ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。

南田 此仁

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41~50話

まだちっちゃい!?【中】

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「ミディルアード!!」

「ん~? なにかあったぁ~?」

 ミディルアードが入室すると、クロは片腕に抱き上げてきた私を下ろし、ぴたりと背後に並び立った。

「見ろ! まだ小さすぎる!」

 真っ直ぐ伸ばした手のひらを私の頭に添えて、自身の胸の半ばまでしか高さがないことを主張する。

「えぇ~?」

「こんなに小さくて可愛い生き物成人女性がいるわけないだろう!」

「えぇ~……」

 クロのその言葉を聞いて、私の中の疑念が確信に変わった。

「たしかに……! 調子のいい日は百五十センチありましたし、私ももうちょっと大きかった気がします!」

 クロが長身なのはわかっていたけれど、それにしたって頭二つ分というのは差がありすぎると思ったのだ。
 ついでに胸ももう少しあったような気がしてきた。

 クロとともに小さいコールを上げていると、ミディルアードは白衣のポケットから細長い懐中電灯のようなものを取り出して目の前に立った。

「顔上げてぇ~」

 グイッとまぶたを広げられ、誘拐されたときと同様に眼球にレーザーポインターのような光を当てられる。
 顎を押し下げられて開いた口から舌を掴んで引っ張り出され、また光を当てられて。
 脈を測るようにしばらく首筋に手を触れたあと、ミディルアードは懐中電灯をポケットに戻した。

「なんにも問題ないね。眼球の拡大率も計算通りだし脈も正常。そもそも魂との誤差があったら結界で弾かれてるでしょ~。ねぇ、頭痛も治まったんじゃない~?」

「あ……はい。もう痛くないです」

 言われてみれば、ここ数日続いていた頭の痛みが消えている。
 異常のある箇所といえば、薬のえぐみがこびりついて離れない舌くらいのものだ。

「せっかくの機会だから、めったに扱えない希少な治癒薬配合しといたんだよねぇ~。じゃぁ完了ってことでクローヴェル、禁書庫の件忘れないでねぇ~」

 ミディルアードはそれだけ言うと、用は済んだとばかりにさっさと部屋を出ていってしまった。
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