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第6話 最後の復讐 R15
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※ ごめんなさい。少し残酷な描写あります。苦手な方は自己判断で。えっと、足が切断される事故と、電流、流される場面💦R15つけておきますね。
•───⋅⋆⁺‧₊☽⛦☾₊‧⁺⋆⋅───•
拘置所の面会室を後にした凛は、静かに深呼吸をした。早瀬隆一の失脚。それは、彼女が長年追い求めてきた復讐の最終地点のはずだった。
しかし――まだ終わりではなかった。
レイカの両親の死を自殺ではないと匂わせた早瀬。
さらに調査を進めると、早瀬は単なる駒に過ぎず、背後にはもっと大きな黒幕がいることが浮かび上がった。
レイカは秘書が提供したファイルを見返す。そこには、ある大物政治家と早瀬を繋ぐ取引の記録があった。しかし、その名は徹底的に伏せられ、証拠も巧妙に隠蔽されていた。
その人物こそ――鈴木直哉。
彼は藤堂家の遠縁にあたり、一族の医療財閥と政界を繋ぐ重要な役割を果たしていた。表向きは国民の健康を守る厚生労働大臣。だが、実際には不正な臨床試験を黙認し、藤堂グループの利益のために政界に圧力をかける影の支配者だった。
レイカは、美優や翔、早瀬を追い詰めた手法で鈴木の悪事を暴いていき、鈴木の失墜は瞬く間に全国へ報じられる。マスコミは連日トップニュースとして報じ、政治家としての彼の信用は地に落ちた。
支持率はゼロに近づき、鈴木を擁護していた与党内の勢力も彼を切り捨てる声明を発表。国会では即刻辞任を求める声が上がり、官邸前には抗議のデモが押し寄せた。
さらに、鈴木の息子によるひき逃げ事件が隠蔽されていた事実も暴露され、被害者遺族の証言が公開されると、国民の怒りはピークに達し、政界における鈴木の立場は完全に崩壊する。
やがて、テレビ画面には、スーツの襟元を乱し、手錠をかけられた鈴木の姿が映し出された。
◆◇◆
その後裁判が開かれ鈴木は実刑になり、刑務所の作業場で強制労働を強いられることになった。作業場には、無機質なスチール製の大型棚が並び、囚人たちは食材や物資の運搬、工場作業に従事する。
「おい、鈴木。そこの棚の物を取ってこい」
ぶっきらぼうな命令が飛ぶ。鈴木は一瞬、反論しようと口を開いたが、看守の冷たい視線に押し黙った。
「なんで俺がこんなことを……?」
それでも、刑務所の中では逆らえない。仕方なく棚の下に手を伸ばした、その瞬間——
ギギギ……!
金属の軋む音が響く。
バキッ……!
突如として棚が崩れ落ち、鈴木の足を直撃した。
ぐあああああ!
