(完)子供も産めない役立たずと言われて・・・・・・

青空一夏

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妊娠中のグレイスには、いろいろあったー元レイラ男爵への救い(グレイスside)とリリィの失踪 その3

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 絞首刑台の上に登ると、私はそこに居並ぶ王妃様の姉上様の使用人達を眺めた。
皆、顔を青ざめさせて、悲しげな表情だった。前レイラ男爵は、ここでいい人間関係が築けていたようだ。

 前レイラ男爵は、私達を見ると深々と頭を下げた。

 そうして・・・・・・縄は切れて、拍手喝采が起こった。

「「「うわぁーー。良かったよ。縄が切れるようになっていたなんて! 知らなかったなぁーー。」」」

「「「ここで、また働こうぜ!」」」

「「「一緒に、汗を流して、頑張ろうぜ!」」」

 使用人達の声に、私は感動した。これこそが、人が生きる意味かも知れない。誰かに必要とされて、こうして気にかけてくれる仲間がいる限り、前レイラ男爵は生きるべきだ。

「私は、生きていていいのだろうか・・・・・・」彼が泣きながら呟き、私の方を見つめた。

「生きなさい。私は、貴方を許します」


*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚


 それからは、前レイラ男爵は資格を取るために頑張った。彼は、私の屋敷の庭園も世話するようになり、そこにリリィが混じり、ベッツィが加われば、仲むつまじい家族のかたちができあげる。

 私は、男の子を産んだ。とても、美しい子供で王様をはじめとして叔母様方も大層、喜んでくださった。
特に、アレクサンダー様の喜びは、とても大げさだった。

「ねぇ、グレイス! 私は、今、世界を手に入れたよ。愛するグレイスとその子供がいれば、なんだってできそうだ」

 大はしゃぎで、私を抱いて涙ぐむアレクサンダー様は、大好きだ。この方の子供が産めたことに感謝したい。

 前レイラ男爵もリリィも5年かけて目標を達成し、今は私の屋敷で仕えている。ベッツィは6歳に私の息子は4歳になり一緒に遊ぶ様子は兄弟のようだ。

 そんな時だ、リリィに縁談が舞い込んだ。相手は王家の騎士だった。

「お話は、ありがたいのですが、グレイス奥様のお側でずっとお仕えしたいです」

 リリィの言葉に私とアレクサンダー様も頷いた。

「リリィはまだ若くて綺麗だから、幸せになってほしかったけれど、嫌なことは押しつけられないわね」

「私の、幸せは。ここにいることですから」

 リリィが、ふわりと上品に微笑んだ。もう、昔の教養のないリリィではなく、しっかりと落ち着いた女性になっていた。

 けれど先方の騎士に、結婚の申し込みを断ったあたりから、屋敷の周りにはその騎士がうろつくようになった。
リリィには、気をつけるように言ったのに、屋敷の外に使いに出したきり夜になっても、戻らなかった。

 護衛騎士をつけてあげれば、良かった。どうしよう・・・・・・リリィになにかあったら・・・・・・せっかく、頑張ってきた子なのに・・・・・・

 王家の騎士だから、屋敷の周りをうろうろしていても、『王族の方々の警護のつもりです』と言われて排除することもできなかった。そのうち、諦めると思っていたのにこんなことになった! 私は認識が甘かったことを反省したのだった。

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