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妹編
1話 クローゼットから聞こえた声(妹視点)
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私のお母様は私が8歳の頃にお亡くなりなって、お母様が大好きだったお父様と私はとても辛かった。食欲もなくなって眠れない日が続いた。そんな時に、優しく私達の心を支えてくれたのが、新しく雇われた家庭教師のマリリン先生だった。
マリリン先生は伯爵と離婚して私より5歳上のイザベラ様という娘さんがいらっしゃった。お母様が亡くなって精神的に不安定だった私は、このマリリン先生がすぐに大好きになった。眠れなくて、怖い夢にうなされたときは、イザベラ様が一緒に寝てくださった。
「大丈夫よ。私が、一緒に朝までいてあげるわ。なにも心配しなくていいのよ?」
イザベラ様は、綺麗な長い指で私の頭を撫でてくださって、マリリン先生はホットミルクに蜂蜜をたらしたものを持ってきてくださる。楽しい本などをマリリン先生が寝る前に読んでくださるのが楽しみになって、それからは怖い夢は見なくなった。
私は、この二人が、本当の家族ならいいのに・・・・・・そう思った。
「お父様、もし再婚なさるのなら、マリリン先生にしていただけると嬉しいです。お義母様になって頂きたい方はあの方だけです」
「そうかい。かわいいセレニティーの望みなら、できるだけ叶えてあげたい。ただ、お父様はこの国の王様の妹君だったセレニティーのお母様だけを愛しているけれどね」
私を溺愛なさっているお父様は、笑いながらそう言うと、マリリン先生に求婚し私達は家族になった。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:
それから7年後の15歳のころ、私は3歳年上のオースティン・リアム公爵令息と婚約した。この方は、リアム公爵家の三男で有能で美しい男性だった。
お義姉様はメイソン・マシュー伯爵の嫡男のもとに嫁いでいたが、よく私に会いに来てくれた。
今日も、お姉様がいらっしゃるから、嬉しくて、朝からはしゃいでいた。
私の婚約者も来るから、大好きな人達が勢揃いよね?
「お義母様、お義姉様のストールをお借りしてもいいかしら? このドレスにちょうど似合うものが、お姉様のお部屋のクローゼットにあったはずですわ」
「あぁ、いいわよ? イザベラのお部屋に残されたものは、なんでも使ってちょうだい。もう、使わないものを置いていったのだから・・・・・・」
お義姉様のお部屋は、お嫁入りした後もそのままにしてあった。ストールや細々したものは、お持ちにならなかった。
「人妻になるとね、あまり派手な色のストールや髪飾りは、控えないといけないのよ。だから、ここに置いておくものは、自由に使ってかまわないわ」
お義姉様も、そうおっしゃていたから、お部屋に入って、ストールをお借りしようと思ったのだ。
*:゚+。.☆.
ウォークインクローゼットには、ストール類がたくさん残されていた。
私は、バラ色のストールを選んだ。今日のドレスも、バラ色だから、よく似合うわ。
そうしたら、物音がして、いきなり声がしたのよ。
「うふふ。オースティンったら・・・・・・だめよぉ。セレニティーに、ばれたらどうするの?」
マリリン先生は伯爵と離婚して私より5歳上のイザベラ様という娘さんがいらっしゃった。お母様が亡くなって精神的に不安定だった私は、このマリリン先生がすぐに大好きになった。眠れなくて、怖い夢にうなされたときは、イザベラ様が一緒に寝てくださった。
「大丈夫よ。私が、一緒に朝までいてあげるわ。なにも心配しなくていいのよ?」
イザベラ様は、綺麗な長い指で私の頭を撫でてくださって、マリリン先生はホットミルクに蜂蜜をたらしたものを持ってきてくださる。楽しい本などをマリリン先生が寝る前に読んでくださるのが楽しみになって、それからは怖い夢は見なくなった。
私は、この二人が、本当の家族ならいいのに・・・・・・そう思った。
「お父様、もし再婚なさるのなら、マリリン先生にしていただけると嬉しいです。お義母様になって頂きたい方はあの方だけです」
「そうかい。かわいいセレニティーの望みなら、できるだけ叶えてあげたい。ただ、お父様はこの国の王様の妹君だったセレニティーのお母様だけを愛しているけれどね」
私を溺愛なさっているお父様は、笑いながらそう言うと、マリリン先生に求婚し私達は家族になった。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:
それから7年後の15歳のころ、私は3歳年上のオースティン・リアム公爵令息と婚約した。この方は、リアム公爵家の三男で有能で美しい男性だった。
お義姉様はメイソン・マシュー伯爵の嫡男のもとに嫁いでいたが、よく私に会いに来てくれた。
今日も、お姉様がいらっしゃるから、嬉しくて、朝からはしゃいでいた。
私の婚約者も来るから、大好きな人達が勢揃いよね?
「お義母様、お義姉様のストールをお借りしてもいいかしら? このドレスにちょうど似合うものが、お姉様のお部屋のクローゼットにあったはずですわ」
「あぁ、いいわよ? イザベラのお部屋に残されたものは、なんでも使ってちょうだい。もう、使わないものを置いていったのだから・・・・・・」
お義姉様のお部屋は、お嫁入りした後もそのままにしてあった。ストールや細々したものは、お持ちにならなかった。
「人妻になるとね、あまり派手な色のストールや髪飾りは、控えないといけないのよ。だから、ここに置いておくものは、自由に使ってかまわないわ」
お義姉様も、そうおっしゃていたから、お部屋に入って、ストールをお借りしようと思ったのだ。
*:゚+。.☆.
ウォークインクローゼットには、ストール類がたくさん残されていた。
私は、バラ色のストールを選んだ。今日のドレスも、バラ色だから、よく似合うわ。
そうしたら、物音がして、いきなり声がしたのよ。
「うふふ。オースティンったら・・・・・・だめよぉ。セレニティーに、ばれたらどうするの?」
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