(完結)私が貴方から卒業する時

青空一夏

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私はペシオ公爵家のソレンヌ。ペシオ公爵家の一人娘だ。ランディ・ヴァレリアン様はこのヴァレリアン王国の第2王子殿下。ランディ様は私の婚約者なの。

私はこのランディ様に昔、庇っていただいた過去がある。ペシオ公爵家の一人娘の私は、かつて甘やかされて運動もしないちょっと太めの少女だったわ。

王家主催のお茶会で体型のことをからかわれた私を慰めてくださったのがランディ様だった。かっこ良くて優しい方だと、私は勝手にあの方に恋をしたわ。

ランディ様の横に並んでも釣り合う自分になりたい、そう思いそれからはダイエットに励んだ。顔の作りは自分ではどうにもならないけれど体型は変えられる。お化粧の仕方も学び、自分にあった髪型とドレスを研究した。少しでも綺麗に見られるように。

その甲斐もあってか、私はランディ様と婚約することができたのよ。信じられないくらいに幸せだった。ずっと大好きだったあの方の妻になれる。だから私はもっと努力しなければならない。

私は辛い勉強にも耐える。これは第2王子妃になる為なのだから、と。

でも、王立貴族学園に一緒に通いだして、ランディ様は変わってしまわれた。少し冷たくなったみたい。一緒のクラスになれなかったランディ様とは最初の頃の登下校は一緒だったけれど、今は終わる時間も違うからと言われ、帰りは別々に帰るようになった。

ランディ様の馬車はペシオ公爵家から出している。なのでペシオ公爵家は下校時のお迎えには2台の馬車を出すようになった。私はペシオ公爵家にランディ様は王宮に別々に帰るように。

今までは一台の馬車で私を送り届けてから王宮にランディ様を送っていたのに。






ある日、ランディ様が珍しく私のクラスにいらっしゃる。
「ソレンヌ。悪いけれど、明日からお弁当を用意してくれないか? 学食の味は口に合わない」

「はい、わかりました。では二人分作り一緒に中庭で食べるというのはいかがですか?」

「一緒には食べられないが、二人分というのは良い案だと思うよ。わたしのクラスに平民出身の生徒がいてね、彼はお金に余裕がないらしい。だから、彼のぶんも作ってくれると助かるよ」

私は快くそのお願いを引き受けた。毎朝ランディ様にお弁当を手渡す。二人分のお弁当を・・・・・・それは私がコックと一緒に作った手作り。不器用だけれど一生懸命作った愛情お弁当だった。





私はランディ様に今週末のペシオ公爵家のパーティのお話しをしようと、滅多に行かないお昼休みに彼のクラスを訪ねた。

「ランディ様はどちらかしら?」

「あぁ、彼なら屋上でしょうね。でも、今は行かない方が良いと思いますよ」
ドロレ公爵家のモンタナ様が言いにくそうにそうおっしゃった。

「なぜですか?」

「真実を知らない方が良いからですよ。ランディ殿下とソレンヌ様は政略結婚なのにソレンヌ様はランディ殿下にぞっこんだと噂されていますからね」

私はゴクリと唾を飲み込んだ。婚約者は好きではいけないの? これは世間によくある政略結婚なんかじゃないわ。私がこれほどランディ様を好きなのだから。






屋上にこっそり行って、ランディ様の姿を見つけた。けれどその隣にいるのは・・・・・・平民だけれど特別にこの学園に通うことを許されたエリーズさんだった。

「いただきまぁす! ソレンヌ様って本当にお料理が下手ねぇ。なぁに、このお肉のしょっぱさ。おまけに不揃いな野菜だこと。ランディ様が可哀想、こんなお弁当を持たされて」

「ははは。まぁ、これでも食べられるからいいじゃないか。お昼に学食に行くお金がない、と言っていたからちょうど良いだろう?」

「えぇ、平民の私には学食代も大金ですわ。こうしてまずいお弁当でもあればとても助かります」

「あぁ、わたしもこれでお昼代が浮くから父上からもらった金をエリーズにあげられるよ。下の弟達の為にお金を貯めたいのだろう」

「はい、そうなんです。私の下には2人も弟がいますから」

そして、私の作ったお弁当を食べながらキスする二人。目の前が真っ暗になり、倒れそうだ。

「大丈夫ですか? だから見ない方が良かったのに」
 さきほどの公爵令息モンタナ様がいつの間にか横にいて私を支えた。

(ランディ様の裏切りを見てしまった私はどうすればいいの?)

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