ワナビスト龍

理乃碧王

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第七十三筆 進むべき自分だけの創作道!

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 メンタルをボロボロにされた黒鳥は死んでいた。
 目が死んでいた、心が死んでいた、プライドが死んでいた。
 これまでアンチは何人も相手にしたが、それはあくまでネット上だけの存在。
 適当にスルーするか、ポストの引用やクソ感想及びレビューをスクショしてあげれば信者が慰めてくれた。

「ひっ……ヒュッ……あぎっ……うぐぐっ……」

 しかし、このリアルという現実――。
 美人さん古田島に面と向かってディスられ、黒鳥のこれまで築き上げた自信はデストロイされた。
 ただ……その自信はスティックパイのように脆いものであるが……。

「ラノベの最高峰? あんた如きがトップなら業界もたかが知れてるわね」
「あっ……」
「革命? ライトノベルが軽視されてる? 自意識過剰で被害妄想。そもそも殆どの人は興味ないから」
「あっ……あっ……」
「自分大好き人間が透けて見えるわよ。そんなに認めて欲しいならノーベル文学賞でも取ったら? 絶対に無理でしょうけど」
「あっ……あっ……あっ……」
「そういえば、あんたが出してる『最強の青魔導師』だったかしら? 試しにサンプル読んだけど、中身は豪華なイラストがついた絵日記だったわ。何で脈絡もなく中年のオッサンが美青年に転生したところから始まるの? 何で格闘技経験もない冴えないオッサンが魔物と戦えるの? 女の子達がチョロすぎるのはあんたの願望? 主人公達の設定も『僕が考えた最強のロボ』レベル並みにお粗末!」
「あっ……あっ……あっ……あっ……」

 古田島の死体蹴りは止まらなかった。
 怒涛の嫌味トークは、もはや最優秀言葉のバイオレンス賞であった。

「もういい! もういいんだ! 古田島さん!」

 龍は無双する古田島を止めた。
 あまりにも、あまりにもやり過ぎだからだ。
 要するに「やめてーっ! 黒鳥響士郎のライフはもうゼロよ!」と龍は思ったのだ。 

「やめて下さい……やり過ぎです……このままじゃあイカスミまんが死んでしまう」
「あ、阿久津川くん……」

 古田島は黒鳥を見た。
 言葉のフルボッコを喰らった黒きラノベ作家は体を震わせ、項垂れていた。

「少しやり過ぎちゃったかしら?」
「少しどころではありません。フルボッコです」
「あ、あははっ……」

 苦笑いする古田島、ようやく自分のやった塩行為に気づいたようだ。
 一方的に蹂躙して倒すことは非常につまらないものがある。
 大魔王は隠しボス的存在の古田島に倒されるトンデモラストであった。

「いや……」

 そんなヒエヒエの会場の中、ボロボロの黒鳥に近寄る男がいた。

「ギアドラゴン、やり過ぎではないぞ」
「き、騎士田先生?」
「最後の一撃はこの騎士田浪漫にやらせてもらう!」

 龍のことを阿久津川ではなく、何故かギアドラゴン呼びするのは漫画家の騎士田浪漫。
 そっと、黒鳥に耳打ちする。

「黒鳥響士郎、貴様の原作の作画を担当したことがある漫画家の騎士田浪漫だ」
「……っ!」
「覚えているか? 貴様の原作がエタったせいで、私の仕事がなくなったときがあるのだ」
「お、お前は……」

 微かに息がある黒鳥。
 目を見開かせ、恐怖した表情を見せている。
 騎士田はキッとさせ、強く耳打ちした。

「貴様は真のプロではない! 本物のプロなら責任を全うするものだ! 一流面するな三流め!」

 三流、ダメ押しの一言だった。
 黒鳥は自分の原作がエタり、コミカライズが中断し、強制打ち切りになった過去がある。
 作画を担当していた騎士田はこの際に仕事を失い、ここに集まった人間の中でも黒鳥に一番怨みを持っていた。

「UGYAAAAA!」

 精神的な大ダメージにより、多大なストレスを受けた黒鳥。
 この世のものとは思えぬ断末魔を上げ、嘔吐物を撒き散らしながら意識を失った。

「き、騎士田先生」
「彼、生きているの?」

 目を天にする龍と古田島。
 騎士田浪漫はポケットから原稿用紙とサインペンを取り出した。

「イラスト・ダイナスティー!」

 いきなり叫んだ騎士田、わけがわからないよ騎士田。
 急に原稿用紙にサラサラと何かを描いていく。
 その速筆は某スタンド漫画の漫画家のようだ。

「こ、これはクリスティーナ!?」

 騎士田が描き上げたのは龍の作品、ライオン令嬢のヒロインであるクリスティーナであった。

「ギアドラゴン、私の表の顔は漫画家の騎士田浪漫だが――その正体は『内モンゴル自治区マン』だ」
「う、内モンゴル自治区マン!」

 な、なんと、なんということでしょう。
 騎士田はアンチストギル梁山泊の一人の内モンゴル自治区マン。
 一千万の煽り画像で、厄介なストギル作家にクソリプするアンチストギル。
 龍にファンアートを送ったアカウントであった。