凄まじい激痛が脳を揺さぶる。血が床に広がり、鈴木の足は原型をとどめないほどに潰れていた。
周囲の囚人たちは、誰一人として助けようとはしなかった。
「あーあ、やっちまったな……」
「頑丈なラックが倒れるなんて運が悪いなぁ。ネジでも緩んでたか?」
「バチが当たったんだろ。ただの事故さ」
医務官が駆けつけるが、ただ鈴木の状態を確認し、冷淡に言い放つ。
「これは……もう歩けないな。足を切断するしかないぞ」
「切断? いやだ……助けてくれ……」
その一言を最後に、鈴木の意識は闇に沈んだ。
病院で目を覚ました時、鈴木は朦朧とした意識の中で、鈍い痛みを感じた。
視界がぼやける。足が動かない。いや、足そのものが——
「足が……ない?」
パニックに陥りながら体を動かそうとするが、まともに動かせない。そこへ看護師が淡々と事実を告げた。
「あなたの足は、切断しましたよ。そうするしかなかったんです。ですが、命があって助かって良かったですね」
思考が追いつかない。叫びたいのに、声にならない。まるで現実感がなかった。
そして、そのまま再び意識を失った——。
次に目覚めたとき、そこは病院でも刑務所でもなかった。
どこかの暗い倉庫のような場所。鉄骨がむき出しの壁、湿った空気、そして遠くで聞こえる不気味な機械音。
鈴木は、冷たいコンクリートの床に転がっていた。
「……ここは?」
目の前には、無表情の男と女が鈴木を見下ろしている。その顔には、激しい憎しみの表情が浮かんでいた。早坂とレイカだった。
「ようこそ、新しい人生へ」
乾いた声が響く。
「私は七瀬凛。覚えているでしょう? 早瀬を使って私を嵌めさせたこと? なぜ、そんなことをさせたの?」
「――あぁ、七瀬誠の娘か……あれは仕方がなかった。あいつが内部告発の準備を進めていたから。君の父親は正義感が強すぎた」
「――あんたが私の父を殺したのね? 母も?」
鈴木は、七瀬誠が何をしようとしていたのかを淡々と語り始めた。
七瀬誠は当時、厚生労働省の医政局長だった。そしてある日、内部資料の中から、藤堂総合医療センター、鈴木、さらには製薬業界全体にまたがる組織的な不正や犯罪の隠蔽を発見した。彼は密かに内部告発の準備を進めていたのだ。
鈴木は嘲るように笑いながら語った。
七瀬誠を手懐けるために、大金を提示し、さらに娘のレイカと翔を将来結婚させるという条件まで持ちかけた。しかし、七瀬誠は頑なに拒み、藤堂総合医療センターの理事長――つまり翔の父親と共に説得を試みても、まるで聞く耳を持たなかったという。
結局、見せしめにするしかなかった。
愛娘を地獄に堕とし、家族もろとも破滅させる――当然の報いだろうと、鈴木は冷笑する。
鈴木の指示で七瀬誠の死は自殺に見せかけられた。その際、依頼した殺し屋は楽しげに語っていたという。
「七瀬は最後まで娘のことばかり心配していた」と。
そんなに家族が大事なら、権力者に逆らうべきではなかった。バカな男だ。
鈴木は床に転がったまま、虚ろな笑みを浮かべた。
レイカは震える声で、しかし強い決意を込めて早坂に訴えた。
「お願い……こいつに、生きること自体が苦痛になるような地獄を味わわせて……」
◆◇◆
鈴木直哉が送り込まれたのは、暗く湿った小さな部屋だった。壁は鉄格子で覆われ、埃っぽい作業台がひとつだけ置かれている。
その上には、整然と並べられた小さな部品。
鈴木の仕事は、それを組み立てること。
組み立て終われば、また解体し、再び同じ作業を繰り返す。
終わりのない、無意味な労働。
「……なんだこれ……?」
呆然とした鈴木の問いに、誰も答えない。
最初は、何かの生産ラインかと思った。しかし、周囲に作業員はいない。彼だけがここにいる。
これは「仕事」ではなかった。
鈴木を罰するためだけに作られた空間だった。
「ふざけるな……俺は……こんな……!」
鈴木は組み立てた部品を掴み、怒りに任せて作業台に叩きつける。
ガシャーン!
部品が床に散らばる。しかし、それを片付けるのも、再び組み立てるのも、自分しかいない。
誰も助けず、誰も命令も下さない。ただ、壁の監視カメラが赤い光を灯し、じっと彼を見つめている。
「……こんなはずじゃ……」
そのとき、スピーカーから無機質な声が流れた。
「鈴木直哉、お前はここで一生を終える。お前の手で命を奪われた者の無念を、お前自身が噛みしめる番だよ。実はな、俺の父も、お前に嵌められた一人だったのさ」
「ふざけるな……俺をここから出せ! 刑務所から人がいなくなれば騒ぎが起こる。お前らも犯罪者だぞ」
鈴木は怒鳴り、鉄格子を殴りつけた。
「大丈夫だ。お前は事故死したことになっている。凍死したホームレスの遺体を身代わりにして火葬した。お前の元妻は離縁してるから関係ないと言って、遺体の確認にも来なかったよ。引き取り手がない受刑者として処理され、誰も疑問すら抱かなかった」
その事実を知ったとき、鈴木の中に、かつてないほどの絶望が広がった。
——意味のない作業。
——終わらない時間。
——出口のない罰。
やがて、時間の感覚がなくなっていく。
「今は……朝か? 夜か?」
わからない。照明は一定で、変化がない。
「どれくらい作業した?」
わからない。食事が運ばれる間隔もバラバラで、腹が減るのかすら分からなくなった。
それでも、鈴木は手を動かし続ける。
——なぜ?
