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51~最終話
犯人の退場【中】
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「はっは、何度お聞きになられようと同じこと、斯様な男のことなど一切存じ上げませんとも。……しかしながら罪人の言葉を鵜呑みにするなど、とても君主にならんとする賢人の行いとは思えませんな」
「ほう、俺が愚かだと申すか」
「いえいえ、決してそのようなことは」
会話の内容から察するに、拘束されているのが今回の襲撃の犯人のようだ。
ピリピリと張り詰めた空気に、遠巻きに取り囲む見物人たちも固唾を呑んで成り行きを見守っている。
「っ何もかもてめぇのせいだ! 魔力干渉のせいで護衛は半刻以上王太子の近くにゃいられないって話だったろうが! だから俺ぁ護衛全員が部屋から離れたあとも、待ち伏せの可能性を考えて一刻は待ってから忍び込んだんだ! それがどうだ!? 部屋に入った途端待ち構えてた騎士どもに飛びかかられてこのザマよ! てめぇがガセネタで俺を嵌めやがったんだ! てめぇのせいで――」
「殿下、いつまで罪人の戯れ言に付き合われるおつもりですかな?」
「ふむ、民の言葉には等しく耳を傾ける主義でな。……まあいい、この男を連れていけ」
「俺だけが処刑されてたまるか! 絶対てめぇも道連れにムグッ――――! ンンーッ、ゥグーッ!」
男は布を噛まされ、なおも抵抗しながら引きずられるように連行されていった。
「さて、話はお済みのようですのでわたくしめも執務に戻らせていただきます。本日は式の準備に忙殺されており――」
「卿が向かうべくは執務室ではない」
「――なんですと?」
クロの許可も待たずにその場を立ち去ろうとしていた宰相が、片眉を吊り上げて振り返る。
「戴冠式の日程が決まった瞬間から、卿とその周辺に徹底した監視体制を敷いていた。先ほどの男のこと、思い出せないようであれば尋問官に聞くといい。殺しを生業とする人間であること、依頼を受けた日時、場所、依頼人がバーグ家の家令であることまでも、詳らかに教えてくれるだろう」
周囲の見物人がざわめきだす。
対する宰相は眉ひとつ動かさず、あっさりと謝罪を口にした。
「ほう、俺が愚かだと申すか」
「いえいえ、決してそのようなことは」
会話の内容から察するに、拘束されているのが今回の襲撃の犯人のようだ。
ピリピリと張り詰めた空気に、遠巻きに取り囲む見物人たちも固唾を呑んで成り行きを見守っている。
「っ何もかもてめぇのせいだ! 魔力干渉のせいで護衛は半刻以上王太子の近くにゃいられないって話だったろうが! だから俺ぁ護衛全員が部屋から離れたあとも、待ち伏せの可能性を考えて一刻は待ってから忍び込んだんだ! それがどうだ!? 部屋に入った途端待ち構えてた騎士どもに飛びかかられてこのザマよ! てめぇがガセネタで俺を嵌めやがったんだ! てめぇのせいで――」
「殿下、いつまで罪人の戯れ言に付き合われるおつもりですかな?」
「ふむ、民の言葉には等しく耳を傾ける主義でな。……まあいい、この男を連れていけ」
「俺だけが処刑されてたまるか! 絶対てめぇも道連れにムグッ――――! ンンーッ、ゥグーッ!」
男は布を噛まされ、なおも抵抗しながら引きずられるように連行されていった。
「さて、話はお済みのようですのでわたくしめも執務に戻らせていただきます。本日は式の準備に忙殺されており――」
「卿が向かうべくは執務室ではない」
「――なんですと?」
クロの許可も待たずにその場を立ち去ろうとしていた宰相が、片眉を吊り上げて振り返る。
「戴冠式の日程が決まった瞬間から、卿とその周辺に徹底した監視体制を敷いていた。先ほどの男のこと、思い出せないようであれば尋問官に聞くといい。殺しを生業とする人間であること、依頼を受けた日時、場所、依頼人がバーグ家の家令であることまでも、詳らかに教えてくれるだろう」
周囲の見物人がざわめきだす。
対する宰相は眉ひとつ動かさず、あっさりと謝罪を口にした。
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