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86 呼び出し
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危惧していたお披露目のやり直しが行われる事にはならずに私はホッとしていた。
もともと、今回のお披露目にしても無理矢理強行したようなものらしいので、当然といえば当然よね。
呼ぶ方も呼ばれる方も準備が必要なんだから、いきなり開催を告げられても困るわよね。
しばらくは落ち着いた生活が出来ると思ってのんびりと過ごしている私のテーブルの上にアガサがバサッと手紙の束を置いた。
「あら? これは何かしら?」
「フェリシア様へのお茶会の招待状でございます」
招待状?
これ全部?
一体何通あるのかしら?
数えようか、と手を伸ばしかけて止めた。
流石にこれ全部に出席するわけにはいかないでしょう。
だけど、何処の貴族のお茶会に出席したらいいのかしら?
王家と他の貴族との関係性がわからない私には、どの貴族と付き合えばいいのかまったくわからない。
「ねぇ、アガサ。どちらのお茶会に出席したらいいのかしら?」
私が問いかけるとアガサは少し困ったような表情を浮かべた。
「申し訳ございません、フェリシア様。私ではそのような事についてはお答えしかねます。アシェトン公爵家のパトリシア様にご相談をされた方がよろしいかと存じます」
王宮には女性の王族は私だけだし、お父様とお兄様では女性の社交に関してはまったくわからないだろうしね。
アシェトン公爵家ならば、何処の貴族と仲良くすればいいかわかるでしょうね。
もっとも王族はどの貴族にも分け隔てなく接する方がいいんでしょうね。
「それが一番いいわね。パトリシア様にお手紙を書くから届けてもらえるかしら?」
私はアガサに用意して貰った便箋にパトリシアへの手紙をしたためた。
手紙の内容は
『相談したい事があるので都合の良い日を知らせてください』
というものだ。
これでパトリシアから日にちを知らせてくれば
『◯日に会いましょう』
と書く事になるのだが、非常にまだるっこしい。
こんな時、電話があればって思うわね。
電話で直接話をして何処の貴族と付き合えばいいかすぐに教えて貰えるのに…。
電話を開発しようかな、と考えた事もあったけれど、後々面倒な事になりそうなので止めた。
前世だって昔は手紙でのやり取りだったんだから、その時代に戻っただけだと思えばいいわ。
アガサに手紙を託して自室で過ごしていると、アガサが手紙を持って戻って来た。
どうやらその場で返事を書いてもらったようだ。
私は手紙を受け取るとすぐに封を切った。
便箋にはパトリシアの文字で
「いつでも大丈夫です」
と書かれてあった。
流石にその日のうちにパトリシアを呼び出すわけにはいかないので、明日来て貰うように返事を書いた。
すぐにアガサに手紙を託すと、間髪を入れずに返事を持ってきた。
手紙を運んでいるのはアガサではなく、他の使用人だけど、行ったり来たりを繰り返させて申し訳ない。
翌日、パトリシアは指定をした時間に王宮を訪れてきた。
「パトリシア様、ご無沙汰致しております。お変わりございませんか?」
庭の四阿でパトリシアを出迎えた私は、すぐに席につくように促す。
「失礼いたします。それで本日はどのようなご用件でしょうか?」
着席と同時に尋ねてくるパトリシアに私はアガサに目配せして、手紙の束をテーブルの上に置いてもらった。
「先日届いた招待状です。だけど私にはどちらの方を訪問したらいいのか分からなくて…。助言をもらえるかしら?」
「承知いたしました。お手紙を拝見してもよろしいでしょうか?」
私が頷くとパトリシアは手紙の差出人を見ながら、テーブルの上に仕分けていった。
テーブルの上には同じくらいの高さの手紙の束が二つ出来上がっていた。
「こちらが招待を受けていい貴族です。こちらの方は捨て置いても構いませんわ。直接出向かれなくても、他の方のお茶会で顔を合わせる事になります」
どうやらパトリシアが選んでくれたのは、派閥のトップにいる貴族達のようだ。
「ありがとうございます。後で返事を出しますわ」
捨て置いていいと言われた方の手紙の処分をアガサに頼むと、私は居住まいを正してパトリシアに向き合った。
ハミルトンはあれからどうなったのかしら?