作業を止めた瞬間、天井から吊るされた機械が鈴木の首筋に強烈な電流を流した。
ぎゃああああっ!
まるで焼けるような激痛が全身を駆け巡る。
鈴木は反射的に身をよじるが、逃げ場はない。
「やめろ……!」
しかし、無機質な空間は何の返答もよこさない。
手を止めれば、容赦なく電撃が襲いかかる仕組みだった。
苦悶の中、鈴木はようやく理解した。
もう、彼には作業をやめる自由すらないのだと。
生き地獄だった。
意味のない作業、終わりのない時間、逃げられない苦痛。
最低限の栄養を摂らされ、無理やり眠らされるだけの生活。
死ぬことも、狂うことすら許されない。
「……たすけ……て……」
かすれた声が響く。
しかし、部屋には誰もいない。
ただ、無機質な機械音だけが鳴り続けていた。
•───⋅⋆⁺‧₊☽⛦☾₊‧⁺⋆⋅───•
※すみません。最後にレイカと蓮の恋の話をつけ加えて完結のはずだったんですが、それを続けて掲載すると一話あたりかなりの字数になってしまうので、二話に分けました。
※明日また更新して、最終話になります。最終話は明るくラブラブな雰囲気で(多分💦)終わらせたいです。なんか、こんな現代物の、ようわからん話を書いてしまい、すんません🙇🏻♀️
次回作は中世ヨーロッパ風のテンプレっぽいけど、多分脱線するいつもの路線で書かせていただきますので、よろしくお願いします。
※次回作は「死に戻りの悪女、冷徹毒公爵様の最愛になりました!ーー断頭台から蘇った私、もう絶対に殺されない」←(仮題)を予定しております。よろしくお願いします!
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拘置所の面会室を後にした凛は、静かに深呼吸をした。早瀬隆一の失脚。それは、彼女が長年追い求めてきた復讐の最終地点のはずだった。
しかし――まだ終わりではなかった。
レイカの両親の死を自殺ではないと匂わせた早瀬。
さらに調査を進めると、早瀬は単なる駒に過ぎず、背後にはもっと大きな黒幕がいることが浮かび上がった。
レイカは秘書が提供したファイルを見返す。そこには、ある大物政治家と早瀬を繋ぐ取引の記録があった。しかし、その名は徹底的に伏せられ、証拠も巧妙に隠蔽されていた。
その人物こそ――鈴木直哉。
彼は藤堂家の遠縁にあたり、一族の医療財閥と政界を繋ぐ重要な役割を果たしていた。表向きは国民の健康を守る厚生労働大臣。だが、実際には不正な臨床試験を黙認し、藤堂グループの利益のために政界に圧力をかける影の支配者だった。
レイカは、美優や翔、早瀬を追い詰めた手法で鈴木の悪事を暴いていき、鈴木の失墜は瞬く間に全国へ報じられる。マスコミは連日トップニュースとして報じ、政治家としての彼の信用は地に落ちた。
支持率はゼロに近づき、鈴木を擁護していた与党内の勢力も彼を切り捨てる声明を発表。国会では即刻辞任を求める声が上がり、官邸前には抗議のデモが押し寄せた。
さらに、鈴木の息子によるひき逃げ事件が隠蔽されていた事実も暴露され、被害者遺族の証言が公開されると、国民の怒りはピークに達し、政界における鈴木の立場は完全に崩壊する。
やがて、テレビ画面には、スーツの襟元を乱し、手錠をかけられた鈴木の姿が映し出された。
◆◇◆
その後裁判が開かれ鈴木は実刑になり、刑務所の作業場で強制労働を強いられることになった。作業場には、無機質なスチール製の大型棚が並び、囚人たちは食材や物資の運搬、工場作業に従事する。
「おい、鈴木。そこの棚の物を取ってこい」
ぶっきらぼうな命令が飛ぶ。鈴木は一瞬、反論しようと口を開いたが、看守の冷たい視線に押し黙った。
「なんで俺がこんなことを……?」
それでも、刑務所の中では逆らえない。仕方なく棚の下に手を伸ばした、その瞬間——
ギギギ……!
