
魔王城で仕方なく引きこもり生活を送っていると、ある日勇者が攻めてきた。
その勇者のスキルは……え!? 性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000、愛情Max~~!?!?!?!?!?!
ムーンライトノベルズにも投稿しておりすがアルファ版のほうが長編になります。
無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~
紫鶴
BL
早く退職させられたい!!
俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない!
はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!!
なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。
「ベルちゃん、大好き」
「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」
でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。
ーーー
ムーンライトノベルズでも連載中。