ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。

南田 此仁

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31~40話

告白は墓穴のあとに【下】

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「案外、祖父君も『導き』に協力してくれたのかもしれないな」

 突然切れたペンダントチェーン。
 道を示すように勢いよく転がって、拾おうと伸ばした手に触れた瞬間、共にこの世界へとやってきたカプセル。

「――ふふっ、おじいちゃんならやりそう」

 昔から、好きなものやしたいことを我慢しようとしても、おじいちゃんには全部お見通しだった。
 訳知り顔で微笑んで、「日菜はこっちのほうが好きだったろう?」と言っている姿が目に浮かぶようだ。

「それなら私……この世界にいてもいいんですね」

「当たり前だ。いなくなられたら、今度は俺がそちらの世界へ探しに行かねばならない」

 ビルに囲まれた街中であたふたとして、行き交う自動車に驚くクロを想像してみる。

 …………ううん。やっぱりクロは、この世界で堂々としているほうが似合う。
 だったら私が、こちらにいればいい。



「ところでヒナ。先ほどの……ずっと俺の側にいたいという言葉は、都合よく受け取ってしまってもいいんだろうか?」

 クロの言葉に、ちょっと迷って口を開く。

「恋愛感情と、ただの好意の違いってなんでしょう?」

 おそらくこれは恋愛感情だと思うのだけれど、初めてのことなので確証が持てない。
 確証のないまま告白を受け入れて万が一恋愛感情じゃなかったりしたら、とても失礼だし、クロを傷つけることにもなってしまう。そんなのは嫌だ。

「好意との違いか。そうだな…………の有無じゃないか?」

「にくよく……」

 にくよく……。

「抱きしめ、口づけて、すべてに触れたいと願う。どんなに好きでも、ぬいぐるみや、家族や友人には抱かない感情だ」

「たしかに……」

「それで、ヒナの感情は?」

 クロの瞳が、何かを期待するように輝く。

 この流れは、あれだ。
 自分が変なことを聞いたばっかりに、『恋愛感情である』と認めることが、『肉欲を抱いている』と告白することと同義になってしまった。ゆゆしき事態だ。

 クロに抱きしめられるのは好きだ。
 唇同士が掠ったときも、不快感はなかった。
 それ以上のことはちょっと想像がつかないけれど……きっと、クロになら何をされても嫌じゃない、と、思う。

 答えは驚くほど明白。

 一足先に赤くなった頬を手のひらで冷ましながら、腹をくくる。

「れ……恋愛感情で、クロが好き……です」
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