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番外編
【後日談】カインとシエテの隠し事
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俺とシーナが結婚し一ヶ月が経っていた。
毎日、可愛いシーナと暮らせることが幸せすぎて心臓が持たない事が俺の悩みだ。
どうなっているんだ?あの可愛い生き物は!!
そんな嬉しい悩みで浮かれていた俺は、あるミスを犯していたことに気が付かなかった。
俺はその日、アメリ嬢から高値で譲ってもらった【投影機】で映して保存していた秘蔵のシーナコレクションを整理していた。
全てシーナに気が付かれないように投影したものなので、いずれも横を向いていたり、後ろを向いていたりと正面を向いたものはなかった。
唯一、寝顔のシーナだけは正面から映すことが出来ていた。
どれもこれも可愛すぎて、そろそろ新しいアルバムを用意する必要が出てきていた。
それも抜かりはなかった。
姿絵、アメリ嬢曰く写真と言うらしい。それを保存できる、特殊なアルバムをこれまたアメリ嬢から高額で譲って貰っていたからだ。
俺がその日の仕事を全て片付けた後にアルバムの整理をしていると、執務室をノックする音があった。
俺は、広げていたアルバムを急いで机にしまった。
そして、なんでも無いかのように入室の許可を出した。
部屋に入ってきたのは、義理の兄になったシエテだった。
彼は、庭師の仕事の傍ら俺の様子を見に来ていた。というよりも、俺のコレクションを見に来ていた。
「領主様、例のアレの新作を見に来ました」
そう言って、執務室に入ってきた。
シエテの片手には、俺の持っているものと同じアルバムが握られていた。
そう、俺とシエテは定期的にお互いに入手したシーナの可愛い姿を見せ合い、自慢しあっていたのだ。
シエテは後ろ手に執務室の扉に鍵をかけてからソファーに腰掛けて言った。
「今回のシーたんは最高に、最高に可愛いぞ」
シエテの言葉に、俺は勝ち誇ったような表情をして言葉を返した。
「いいや、俺のシーナの方が最高に、最高に可愛い。見て鼻血を吹くなよ?」
「いいや、俺の方が可愛い!」
「俺の方だ!!」
またしても不毛な言い争いに発展してしまったが、そんな事はどうでもいい。
今は、俺にだけ見せる可愛いシーナの表情を自慢したくて仕方がなかった。シエテも同じ気持ちだったようで、言い合いはすぐに終わった。
そして、お互いに顔を見合わせた後に写真を見せあった。
俺は、シエテの出した写真を見た瞬間、鼻孔から温かい液体が勢いよく吹き出すのが分かった。
可愛いシーナの写真を汚すわけにはいかないと、とっさにハンカチで吹き出す温かいもの、そう鼻血を押さえた。
俺の目に入ってきたその写真は、まるで天使か精霊かと言わんばかりの可憐さと可愛さと尊さにあふれていた。
腕に小さな子猫を抱きしめて、その柔らかいもふもふに笑顔で顔を埋めているその姿に俺は心臓が爆発していた。
可愛いシ―ナと、子猫の相乗効果で可愛さは無限大だった。
自分でも何を言っているのか既にわからないが、それほどのものだったのだ。
しかし、俺の出したものも自信があった。
目の前のシエテを見ると、彼もハンカチを赤く染めて写真に見入っていたのだ。
俺の出した写真は、先日プレゼントしたワンピース姿のシーナだった。
ただし、ただのワンピースではなかった。技術特区で流行っているという、アリススタイルと呼ばれるものだった。
青いふんわりとしたワンピースの裾は短めだった。そして、そのワンピースの上には真っ白なフリルで飾られたエプロンを付けている。
そして、スカートから覗く華奢な足は、ニーソックスと呼ばれる靴下を履いていた。
青と白の二色のニーソックスは、太股の中ほどまでの長さで、スカートの裾から覗くシーナの真っ白で柔らかそうな太股が少しだけ見えているのがたまらなく良かった。
その服を着たシーナは、少し恥ずかしそうに微笑む姿は永久保存したいくらいの可愛さだった。
お互いの写真を無言で交換しあい、無言で頷きあっていると執務室をノックする音がした。
俺とシエテは、慌ててコレクションを懐にしまってから、なんでも無かったかのように振る舞って扉を開けた。
そこには、頬を膨らませたシーナの姿があった。
シーナは開口一番に言ったのだ。
「カイン様、またにーにと隠れてコソコソしてる!」
しまったと思いつつも、シーナに言い訳をした。
「別に何もないぞ?」
そう言って、体をずらして執務室の中を見せた。
シーナは、眉を可愛く寄せてから首を傾げた。
その姿が可愛くて、写真に収めたいと俺は強く思ったが、それは無理だった。
なぜなら、急いでしまったお宝写真が懐からはらりと落ちてしまったからだ。
俺は、慌ててシーナに気が付かれないように写真を回収しようとしたが無理だったのだ。
反射神経の良いシーナは、俺の懐からはらりはらりと落ちていく写真を空中でキャッチしていたのだ。
さすが俺のシーナだと感心したが、実際はそれどころではなかったのだ。
見られてしまったのだ、盗撮していた写真を……。
こうして、俺とシエテは揃ってシーナの前で正座をさせられることとなった。
シーナは、手元にある写真を片手に俺とシエテに説明を求めてきた。
項垂れる俺達は、洗いざらいすべてを話した。
するとシーナは、顔を赤くして俺とシエテを叱った。
「カイン様もにーにもバカバカ!!今まで私に隠れて、私の恥ずかしい姿を盗撮するなんて!酷いよ!!」
そう言って、悲しいことに今まで撮りためたコレクションは全て没収されてしまったのだった。
【後日談】カインとシエテの隠し事 おわり
毎日、可愛いシーナと暮らせることが幸せすぎて心臓が持たない事が俺の悩みだ。
どうなっているんだ?あの可愛い生き物は!!
