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箱から覗いてみました……
七つ道具とか持ってそうだな
しおりを挟む「実は、君が勤めてるカフェに、我々、三課が追っている人間が時折現れるんだよね」
だが、海里はワインを構えたまま、
「警察に協力する義務はない」
と男に向かい、言い放っていた。
ありますよ……。
国民として。
「なにが事件だ。
いきなり硬い話しやがって、わざわざ高いワイン買ってきて、いい雰囲気にしようと思ってきたのに」
と海里が愚痴ると、すみません、と男は素直に謝る。
同性として、同情の余地がある、と思ったのかもしれない。
「あ、僕は、ハットリ ケイジと言います」
と男は名乗った。
「……下の名前は?」
と海里は問う。
「だから、啓司ですよっ」
服部刑事は、刑事になってから、何度も語ったのだろう話を始める。
「でも、実は、この名前だから刑事になったんです。
幼稚園のときから、ごっこ遊びのとき、大抵刑事役をやらされて。
ケイドロでも、永遠に警察側です」
それでなんとなく、と服部は言う。
「流されやすい奴だな。
世の中に何人、ケイジって名前の奴が居ると思ってるんだ。
そいつら全員、刑事になったのか。
じゃあ、服部犯人とか服部服役囚とかいう名前だったら、犯罪者になってたのか?」
服部半蔵とか、という海里に、
「……いや、服部半蔵はいいんじゃないですか?」
とあまりは言った。
服部半蔵は海里の手にある、今、自分を撲殺しようとしたワインを見、
「とりあえず、今日は失礼しますよ。
お邪魔してしまったようなので」
と言ってきた。
「帰れ。
二度と来るなよ。
来たら、お前が彼女連れ込んだとき、邪魔してやるぞ」
とよくわからない脅しをかけている。
「はは。
今日は、僕は仮眠取ったら、またすぐ出ますから、ごゆっくり」
と言って服部は部屋に入っていった。
「刑事さんだったんですね」
そういえば、カフェで見ましたね、と閉まった扉を見ながら、あまりが呟くと、
「……刑事か。
七つ道具とか持ってそうだな、盗聴器とか」
盗聴されるなよ、と言ってくるので、
「いや、刑事さんですよね?」
と確認するように言ってみた。
あと、七つ道具を持ってるのは、探偵さんでは? と思っていると、
「なんでもいい。
さあ、早く入れ」
時間をロスしてしまった、と仕事のようなことを言いながら、さっき服部にしていたように、ワインの瓶で背中を突いてくる。
貴方が刑事みたいですよ、と思っていると、
「見ろ。
あいつのせいで、雰囲気だいなしだ」
と言ってくる。
いや……ほぼ、貴方のせいですよね~と苦笑いしながら、ドアを開けた。
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