(完)子供も産めない役立たずと言われて・・・・・・

青空一夏

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邪悪なフェルナンデス

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 私は、アレクサンダー様のお母様を訪問したいと、侍従に先に使いを出した。
アレクサンダー様が、ちょうど王様に任されていたお仕事の都合で屋敷を開けていた最中の出来事だったからだ。

 「私の留守中に、なにか困ったことがあったなら母上を頼るといい」

 アレクサンダー様の言葉通りに、私はお義母様のお屋敷に向かった。

「グレイス。よく、来てくれましたね。さぁ、お座りなさい」

 お義母様は、とてもにこやかに私に声をかけてくださった。

「お義母様、リリィが昨夜、帰ってこなかったのです。もしや、王家の騎士のフェルナンデスの仕業ではと思い・・・・・・」

 私は、話の経緯をお義母様に申し上げた。お義母様は、誰もいないはずの空間に向かって、話しかけた。

「影よ。姿を現せ! 不届き者を探すのだ。私の可愛い息子の嫁の侍女を見つけ出し、拉致した者をここに連れて来い」

「「「「御意」」」

 10人ほどの、黒装束の男達が、すっと現れまた消えた。この方達は、はじめて見るし、とても奇妙だ。

「びっくりさせたかしら? あれは、内密の仕事をする影の者達ですよ。私が、マイロ女公爵になった頃に先代の王である父上様が私に託した者達です。王家の騎士と同じ数だけいます。昔は、王族同士が殺し合うことが多かったのです。王に就いた者が兄弟姉妹を粛清というかたちで虐殺することが繰り返されたわ。それを、憂いて、先代王のお父様は、力を分断させたのです。私の妹には、なにやら人間ではないお守りが渡されたらしいけれど・・・・・・詳しいことはわからない」

 そう、おっしゃって悪戯っぽくお笑いになるお義母様に、思わずゾクッと体が震えた。


*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚


 あっという間だった。1時間もしないうちに、フェルナンデスは捕まりリリィは保護された。
保護されたリリィは、顔や体を殴られて青紫色に腫れ上げっていた。
散々、殴って蹴ったと思われる痣は無数にあって、生きているのが不思議なほどだと医師は言った。


「この王家の騎士は異常者ですよ。発見した時も気絶していた女を、まだいたぶって、ニヤニヤと笑っていました」

 連れて来られたフェルナンデスは、ふてぶてしい面構えで言い放った。

「あのリリィは、調べたら侍女じゃないでしょう? ただの罪人で、元娼婦のような女ではないですか? 騎士の私が結婚してやると申し込んだのに断るなど身の程しらずです。だから、わからせただけです。それより、私は王から勲章も頂いた騎士ですよ? こんなふうに、わけのわからない黒装束の男達に縄で縛らせるなんて。王様を怒らせたいのですか?」
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