金属の軋む音が響く。
バキッ……!
突如として棚が崩れ落ち、鈴木の足を直撃した。
ぐあああああ!
凄まじい激痛が脳を揺さぶる。血が床に広がり、鈴木の足は原型をとどめないほどに潰れていた。
周囲の囚人たちは、誰一人として助けようとはしなかった。
「あーあ、やっちまったな……」
「頑丈なラックが倒れるなんて運が悪いなぁ。ネジでも緩んでたか?」
「バチが当たったんだろ。ただの事故さ」
医務官が駆けつけるが、ただ鈴木の状態を確認し、冷淡に言い放つ。
「これは……もう歩けないな。足を切断するしかないぞ」
「切断? いやだ……助けてくれ……」
その一言を最後に、鈴木の意識は闇に沈んだ。
病院で目を覚ました時、鈴木は朦朧とした意識の中で、鈍い痛みを感じた。
視界がぼやける。足が動かない。いや、足そのものが——
「足が……ない?」
パニックに陥りながら体を動かそうとするが、まともに動かせない。そこへ看護師が淡々と事実を告げた。
「あなたの足は、切断しましたよ。そうするしかなかったんです。ですが、命があって助かって良かったですね」
思考が追いつかない。叫びたいのに、声にならない。まるで現実感がなかった。
そして、そのまま再び意識を失った——。
次に目覚めたとき、そこは病院でも刑務所でもなかった。
どこかの暗い倉庫のような場所。鉄骨がむき出しの壁、湿った空気、そして遠くで聞こえる不気味な機械音。
鈴木は、冷たいコンクリートの床に転がっていた。
「……ここは?」
目の前には、無表情の男と女が鈴木を見下ろしている。その顔には、激しい憎しみの表情が浮かんでいた。早坂とレイカだった。
「ようこそ、新しい人生へ」
乾いた声が響く。
「私は七瀬凛。覚えているでしょう? 早瀬を使って私を嵌めさせたこと? なぜ、そんなことをさせたの?」
「――あぁ、七瀬誠の娘か……あれは仕方がなかった。あいつが内部告発の準備を進めていたから。君の父親は正義感が強すぎた」
「――あんたが私の父を殺したのね? 母も?」
鈴木は、七瀬誠が何をしようとしていたのかを淡々と語り始めた。
七瀬誠は当時、厚生労働省の医政局長だった。そしてある日、内部資料の中から、藤堂総合医療センター、鈴木、さらには製薬業界全体にまたがる組織的な不正や犯罪の隠蔽を発見した。彼は密かに内部告発の準備を進めていたのだ。
鈴木は嘲るように笑いながら語った。
七瀬誠を手懐けるために、大金を提示し、さらに娘のレイカと翔を将来結婚させるという条件まで持ちかけた。しかし、七瀬誠は頑なに拒み、藤堂総合医療センターの理事長――つまり翔の父親と共に説得を試みても、まるで聞く耳を持たなかったという。
結局、見せしめにするしかなかった。
愛娘を地獄に堕とし、家族もろとも破滅させる――当然の報いだろうと、鈴木は冷笑する。
鈴木の指示で七瀬誠の死は自殺に見せかけられた。その際、依頼した殺し屋は楽しげに語っていたという。
「七瀬は最後まで娘のことばかり心配していた」と。
そんなに家族が大事なら、権力者に逆らうべきではなかった。バカな男だ。
鈴木は床に転がったまま、虚ろな笑みを浮かべた。
レイカは震える声で、しかし強い決意を込めて早坂に訴えた。
「お願い……こいつに、生きること自体が苦痛になるような地獄を味わわせて……」
◆◇◆
鈴木直哉が送り込まれたのは、暗く湿った小さな部屋だった。壁は鉄格子で覆われ、埃っぽい作業台がひとつだけ置かれている。
その上には、整然と並べられた小さな部品。
鈴木の仕事は、それを組み立てること。
組み立て終われば、また解体し、再び同じ作業を繰り返す。
終わりのない、無意味な労働。
「……なんだこれ……?」
呆然とした鈴木の問いに、誰も答えない。
最初は、何かの生産ラインかと思った。しかし、周囲に作業員はいない。彼だけがここにいる。
これは「仕事」ではなかった。
鈴木を罰するためだけに作られた空間だった。
「ふざけるな……俺は……こんな……!」
鈴木は組み立てた部品を掴み、怒りに任せて作業台に叩きつける。
ガシャーン!
