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36 突然の訪問者
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いきなり現れたイケメンに本当の名前を呼ばれて「はい」と返事をするわけにはいかない。
何しろここには私の他にハミルトンにお祖父様、それにモーガンや他の使用人達もいるからだ。
けれど、その誰もが突然現れたイケメンに驚きを隠せないでいる。
一体この人は誰なのかしら?
「ユージーン! いきなり現れて何を言っているんだ? ジェシカが君の妹だと? どうしてそんな話が出てくるんだ?」
誰もが声も出せずにいる中、真っ先に反応したのはハミルトンだった。
私を自分の背に庇うようにイケメンと私の間に割って入る。
そのたくましい後ろ姿に思わず見惚れてしまったけれど、今はそれどころじゃないわね。
私はそっとハミルトンの後ろから、ハミルトンとイケメンの対決(?)を見守る。
…あれ?
今ユージーンって呼んだ?
この間、ロジャーとの会話に出てきた人よね。
その時はたしかユージーンの母親が危篤とかって話だったわ。
そしてその後でこの国の王妃様が亡くなった…。
…と言う事は、今目の前にいる人はこの国の王太子様?
だからモーガンも彼に対して無下にはあしらえないわけね。
「ユージーン。今、お前はジェシカをフェリシアと呼んだな? 一体どういう事か説明してくれんか?」
車椅子に乗ったお祖父様までが私の前に出てきてユージーンに対峙している。
…どうしよう…
お祖父様にも私がジェシカでない事が知られてしまうわ。
こんな事なら車椅子の完成を待たずにさっさとこの屋敷から出ていけば良かったんだわ。
「おや、ハワードお祖父様。随分と変わった椅子に座っておられますね。まるで小さな馬車みたいだ。ああ、今はフェリシアの話でしたね。実はここにいる彼女はジェシカではなくフェリシアだと判明したんですよ。そしてそのフェリシアは僕の妹なんです。だからフェリシアは僕が連れて帰ります」
「待て! ユージーン! いきなり現れてそんな話をされてもちっとも意味がわからない! きちんと説明しろ!」
ハミルトンが更にユージーンに食ってかかるけれど、私はずっとハラハラしっぱなしだった。
そんな言い方をして不敬だと後で拘束されたりしないのかしら?
二人の男性が私を巡って争っているなんて恋愛のシチュエーションならば心躍る展開なんだろうけれど、流石にこの状況ではそんな悠長な事は言ってられないわ。
使用人達に至ってはただただ静観するしかないみたい。
そんな中、勇敢にも立ち向かってきたのはモーガンだったわ。
「皆様、落ち着いてください。こんな所で立ち話もなんですから場所を変えましょう。ユージーン様もそれでよろしいですか?」
落ち着き払ったモーガンの対応にユージーンもハミルトンも落ち着きを取り戻したようだ。
「すまない、モーガン。少し先走ってしまったようだ。そうだな、落ち着いて話をしようじゃないか」
「まったく! 王太子ともあろう人物がいきなり現れて言う事じゃないぞ。詳しく話を聞かせてくれ。お祖父様もそれでよろしいですか?」
ハミルトンが横にいるお祖父様に問いかけるとお祖父様も大きく頷いた。
「ああ、私もどうしてジェシカがユージーンの妹だと言われるのか知りたい。ジェシカも構わんな?」
お祖父様が振り返って私に確認してくるので、私もコクリと頷いた。
確かに私はジェシカではないけれど、どうして私がユージーンの妹だと言われるのかがわからない。
だって私は孤児院で生まれて…
あれ?
…そもそも子供は一人では出来ないのよね。
当然、私にも父親がいるわけで…
…まさか、その父親がこの国の国王って事?
想定外の事態に頭が追いついていかない。
「ジェシカ、大丈夫。僕がついているからね」
ハミルトンが私を力づけるように言葉をかけてくるけれど、そもそもハミルトンは私を嫌っていたんじゃないかしら?
