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第四章 逃がすつもりはないと言った。たとえ君を閉じ込めることになったとしても離すつもりは毛頭ない 3
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「殿下、殿下……。もう離してください。もう逃げないから、それにここにいる理由もきちんと話すから」
そうして、ようやく腕の中から開放されたが、スイーティオはレインにピッタリと体を寄せて、密着した状態でニコニコしながら言った。
「わかった。レンの話を聞く。でも、レンの事が大好きだからくっつくのはやめない」
恥ずかしいことを恥ずかしげもなく宣言するスイーティオに、顔を赤らめながらもコクリと頷いてからレインは、自分の考えをポツポツと話し始めた。
「もしかすると、セレン兄様の日記に書いてあるかも知れないけど……。この呪いは、魔力量の多い人で容姿の美しい人を呪うものなの。だから、魔力を無くせば効果は薄くなると思って、ここに来る前に魔力が空になるまで魔術を使い続けようとしたの。結果を言うと、魔力が無くなるくらいの魔法を使うことが出来なかったの。大きな術式を発動すれば、魔物が影響を受けてしまう可能性もあったから、怖くて大きな術を使えなかったの。かと言って、通常の魔術だけでは、私の魔力は全く減らなかったの……。そこで、自分に呪いをかけることを思いついたの」
そこまで大人しく聞いていたスイーティオは、レインの両腕を掴んで自分に向き直させて言った。
「馬鹿なことをするな。自分を呪うなんて。俺がそんな事許さない!」
強く掴まれた腕が痛みを訴えたが、それはスイーティオがレインを真剣に心配する気持ちなのだと分かっていたので、されるがままにしていた。しかし、向かいに座るイクストバルは違った。
「おい、殿下。お嬢さんの腕が潰れるぞ」
そう言って、スイーティオを諌めた。言われたスイーティオは慌てて手の力を緩めたが、自分を呪うなどというショックなことを言われたため、完全に手を離すことが出来なかった。
手を離してしまうことが怖かったのだ。
それに気が付いたレインは、優しくスイーティオの手を握って言った。
「私がしようとしていたのは、呪い返し。私達家族が転移した先の日本というところに伝わる、魔術とは違った系統の術。でも、術式は大分似ていたから応用ができると考えて私は母様にも内緒で術の勉強をしていたの。でも、もしかすると母様は気が付いていたかも知れない……。それで、こっちに来て最初は迷ったけど、殿下の真剣な気持ちを聞いて……。はっ、恥ずかしさから逃げてしまったけど、私も……、その、で、で、ででで、ん……、その、つまり、えっと。コホン。私に掛かっている呪いをなんとかしようと決めたの。だから、お城から逃げ出した後に、魔力をどうにも出来ないとわかった時点で、呪い返しをしようと考えたの。それで術の構築をするため、人里離れたこの森に拠点を作って術式を完成させようと思って、数日前に森に入ったという訳です……」
そこまで聞いたスイーティオは、肝心なところを濁して言われたことに、ご機嫌を斜めにしていた。
何故か機嫌が悪くなってしまったスイーティオに慌てたレインは、泣きそうな気持ちでスイーティオの服の袖を掴んで心細そうな弱々しい声音で問いかけた。
「殿下?もしかして、私のこの気持は迷惑でしたか?殿下の優しさに甘えてばかりの私に呆れてしまいましたか?」
小さな手が自分の服の袖を弱々しく握りしめて、震えながらも一生懸命になるレインを見たスイーティオは震えた。
(何だこの可愛い生き物は!!可愛い可愛い!!俺の嫁は世界一かわいい!!)
デレデレし始めたスイーティオに気が付いたイクストバルは冷静な声でレインに言った。
「お嬢さん、大丈夫ですよ。こいつは、お嬢さんにはっきり口に出して好意を伝えてほしくて膨れていただけです。今は、お嬢さんの可愛さに回復しているので問題ないです。それで、術式は完成したんですか?」
ちっ、余計なことをといった表情をしたスイーティオだったが、レインに関する大事な話のため気を取り直してレインの答えを待った。
「はい。でも、これは賭けです。母様と私が調べた結果から、魔女の嫉妬は効果値が決まっているみたいで……。例えば、この世界に呪いの対象が、複数いればその分呪いの力は分散されます。今回やろうとしている呪い返しは全ての呪いを返さないと意味がないんです」
レインの話を聞いたスイーティオは厳しい表情になって眉間に皺を寄せながら言った。
「つまり、他に呪いを受けているものがいた場合、呪い返しは失敗するということだな……。レンが魔女の嫉妬を100%受けている状態でないといけないと……」
「はい。以前よりも強く呪われていることは分かるのですが、この状態が100%なのかどうか……」
そう言って、悩みだしたレインを見てスイーティオとイクストバルは顔を見合わせてから同時に言った。
「レンの母君がいない以上、今現在、この世界で一番美しくて莫大な魔力を持っているのは間違いなくレンだけだ」
「グレイス様がいない以上、この世界で最も美しく、強大な魔力を持っているのは、間違いなくお嬢さんだけだと思うぞ」
二人に同時に言われて、仮面の下の瞳をパチクリと瞬いたレインは確かにそうだと考えた。
