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11~20話
大きさはいい勝負かもしれない【下】
しおりを挟む「いいって言うまでこっち向いちゃダメですからね!? 絶対ですよ!?」
「ああ、承知した」
脱衣室の中。
クロの腰の高さほどの棚の上で、しっかりとクロに釘を刺す。
なにせ嫁入り前の乙女の柔肌が懸かっているのだ。
クロがこちらに背を向けたのを確認すると、自分も壁を向いて服を脱ぎにかかった。
うぅ……脱ぐごとにガードを失っていくようで、なんとも心許ない。
下着に手をかけつつ、本当に見ていないだろうかと背後を見上げれば、服の上からでは想像もつかないほど逞しく筋肉の隆起した背中が見えた。
着やせするタイプ――!
慌てて顔を背け、頬が熱くなるのを感じながらもひと息に下着を下ろす。
男の人の上半身なんて、プールの授業で散々見たはずなのに……!
ドールハウスから持参したバスタオルをぐるぐると二周巻きつけて留めると、クロの進捗を窺うべく振り返らずに声をかけた。
「私のほうは準備終わりました!」
「そうか。俺も終わった」
「あ、よかったで――――」
笑顔でクロを振り返り、ピシリと固まる。
………………
………………
えーと……私の身長とどっちが大きいかな……
――じゃなくて!!!!!!
「前! 前隠してください!! 前っ!!!」
両手で顔を覆ってうずくまる。
モロに直視してしまった! しかもまじまじと! だって、いきなり目の前にぶら下がっ……あ゛ー! あ゛ーっ! 見てない! 私は何も見てないぞ!!
「? これから風呂に入ろうというのに、なぜ隠す必要が?」
「なぜって――」
私に見えちゃうからで……って、それは私の勝手な都合だ。
こちらからお風呂に入りたいと言って同行させてもらっている以上、クロの行動に口出しするのはお門違いだろう。
「うぐ……な、なんでもないです。ただ、ちょっとその……早く抱っこしてもらってもいいですか」
今も目の前にあるであろうソレを視界に入れないよう、顔は伏せたままクロへと手を伸ばした。
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