ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。

南田 此仁

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41~50話

幸せな寝入りと想像もできない朝【下】

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「ああ、正式な婚姻の儀は準備に時間がかかるからな。まずは婚約披露だけだ」

「んぇ? えっ、婚約って……誰が??」

「もちろん俺とヒナだ。ヒナも、俺とともにいたいと言ってくれただろう? それとも俺との結婚は嫌か……?」

 悲しそうに目を伏せるクロに慌てて首を振る。

「いえ、全然! 嫌じゃないですけどっ! ……ただ、あまりに急な話だったのでビックリしたっていうか……」

「――ああ、王族に『恋人関係』というものはないんだ。不用意にを蒔けばいらぬ火種を生むからな。だから王族が相手と定めた場合、それはすなわち結婚を意味する」

「じゃあ、私は……」

「名実ともに俺のものとなるな」

 なんということだ。想いを返した時点で、結婚が確定していたとは。
 …………んー、でもまあ、ずっとクロの側にいたいと言ったのは本心だし、クロと別々に暮らすことなんか考えられないし。そうなればいつかは結婚するのだろうとも思っていたから……時期がちょっと早まっただけ、かな?

 大きな手のひらに撫でられ心地よさに目を細めながら、気を取り直して問いかける。

「じゃあ、タイカン式っていうのは?」

「王に即位するための儀式だ」

「????? 誰がですか?」

だな」

「………………………………うん??」

 思考回路がショート寸前な私を置いて、クロは説明を続ける。

「『結婚相手を見つけること』が、父上に課せられた即位の条件だったんだ。ヒナを紹介した日から少しずつ準備を始めていたんだが、今朝方父上にヒナが人間であったこと、元の大きさに戻り正式に両想いとなったことを伝えにいったところ、即座に具体的な日程が決まった」

 知らぬ間に、なにやらとんでもないことに……。
 いや、王子様だとは知らされていたのだから、いずれ王様になるかもしれないとは容易に推測できたはずじゃないか。――できてなかったけども!

「クっ、クロが王様になったら、私は女王様に……!?」

「ふっ、残念ながら王妃だな」

「おーひ……」

 口の中で繰り返す。
 おーさま、おーひさま。

 その光景を思い描こうとしたけれど……寝起きの頭の中は真っ白で、これっぽっちも想像なんてできなかった。
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