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25.ローレンツサイド2(過去:暴力的行為あり)
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それからローレンツは地下牢のようなところに繋がれた。
ボロボロになりながらも、それでも心と頭はアンナの事でいっぱいだった。
「まだ、反抗心が残っているのか。それでも私の息子か? 心から伯爵家にお仕えするのは当然の事。どうしてあの役立たずの事ばかり第一に考えているのか理解に苦しむ」
「ふざ、けるな!」
「ふざけてなどいない。どうやら、上級貴族の執事というものを良く分かっていないらしいな。このままで私こそ無能扱いだ。息子一人、管理できないとな」
自分の評価しか考えていない、ローデンにローレンツは睨み返す。
眼光鋭く、どこか冷え冷えとした目元は、そうして睨んでいるとそっくりだ。
「考えてみれば……、お前には父親としてプレゼント一つしてやれなかったな」
突然ローデンがそんな事を言い出した。
何かを考えて、そしてローレンツに向き直る。
「正直、ここまで育ててきたお前を手放すのも惜しいとは考えているのだ。ローレンツ、お前は少なくとも、なかなか物覚えはいい。父上も期待していたのだ。だからこそ、少し厳しくしすぎた面もある……だから、父親である私からお前の望むものをやろう」
「な、に?」
「きっとヘンリー様の慈悲深さが良く分かるだろう」
全身が総毛だった。
「そろそろ知らせが来る。その目で確かめるのがいいだろう」
がちゃんと音がして手かせが外される。
もちろん、両脇には大柄な荒事が得意な下男がローレンツを押さえていた。
嫌な予感しかしない。
なぜか執事服を着させられ、手かせの後もしっかり隠せるような長袖に、白い手袋まで。
しばらくすると、突然階下が騒がしくなった。
「ほら、来たぞ」
扉を開くと、そこには街の警邏がいた。
「失礼いたします。このような時間に」
「いえ、もしかして見つかったのでしょうか?」
平然とローデンが警邏隊の隊員に聞く。
ローレンツは、段々とこぶしに力が入って行く。
「ええ……、しかしながらその――……」
口ごもる相手に、ローデンがどこか悔し気に顔を作る。
「生きてはいないのでしょうか?」
「……力及ばず、ご息女は――……。今は隊の安置所に……」
その瞬間ローレンツは部屋を飛び出した。
後ろから、ローレンツと名前を呼び声が聞こえたきたが気にしなかった。
ローレンツは警邏隊の隊舎に駆け込んだ。
もちろん、突然隊舎に乱入してきたローレンツは大いに不審人物で、取り押さえられそうになった。
ただ、後ろから急いで追いかけてきた人物のとりなしによって、その不審人物が安置所にいる少女の家族であると知らされると、痛ましい顔でローレンツを安置所まで案内した。
そこはひんやりとしていて、静かだった。
中央に置かれているベッドの上には人が寝かせられていて、白いシーツに覆われている。
震える足で近寄り、ローレンツはそのシーツをゆっくりと持ち上げた。
そして――……
「あ……あぁぁ、うあぁぁぁあ!!!」
絶叫した。
土気色になった顔には、いくつものあざと腫れあがった顔。
首には、指のあと。
冷たくなった身体をかき抱きながら、ひたすらに絶叫と涙が止まらなかった。
あまりにも惨い姿だったゆえに、警邏隊の人たちもローレンツに声をかける事さえできなかった。
そんな中、ゆうゆうと足を進めてきたのはローデンだった。
「お騒がせして申し訳ありません。息子はことさら娘の事を可愛がっておりまして……」
悲し気に俯く、ローデンに隊員も分かっているとでも言うように、首を振る。
ローデンはまるで愛する娘をなくして悲しむ父親のようにローレンツに近づき耳元で囁いた。
「ヘンリー様が今までの労をねぎらって、無能で躾のなっていない小娘だがお前に返してくれたのだ。素晴らしく寛大だろう?」
ローレンツは怒りのあまり、ここがどこか完全に頭になかった。
