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学院編
158 エドワードの様子
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隣国の王女との顔合わせに影武者を使うなんて、冗談にも程がある。
「僕にエドワードの代わりをやらせるよりも、普通にエドワードが病気だと伝えて王女様にお見舞いしてもらえればいいんじゃないですか? 隣国の大使だって病気のエドワードを無理矢理連れて来いとは言わないでしょうし…」
僕が指摘すると王妃はあからさまにムッとした顔を見せる。
いやぁ、美人の怒った顔って妙に綺麗だよね。
実の親ながらちょっとドキッとしちゃうよ。
「そんな事はエドアルドに言われなくても分かっているわ。だけど今のエドワードに王女を会わせるわけにはいかないのよ」
王妃はそう捲し立てると、入り口付近に立っている宰相に視線を向けた。
「お兄様、エドアルドをエドワードの所に連れて行ってちょうだい。エドワードの今の姿を見ればエドアルドも納得するでしょうよ」
王妃に告げられ、宰相は僕に近寄って来た。
「エドアルド様。エドワード様の所にご案内いたします。どうぞついてきてください」
僕はうなずいて立ち上がると宰相の後をついて部屋を出る。
僕の後をブライアンまでもがついてきた。
廊下を進んで二つ先の扉を宰相がノックした。
「エドワード王子、入りますよ」
少し明かりを落とした部屋の中にベッドが置いてあり、誰かが横になっていた。
宰相とブライアンは扉を入った所で待機するが、僕はそのままベッドに近づいた。
ベッドに寝ているエドワードは僕が近づくとこちらに顔を向けた。
その顔は、両方の頬が見事に腫れ上がっていた。
おたふく風邪!?
あの見事な美形(自分で言うのも何だが)が見るも無残な下膨れ顔に変貌していた。
まるでどこかの漫画の主人公のような顔になっている。
エドワードは僕の姿を認識すると腫れ上がった顔で力無く笑った。
「やあ、エドアルド。その様子だと明日の事を聞いたみたいだね。あれほど止めてくれと頼んだんだけどな…」
いつもの自信に溢れたような態度はすっかりなりを潜めていた。
おまけにあんなに顔が腫れ上がっていては元の顔なんてわからない。
見慣れている僕でもそう思うのだから、初めて顔を合わせる人には尚更だろう。
お見舞いしてもらうにしてもこんな顔を初対面の女性に晒したくはない。
そこはやっぱり男としてのプライドもある。
そう思うからこそ、国王と王妃は僕に影武者をやらせたいのだろう。
国内の人間ならともかく、隣国からの訪問である。
そのスケジュールはずっと以前から決まっていただろうし、既に隣国を出発しているだろう。
だけど治癒魔法や回復魔法でおたふく風邪は治せないのだろうか?
「エドワード、その顔は?」
ベッド脇の椅子に腰掛けてエドワード王子に話しかけると、エドワードは腫れた頬に手をやった。
「見事に腫れてるだろう? 最初は普通の風邪だと思ったんだけどな。治癒魔法で熱は下がったんだが、右の頬が腫れ始めてね。そのうちに今度は左の頬まで腫れてこのザマだよ。治癒魔法では熱は下げられてもこの頬の腫れだけは治せないらしい。おまけに感染症だから、むやみに人を近づけられないんだ」
なんと!?
治癒魔法では感染症は治せないのか!
