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学院編
88 現れた人物
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僕の喉に掛けられた手が更に強くなってくる。
微かに出来ていた呼吸が徐々に苦しくなってきた。
じわじわといたぶられるように首を絞められていると、『いっその事ひと思いに殺してくれ』と言いたくなってくる。
オーウェンの腕を掴んでいた僕の手から力が抜けてくる。
いよいよ、終わりか…。
そう思ったところで突然オーウェンは僕の首から手を離した。
「ゴホッ! ゴホッ!」
急に呼吸が楽になって咳き込む僕の身体を何か暖かいものが包みこんでくる。
途端に喉の痛みも苦しかった呼吸も何事もなかったかのように元通りになった。
何だ?
もしかして回復魔法が使われたのか?
僕を殺そうとしていたんじゃないのか?
不思議に思って顔を上げるとオーウェンの隣に別の男性が立っているのが見えた。
誰だ?
新手の敵か?
身構えながらその人物をよく見ると、何処かで見たような印象を受けた。
…誰だっけ?
じっと目を凝らして彼を見る。
僕と同じような金髪碧眼で、オーウェンと同じように尖った耳を持っている。
だが、その出で立ちに妙な違和感を覚えた。
…耳は尖っていなかったはず…。
尖った耳を普通の人間の耳に置き換えたところで、それが誰なのか気付いた。
この国の初代の王、ヴィンセント・アルズベリーだ!
そう気付いたところで更に困惑する。
この国の初代の王だとしたら、僕のご先祖様だと言うことだ。
だけど、彼はエルフではなく人間たったはずだ。
それともエルフが人間のフリをしていたのだろうか?
だとしたら、僕もエルフの血を引いているのだろうか?
困惑している僕をよそにヴィンセントは僕に向けていた手のひらを下に下ろした。
どうやら回復魔法をかけてくれたのはヴィンセントだったようだ。
ヴィンセントは手を下ろすと隣のオーウェンの頭を小突いた。
「全く! どうしてエドアルドの首を絞めてるんだ! 普通に話が出来ないのか!?」
オーウェンは小突かれた頭をさすりながら、しれっとした顔でヴィンセントを見やる。
「だって…。ヴィーと同じ顔をしているのに、こんな四角い黒縁メガネで顔を隠してるんだよ。ちょっとくらい意地悪したっていいじゃないか」
そう言いながらオーウェンはヴィンセントの肩に手をかける。
…なんだろう?
普通の友達同士っていう雰囲気じゃないな。
まさかとは思うけれど、この二人ってそういう関係なのか?
目の前の光景に頭が追いつかず、僕の頭の中は混乱を極めている。
このまま目の前でラブシーンが始まるんじゃないよね?
内心アワアワしていたけれど、幸いそんな展開にはならなかった。
ヴィンセントは肩にかけられたオーウェンの手を払いのけると僕に向かって微笑んだ。
「やあ、はじめまして、だね。元この国の初代王だったヴィンセントだ。今は生まれ変わってエルフになったけれど、元はれっきとした人間だよ」
生まれ変わってエルフに?
そんな事が可能なのだろうか?
どういう反応をしていいか分からずにいると、オーウェンがクスッと笑いを漏らした。
「どうしてヴィーが人間からエルフに生まれ変わったのか、不思議に思っているみたいですね。教えてあげましょうか。ヴィーが亡くなる瞬間に私の血をヴィーに飲ませたんです。もっとも私の血を飲んだからといって必ずエルフに生まれ変わるとは限らないんですよ。失敗すれば二度と生まれ変わる事が出来なくなります。それでも私達はその僅かな可能性にかけたんです。おかげでこうしてヴィーと生きて行く事が出来て満足です」
そう言ってオーウェンがヴィンセントを見つめると、ヴィンセントもオーウェンを見つめ返した。
だから!
ラブシーンは僕のいない所でやってくれるかな?
微かに出来ていた呼吸が徐々に苦しくなってきた。
じわじわといたぶられるように首を絞められていると、『いっその事ひと思いに殺してくれ』と言いたくなってくる。
オーウェンの腕を掴んでいた僕の手から力が抜けてくる。
いよいよ、終わりか…。
そう思ったところで突然オーウェンは僕の首から手を離した。
「ゴホッ! ゴホッ!」
急に呼吸が楽になって咳き込む僕の身体を何か暖かいものが包みこんでくる。
途端に喉の痛みも苦しかった呼吸も何事もなかったかのように元通りになった。
何だ?
もしかして回復魔法が使われたのか?
僕を殺そうとしていたんじゃないのか?
不思議に思って顔を上げるとオーウェンの隣に別の男性が立っているのが見えた。
誰だ?
新手の敵か?
身構えながらその人物をよく見ると、何処かで見たような印象を受けた。
…誰だっけ?
じっと目を凝らして彼を見る。
僕と同じような金髪碧眼で、オーウェンと同じように尖った耳を持っている。
だが、その出で立ちに妙な違和感を覚えた。
…耳は尖っていなかったはず…。
尖った耳を普通の人間の耳に置き換えたところで、それが誰なのか気付いた。
この国の初代の王、ヴィンセント・アルズベリーだ!
そう気付いたところで更に困惑する。
この国の初代の王だとしたら、僕のご先祖様だと言うことだ。
だけど、彼はエルフではなく人間たったはずだ。
それともエルフが人間のフリをしていたのだろうか?
だとしたら、僕もエルフの血を引いているのだろうか?
困惑している僕をよそにヴィンセントは僕に向けていた手のひらを下に下ろした。
どうやら回復魔法をかけてくれたのはヴィンセントだったようだ。
ヴィンセントは手を下ろすと隣のオーウェンの頭を小突いた。
「全く! どうしてエドアルドの首を絞めてるんだ! 普通に話が出来ないのか!?」
オーウェンは小突かれた頭をさすりながら、しれっとした顔でヴィンセントを見やる。
「だって…。ヴィーと同じ顔をしているのに、こんな四角い黒縁メガネで顔を隠してるんだよ。ちょっとくらい意地悪したっていいじゃないか」
そう言いながらオーウェンはヴィンセントの肩に手をかける。
…なんだろう?
普通の友達同士っていう雰囲気じゃないな。
まさかとは思うけれど、この二人ってそういう関係なのか?
目の前の光景に頭が追いつかず、僕の頭の中は混乱を極めている。
このまま目の前でラブシーンが始まるんじゃないよね?
内心アワアワしていたけれど、幸いそんな展開にはならなかった。
ヴィンセントは肩にかけられたオーウェンの手を払いのけると僕に向かって微笑んだ。
「やあ、はじめまして、だね。元この国の初代王だったヴィンセントだ。今は生まれ変わってエルフになったけれど、元はれっきとした人間だよ」
生まれ変わってエルフに?
そんな事が可能なのだろうか?
どういう反応をしていいか分からずにいると、オーウェンがクスッと笑いを漏らした。
「どうしてヴィーが人間からエルフに生まれ変わったのか、不思議に思っているみたいですね。教えてあげましょうか。ヴィーが亡くなる瞬間に私の血をヴィーに飲ませたんです。もっとも私の血を飲んだからといって必ずエルフに生まれ変わるとは限らないんですよ。失敗すれば二度と生まれ変わる事が出来なくなります。それでも私達はその僅かな可能性にかけたんです。おかげでこうしてヴィーと生きて行く事が出来て満足です」
そう言ってオーウェンがヴィンセントを見つめると、ヴィンセントもオーウェンを見つめ返した。
だから!
ラブシーンは僕のいない所でやってくれるかな?
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