「記念にあげよう。もうすぐ最終回も近いしな」
「あ、ありがとうございます。メタ発言ですけど」

 騎士田からクリスティーナを受け取る龍。
 心なしかクリスティーナが「龍様、カッコよかったですわ」と言ったような気がした。(龍、病院だよ!)
 ちなみにあの煽り画像は自身の作品のもので、その正体は騎士田ではないかと密かに噂されていたぞ。

「誰よ、この女」

 眉間にしわを寄せる古田島。
 この可愛い女は誰だよテメェという顔をしている。

「え、えっと……作品のメインヒロイン」
「は?」

 キレ気味で返事をする古田島。
 ヒロインは二次元キャラではなく、この私だろうという顔をしている。

「あはっ! あはははっ!」

 これには苦笑いの龍。
 パワフルクラフト、不破、騎士田は無言なものの笑みを見せている。
 黒きラノベ作家、黒鳥響士郎は斃れた。(死んでない)
 ラスボスは倒され、これにてハッピーエンド――。

「く、黒鳥様が! 現代ラノベの最高峰が! 山が崩れたアアア!」
「か、神イイイィィィ! 私達の神様が!」
「起きて下さいませ! 起きて下さいませ黒鳥様!」

 にはまだ早い。
 ダークワナビスト達は体液と汚物にまみれた黒鳥の周りに集まっている。
 その中にメガネをかけ、ダークワナビストにしては珍しく清潔感溢れる男が黒鳥の首筋に指を当てた。

「ムムム……」

 脈拍を取っている。
 つまり、この男の職業は医者である。

「ダ、ダメだ……心が完全に折られている。精神が完全に壊れてしまっている」
「ど、どういうことよ?」
「そ、そんな……ゼータガン〇ムな……」

 顔面蒼白で男は答えた。

「あれだけのディスりを受けたのだ……もう筆を折るかもしれん……」

 男の台詞を聞いたダークワナビスト達は全身をバイブレーションさせ、

「こ、これからどうすればエエんや!」
「黒鳥様の創作論が聞けなくなっちまう! ブラバイされない書き方! ランキングの攻略法! 公募に受賞するコツ!」
「あ、あたいらの書籍化やコミカライズ! アニメ化のドリームはどうなるのよオオオ!」

 狼狽するダークワナビスト達。
 すると、その中に混じるカーミラとサクリンが陰な笑みを浮かべる。
 どうやら、いつの間にか彼女達は復活してたらしい。

「みんな大丈夫! 無問題モーマンタイでしてよ!」
「黒鳥様のお弟子! まうざりっと様がいますわ!」
「三日で書籍化を決めた、まうざりっと様なら!」
「黒鳥様の秘伝を全て受け継いでいるハズですわ!」

 ダークワナビスト達が一斉にまうざりっとを見る。
 これまでほぼ台詞がなく、ずっと椅子に座った状態のまうざりっとは困惑した表情となる。

「ま、待ってよ……僕は……そんな……」

 彼は不正によりランキングを駆け上がった『作られた書籍化作家』。
 下駄を履かせてもらっただけ、人工的に培養された強化Web作家なのだ。
 黒鳥のラノベ講座の塾生ではあるが、Web小説の攻略法全てを引き継いだわけではない。