もともと、今回のお披露目にしても無理矢理強行したようなものらしいので、当然といえば当然よね。
呼ぶ方も呼ばれる方も準備が必要なんだから、いきなり開催を告げられても困るわよね。
しばらくは落ち着いた生活が出来ると思ってのんびりと過ごしている私のテーブルの上にアガサがバサッと手紙の束を置いた。
「あら? これは何かしら?」
「フェリシア様へのお茶会の招待状でございます」
招待状?
これ全部?
一体何通あるのかしら?
数えようか、と手を伸ばしかけて止めた。
流石にこれ全部に出席するわけにはいかないでしょう。
だけど、何処の貴族のお茶会に出席したらいいのかしら?
王家と他の貴族との関係性がわからない私には、どの貴族と付き合えばいいのかまったくわからない。
「ねぇ、アガサ。どちらのお茶会に出席したらいいのかしら?」
私が問いかけるとアガサは少し困ったような表情を浮かべた。
「申し訳ございません、フェリシア様。私ではそのような事についてはお答えしかねます。アシェトン公爵家のパトリシア様にご相談をされた方がよろしいかと存じます」
王宮には女性の王族は私だけだし、お父様とお兄様では女性の社交に関してはまったくわからないだろうしね。
アシェトン公爵家ならば、何処の貴族と仲良くすればいいかわかるでしょうね。
もっとも王族はどの貴族にも分け隔てなく接する方がいいんでしょうね。
「それが一番いいわね。パトリシア様にお手紙を書くから届けてもらえるかしら?」
私はアガサに用意して貰った便箋にパトリシアへの手紙をしたためた。
手紙の内容は
『相談したい事があるので都合の良い日を知らせてください』
というものだ。
これでパトリシアから日にちを知らせてくれば
『◯日に会いましょう』
と書く事になるのだが、非常にまだるっこしい。
こんな時、電話があればって思うわね。
電話で直接話をして何処の貴族と付き合えばいいかすぐに教えて貰えるのに…。
電話を開発しようかな、と考えた事もあったけれど、後々面倒な事になりそうなので止めた。
前世だって昔は手紙でのやり取りだったんだから、その時代に戻っただけだと思えばいいわ。
アガサに手紙を託して自室で過ごしていると、アガサが手紙を持って戻って来た。
どうやらその場で返事を書いてもらったようだ。
私は手紙を受け取るとすぐに封を切った。
便箋にはパトリシアの文字で
「いつでも大丈夫です」
と書かれてあった。
流石にその日のうちにパトリシアを呼び出すわけにはいかないので、明日来て貰うように返事を書いた。
すぐにアガサに手紙を託すと、間髪を入れずに返事を持ってきた。
手紙を運んでいるのはアガサではなく、他の使用人だけど、行ったり来たりを繰り返させて申し訳ない。
翌日、パトリシアは指定をした時間に王宮を訪れてきた。
「パトリシア様、ご無沙汰致しております。お変わりございませんか?」
庭の四阿でパトリシアを出迎えた私は、すぐに席につくように促す。
「失礼いたします。それで本日はどのようなご用件でしょうか?」
着席と同時に尋ねてくるパトリシアに私はアガサに目配せして、手紙の束をテーブルの上に置いてもらった。
「先日届いた招待状です。だけど私にはどちらの方を訪問したらいいのか分からなくて…。助言をもらえるかしら?」
「承知いたしました。お手紙を拝見してもよろしいでしょうか?」
私が頷くとパトリシアは手紙の差出人を見ながら、テーブルの上に仕分けていった。
テーブルの上には同じくらいの高さの手紙の束が二つ出来上がっていた。
「こちらが招待を受けていい貴族です。こちらの方は捨て置いても構いませんわ。直接出向かれなくても、他の方のお茶会で顔を合わせる事になります」
どうやらパトリシアが選んでくれたのは、派閥のトップにいる貴族達のようだ。
「ありがとうございます。後で返事を出しますわ」
捨て置いていいと言われた方の手紙の処分をアガサに頼むと、私は居住まいを正してパトリシアに向き合った。
ハミルトンはあれからどうなったのかしら?
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