「そうですね。確かに、母様並みの魔力となるとそうはいないかも……。よし、覚悟は決めたよ。私、これから術式を起動することに決めたよ」
そうして、ようやく腕の中から開放されたが、スイーティオはレインにピッタリと体を寄せて、密着した状態でニコニコしながら言った。
「わかった。レンの話を聞く。でも、レンの事が大好きだからくっつくのはやめない」
恥ずかしいことを恥ずかしげもなく宣言するスイーティオに、顔を赤らめながらもコクリと頷いてからレインは、自分の考えをポツポツと話し始めた。
「もしかすると、セレン兄様の日記に書いてあるかも知れないけど……。この呪いは、魔力量の多い人で容姿の美しい人を呪うものなの。だから、魔力を無くせば効果は薄くなると思って、ここに来る前に魔力が空になるまで魔術を使い続けようとしたの。結果を言うと、魔力が無くなるくらいの魔法を使うことが出来なかったの。大きな術式を発動すれば、魔物が影響を受けてしまう可能性もあったから、怖くて大きな術を使えなかったの。かと言って、通常の魔術だけでは、私の魔力は全く減らなかったの……。そこで、自分に呪いをかけることを思いついたの」
そこまで大人しく聞いていたスイーティオは、レインの両腕を掴んで自分に向き直させて言った。
「馬鹿なことをするな。自分を呪うなんて。俺がそんな事許さない!」
強く掴まれた腕が痛みを訴えたが、それはスイーティオがレインを真剣に心配する気持ちなのだと分かっていたので、されるがままにしていた。しかし、向かいに座るイクストバルは違った。
「おい、殿下。お嬢さんの腕が潰れるぞ」
そう言って、スイーティオを諌めた。言われたスイーティオは慌てて手の力を緩めたが、自分を呪うなどというショックなことを言われたため、完全に手を離すことが出来なかった。
手を離してしまうことが怖かったのだ。
それに気が付いたレインは、優しくスイーティオの手を握って言った。
「私がしようとしていたのは、呪い返し。私達家族が転移した先の日本というところに伝わる、魔術とは違った系統の術。でも、術式は大分似ていたから応用ができると考えて私は母様にも内緒で術の勉強をしていたの。でも、もしかすると母様は気が付いていたかも知れない……。それで、こっちに来て最初は迷ったけど、殿下の真剣な気持ちを聞いて……。はっ、恥ずかしさから逃げてしまったけど、私も……、その、で、で、ででで、ん……、その、つまり、えっと。コホン。私に掛かっている呪いをなんとかしようと決めたの。だから、お城から逃げ出した後に、魔力をどうにも出来ないとわかった時点で、呪い返しをしようと考えたの。それで術の構築をするため、人里離れたこの森に拠点を作って術式を完成させようと思って、数日前に森に入ったという訳です……」
そこまで聞いたスイーティオは、肝心なところを濁して言われたことに、ご機嫌を斜めにしていた。
何故か機嫌が悪くなってしまったスイーティオに慌てたレインは、泣きそうな気持ちでスイーティオの服の袖を掴んで心細そうな弱々しい声音で問いかけた。
「殿下?もしかして、私のこの気持は迷惑でしたか?殿下の優しさに甘えてばかりの私に呆れてしまいましたか?」
小さな手が自分の服の袖を弱々しく握りしめて、震えながらも一生懸命になるレインを見たスイーティオは震えた。
(何だこの可愛い生き物は!!可愛い可愛い!!俺の嫁は世界一かわいい!!)
デレデレし始めたスイーティオに気が付いたイクストバルは冷静な声でレインに言った。
「お嬢さん、大丈夫ですよ。こいつは、お嬢さんにはっきり口に出して好意を伝えてほしくて膨れていただけです。今は、お嬢さんの可愛さに回復しているので問題ないです。それで、術式は完成したんですか?」
ちっ、余計なことをといった表情をしたスイーティオだったが、レインに関する大事な話のため気を取り直してレインの答えを待った。
「はい。でも、これは賭けです。母様と私が調べた結果から、魔女の嫉妬は効果値が決まっているみたいで……。例えば、この世界に呪いの対象が、複数いればその分呪いの力は分散されます。今回やろうとしている呪い返しは全ての呪いを返さないと意味がないんです」
レインの話を聞いたスイーティオは厳しい表情になって眉間に皺を寄せながら言った。
「つまり、他に呪いを受けているものがいた場合、呪い返しは失敗するということだな……。レンが魔女の嫉妬を100%受けている状態でないといけないと……」
「はい。以前よりも強く呪われていることは分かるのですが、この状態が100%なのかどうか……」
そう言って、悩みだしたレインを見てスイーティオとイクストバルは顔を見合わせてから同時に言った。
「レンの母君がいない以上、今現在、この世界で一番美しくて莫大な魔力を持っているのは間違いなくレンだけだ」
「グレイス様がいない以上、この世界で最も美しく、強大な魔力を持っているのは、間違いなくお嬢さんだけだと思うぞ」
二人に同時に言われて、仮面の下の瞳をパチクリと瞬いたレインは確かにそうだと考えた。
「そうですね。確かに、母様並みの魔力となるとそうはいないかも……。よし、覚悟は決めたよ。私、これから術式を起動することに決めたよ」
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