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妹編
2話 婚約破棄します(妹視点)
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「あぁ、愛しいイザベラ。セレニティーは傷つけたくはないから、絶対にばれたくないけれど。でも、私はイザベラを心から愛しているから我慢ができないよ」
私は、クローゼットから出てお義姉様達に声をかけようとしていたところだったから、びっくりしてしまった。
知らなかった!この二人が愛し合っていたなんて!
「まぁ、私もとてもオースティン様を愛しているわ。『真実の愛』だけれど、これは叶わない恋ですわ。なんて、悲しくて美しい恋なのかしら?」
お義姉様が、涙声で囁けば、オースティン様は、
「あぁ、泣かないで! 私の最愛の人。神はなぜ、こんな試練を与えたのだろう? これほど愛し合っている二人なのに・・・・・・」
と、むせび泣いていらっしゃるようだった。
大変だわ! 私は、オースティン様のことを好きではあったけれど、お義姉様のように泣くほどオースティン様を愛しているかと言えば・・・・・・それほどでもない。それに、オースティン様もお義姉様に夢中だわ・・・・・・
ここは、私が大好きなお義姉様の為に身を引いてさしあげましょう!
私は、クローゼットから飛び出してオースティン様に言ったわ。
「私は、オースティン様と婚約破棄をいたしますわ! 私が身を引きますから、お二人でお幸せになってくださいませ。早速、お父様にご報告しますわ!」
満面の笑みを浮かべた私は、とても良い気分だった。それほど愛し合っているのなら、一緒になったほうが絶対いいわ! 私は、自分がとても、いい決断をしたと思った。
驚く二人を残して、私はお父様の執務室に小走りで向かった。
「お父様! オースティン様に婚約破棄をしてくださいませ!」
「ん? かわいいセレニティーや。なぜだい? あいつが、なにかしでかしたのかい?」
お父様は、なぜか、お顔がとても怖くなっていた。
「いいえ、なにも。ただ、お姉様と抱き合って『真実の愛』とおっしゃっていただけです」
私は、クローゼットから出てお義姉様達に声をかけようとしていたところだったから、びっくりしてしまった。
知らなかった!この二人が愛し合っていたなんて!
「まぁ、私もとてもオースティン様を愛しているわ。『真実の愛』だけれど、これは叶わない恋ですわ。なんて、悲しくて美しい恋なのかしら?」
お義姉様が、涙声で囁けば、オースティン様は、
「あぁ、泣かないで! 私の最愛の人。神はなぜ、こんな試練を与えたのだろう? これほど愛し合っている二人なのに・・・・・・」
と、むせび泣いていらっしゃるようだった。
大変だわ! 私は、オースティン様のことを好きではあったけれど、お義姉様のように泣くほどオースティン様を愛しているかと言えば・・・・・・それほどでもない。それに、オースティン様もお義姉様に夢中だわ・・・・・・
ここは、私が大好きなお義姉様の為に身を引いてさしあげましょう!
私は、クローゼットから飛び出してオースティン様に言ったわ。
「私は、オースティン様と婚約破棄をいたしますわ! 私が身を引きますから、お二人でお幸せになってくださいませ。早速、お父様にご報告しますわ!」
満面の笑みを浮かべた私は、とても良い気分だった。それほど愛し合っているのなら、一緒になったほうが絶対いいわ! 私は、自分がとても、いい決断をしたと思った。
驚く二人を残して、私はお父様の執務室に小走りで向かった。
「お父様! オースティン様に婚約破棄をしてくださいませ!」
「ん? かわいいセレニティーや。なぜだい? あいつが、なにかしでかしたのかい?」
お父様は、なぜか、お顔がとても怖くなっていた。
「いいえ、なにも。ただ、お姉様と抱き合って『真実の愛』とおっしゃっていただけです」
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