「教えてくれ! 俺達にお前の創作論を!」
「したいのよ! 書籍化を! コミカライズを! アニメ化を!」
「私達のイエス・キリストになってくれ!」

 ダークワナビスト達は亡者のように、まうざりっとの四肢を掴む。

「バーモ! まうざ! バーモ! まうざ!」
「バーモ! まうざ! バーモ! まうざ!」
「りっ!」
「とっ!」

 狂乱のダークワナビスト達、新しい王への讃美歌。
 彼ら彼女ら、全員が魔物のようであった。
 まうざりっとは恐怖の表情を浮かべ、叫んだ。

「う、うわあああああっ!」

 ダークワナビスト達の闇に沈むまうざりっと。
 かつての強筆敵ともの叫びに龍は反応した。

「マ、マウザーっ!」

 龍が口にしたのは『マウザ』のペンネーム。
 共に熱くも激しく、そして楽しくWeb小説を執筆してた時代の名前だった。

「俺がお前を助けてやるぜ!」

 紅蓮まうざりっと。
 否、紅蓮マウザを救おうとする龍。
 そんな彼を古田島が止めた。

「やめなさい、彼はもう助からない」
「そ、そんな……」

 続きパワフルクラフト、不破は言った。

「あれが不正をやらかして、実力以上のものを身につけたヤツの末路だ」
「ギアドラゴン、彼は書籍化に目がくらみ黒鳥の話に乗った。己の撒いた種は己で刈りとらせねばならん」

 ダークワナビスト達の闇に沈む、真異世界令嬢教の教祖まうざりっと。
 消えゆく強筆敵ともの姿を見て、龍は歯噛みする。

「マ、マウザ……俺はお前を……」

 両手を握りしめる龍。
 まるぐりっとの異世界令嬢教に入信するまで、マウザは純粋に小説を書いていた。
 ポイントは少なくとも、公募に落選しようと、己の創作道を貫いていたマウザ。
 どうしてここまで変わったのか、何故こんな結果になってしまったのか。
 その理由は理解わかっている。

 ――書籍化したい!

 そのためだけに彼は道を間違え、沈んでいったのである。

「……感傷に浸っている場合ではないようだぞ」

 騎士田が何かを指差す。

「神殺しのアンチどもめ!」
「我々は新しい神を招き入れる前に神罰を下さねばならん!」
「ザック! ザック! お前ら全員の作品をスコップして!」
「ブログにまとめて晒してやるゥ!」
「筆を折る感想やレビューで溢れるだぎゃ! うひぃ!」

 龍達を狂乱のダークワナビスト達が見る。
 老若男女問わず、顔を左右に振り、体を痙攣させ、涎を撒き散らしている。

「ダ、ダメだ……こいつら……」

 龍は恐怖と同時に呆れた顔となる。
 彼ら彼女らがここまで狂う理由がわかったのだ。
 ダークワナビスト達は自分の軸がない、常に創作の依り代を探している。
 その依り代が崩れ、頼るべきものがなくなり狂ったのだ。
 そんなダークワナビスト達の心情を古田島も理解していた。

「阿久津川くん、私達はここにいてはいけない」

 その言葉に龍は力強く頷き、

「古田島さん! ここを出ましょう! 進むべき自分だけの創作道のために!」

 龍は古田島の手を取った。

「ちょっ……」

 顔を赤らめる古田島、何だこの展開。
 とりあえず、お前が真のメインヒロインに昇格だ!

「あっ! 逃げる気よ!」
「逃がさんぞ! 貴様らだけは!」

 ――書籍化や!コミカライズや!アニメ化や!
 ――書籍化や!コミカライズや!アニメ化や!
 ――書籍化や!コミカライズや!アニメ化や!

 そう連呼しながら、ダークワナビスト達の大群が襲ってきた。
 パワフルクラフト、不破、騎士田もお互いの顔を見合わせる。

「俺達もここから出ようぜ!」
「うむ、その方がよさそうだな。ヤツらと我々では進む道が違う」
「この騎士田浪漫の目的は果たせた。それだけで十分」

 アンチストギル梁山泊も会議室からの脱出を試みる。

「みなさん早く! ここです! ここが出口です!」

 部屋の扉を開けたのはお団子ヘアの女性。
 講演の受付を務めた図書館の職員である。
 そんな彼女にパワフルクラフトはニヤリとする。

「オー! 出口は一つしかないだろ『ピンクのバッタ』!」

 右腕を振り上げるパワフルクラフト。
 この図書館の職員、実はアンチストギル梁山泊の一人『ピンクのバッタ』。
 かつて、書籍化作家だった彼女。
 アホ編集のせいで自作の恋愛小説をエロに魔改造され、それ以降官能小説しか書けなくなった哀れな物書き。
 そのため裏垢『ピンクのバッタ』としてアンチ活動に勤しんでいたが、色帯寸止めの裏切りにより本垢ごと消していた。
 ところがどうした、こうしてご本人は無事なようだ――当たり前だけど。

「その名で呼ばれるのも久しぶりです」

 複雑な笑みを浮かべるピンクのバッタ。
 こんな顔してムカつく相手にエロ画像を貼りつけ、官能小説を執筆していた彼女。
 人間、裏では何をやっているかわからないものである。
 なお、彼女は公務員であるがきちんと副業申請により許可はとっていたことは明言しておこう。
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