そういえば、今まで病気らしい病気はした事がなかったから、この世界にはそんな感染症なんて無いのかと思っていた。
影武者なんて断ろうと思っていたが、このエドワードの姿を見て考えが変わった。
ここはやはり同じ顔のよしみとして(?)立派にエドワードの代わりを務めてやろう。
「エドワード、明日の事は心配しないで、ゆっくり休んでくれ。ちゃんとエドワードの代わりを務めてみせるよ」
そう誓うとエドワードはどこかホッとしたような笑顔をみせた。
やはり明日の事は気になっていたのだろう。
安心したのかエドワードはそのまますうっと眠りについた。
僕はエドワードを起こさないようにそっと立ち上がると、宰相達と共に部屋を出て行った。
「僕にエドワードの代わりをやらせるよりも、普通にエドワードが病気だと伝えて王女様にお見舞いしてもらえればいいんじゃないですか? 隣国の大使だって病気のエドワードを無理矢理連れて来いとは言わないでしょうし…」
僕が指摘すると王妃はあからさまにムッとした顔を見せる。
いやぁ、美人の怒った顔って妙に綺麗だよね。
実の親ながらちょっとドキッとしちゃうよ。
「そんな事はエドアルドに言われなくても分かっているわ。だけど今のエドワードに王女を会わせるわけにはいかないのよ」
王妃はそう捲し立てると、入り口付近に立っている宰相に視線を向けた。
「お兄様、エドアルドをエドワードの所に連れて行ってちょうだい。エドワードの今の姿を見ればエドアルドも納得するでしょうよ」
王妃に告げられ、宰相は僕に近寄って来た。
「エドアルド様。エドワード様の所にご案内いたします。どうぞついてきてください」
僕はうなずいて立ち上がると宰相の後をついて部屋を出る。
僕の後をブライアンまでもがついてきた。
廊下を進んで二つ先の扉を宰相がノックした。
「エドワード王子、入りますよ」
少し明かりを落とした部屋の中にベッドが置いてあり、誰かが横になっていた。
宰相とブライアンは扉を入った所で待機するが、僕はそのままベッドに近づいた。
ベッドに寝ているエドワードは僕が近づくとこちらに顔を向けた。
その顔は、両方の頬が見事に腫れ上がっていた。
おたふく風邪!?
あの見事な美形(自分で言うのも何だが)が見るも無残な下膨れ顔に変貌していた。
まるでどこかの漫画の主人公のような顔になっている。
エドワードは僕の姿を認識すると腫れ上がった顔で力無く笑った。
「やあ、エドアルド。その様子だと明日の事を聞いたみたいだね。あれほど止めてくれと頼んだんだけどな…」
いつもの自信に溢れたような態度はすっかりなりを潜めていた。
おまけにあんなに顔が腫れ上がっていては元の顔なんてわからない。
見慣れている僕でもそう思うのだから、初めて顔を合わせる人には尚更だろう。
お見舞いしてもらうにしてもこんな顔を初対面の女性に晒したくはない。
そこはやっぱり男としてのプライドもある。
そう思うからこそ、国王と王妃は僕に影武者をやらせたいのだろう。
国内の人間ならともかく、隣国からの訪問である。
そのスケジュールはずっと以前から決まっていただろうし、既に隣国を出発しているだろう。
だけど治癒魔法や回復魔法でおたふく風邪は治せないのだろうか?
「エドワード、その顔は?」
ベッド脇の椅子に腰掛けてエドワード王子に話しかけると、エドワードは腫れた頬に手をやった。
「見事に腫れてるだろう? 最初は普通の風邪だと思ったんだけどな。治癒魔法で熱は下がったんだが、右の頬が腫れ始めてね。そのうちに今度は左の頬まで腫れてこのザマだよ。治癒魔法では熱は下げられてもこの頬の腫れだけは治せないらしい。おまけに感染症だから、むやみに人を近づけられないんだ」
なんと!?
治癒魔法では感染症は治せないのか!
そういえば、今まで病気らしい病気はした事がなかったから、この世界にはそんな感染症なんて無いのかと思っていた。
影武者なんて断ろうと思っていたが、このエドワードの姿を見て考えが変わった。
ここはやはり同じ顔のよしみとして(?)立派にエドワードの代わりを務めてやろう。
「エドワード、明日の事は心配しないで、ゆっくり休んでくれ。ちゃんとエドワードの代わりを務めてみせるよ」
そう誓うとエドワードはどこかホッとしたような笑顔をみせた。
やはり明日の事は気になっていたのだろう。
安心したのかエドワードはそのまますうっと眠りについた。
僕はエドワードを起こさないようにそっと立ち上がると、宰相達と共に部屋を出て行った。
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