そんな嬉しい悩みで浮かれていた俺は、あるミスを犯していたことに気が付かなかった。
俺はその日、アメリ嬢から高値で譲ってもらった【投影機】で映して保存していた秘蔵のシーナコレクションを整理していた。
全てシーナに気が付かれないように投影したものなので、いずれも横を向いていたり、後ろを向いていたりと正面を向いたものはなかった。
唯一、寝顔のシーナだけは正面から映すことが出来ていた。
どれもこれも可愛すぎて、そろそろ新しいアルバムを用意する必要が出てきていた。
それも抜かりはなかった。
姿絵、アメリ嬢曰く写真と言うらしい。それを保存できる、特殊なアルバムをこれまたアメリ嬢から高額で譲って貰っていたからだ。
俺がその日の仕事を全て片付けた後にアルバムの整理をしていると、執務室をノックする音があった。
俺は、広げていたアルバムを急いで机にしまった。
そして、なんでも無いかのように入室の許可を出した。
部屋に入ってきたのは、義理の兄になったシエテだった。
彼は、庭師の仕事の傍ら俺の様子を見に来ていた。というよりも、俺のコレクションを見に来ていた。
「領主様、例のアレの新作を見に来ました」
そう言って、執務室に入ってきた。
シエテの片手には、俺の持っているものと同じアルバムが握られていた。
そう、俺とシエテは定期的にお互いに入手したシーナの可愛い姿を見せ合い、自慢しあっていたのだ。
シエテは後ろ手に執務室の扉に鍵をかけてからソファーに腰掛けて言った。
「今回のシーたんは最高に、最高に可愛いぞ」
シエテの言葉に、俺は勝ち誇ったような表情をして言葉を返した。
「いいや、俺のシーナの方が最高に、最高に可愛い。見て鼻血を吹くなよ?」
「いいや、俺の方が可愛い!」
「俺の方だ!!」
またしても不毛な言い争いに発展してしまったが、そんな事はどうでもいい。
今は、俺にだけ見せる可愛いシーナの表情を自慢したくて仕方がなかった。シエテも同じ気持ちだったようで、言い合いはすぐに終わった。
そして、お互いに顔を見合わせた後に写真を見せあった。
俺は、シエテの出した写真を見た瞬間、鼻孔から温かい液体が勢いよく吹き出すのが分かった。
可愛いシーナの写真を汚すわけにはいかないと、とっさにハンカチで吹き出す温かいもの、そう鼻血を押さえた。
俺の目に入ってきたその写真は、まるで天使か精霊かと言わんばかりの可憐さと可愛さと尊さにあふれていた。
腕に小さな子猫を抱きしめて、その柔らかいもふもふに笑顔で顔を埋めているその姿に俺は心臓が爆発していた。
可愛いシ―ナと、子猫の相乗効果で可愛さは無限大だった。
自分でも何を言っているのか既にわからないが、それほどのものだったのだ。
しかし、俺の出したものも自信があった。
目の前のシエテを見ると、彼もハンカチを赤く染めて写真に見入っていたのだ。
俺の出した写真は、先日プレゼントしたワンピース姿のシーナだった。
ただし、ただのワンピースではなかった。技術特区で流行っているという、アリススタイルと呼ばれるものだった。
青いふんわりとしたワンピースの裾は短めだった。そして、そのワンピースの上には真っ白なフリルで飾られたエプロンを付けている。
そして、スカートから覗く華奢な足は、ニーソックスと呼ばれる靴下を履いていた。
青と白の二色のニーソックスは、太股の中ほどまでの長さで、スカートの裾から覗くシーナの真っ白で柔らかそうな太股が少しだけ見えているのがたまらなく良かった。
その服を着たシーナは、少し恥ずかしそうに微笑む姿は永久保存したいくらいの可愛さだった。
お互いの写真を無言で交換しあい、無言で頷きあっていると執務室をノックする音がした。
俺とシエテは、慌ててコレクションを懐にしまってから、なんでも無かったかのように振る舞って扉を開けた。
そこには、頬を膨らませたシーナの姿があった。
シーナは開口一番に言ったのだ。
「カイン様、またにーにと隠れてコソコソしてる!」
しまったと思いつつも、シーナに言い訳をした。
「別に何もないぞ?」
そう言って、体をずらして執務室の中を見せた。
シーナは、眉を可愛く寄せてから首を傾げた。
その姿が可愛くて、写真に収めたいと俺は強く思ったが、それは無理だった。
なぜなら、急いでしまったお宝写真が懐からはらりと落ちてしまったからだ。
俺は、慌ててシーナに気が付かれないように写真を回収しようとしたが無理だったのだ。
反射神経の良いシーナは、俺の懐からはらりはらりと落ちていく写真を空中でキャッチしていたのだ。
さすが俺のシーナだと感心したが、実際はそれどころではなかったのだ。
見られてしまったのだ、盗撮していた写真を……。
こうして、俺とシエテは揃ってシーナの前で正座をさせられることとなった。
シーナは、手元にある写真を片手に俺とシエテに説明を求めてきた。
項垂れる俺達は、洗いざらいすべてを話した。
するとシーナは、顔を赤くして俺とシエテを叱った。
「カイン様もにーにもバカバカ!!今まで私に隠れて、私の恥ずかしい姿を盗撮するなんて!酷いよ!!」
そう言って、悲しいことに今まで撮りためたコレクションは全て没収されてしまったのだった。
【後日談】カインとシエテの隠し事 おわり
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