片腕でアンナを抱きかかえ、もう片方の手でその顔面を思い切り殴りつけた。
「ふざけるな!! お前が――、お前がアンナを――!!」
「落ち着いて下さい! ご子息殿!!」
錯乱しているのだと思った隊員にその腕を拘束され、床に倒れこみ隊員の手を借り起き上がるローデンを殺したいほどの殺気のこもった瞳で見下ろす。
「大丈夫ですか?」
「ええ……私と息子はあまり仲がいいとは言えず……見苦しいところをお見せしました」
「それは……」
「いえ、いいのです。私がもっと家庭を顧みればこのような事は起こっていなかったかも知れません。まさか娘が夜中に遊びまわっていたなどと知っていたら、きっと対処しておりましたから」
娘を失った父親の如く、悲し気に言えば一瞬にして隊員はローデンの言葉を信じ、逆にローレンツを哀れんだ。
「さあ、ローレンツ帰ろう。アンナと一緒に――……」
「お前がアンナの名を呼ぶな! 触るな!!」
ローレンツが藻掻いたところで拘束されている腕は外れない。
「ご子息は、少し休まれた方がよろしいかと思います。こちらでしばらくお預かりいたしましょう」
「ご厄介をおかけします……」
「父子関係というのは難しいですからね。しかもこのような状況では更に」
訳知り顔で提案する隊員に、ローデンはローレンツの事を頼む。
完全なる善意で言っていた言葉だが、ローレンツにとってみれば、余計な世話なのは間違いなかった。
「どうやら、息子には私の言葉が届かないようです……残念ですよ。本当に」
痛ましそうに隊員が見る中、ローレンツはハッキリと分かった。
それは決別の言葉なのだと。
ローデンの瞳は雄弁に語っていた。
無能な人間は不要だと。
ローレンツの姿を見て、矯正するのは無理だと悟ったのだと。
その瞬間から、ローレンツは復讐する事だけを誓った。
ありとあらゆる手を使ってでも、その誓いを果たすのだと決意した。
「これが今から十二年前の事だ……俺は十二年忘れたことはない。やつらに殺された妹の事を、そして必ず復讐することを」
アリーシアはぎゅっと布団を握る。
ローレンツの瞳は冷たく輝いていた。
今まで見たこともないそれに、彼の本気を知った。
ボロボロになりながらも、それでも心と頭はアンナの事でいっぱいだった。
「まだ、反抗心が残っているのか。それでも私の息子か? 心から伯爵家にお仕えするのは当然の事。どうしてあの役立たずの事ばかり第一に考えているのか理解に苦しむ」
「ふざ、けるな!」
「ふざけてなどいない。どうやら、上級貴族の執事というものを良く分かっていないらしいな。このままで私こそ無能扱いだ。息子一人、管理できないとな」
自分の評価しか考えていない、ローデンにローレンツは睨み返す。
眼光鋭く、どこか冷え冷えとした目元は、そうして睨んでいるとそっくりだ。
「考えてみれば……、お前には父親としてプレゼント一つしてやれなかったな」
突然ローデンがそんな事を言い出した。
何かを考えて、そしてローレンツに向き直る。
「正直、ここまで育ててきたお前を手放すのも惜しいとは考えているのだ。ローレンツ、お前は少なくとも、なかなか物覚えはいい。父上も期待していたのだ。だからこそ、少し厳しくしすぎた面もある……だから、父親である私からお前の望むものをやろう」
「な、に?」
「きっとヘンリー様の慈悲深さが良く分かるだろう」
全身が総毛だった。
「そろそろ知らせが来る。その目で確かめるのがいいだろう」
がちゃんと音がして手かせが外される。
もちろん、両脇には大柄な荒事が得意な下男がローレンツを押さえていた。
嫌な予感しかしない。
なぜか執事服を着させられ、手かせの後もしっかり隠せるような長袖に、白い手袋まで。
しばらくすると、突然階下が騒がしくなった。
「ほら、来たぞ」
扉を開くと、そこには街の警邏がいた。
「失礼いたします。このような時間に」
「いえ、もしかして見つかったのでしょうか?」
平然とローデンが警邏隊の隊員に聞く。
ローレンツは、段々とこぶしに力が入って行く。
「ええ……、しかしながらその――……」