部品が床に散らばる。しかし、それを片付けるのも、再び組み立てるのも、自分しかいない。
誰も助けず、誰も命令も下さない。ただ、壁の監視カメラが赤い光を灯し、じっと彼を見つめている。
「……こんなはずじゃ……」
そのとき、スピーカーから無機質な声が流れた。
「鈴木直哉、お前はここで一生を終える。お前の手で命を奪われた者の無念を、お前自身が噛みしめる番だよ。実はな、俺の父も、お前に嵌められた一人だったのさ」
「ふざけるな……俺をここから出せ! 刑務所から人がいなくなれば騒ぎが起こる。お前らも犯罪者だぞ」
鈴木は怒鳴り、鉄格子を殴りつけた。
「大丈夫だ。お前は事故死したことになっている。凍死したホームレスの遺体を身代わりにして火葬した。お前の元妻は離縁してるから関係ないと言って、遺体の確認にも来なかったよ。引き取り手がない受刑者として処理され、誰も疑問すら抱かなかった」
その事実を知ったとき、鈴木の中に、かつてないほどの絶望が広がった。
——意味のない作業。
——終わらない時間。
——出口のない罰。
やがて、時間の感覚がなくなっていく。
「今は……朝か? 夜か?」
わからない。照明は一定で、変化がない。
「どれくらい作業した?」
わからない。食事が運ばれる間隔もバラバラで、腹が減るのかすら分からなくなった。
それでも、鈴木は手を動かし続ける。
——なぜ?
作業を止めた瞬間、天井から吊るされた機械が鈴木の首筋に強烈な電流を流した。
ぎゃああああっ!
まるで焼けるような激痛が全身を駆け巡る。
鈴木は反射的に身をよじるが、逃げ場はない。
「やめろ……!」
しかし、無機質な空間は何の返答もよこさない。
手を止めれば、容赦なく電撃が襲いかかる仕組みだった。
苦悶の中、鈴木はようやく理解した。
もう、彼には作業をやめる自由すらないのだと。
生き地獄だった。
意味のない作業、終わりのない時間、逃げられない苦痛。
最低限の栄養を摂らされ、無理やり眠らされるだけの生活。
死ぬことも、狂うことすら許されない。
「……たすけ……て……」
かすれた声が響く。
しかし、部屋には誰もいない。
ただ、無機質な機械音だけが鳴り続けていた。
•───⋅⋆⁺‧₊☽⛦☾₊‧⁺⋆⋅───•
※すみません。最後にレイカと蓮の恋の話をつけ加えて完結のはずだったんですが、それを続けて掲載すると一話あたりかなりの字数になってしまうので、二話に分けました。
※明日また更新して、最終話になります。最終話は明るくラブラブな雰囲気で(多分💦)終わらせたいです。なんか、こんな現代物の、ようわからん話を書いてしまい、すんません🙇🏻♀️
次回作は中世ヨーロッパ風のテンプレっぽいけど、多分脱線するいつもの路線で書かせていただきますので、よろしくお願いします。
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