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第三十三筆 失意の筆先に!
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「まさか、小説を書いてるだなんてな」
龍は上司である古田島に告白された。
それは安っぽい恋愛小説のような告白ではなく、過去の告白。
古田島は学生時代、小説を執筆していたというのだ。
「どんな作品を書いていたんだろうか」
気になるのはどのような作品を書いていたか、である。
古田島のことだから絶対真面目な文学作品に違いない。
それにしても、古田島の堂々とした態度に龍は羨ましくもあった。
過去形とはいえ、自分が小説を書いていたと言えるものではない。
Web小説を書いてることをひた隠しにしようとしている自分とは全く違う。
「うーむ」
龍は思った「俺は何故隠そうとしているのだ」と。
古田島のように堂々と小説を執筆していると言ってもいい。
それなのに、何故、どうして隠そうとしていたのか……。
「それよりも、俺は俺のことをしないと――」
そんな思いを払拭するように龍は首を左右に振る。
ちなみに龍は風呂に入り、紫色のパジャマを着用している状態だ。
酒の匂いは取れ、湯につかることで仕事と遊びの疲れは少々抜けている。
それでも完全回復ではないが「本日こそ、ライオン令嬢道を書く!」と気合を入れる。
「さんたなっ」(嚥下音)
龍は風呂上がりの一杯に乳酸菌飲料をゴクリと飲む。
さっぱり爽やか甘酸っぱい味が体を駆け巡る。
これでビフィズス菌による腸内の健康は保たれるだろう。
けれども、龍はどこか晴れやか気持ちにはなれなかった。
「……書籍化作家でも色々あるんだな」
まるぐりっとの件だけではなく、今日の不破との邂逅。
華やかなラノベ、Web小説界隈の裏側を覗き込んでしまった龍。
美しければ美しいほど、その裏側の汚い部分を見てしまうと人間は――。
「富士山も遠くから見ると綺麗だが、近くで見るとゴミが多くて汚いと言うが……」
そのギャップを受け止められないでいる。
パソコンの前に座るも、キーボードに指を置こうとも、打ち込むことが出来ない。
「ああ、クリスティーナ……俺は何故か今日は気分が乗らないんだ」
そう心の中で呟く龍。
「ぬっ! いかん!」
しかし、一度やると決めたことを止めるのは男が廃る。
龍は目を見開き、必殺タイピングを打ち込む。
「グゴゴゴ! ドラゴン・フェニックスの打!」
その名も『ドラゴン・フェニックスの打』。
ドラゴンなのか、フェニックスなのか、どっちなんだ。
そんなツッコミは野暮だぜ。
これは気持ちが乗らないときだけに発動する龍の必殺タイピングなんだ。
「ふう……こんなもんか」
ライオン令嬢道の第二話を執筆した龍、その文字数は千文字ちょっとだ。
第二話はまだ完成していない、つまり未完成。
ここで執筆は一旦中止だ。無理して書いては良い作品は書けない。
半端に終わってしまったが、中途半端な気持ちでやってもいけないと判断した。
「クリスティーナ、今日はここまでだ」
龍は途中執筆の第二話を保存して画面を閉じる。
執筆はここまでとして、少し気になることがあったのだ。
「どういう要件だろう」
古田島と別れた後、龍はスマホに通知が入ってることを知った。
スマホ画面の左上に小さなアイコンマークが表示されていたのだ。
それは手紙の形をしたアイコン、つまりDMが送られてきたのである。
送り主は『まるぐりっと』こと『鬼丸まりあ』からのものであった。
龍は寝る前に、まるぐりっとからのDMをチラ見することにしたのだ。
「ド、ドキドキしやがる!」
高鳴る心臓、これは呪いのDMじゃないんじゃないか。
と思いながらビビり散らかして確認すると――。
まるぐりっと:こんばんは。
シンプルなメッセージ「こんばんは」である。
夜に会ったときに人に挨拶する定型文だ。
昭和から平成の時代を知る人なら続きに「ラッシャー何某です」と言いたいところだろう。
あまりにも簡素なメッセージに龍は戸惑い、次の返信を送った。
ギアドラゴン:マイク! マイク! マイク! マイク! マイク!
古すぎるネタ。
それもプロレスネタという非常にコアなジャンルだ。
意味不明なメッセージを送り、龍は我に返る。
「ハッ! まるぐりっとから『@』以降の肩書きが! 塩対応令嬢の名がなくなっている!」
我に返ったのにそれかい! という反応はここで置いておこう。
そう、まるぐりっとから『肩書き』という大事なラベルが剝がされていた。
@「塩対応令嬢」書籍化とコミカライズ決定!
