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そうして翌日の放課後から、こっそりクレメント様を尾行し始めた。お姉様のファンなのだろう、単純にそう思っていたけれどなぜか胸騒ぎが止まらなかったから。
恋人になったばかりの大好きな男性を尾行するのは辛かった。尾行しながら思ったことは、どうかお姉様と接触しないでほしいということよ。
他の女性と会う場面など見たくない。まして大好きなお姉様と会うなんて絶対に見たくない。何事もないことを願いながらも尾行する。
この矛盾した気持ちは、恋人を尾行したことのある人にしかわからないわ。
やがて、私の願いも虚しく二人の密会現場に出くわす。もちろん陰に潜んで会話だけを盗み聞きした。
女の子ってこういう時は、探偵みたいな真似ができるみたい。
「私はこれから世界へ羽ばたくモデルになるわ。だからね、結婚や婚約なんてできないのよ。だって世界中の男性の恋人でいなければならないから」
「あぁ、わかっているよ。だから君の側にいつでもいられるようにマライアを側に置くことにしたよ。君には遠く及ばないけれど、君の妹と一緒になれば君の側にずっといられる」
「うふふ、ありがとう。私のスポンサーにもなってよね? モデルのファッションショーって現地まで行くのに自腹なのよ。私に援助して、後ろ盾になってちょうだいね?」
「はい、はい。お姫様の願いは聞くよ。あのマライアと結婚するつもりだ。せいぜいレイチェルに似せて代わりに抱くよ。子供ができたらわたし達の子供と思って育てよう」
「あら、素敵。私ね、体型が崩れるのが嫌だから子供は産みたくなかったのよ。マライアに3人は生ませてよ。一人ぐらいは私がもらいたいわ」
「あぁ、いいとも」
「ふふふ。自分のお腹を痛めたり醜くお腹を膨らませなくても子供が手に入るなんて夢みたいよ」
お姉様が高らかに笑った。
(この人は誰? 私が大好きだったお姉様はどこ?)
恋人になったばかりの大好きな男性を尾行するのは辛かった。尾行しながら思ったことは、どうかお姉様と接触しないでほしいということよ。
他の女性と会う場面など見たくない。まして大好きなお姉様と会うなんて絶対に見たくない。何事もないことを願いながらも尾行する。
この矛盾した気持ちは、恋人を尾行したことのある人にしかわからないわ。
やがて、私の願いも虚しく二人の密会現場に出くわす。もちろん陰に潜んで会話だけを盗み聞きした。
女の子ってこういう時は、探偵みたいな真似ができるみたい。
「私はこれから世界へ羽ばたくモデルになるわ。だからね、結婚や婚約なんてできないのよ。だって世界中の男性の恋人でいなければならないから」
「あぁ、わかっているよ。だから君の側にいつでもいられるようにマライアを側に置くことにしたよ。君には遠く及ばないけれど、君の妹と一緒になれば君の側にずっといられる」
「うふふ、ありがとう。私のスポンサーにもなってよね? モデルのファッションショーって現地まで行くのに自腹なのよ。私に援助して、後ろ盾になってちょうだいね?」
「はい、はい。お姫様の願いは聞くよ。あのマライアと結婚するつもりだ。せいぜいレイチェルに似せて代わりに抱くよ。子供ができたらわたし達の子供と思って育てよう」
「あら、素敵。私ね、体型が崩れるのが嫌だから子供は産みたくなかったのよ。マライアに3人は生ませてよ。一人ぐらいは私がもらいたいわ」
「あぁ、いいとも」
「ふふふ。自分のお腹を痛めたり醜くお腹を膨らませなくても子供が手に入るなんて夢みたいよ」
お姉様が高らかに笑った。
(この人は誰? 私が大好きだったお姉様はどこ?)
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