口ごもる相手に、ローデンがどこか悔し気に顔を作る。
「生きてはいないのでしょうか?」
「……力及ばず、ご息女は――……。今は隊の安置所に……」
その瞬間ローレンツは部屋を飛び出した。
後ろから、ローレンツと名前を呼び声が聞こえたきたが気にしなかった。
ローレンツは警邏隊の隊舎に駆け込んだ。
もちろん、突然隊舎に乱入してきたローレンツは大いに不審人物で、取り押さえられそうになった。
ただ、後ろから急いで追いかけてきた人物のとりなしによって、その不審人物が安置所にいる少女の家族であると知らされると、痛ましい顔でローレンツを安置所まで案内した。
そこはひんやりとしていて、静かだった。
中央に置かれているベッドの上には人が寝かせられていて、白いシーツに覆われている。
震える足で近寄り、ローレンツはそのシーツをゆっくりと持ち上げた。
そして――……
「あ……あぁぁ、うあぁぁぁあ!!!」
絶叫した。
土気色になった顔には、いくつものあざと腫れあがった顔。
首には、指のあと。
冷たくなった身体をかき抱きながら、ひたすらに絶叫と涙が止まらなかった。
あまりにも惨い姿だったゆえに、警邏隊の人たちもローレンツに声をかける事さえできなかった。
そんな中、ゆうゆうと足を進めてきたのはローデンだった。
「お騒がせして申し訳ありません。息子はことさら娘の事を可愛がっておりまして……」
悲し気に俯く、ローデンに隊員も分かっているとでも言うように、首を振る。
ローデンはまるで愛する娘をなくして悲しむ父親のようにローレンツに近づき耳元で囁いた。
「ヘンリー様が今までの労をねぎらって、無能で躾のなっていない小娘だがお前に返してくれたのだ。素晴らしく寛大だろう?」
ローレンツは怒りのあまり、ここがどこか完全に頭になかった。
片腕でアンナを抱きかかえ、もう片方の手でその顔面を思い切り殴りつけた。
「ふざけるな!! お前が――、お前がアンナを――!!」
「落ち着いて下さい! ご子息殿!!」
錯乱しているのだと思った隊員にその腕を拘束され、床に倒れこみ隊員の手を借り起き上がるローデンを殺したいほどの殺気のこもった瞳で見下ろす。
「大丈夫ですか?」
「ええ……私と息子はあまり仲がいいとは言えず……見苦しいところをお見せしました」
「それは……」
「いえ、いいのです。私がもっと家庭を顧みればこのような事は起こっていなかったかも知れません。まさか娘が夜中に遊びまわっていたなどと知っていたら、きっと対処しておりましたから」
娘を失った父親の如く、悲し気に言えば一瞬にして隊員はローデンの言葉を信じ、逆にローレンツを哀れんだ。
「さあ、ローレンツ帰ろう。アンナと一緒に――……」
「お前がアンナの名を呼ぶな! 触るな!!」
ローレンツが藻掻いたところで拘束されている腕は外れない。
「ご子息は、少し休まれた方がよろしいかと思います。こちらでしばらくお預かりいたしましょう」
「ご厄介をおかけします……」
「父子関係というのは難しいですからね。しかもこのような状況では更に」
訳知り顔で提案する隊員に、ローデンはローレンツの事を頼む。
完全なる善意で言っていた言葉だが、ローレンツにとってみれば、余計な世話なのは間違いなかった。
「どうやら、息子には私の言葉が届かないようです……残念ですよ。本当に」
痛ましそうに隊員が見る中、ローレンツはハッキリと分かった。
それは決別の言葉なのだと。
ローデンの瞳は雄弁に語っていた。
無能な人間は不要だと。
ローレンツの姿を見て、矯正するのは無理だと悟ったのだと。
その瞬間から、ローレンツは復讐する事だけを誓った。
ありとあらゆる手を使ってでも、その誓いを果たすのだと決意した。
「これが今から十二年前の事だ……俺は十二年忘れたことはない。やつらに殺された妹の事を、そして必ず復讐することを」
アリーシアはぎゅっと布団を握る。
ローレンツの瞳は冷たく輝いていた。
今まで見たこともないそれに、彼の本気を知った。
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