信者達へと送る、この大事なご報告が消え失せていたのである。
「ど、どういうことだ……」
理由はだいたい察しながらも、龍はまるぐりっとのアカウントをチェックする。
気分はオンブズマン、外部からの監視と検証である。
※オンブズマン:苦情を受けた第三者機関が行政機関などを簡易迅速に調査。権利利益の侵害に対する調査救済の勧告を図る制度。
「こ、これは!」
まるぐりっとのアカウントには固定ポストが設置されていた。
そこには驚愕のことが書かれていた。
さあ、括目せよ! これが異世界令嬢教教祖のお言葉である!
まるぐりっと:【ご報告】塩対応令嬢が天国へと旅立ちました。ムラマサ文庫様が業火に焼かれ散ったのです。つまり『ムラマサ文庫が倒産して、塩対応令嬢の書籍化やコミカライズがなくなりました』。ショックでどうしたらいいかわかりません。他の作品も書けない状態になりました。私はどうしたらいいでしょうか?
「じ、人生相談みたいなポストだな」
レーベルの爆死と共に塩対応令嬢も散った。
その事実を一足早く知っている龍は何とも言えない気持ちになった。
あの強気で、マウント取りで、傲慢なまるぐりっとの弱音を吐くポスト。
信者達からは「がんばって!」「お休みになられて下さい」など励ましのリプが書かれている。
「まずはあの死にかけた体を健康にする方が先じゃないのか」
龍は思った。
衣食住足りてこそ、人は心の余裕が出来て創作活動が出来る。
まるぐりっと、いや鬼丸のリアルな生活を目の当たりに龍。
きっと信者達は、まるぐりっとが作家業で暮らしが成り立っていると思っているはずだ。
その事実を知らない信者達の励ましは確かにありがたいだろう。
だが、同時にそれは実に虚空的なものであるかのように見えてしまう。
まずは鬼丸という一人の人間から無職から脱却せねばならない。
私生活をきちんとしてから執筆活動をせねば良い作品は書けないのだ。
夢や情熱を追う前に、今日と明日を生きる食と寝床が人間には必要なのだから――。
「あっ!」
現実と仮想の間にいるが、リアルとネットは同時平行線上だ。
そうこうしているうちにDMの返信が返ってきた。
まるぐりっと:あなた、この間の配送員さんでしょう?
それは龍が特定されてしまったことを告げるメッセージだった。
龍は上司である古田島に告白された。
それは安っぽい恋愛小説のような告白ではなく、過去の告白。
古田島は学生時代、小説を執筆していたというのだ。
「どんな作品を書いていたんだろうか」
気になるのはどのような作品を書いていたか、である。
古田島のことだから絶対真面目な文学作品に違いない。
それにしても、古田島の堂々とした態度に龍は羨ましくもあった。
過去形とはいえ、自分が小説を書いていたと言えるものではない。
Web小説を書いてることをひた隠しにしようとしている自分とは全く違う。
「うーむ」
龍は思った「俺は何故隠そうとしているのだ」と。
古田島のように堂々と小説を執筆していると言ってもいい。
それなのに、何故、どうして隠そうとしていたのか……。
「それよりも、俺は俺のことをしないと――」
そんな思いを払拭するように龍は首を左右に振る。
ちなみに龍は風呂に入り、紫色のパジャマを着用している状態だ。
酒の匂いは取れ、湯につかることで仕事と遊びの疲れは少々抜けている。
それでも完全回復ではないが「本日こそ、ライオン令嬢道を書く!」と気合を入れる。
「さんたなっ」(嚥下音)
龍は風呂上がりの一杯に乳酸菌飲料をゴクリと飲む。
さっぱり爽やか甘酸っぱい味が体を駆け巡る。
これでビフィズス菌による腸内の健康は保たれるだろう。
けれども、龍はどこか晴れやか気持ちにはなれなかった。
「……書籍化作家でも色々あるんだな」
まるぐりっとの件だけではなく、今日の不破との邂逅。
華やかなラノベ、Web小説界隈の裏側を覗き込んでしまった龍。
美しければ美しいほど、その裏側の汚い部分を見てしまうと人間は――。
「富士山も遠くから見ると綺麗だが、近くで見るとゴミが多くて汚いと言うが……」
そのギャップを受け止められないでいる。
パソコンの前に座るも、キーボードに指を置こうとも、打ち込むことが出来ない。
「ああ、クリスティーナ……俺は何故か今日は気分が乗らないんだ」
そう心の中で呟く龍。
「ぬっ! いかん!」
しかし、一度やると決めたことを止めるのは男が廃る。
龍は目を見開き、必殺タイピングを打ち込む。