そう思いつつも私はハミルトンに促されるまま足を進める。
ぞろぞろと皆が行き着いた先は応接室だった。
何しろここには私の他にハミルトンにお祖父様、それにモーガンや他の使用人達もいるからだ。
けれど、その誰もが突然現れたイケメンに驚きを隠せないでいる。
一体この人は誰なのかしら?
「ユージーン! いきなり現れて何を言っているんだ? ジェシカが君の妹だと? どうしてそんな話が出てくるんだ?」
誰もが声も出せずにいる中、真っ先に反応したのはハミルトンだった。
私を自分の背に庇うようにイケメンと私の間に割って入る。
そのたくましい後ろ姿に思わず見惚れてしまったけれど、今はそれどころじゃないわね。
私はそっとハミルトンの後ろから、ハミルトンとイケメンの対決(?)を見守る。
…あれ?
今ユージーンって呼んだ?
この間、ロジャーとの会話に出てきた人よね。
その時はたしかユージーンの母親が危篤とかって話だったわ。
そしてその後でこの国の王妃様が亡くなった…。
…と言う事は、今目の前にいる人はこの国の王太子様?
だからモーガンも彼に対して無下にはあしらえないわけね。
「ユージーン。今、お前はジェシカをフェリシアと呼んだな? 一体どういう事か説明してくれんか?」
車椅子に乗ったお祖父様までが私の前に出てきてユージーンに対峙している。
…どうしよう…
お祖父様にも私がジェシカでない事が知られてしまうわ。
こんな事なら車椅子の完成を待たずにさっさとこの屋敷から出ていけば良かったんだわ。
「おや、ハワードお祖父様。随分と変わった椅子に座っておられますね。まるで小さな馬車みたいだ。ああ、今はフェリシアの話でしたね。実はここにいる彼女はジェシカではなくフェリシアだと判明したんですよ。そしてそのフェリシアは僕の妹なんです。だからフェリシアは僕が連れて帰ります」
「待て! ユージーン! いきなり現れてそんな話をされてもちっとも意味がわからない! きちんと説明しろ!」
ハミルトンが更にユージーンに食ってかかるけれど、私はずっとハラハラしっぱなしだった。
そんな言い方をして不敬だと後で拘束されたりしないのかしら?
二人の男性が私を巡って争っているなんて恋愛のシチュエーションならば心躍る展開なんだろうけれど、流石にこの状況ではそんな悠長な事は言ってられないわ。
使用人達に至ってはただただ静観するしかないみたい。
そんな中、勇敢にも立ち向かってきたのはモーガンだったわ。
「皆様、落ち着いてください。こんな所で立ち話もなんですから場所を変えましょう。ユージーン様もそれでよろしいですか?」
落ち着き払ったモーガンの対応にユージーンもハミルトンも落ち着きを取り戻したようだ。
「すまない、モーガン。少し先走ってしまったようだ。そうだな、落ち着いて話をしようじゃないか」
「まったく! 王太子ともあろう人物がいきなり現れて言う事じゃないぞ。詳しく話を聞かせてくれ。お祖父様もそれでよろしいですか?」
ハミルトンが横にいるお祖父様に問いかけるとお祖父様も大きく頷いた。
「ああ、私もどうしてジェシカがユージーンの妹だと言われるのか知りたい。ジェシカも構わんな?」
お祖父様が振り返って私に確認してくるので、私もコクリと頷いた。
確かに私はジェシカではないけれど、どうして私がユージーンの妹だと言われるのかがわからない。
だって私は孤児院で生まれて…
あれ?
…そもそも子供は一人では出来ないのよね。
当然、私にも父親がいるわけで…
…まさか、その父親がこの国の国王って事?
想定外の事態に頭が追いついていかない。
「ジェシカ、大丈夫。僕がついているからね」
ハミルトンが私を力づけるように言葉をかけてくるけれど、そもそもハミルトンは私を嫌っていたんじゃないかしら?
そう思いつつも私はハミルトンに促されるまま足を進める。
ぞろぞろと皆が行き着いた先は応接室だった。
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