魔力なし悪役令嬢の"婚約破棄"後は、楽しい魔法と美味しいご飯があふれている。

にのまえ

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第二章 ストレーガ国までの帰路

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「ラエル、もしかして……この結界を使って魔力測定していないか?」

「してるかも……この結界を壊した者に何かしら、いい事が起こるのかもね」

「だが、結界を壊せるものはこの中にいないなぁ……それに王都がこのままの状態で数ヶ月以上経つからな、そろそろ勘づいた隣国が動き出すかもしれない」

 辺境伯に向かい確認して、まだ隣国の動きは大丈夫だった。しかし、どうなるかは分からないと、シエルさんは杖を構え結界を壊そうとした。

 そこに、一頭のペガサスがこちらに飛んできた。

「あ、あなたは! 先ほどは僕の妹が失礼をしました、麗しい君」

 
「「⁉︎」」
 

 福ちゃん含め、みんなが唖然とする。 
 確かこの人はシエルさんの友達で……辺境伯の長子、ノース様だ。


「ノース! さっき、ルーは俺の婚約者だって紹介したろ!」

 
「あぁ! そういやそうだった~。いやぁ、可愛いからさ~。君、僕のペガサスに乗ってみない?」

「ルーを誘うのはやめろって!」

 シエルさんに手を引かれて、背中に隠される。
 こんなにお調子者の人は初めてかもしれない。彼のお父様と妹さんのキャラも凄かったけど……お兄さんもキャラが濃いわ。

「コラ、ノースさん! ルーチェさんの事になると、兄貴がマジギレするからやめてあげて。キレた兄貴は怖いよ」

「知ってる~……さっきもだけど、いつもすかしているシエルの焦った顔が珍しくて、ついねぇ~」

 あ、この人は懲りない人だ。



「何が"つい"だノース! 俺をおちょくるのもいい加減にしろ!」

 声を張り上げ、シエルさんが杖を振り上げノース様に向けて電撃を落とす、逃げても落とす。彼とペガサスが避けた電撃が結界にあたり、今まで入っていないヒビを入れた。

「おい、マジかよ~」
「ノースさん、しっかり逃げて!」

「ラエル、あいつに加担するな! ノース、逃すかぁ! ウルラ、あいつとペガサスを追え!」

 シエルさんは福ちゃんに追えと、命令し。
 ノース様はペガサスに逃げろと、命令した。

「クルル、シエルのアレに当たったら、絶対に僕達死ぬ~走れぇ!」

 彼とペガサスが逃げ回るたび、シエンさんの雷撃は結界にヒビを入れた。それを目の当たり(まのあたり)にした魔法使い達は唖然として攻撃の手をとめた。

「おーい、ラエル見ていないで助けて~ベルーガ様でもいい~」
 
「無理だよ」
「やだね」

 そんなぁ~。ノース様の情けない声が聞こえてくる。肝心のシエルさんは楽しそうだけど。そろそろ止めてあげないと、本当にノース様はシエルさんの雷撃を喰らってしまいそう。

「シエルさん」

 彼の名を呼び、彼の杖を持つ手に自分の手を乗せて「もうやめてあげて」と頼むと。シエルさんは「仕方ない」と言わんばかりに雷撃を打つのをやめ。杖の先端を王都を覆う結界に当て、粉々に破壊した。

「きゃっ⁉︎」
「うおっ!」
「兄貴?」

「ククッ、そう驚くな。俺はノースとペガサスを攻撃していたのではなく、初めからこれが狙いだ」
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