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学院編
183 卒業式の朝
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月日が経つのは早いもので、今日は学院の卒業式だ。
卒業式に向かうべく、僕は義両親と共に馬車に乗り込もうとしていた。
そこへ僕達を見送るためにクリスが現れる。
「兄上、今日は一段とかっこいいですね。僕も卒業式を見に行きたいな」
クリスが至極残念そうにしょんぼりしている。
卒業式への参加は両親のみしか許可されないので、クリスはお留守番なのだ。
義母様によく似た顔でそんな悲しそうな顔をされると、非常に申し訳ない気持ちになる。
僕とは血が繋がっていないと知っているはずなのに、こんなにも僕を慕ってくれるクリスが可愛くて仕方がない。
僕にぎゅっと抱きついてきたクリスの頭を軽く撫でてやると、クリスは上目遣いで僕を見上げてくる。
「学院の規則だからしかたがないよ。なるべく早く帰るからお留守番を頼んだよ。クリスは次期当主としてちゃんとお留守番が出来るよね?」
そう尋ねるとクリスはパアッと目を輝かせた。
「もちろんです、兄上! 僕はちゃんと留守を守ります!」
そんなクリスを見て義母様と義父様がゴソゴソとささやき合っている。
「クリスったら、わたくしが『お留守番』と言った時は膨れっ面をしていたのに…」
「クリスは僕達よりもエドアルドが大好きだからな。まあ、兄弟仲が良くていいじゃないか」
義両親はさっさと馬車に乗り込むと、馬車の中から僕を呼んだ。
「エドアルド、早くしないと遅刻しますよ」
「はい、義母様。それじゃ、クリス。行ってくるね」
僕を乗せて馬車が走り出すと、クリスはぶんぶんと手を振って僕達を見送った。
学院に到着すると、既に大勢の人々がごった返していた。
「卒業生の皆さんは教室にお入りください! 保護者の方は受付を済ませてからホールに移動をお願いします!」
学院の職員が声を張り上げて人々を誘導している。
「それじゃ、僕は教室に向かいますね」
僕は義両親と別れて教室に向かうが、そんな僕を見てあちこちで囁き声が上がっている事には気づいていなかった。
「もしや、あれが…?」
「そのようですね。歩き方がエドワード王子にそっくりだ」
「お顔も黒縁眼鏡で誤魔化していらっしゃいますが、エドワード王子に似ていらっしゃるわ」
僕は知らなかったが、王宮に出入りする貴族には『エルガー男爵家の養子がもう一人の王子らしい』という噂が広まっていたのだった。
王宮に勤めている義父様にもその噂は届いていたようだが、誰も義父様に面と向かってその話をする者はいなかったし、義父様も自分から口にする事はなかった。
つまり、僕の知らない所で僕が『もう一人の王子』だと認識されていたのだ。
そんな事に気づいていない僕は足早に教室を目指した。
「おはよう、エド。とうとう卒業式だね」
教室に入ると真っ先にアーサーが駆け寄ってきた。
「おはよう、アーサー。こうして振り返ってみるとあっという間だったね」
誰もがワクワクした気持ちで卒業式を迎えている。
チャイムが鳴ってディクソン先生が教室に入って来た。
ディクソン先生は着席している僕達の顔をゆっくりと見回して満足そうな笑みを浮かべた。
「皆さん、おはようございます。こうして全員揃って卒業式を迎える事が出来て大変嬉しく思います。それでは、これからホールへと向かいます。廊下に整列してください」
僕達は立ち上がって廊下に出ると順番に並んで列を作った。
僕達が並び終わるとディクソン先生が先頭に立った。
「それでは行きましょう」
さあ、いよいよ卒業式だ!
卒業式に向かうべく、僕は義両親と共に馬車に乗り込もうとしていた。
そこへ僕達を見送るためにクリスが現れる。
「兄上、今日は一段とかっこいいですね。僕も卒業式を見に行きたいな」
クリスが至極残念そうにしょんぼりしている。
卒業式への参加は両親のみしか許可されないので、クリスはお留守番なのだ。
義母様によく似た顔でそんな悲しそうな顔をされると、非常に申し訳ない気持ちになる。
僕とは血が繋がっていないと知っているはずなのに、こんなにも僕を慕ってくれるクリスが可愛くて仕方がない。
僕にぎゅっと抱きついてきたクリスの頭を軽く撫でてやると、クリスは上目遣いで僕を見上げてくる。
「学院の規則だからしかたがないよ。なるべく早く帰るからお留守番を頼んだよ。クリスは次期当主としてちゃんとお留守番が出来るよね?」
そう尋ねるとクリスはパアッと目を輝かせた。
「もちろんです、兄上! 僕はちゃんと留守を守ります!」
そんなクリスを見て義母様と義父様がゴソゴソとささやき合っている。
「クリスったら、わたくしが『お留守番』と言った時は膨れっ面をしていたのに…」
「クリスは僕達よりもエドアルドが大好きだからな。まあ、兄弟仲が良くていいじゃないか」
義両親はさっさと馬車に乗り込むと、馬車の中から僕を呼んだ。
「エドアルド、早くしないと遅刻しますよ」
「はい、義母様。それじゃ、クリス。行ってくるね」
僕を乗せて馬車が走り出すと、クリスはぶんぶんと手を振って僕達を見送った。
学院に到着すると、既に大勢の人々がごった返していた。
「卒業生の皆さんは教室にお入りください! 保護者の方は受付を済ませてからホールに移動をお願いします!」
学院の職員が声を張り上げて人々を誘導している。
「それじゃ、僕は教室に向かいますね」
僕は義両親と別れて教室に向かうが、そんな僕を見てあちこちで囁き声が上がっている事には気づいていなかった。
「もしや、あれが…?」
「そのようですね。歩き方がエドワード王子にそっくりだ」
「お顔も黒縁眼鏡で誤魔化していらっしゃいますが、エドワード王子に似ていらっしゃるわ」
僕は知らなかったが、王宮に出入りする貴族には『エルガー男爵家の養子がもう一人の王子らしい』という噂が広まっていたのだった。
王宮に勤めている義父様にもその噂は届いていたようだが、誰も義父様に面と向かってその話をする者はいなかったし、義父様も自分から口にする事はなかった。
つまり、僕の知らない所で僕が『もう一人の王子』だと認識されていたのだ。
そんな事に気づいていない僕は足早に教室を目指した。
「おはよう、エド。とうとう卒業式だね」
教室に入ると真っ先にアーサーが駆け寄ってきた。
「おはよう、アーサー。こうして振り返ってみるとあっという間だったね」
誰もがワクワクした気持ちで卒業式を迎えている。
チャイムが鳴ってディクソン先生が教室に入って来た。
ディクソン先生は着席している僕達の顔をゆっくりと見回して満足そうな笑みを浮かべた。
「皆さん、おはようございます。こうして全員揃って卒業式を迎える事が出来て大変嬉しく思います。それでは、これからホールへと向かいます。廊下に整列してください」
僕達は立ち上がって廊下に出ると順番に並んで列を作った。
僕達が並び終わるとディクソン先生が先頭に立った。
「それでは行きましょう」
さあ、いよいよ卒業式だ!
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