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学院編
180 昼休み
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午前中の授業を終えて僕とアーサーは食堂に向かった。
テーブルについて食べ始めようとしたところで、
「やあ、お邪魔するよ」
聞き慣れた声が背後から聞こえた。
こちらの返事を待つこともなくエドワード王子が僕の隣に座り、ブライアンとクリフトンが空いている席に腰を下ろした。
まさか今日、エドワード王子が学院に来ているとは思わなかった。
王宮からあんな映像を流していたから、てっきりエドワード王子も王宮にいるのだろうと思い込んでいた。
気を取り直してカトラリーを持ち直したところで、エドワード王子がテーブルの中央に何かを置いた。
掌にすっぽりと収まるくらいの大きさで上部は丸い形をしている黒い物体だった。
エドワード王子がその物体の上部に指先で触れた途端、周りの音が遮断された。
「これからこの場で話す事は周りに聞かれたくはないからね。周りには私達が何か喋っているくらいの認識しかされないようになっているよ」
どうやら今朝の事を話題にするつもりらしい。
僕は軽く肩をすくめると食事に取りかかった。
エドワード王子達も食事を済ませるのが先決とばかりに黙々と食べ始める。
食べ終えて一息ついたところで、真っ先に口を開いたのはエドワード王子だった。
「それにしても今朝の父上の話には驚いたな。以前から宰相が何やら動いているとは思っていたが、まさかあんな話をしだすとはね」
その言葉に僕は思わず横に座るエドワード王子の顔を見やった。
どうやらエドワード王子にも内緒で国王と宰相は動いていたようだ。
「父上は何としても国王陛下の行動を正当化させたかったようですね。生まれたばかりの子供を捨てた事が発覚した場合、流石に『今すぐに代替わりしろ』という声は上がらないにしても、不満を覚える者がいるでしょうからね」
ブライアンがやれやれとため息混じりにこぼしている。
確かに宰相の危惧する事もわからないではないけれど、せめて僕には一言あっても良かったんじゃないかと思ってしまう。
そこへ突然、アーサーが「ああっ!」と大きな声を上げた。
「そうだ! あれはエドの事だったよね! どうして僕はそれを忘れていたんだろう!?」
どうやらここにきてようやく『捨てられた王子』が僕の事だと思い至ったようだ。
「なんだ。アーサーもやっぱりこの国のどこかにもう一人の王子がいると勘違いしていたのか」
今、エドワード王子は『アーサーも』と言った。
つまり、他にも勘違いしていた人間がいるという事だ。
もしや、と思ってブライアンとクリフトンに視線を向けると二人とも気まずそうに僕から顔をそらした。
その様子を見てエドワード王子が失笑を漏らす。
「ブライアンとクリフトンもあの映像を見ながら私の両隣で鼻をすすっていたんだよ。もっともすぐにエドアルドの事を思い出していたけどね。どうやらアーサーは暗示にかかりやすいみたいだね」
エドワード王子に指摘されてアーサーはちょっと口を尖らせた。
「だって、本当に離れ離れになった親子がいるって思ったんですよ。しょうがないじゃないですか」
「いや、すまない。別に責めているわけじゃないよ。元はと言えば私の父のせいだからね。…そう言えばエドアルドとアーサーは冒険者登録をしたんだろう? もうどこかに討伐に行ったのか?」
随分と耳が早いな。
もしかして冒険者登録のリストは王宮に提出されているのかな?
「行ったけど、まだ植物採取だけで魔獣の討伐はしていないよ。次に行った時には魔獣に出会えればいいんだけどね」
「なんだ、残念。せっかく武勇伝を聞こうかと思ったのにな」
その後も冒険者ギルドの話をしているうちに昼休みの時間は終わりを告げた。
テーブルについて食べ始めようとしたところで、
「やあ、お邪魔するよ」
聞き慣れた声が背後から聞こえた。
こちらの返事を待つこともなくエドワード王子が僕の隣に座り、ブライアンとクリフトンが空いている席に腰を下ろした。
まさか今日、エドワード王子が学院に来ているとは思わなかった。
王宮からあんな映像を流していたから、てっきりエドワード王子も王宮にいるのだろうと思い込んでいた。
気を取り直してカトラリーを持ち直したところで、エドワード王子がテーブルの中央に何かを置いた。
掌にすっぽりと収まるくらいの大きさで上部は丸い形をしている黒い物体だった。
エドワード王子がその物体の上部に指先で触れた途端、周りの音が遮断された。
「これからこの場で話す事は周りに聞かれたくはないからね。周りには私達が何か喋っているくらいの認識しかされないようになっているよ」
どうやら今朝の事を話題にするつもりらしい。
僕は軽く肩をすくめると食事に取りかかった。
エドワード王子達も食事を済ませるのが先決とばかりに黙々と食べ始める。
食べ終えて一息ついたところで、真っ先に口を開いたのはエドワード王子だった。
「それにしても今朝の父上の話には驚いたな。以前から宰相が何やら動いているとは思っていたが、まさかあんな話をしだすとはね」
その言葉に僕は思わず横に座るエドワード王子の顔を見やった。
どうやらエドワード王子にも内緒で国王と宰相は動いていたようだ。
「父上は何としても国王陛下の行動を正当化させたかったようですね。生まれたばかりの子供を捨てた事が発覚した場合、流石に『今すぐに代替わりしろ』という声は上がらないにしても、不満を覚える者がいるでしょうからね」
ブライアンがやれやれとため息混じりにこぼしている。
確かに宰相の危惧する事もわからないではないけれど、せめて僕には一言あっても良かったんじゃないかと思ってしまう。
そこへ突然、アーサーが「ああっ!」と大きな声を上げた。
「そうだ! あれはエドの事だったよね! どうして僕はそれを忘れていたんだろう!?」
どうやらここにきてようやく『捨てられた王子』が僕の事だと思い至ったようだ。
「なんだ。アーサーもやっぱりこの国のどこかにもう一人の王子がいると勘違いしていたのか」
今、エドワード王子は『アーサーも』と言った。
つまり、他にも勘違いしていた人間がいるという事だ。
もしや、と思ってブライアンとクリフトンに視線を向けると二人とも気まずそうに僕から顔をそらした。
その様子を見てエドワード王子が失笑を漏らす。
「ブライアンとクリフトンもあの映像を見ながら私の両隣で鼻をすすっていたんだよ。もっともすぐにエドアルドの事を思い出していたけどね。どうやらアーサーは暗示にかかりやすいみたいだね」
エドワード王子に指摘されてアーサーはちょっと口を尖らせた。
「だって、本当に離れ離れになった親子がいるって思ったんですよ。しょうがないじゃないですか」
「いや、すまない。別に責めているわけじゃないよ。元はと言えば私の父のせいだからね。…そう言えばエドアルドとアーサーは冒険者登録をしたんだろう? もうどこかに討伐に行ったのか?」
随分と耳が早いな。
もしかして冒険者登録のリストは王宮に提出されているのかな?
「行ったけど、まだ植物採取だけで魔獣の討伐はしていないよ。次に行った時には魔獣に出会えればいいんだけどね」
「なんだ、残念。せっかく武勇伝を聞こうかと思ったのにな」
その後も冒険者ギルドの話をしているうちに昼休みの時間は終わりを告げた。
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