「グゴゴゴ! ドラゴン・フェニックスの打!」
その名も『ドラゴン・フェニックスの打』。
ドラゴンなのか、フェニックスなのか、どっちなんだ。
そんなツッコミは野暮だぜ。
これは気持ちが乗らないときだけに発動する龍の必殺タイピングなんだ。
「ふう……こんなもんか」
ライオン令嬢道の第二話を執筆した龍、その文字数は千文字ちょっとだ。
第二話はまだ完成していない、つまり未完成。
ここで執筆は一旦中止だ。無理して書いては良い作品は書けない。
半端に終わってしまったが、中途半端な気持ちでやってもいけないと判断した。
「クリスティーナ、今日はここまでだ」
龍は途中執筆の第二話を保存して画面を閉じる。
執筆はここまでとして、少し気になることがあったのだ。
「どういう要件だろう」
古田島と別れた後、龍はスマホに通知が入ってることを知った。
スマホ画面の左上に小さなアイコンマークが表示されていたのだ。
それは手紙の形をしたアイコン、つまりDMが送られてきたのである。
送り主は『まるぐりっと』こと『鬼丸まりあ』からのものであった。
龍は寝る前に、まるぐりっとからのDMをチラ見することにしたのだ。
「ド、ドキドキしやがる!」
高鳴る心臓、これは呪いのDMじゃないんじゃないか。
と思いながらビビり散らかして確認すると――。
まるぐりっと:こんばんは。
シンプルなメッセージ「こんばんは」である。
夜に会ったときに人に挨拶する定型文だ。
昭和から平成の時代を知る人なら続きに「ラッシャー何某です」と言いたいところだろう。
あまりにも簡素なメッセージに龍は戸惑い、次の返信を送った。
ギアドラゴン:マイク! マイク! マイク! マイク! マイク!
古すぎるネタ。
それもプロレスネタという非常にコアなジャンルだ。
意味不明なメッセージを送り、龍は我に返る。
「ハッ! まるぐりっとから『@』以降の肩書きが! 塩対応令嬢の名がなくなっている!」
我に返ったのにそれかい! という反応はここで置いておこう。
そう、まるぐりっとから『肩書き』という大事なラベルが剝がされていた。
@「塩対応令嬢」書籍化とコミカライズ決定!
信者達へと送る、この大事なご報告が消え失せていたのである。
「ど、どういうことだ……」
理由はだいたい察しながらも、龍はまるぐりっとのアカウントをチェックする。
気分はオンブズマン、外部からの監視と検証である。
※オンブズマン:苦情を受けた第三者機関が行政機関などを簡易迅速に調査。権利利益の侵害に対する調査救済の勧告を図る制度。
「こ、これは!」
まるぐりっとのアカウントには固定ポストが設置されていた。
そこには驚愕のことが書かれていた。
さあ、括目せよ! これが異世界令嬢教教祖のお言葉である!
まるぐりっと:【ご報告】塩対応令嬢が天国へと旅立ちました。ムラマサ文庫様が業火に焼かれ散ったのです。つまり『ムラマサ文庫が倒産して、塩対応令嬢の書籍化やコミカライズがなくなりました』。ショックでどうしたらいいかわかりません。他の作品も書けない状態になりました。私はどうしたらいいでしょうか?
「じ、人生相談みたいなポストだな」
レーベルの爆死と共に塩対応令嬢も散った。
その事実を一足早く知っている龍は何とも言えない気持ちになった。
あの強気で、マウント取りで、傲慢なまるぐりっとの弱音を吐くポスト。
信者達からは「がんばって!」「お休みになられて下さい」など励ましのリプが書かれている。
「まずはあの死にかけた体を健康にする方が先じゃないのか」
龍は思った。
衣食住足りてこそ、人は心の余裕が出来て創作活動が出来る。
まるぐりっと、いや鬼丸のリアルな生活を目の当たりに龍。
きっと信者達は、まるぐりっとが作家業で暮らしが成り立っていると思っているはずだ。
その事実を知らない信者達の励ましは確かにありがたいだろう。
だが、同時にそれは実に虚空的なものであるかのように見えてしまう。
まずは鬼丸という一人の人間から無職から脱却せねばならない。
私生活をきちんとしてから執筆活動をせねば良い作品は書けないのだ。
夢や情熱を追う前に、今日と明日を生きる食と寝床が人間には必要なのだから――。
「あっ!」
現実と仮想の間にいるが、リアルとネットは同時平行線上だ。
そうこうしているうちにDMの返信が返ってきた。
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