ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。

南田 此仁

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11~20話

ぬるぬる泡プレイ【上】

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 淡いブラウンをベースに金古美色アンティークゴールドの装飾を施された壁と、部屋の隅や台の上でやわらかな光を放つ間接照明。
 木製の鏡台に陶器のボウルをはめ込んだような立派な洗面台や、おおよそ浴室とは思えない布張りの椅子。

 まるで居室のような空間をきょろきょろと眺めながら奥に進み、大きな猫足のバスタブが見えてようやく、ここが『浴室』なのだと確信を持てた。



 カポーン……(幻聴)

 細長い窓の外にはレモンの月。
 私は小瓶や石鹸の置かれた台の上に座り、オリーブ色の石鹸をタオルで擦って泡立てていく。

 ぶくぶくと生まれるシャボンの玉は、小さいもので手のひらサイズ、大きなものではビーチボールほどもにもなった。

「泡がおっきい……」

「うん? 何か言ったか?」

「いえ、クロはちゃんと目を閉じててください!」

 クロの行動を制限するのは……と考えを改めたばかりだけれど、まぶたの一つ二つは見逃してほしい。
 クロは素直に目を閉じ、くつろいだ様子でお湯に浸かっている。

 今私がいるのは、バスタブの横に据えられた台の上。
 お湯に浸かったままで石鹸類に手が届くよう設計されているのか、台はバスタブの縁ほどの高さでぴたりと隣接している。

 お湯を張って置いてくれた大きなおけの縁にバスタオルを引っ掛け、持参したミニチュア手桶でお湯をすくって浴びて。
 石鹸を付けたタオルで、ぷくぷくとつるつると全身を洗っていく。

 身体を流れ落ちて台に溜まった大きなシャボンの玉を見ていると、私一人くらいなら中に入れそうな気がしてくるから面白い。

 シャボンの……中に………………?

「――クロ! クロっ!!」

「どうした!?」

 バッとこちらを向いたクロに、ワクワクと胸を高鳴らせてお願いする。

「両手の指をくっつけて、こう、こうやって……私の周りにおっきな泡を作ってくれませんか!?」

 石鹸まみれの両手の親指と人差し指をつけて輪を作ると、ペタリと台に当ててから上に持ち上げ、台の上に半球型のシャボンを作って見せた。
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