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5 襲撃
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五歳の誕生日を迎えて、ようやく今日から剣の
をつけてもらえる事になった。
騎士団長と息子のアレクシスが相手をしてくれる事になっている。
流石に初っ端から真剣を持たせる訳にはいかないからと、まずは模造剣で練習だ。
剣の持ち方を教わり、素振りを開始する。
模造剣とはいえ、それなりに重量はある。
五歳児にはちょっと重いかな。
アレクシスを相手に剣を振るが、すぐに息があがる。
もっと体力もつけなきゃ。
走り込み、腕立て伏せ、素振り。
まるで体育会系の部活だな。
稽古も終わりに差し掛かり、少々バテてきた頃、突然誰かが訓練場にやって来た。
変だな?
今日は僕達だけで誰も来ないはず…。
現れたのは副団長と数人の騎士。
何事だろう?
それに、あの人達の周りに何やら黒いモヤの様なものが見える。
「副団長! 陛下の護衛はどうした?」
そうだ。今日は騎士団長の代わりに副団長が父上の護衛のはず。
なのにどうしてここにいるんだ?
騎士団長の問い掛けに、副団長はニヤリと嫌な顔で笑う。
「もう必要ないんでね」
「何?」
必要ないって何だ?
僕達3人共、何の事だか解らなかった。
でも何だか嫌な考えが頭をよぎる。
「どういう事だ!」
騎士団長の問いには答えず、副団長達は剣を抜く。
「さぁ、フェリクス王子。大人しくついて来て下さい。」
剣を構えたまま、ジリジリとこちらに寄ってくる。
「おい! 何を考えている!」
騎士団長も剣を抜いたが、僕とアレクシスは木剣しか持っていない。これで身を守れるはずがない。
それでもアレクシスは僕を庇う様に前に立った。
「アレクシス! 王子を連れて逃げろ!」
騎士団長は更に小声で付け加えた。
「あそこで落ち合おう」
アレクシスは頷くと木剣を持ったまま、もう片方の手で、僕の手を掴むと騎士達に背を向けて走り出した。
訓練場の裏門を出て奥の森へと向かう。
と、目の前に誰かが立っている。
「カイン?」
アレクシスがほっとした声を上げたが、すぐに体を強張らせた。
どうしたんだろうと思い、カインに目をやる。その手に剣が握られているのを見てギョッとする。
「カイン! どういうつもりだ!」
アレクシスが僕を背に庇いカインを問い詰める。
だが、カインはそれに答えず不敵に微笑む。
「おやおや、そんな木剣じゃ相手にもならないな」
「ふざけるな! そこを退け!」
僕はただ、アレクシスの後ろに隠れ、ハラハラと二人のやり取りを見ているしかない。
「フェリクス王子を渡してくれたら、お前は見逃してやってもいいぞ」
「何を言う! そんな事出来る訳がないだろ。」
「じゃあ、仕方ないな」
カインが手をかざすと、アレクシスの体が後ろに吹っ飛ばされる。
僕は慌ててアレクシスの側に駆け寄った。
「アレクシス! しっかりして!」
アレクシスの体を揺すってみるが、うめき声を上げるだけで起き上がれそうにない。
必死にアレクシスの体を抱き起こそうとしていると、背中に焼けるような痛みが走った。
「あっ!」
あまりの痛みに倒れそうになる。
両手を付いて後ろを振り返ると、カインが剣をこちらに突きつけている。剣の先端が血に染まっている。切られた!
「しまった! 人を切るのは初めてだから目測を誤ったな」
その人を喰ったような物言いに、わざと外したのだとわかる。僕をいたぶり、なぶり殺したいのだろう。
このままおめおめと殺されてたまるか!
