39 / 165
11~20話
助けて、助けられて【上】
しおりを挟む
泣き疲れに酔いも相まって泥のように眠り、一夜明けた翌――朝?
「っふぁぁ~ぁ」
微かな頭痛を覚えながら上体を起こせば、一晩中抱きしめていた遺骨入りカプセルがコロンとシーツに転がり落ちた。
「……異世界かぁ」
大きなカプセル。
小さな自分。
ここが地球上のどこかだと期待することすら叶わない、『魔法』や『スライム』なんてものの存在する見知らぬ世界。
異世界に放り出されたというだけでも一大事なのに、そのうえ身体まで小さくなってしまっただなんて。
ここまで来るともはや、一周回って清々しさすら感じる。
「――うん。まあ、飛ばされたのがここでよかった」
雨風しのげる寝床……どころか立派すぎる住まいがあって、家主のクロは驚くほど親切にしてくれる。
もしもこれが森の中にでも放り出されていようものなら、この小ささだ。自分の置かれた状況に気付くよりも先に、一瞬で野生動物の餌になっていたことだろう。
それに、ここにはおじいちゃんもいる。
カプセルを軽く揺すってみればカタカタと、そこにいる音がする。それだけで、この世界に一人きりではないと思えるから。
カプセルをもう一度ぎゅっと抱きしめてからバスケットに戻すと、ぴょいとベッドを下りた。
「落ち込んでたって何も変わらないなら、落ち込むだけ損だもんね!」
昨晩とことん泣いたことで、大分気持ちが落ち着いた。
今のところ元の世界に戻れそうな気配はないけれど、幸か不幸かあちらで私の帰りを待つ人もいない。
それなら今は、この世界でどう生きていくかを考えたほうが建設的だろう。
「生きるためにも、まずはー……朝食っ!」
プレゼントで貰った食料を胃袋に収めるべく、えいえいおー! と部屋を出た。
「っふぁぁ~ぁ」
微かな頭痛を覚えながら上体を起こせば、一晩中抱きしめていた遺骨入りカプセルがコロンとシーツに転がり落ちた。
「……異世界かぁ」
大きなカプセル。
小さな自分。
ここが地球上のどこかだと期待することすら叶わない、『魔法』や『スライム』なんてものの存在する見知らぬ世界。
異世界に放り出されたというだけでも一大事なのに、そのうえ身体まで小さくなってしまっただなんて。
ここまで来るともはや、一周回って清々しさすら感じる。
「――うん。まあ、飛ばされたのがここでよかった」
雨風しのげる寝床……どころか立派すぎる住まいがあって、家主のクロは驚くほど親切にしてくれる。
もしもこれが森の中にでも放り出されていようものなら、この小ささだ。自分の置かれた状況に気付くよりも先に、一瞬で野生動物の餌になっていたことだろう。
それに、ここにはおじいちゃんもいる。
カプセルを軽く揺すってみればカタカタと、そこにいる音がする。それだけで、この世界に一人きりではないと思えるから。
カプセルをもう一度ぎゅっと抱きしめてからバスケットに戻すと、ぴょいとベッドを下りた。
「落ち込んでたって何も変わらないなら、落ち込むだけ損だもんね!」
昨晩とことん泣いたことで、大分気持ちが落ち着いた。
今のところ元の世界に戻れそうな気配はないけれど、幸か不幸かあちらで私の帰りを待つ人もいない。
それなら今は、この世界でどう生きていくかを考えたほうが建設的だろう。
「生きるためにも、まずはー……朝食っ!」
プレゼントで貰った食料を胃袋に収めるべく、えいえいおー! と部屋を出た。
34
あなたにおすすめの小説
推しの幸せをお願いしたら異世界に飛ばされた件について
あかね
恋愛
いつも推しは不遇で、現在の推しの死亡フラグを年末の雑誌で立てられたので、新年に神社で推しの幸せをお願いしたら、翌日異世界に飛ばされた話。無事、推しとは会えましたが、同居とか無理じゃないですか。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~
花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。
だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。
エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。
そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。
「やっと、あなたに復讐できる」
歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。
彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。
過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。
※ムーンライトノベルにも掲載しております。
次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる