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17.質問と再びの提案1
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さて、相手に本音を語ってもらうにはどうすればいいのか。
こういうのはある意味勢いで聞いた方がいいとは思うが、場の流れ雰囲気というもの必要だ。
どこで切り出そうかと、そのタイミングを窺っていると、ルドヴィックが少し困惑したように眉を寄せた。
「もしかしてお疲れでしたか?」
「え? いえ、そのような事は」
慌てたように取り繕っても、ルドヴィックは騙されてはくれない。
いつもよりも難しい顔でルドヴィックを見ながら、時々ため息をつきそうになっているのだから、何かあったと言うのはすぐにわかる。
「いつもと違って気もそぞろで、話の相槌も少し曖昧でした。少し難しい顔もされていたので、何かあったのではないかと心配です」
「特別何かあったわけではなくて――」
「それとも、私になにか話があったのでしょうか?」
ずばりと核心をついてくる。
紳士な相手は、空気を読むのも上手いらしい。それとも、ルドヴィックが特別相手の考えていることを読み取るのが上手いのかも知れない。
ただ、その瞬間言葉に詰まるヴィクトリアは食事の途中だったがカトラリーを置いた。
食事はおいしいが、集中できていないこともまた事実なので。
せっかくルドヴィックが機会をくれたのだからと、背筋を正した。
「失礼な態度で申し訳ありません」
ルドヴィックと出かけるときの店はいつでも個室だ。
人の目を気にすることがないのでありがたいが、なぜかいけないことをしている気持ちにもさせられる。
ルドヴィックもいつもと違うヴィクトリアの様子に、カトラリーを置きじっとまっすぐに見返した。
「わたくし、いつまでも曖昧な関係のままではいけないと思いました」
「曖昧な関係とは?」
不思議がっているが、ルドヴィックはきっとヴィクトリアが言いたいことの検討はついていると思った。
「この、関係です。求婚されているのに、友人としていつまでも曖昧に付き合っていくのはあまり良くない事だという事は、わたくしにも分かっています。ルドヴィック様に不誠実だと」
「そのような事考えていたんですか? 私は別に今のままでもいいんですよ。返事を焦らせるつもりはありません」
返事を焦らせるつもりはないという事は、結局求婚自体を無かった事にはしないという事でもあった。
できれば、それを撤回してほしいところだ。
婿がねとしてはかなりの優良物件であるのだが、そこはかとなく何かある男だということはもう分かっている。
そもそも、彼が本気で結婚を望んでいるのか、ヴィクトリアは半信半疑でもあった。
「もしかして、私の気持ちが伝わっていませんか?」
眉尻が下がり、捨てられた子供のような雰囲気だ。
この顔には弱いのだ。つい、全部丸ごと受け入れたい気持ちになる。それを知ってか知らずか、たまにヴィクトリアに提案してくるときにはこの顔になる。
しかし、そこそこ付き合いが長くなってくると、騙されるような事はない。
この顔の時は、何か企んでいる時。
「伝わっていないといいますか……正直なところ信じがたいと思っています。わたくしは一目惚れというものを信じられないといいますか、もっと現実的な事なら受け入れられたのですが……」
ルドヴィックが手を組んで机の上に置く。
目を閉じて、ヴィクトリアの言葉をじっくりと検討しているようだった。
そして、すっと目を開いて困ったように微笑む。
「困りましたね。一目惚れというのは、理論的に説明できるものではなりません。疑われても、私にそれを証明する手立てはありません」
それはそうだ。
一目惚れなんて気持ちの問題で、それを人に説明して理解してもらうことなど無理な事。
「ほかにも疑問があります」
「いいでしょう。今日はとことん、その疑問の解消に付き合いましょう。一目惚れに関しては説明できないですが、答えられることなら答えますよ」
なぜかうれしそうなルドヴィック。若干声が弾んでいる。
どこに、彼の気持ちを上向かせる言葉があったのか疑問だった。むしろ、気持ちを疑っているのだから、怒っていいところのような気がした。
まあ、機嫌がいいのは良い事だ。
こういうのはある意味勢いで聞いた方がいいとは思うが、場の流れ雰囲気というもの必要だ。
どこで切り出そうかと、そのタイミングを窺っていると、ルドヴィックが少し困惑したように眉を寄せた。
「もしかしてお疲れでしたか?」
「え? いえ、そのような事は」
慌てたように取り繕っても、ルドヴィックは騙されてはくれない。
いつもよりも難しい顔でルドヴィックを見ながら、時々ため息をつきそうになっているのだから、何かあったと言うのはすぐにわかる。
「いつもと違って気もそぞろで、話の相槌も少し曖昧でした。少し難しい顔もされていたので、何かあったのではないかと心配です」
「特別何かあったわけではなくて――」
「それとも、私になにか話があったのでしょうか?」
ずばりと核心をついてくる。
紳士な相手は、空気を読むのも上手いらしい。それとも、ルドヴィックが特別相手の考えていることを読み取るのが上手いのかも知れない。
ただ、その瞬間言葉に詰まるヴィクトリアは食事の途中だったがカトラリーを置いた。
食事はおいしいが、集中できていないこともまた事実なので。
せっかくルドヴィックが機会をくれたのだからと、背筋を正した。
「失礼な態度で申し訳ありません」
ルドヴィックと出かけるときの店はいつでも個室だ。
人の目を気にすることがないのでありがたいが、なぜかいけないことをしている気持ちにもさせられる。
ルドヴィックもいつもと違うヴィクトリアの様子に、カトラリーを置きじっとまっすぐに見返した。
「わたくし、いつまでも曖昧な関係のままではいけないと思いました」
「曖昧な関係とは?」
不思議がっているが、ルドヴィックはきっとヴィクトリアが言いたいことの検討はついていると思った。
「この、関係です。求婚されているのに、友人としていつまでも曖昧に付き合っていくのはあまり良くない事だという事は、わたくしにも分かっています。ルドヴィック様に不誠実だと」
「そのような事考えていたんですか? 私は別に今のままでもいいんですよ。返事を焦らせるつもりはありません」
返事を焦らせるつもりはないという事は、結局求婚自体を無かった事にはしないという事でもあった。
できれば、それを撤回してほしいところだ。
婿がねとしてはかなりの優良物件であるのだが、そこはかとなく何かある男だということはもう分かっている。
そもそも、彼が本気で結婚を望んでいるのか、ヴィクトリアは半信半疑でもあった。
「もしかして、私の気持ちが伝わっていませんか?」
眉尻が下がり、捨てられた子供のような雰囲気だ。
この顔には弱いのだ。つい、全部丸ごと受け入れたい気持ちになる。それを知ってか知らずか、たまにヴィクトリアに提案してくるときにはこの顔になる。
しかし、そこそこ付き合いが長くなってくると、騙されるような事はない。
この顔の時は、何か企んでいる時。
「伝わっていないといいますか……正直なところ信じがたいと思っています。わたくしは一目惚れというものを信じられないといいますか、もっと現実的な事なら受け入れられたのですが……」
ルドヴィックが手を組んで机の上に置く。
目を閉じて、ヴィクトリアの言葉をじっくりと検討しているようだった。
そして、すっと目を開いて困ったように微笑む。
「困りましたね。一目惚れというのは、理論的に説明できるものではなりません。疑われても、私にそれを証明する手立てはありません」
それはそうだ。
一目惚れなんて気持ちの問題で、それを人に説明して理解してもらうことなど無理な事。
「ほかにも疑問があります」
「いいでしょう。今日はとことん、その疑問の解消に付き合いましょう。一目惚れに関しては説明できないですが、答えられることなら答えますよ」
なぜかうれしそうなルドヴィック。若干声が弾んでいる。
どこに、彼の気持ちを上向かせる言葉があったのか疑問だった。むしろ、気持ちを疑っているのだから、怒っていいところのような気がした。
まあ、機嫌がいいのは良い事だ。
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