そう思った瞬間、右手の紋章が光った。
******
まばゆい光にカインは一瞬、目がくらんだが直に収まった。
しかし、そこには既にフェリクスとアレクシスの姿はなかった。
「チッ、逃げられたか。‥‥まぁいい」
そうしてカインは王宮へと戻って行った。
最後の仕上げをするために…。
をつけてもらえる事になった。
騎士団長と息子のアレクシスが相手をしてくれる事になっている。
流石に初っ端から真剣を持たせる訳にはいかないからと、まずは模造剣で練習だ。
剣の持ち方を教わり、素振りを開始する。
模造剣とはいえ、それなりに重量はある。
五歳児にはちょっと重いかな。
アレクシスを相手に剣を振るが、すぐに息があがる。
もっと体力もつけなきゃ。
走り込み、腕立て伏せ、素振り。
まるで体育会系の部活だな。
稽古も終わりに差し掛かり、少々バテてきた頃、突然誰かが訓練場にやって来た。
変だな?
今日は僕達だけで誰も来ないはず…。
現れたのは副団長と数人の騎士。
何事だろう?
それに、あの人達の周りに何やら黒いモヤの様なものが見える。
「副団長! 陛下の護衛はどうした?」
そうだ。今日は騎士団長の代わりに副団長が父上の護衛のはず。
なのにどうしてここにいるんだ?
騎士団長の問い掛けに、副団長はニヤリと嫌な顔で笑う。
「もう必要ないんでね」
「何?」
必要ないって何だ?
僕達3人共、何の事だか解らなかった。
でも何だか嫌な考えが頭をよぎる。
「どういう事だ!」
騎士団長の問いには答えず、副団長達は剣を抜く。
「さぁ、フェリクス王子。大人しくついて来て下さい。」
剣を構えたまま、ジリジリとこちらに寄ってくる。
「おい! 何を考えている!」
騎士団長も剣を抜いたが、僕とアレクシスは木剣しか持っていない。これで身を守れるはずがない。
それでもアレクシスは僕を庇う様に前に立った。
「アレクシス! 王子を連れて逃げろ!」
騎士団長は更に小声で付け加えた。
「あそこで落ち合おう」
アレクシスは頷くと木剣を持ったまま、もう片方の手で、僕の手を掴むと騎士達に背を向けて走り出した。
訓練場の裏門を出て奥の森へと向かう。
と、目の前に誰かが立っている。
「カイン?」
アレクシスがほっとした声を上げたが、すぐに体を強張らせた。
どうしたんだろうと思い、カインに目をやる。その手に剣が握られているのを見てギョッとする。
「カイン! どういうつもりだ!」
アレクシスが僕を背に庇いカインを問い詰める。
だが、カインはそれに答えず不敵に微笑む。
「おやおや、そんな木剣じゃ相手にもならないな」
「ふざけるな! そこを退け!」
僕はただ、アレクシスの後ろに隠れ、ハラハラと二人のやり取りを見ているしかない。
「フェリクス王子を渡してくれたら、お前は見逃してやってもいいぞ」
「何を言う! そんな事出来る訳がないだろ。」
「じゃあ、仕方ないな」
カインが手をかざすと、アレクシスの体が後ろに吹っ飛ばされる。
僕は慌ててアレクシスの側に駆け寄った。
「アレクシス! しっかりして!」
アレクシスの体を揺すってみるが、うめき声を上げるだけで起き上がれそうにない。
必死にアレクシスの体を抱き起こそうとしていると、背中に焼けるような痛みが走った。
「あっ!」
あまりの痛みに倒れそうになる。
両手を付いて後ろを振り返ると、カインが剣をこちらに突きつけている。剣の先端が血に染まっている。切られた!
「しまった! 人を切るのは初めてだから目測を誤ったな」
その人を喰ったような物言いに、わざと外したのだとわかる。僕をいたぶり、なぶり殺したいのだろう。
このままおめおめと殺されてたまるか!
そう思った瞬間、右手の紋章が光った。
******
まばゆい光にカインは一瞬、目がくらんだが直に収まった。
しかし、そこには既にフェリクスとアレクシスの姿はなかった。
「チッ、逃げられたか。‥‥まぁいい」
そうしてカインは王宮へと戻って行った。
最後の仕上げをするために…。
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