34 / 50
邪悪なフェルナンデス
しおりを挟む
私は、アレクサンダー様のお母様を訪問したいと、侍従に先に使いを出した。
アレクサンダー様が、ちょうど王様に任されていたお仕事の都合で屋敷を開けていた最中の出来事だったからだ。
「私の留守中に、なにか困ったことがあったなら母上を頼るといい」
アレクサンダー様の言葉通りに、私はお義母様のお屋敷に向かった。
「グレイス。よく、来てくれましたね。さぁ、お座りなさい」
お義母様は、とてもにこやかに私に声をかけてくださった。
「お義母様、リリィが昨夜、帰ってこなかったのです。もしや、王家の騎士のフェルナンデスの仕業ではと思い・・・・・・」
私は、話の経緯をお義母様に申し上げた。お義母様は、誰もいないはずの空間に向かって、話しかけた。
「影よ。姿を現せ! 不届き者を探すのだ。私の可愛い息子の嫁の侍女を見つけ出し、拉致した者をここに連れて来い」
「「「「御意」」」
10人ほどの、黒装束の男達が、すっと現れまた消えた。この方達は、はじめて見るし、とても奇妙だ。
「びっくりさせたかしら? あれは、内密の仕事をする影の者達ですよ。私が、マイロ女公爵になった頃に先代の王である父上様が私に託した者達です。王家の騎士と同じ数だけいます。昔は、王族同士が殺し合うことが多かったのです。王に就いた者が兄弟姉妹を粛清というかたちで虐殺することが繰り返されたわ。それを、憂いて、先代王のお父様は、力を分断させたのです。私の妹には、なにやら人間ではないお守りが渡されたらしいけれど・・・・・・詳しいことはわからない」
そう、おっしゃって悪戯っぽくお笑いになるお義母様に、思わずゾクッと体が震えた。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
あっという間だった。1時間もしないうちに、フェルナンデスは捕まりリリィは保護された。
保護されたリリィは、顔や体を殴られて青紫色に腫れ上げっていた。
散々、殴って蹴ったと思われる痣は無数にあって、生きているのが不思議なほどだと医師は言った。
「この王家の騎士は異常者ですよ。発見した時も気絶していた女を、まだいたぶって、ニヤニヤと笑っていました」
連れて来られたフェルナンデスは、ふてぶてしい面構えで言い放った。
「あのリリィは、調べたら侍女じゃないでしょう? ただの罪人で、元娼婦のような女ではないですか? 騎士の私が結婚してやると申し込んだのに断るなど身の程しらずです。だから、わからせただけです。それより、私は王から勲章も頂いた騎士ですよ? こんなふうに、わけのわからない黒装束の男達に縄で縛らせるなんて。王様を怒らせたいのですか?」
アレクサンダー様が、ちょうど王様に任されていたお仕事の都合で屋敷を開けていた最中の出来事だったからだ。
「私の留守中に、なにか困ったことがあったなら母上を頼るといい」
アレクサンダー様の言葉通りに、私はお義母様のお屋敷に向かった。
「グレイス。よく、来てくれましたね。さぁ、お座りなさい」
お義母様は、とてもにこやかに私に声をかけてくださった。
「お義母様、リリィが昨夜、帰ってこなかったのです。もしや、王家の騎士のフェルナンデスの仕業ではと思い・・・・・・」
私は、話の経緯をお義母様に申し上げた。お義母様は、誰もいないはずの空間に向かって、話しかけた。
「影よ。姿を現せ! 不届き者を探すのだ。私の可愛い息子の嫁の侍女を見つけ出し、拉致した者をここに連れて来い」
「「「「御意」」」
10人ほどの、黒装束の男達が、すっと現れまた消えた。この方達は、はじめて見るし、とても奇妙だ。
「びっくりさせたかしら? あれは、内密の仕事をする影の者達ですよ。私が、マイロ女公爵になった頃に先代の王である父上様が私に託した者達です。王家の騎士と同じ数だけいます。昔は、王族同士が殺し合うことが多かったのです。王に就いた者が兄弟姉妹を粛清というかたちで虐殺することが繰り返されたわ。それを、憂いて、先代王のお父様は、力を分断させたのです。私の妹には、なにやら人間ではないお守りが渡されたらしいけれど・・・・・・詳しいことはわからない」
そう、おっしゃって悪戯っぽくお笑いになるお義母様に、思わずゾクッと体が震えた。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
あっという間だった。1時間もしないうちに、フェルナンデスは捕まりリリィは保護された。
保護されたリリィは、顔や体を殴られて青紫色に腫れ上げっていた。
散々、殴って蹴ったと思われる痣は無数にあって、生きているのが不思議なほどだと医師は言った。
「この王家の騎士は異常者ですよ。発見した時も気絶していた女を、まだいたぶって、ニヤニヤと笑っていました」
連れて来られたフェルナンデスは、ふてぶてしい面構えで言い放った。
「あのリリィは、調べたら侍女じゃないでしょう? ただの罪人で、元娼婦のような女ではないですか? 騎士の私が結婚してやると申し込んだのに断るなど身の程しらずです。だから、わからせただけです。それより、私は王から勲章も頂いた騎士ですよ? こんなふうに、わけのわからない黒装束の男達に縄で縛らせるなんて。王様を怒らせたいのですか?」
52
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる