御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅

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冒険者編

189 報酬受け取り

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 冒険者ギルドの扉を開けて中に入ると、居合わせた人達がチラチラと僕達に視線を寄越す。

 特に声をかけてくる事はないので、恐らく僕達のような年若い冒険者が珍しいんだろう。

 若い冒険者もいないわけではないけれど、僕とアーサーみたいに十代とおぼしき人は見当たらない。

 受付カウンターに行くとサインをもらった依頼書とギルドカードをカウンターの上に置いた。

「これをお願いします」

 受付の女性は差し出した依頼書とギルドカードを受け取ると目を通していった。

「『ビッグアントの駆除』ですね。『完了』のサインも間違いありませんね。依頼達成のポイントをカードにお付けします。それでは報酬をお支払いしますので少々お待ちください」

 僕達にカードを返却すると受付の女性は書類を片手に一旦奥に引っ込んで、報酬の入った巾着袋を持ってきた。

「こちらが報酬になります。中身をご確認ください」

 巾着袋を開けると中には数枚の銀貨が入っていた。

 アーサーと二人で枚数を数えていく。

「確かに確認しました」

「それではこちらの受け取り証にサインをお願いします」

 受付の女性が差し出してきた書類には依頼書と同じ項目と依頼人の名前、報酬の金額が明記されていた。

 そして一番下に受け取った人物の名前を書く欄が空いている。

 そこに僕とアーサーは連名で記入する。

「ありがとうございます。これでこの依頼は完了となります」

 女性に告げられ僕とアーサーは報酬を受け取ってカウンターから離れた。

「さて、これからどうしようか?」

「せっかくだからここで何か食べて行かないか? 報酬も分けなければいけないだろう?」

 アーサーがギルド内に設置されている食堂を指差した。

 そろそろお昼時で数人の冒険者達が食事をしている。

 食堂の中に入ると美味しそうな匂いが漂っていてますます食欲を掻き立てられる。

 料理を注文してテーブルにつくと、食事が来るまでにアーサーと報酬を半分にした。

「なんか思ったより報酬が多くないか?」

「そうだね。Eランクの依頼の割には報酬が高めだな」

 思ってた以上の高額の報酬に首を捻りながらも僕とアーサーは報酬をきっちりと半分にした。

 ******

 受付の女性はエドアルド達から受け取った受け取り証を奥にいる事務員のところへ持っていった。

「これをお願いします」

 事務員の女性はそれを受け取って目を通すと少し怪訝な顔をした。

「『ビッグアントの駆除』ってEランクだった? 確かCランクだったような気がしたけれど…」

 事務員に指摘され受付の女性は慌てて依頼書を確認した。

 依頼書は確かにEランクだったがその中に注釈が入っていた。

『但し、女王アリの駆除はCランクとなる。その場合更に報酬が加算される』

 そして、その報酬として銀貨数枚が明記してあった。

「本当だわ。道理で報酬が多いと思ったわけね。この金額が支払われたって事はあの二人は依頼を達成したって事なのね」

「あの二人?」

 事務員は再び受け取り証に目を通してそこに書かれている名前を確認した。

「『エドアルド』って、まさかあの…?」

 事務員の脳裏に昨日の卒業式の光景がまざまざと浮かんだ。

 学院長から卒業証書を受け取ろうとした際に眼鏡がずり落ち、エドワード王子とそっくりの顔がさらけ出された。

 あの瞬間、誰もが確信しただろう。

 エドアルドがもう一人の王子である事を。

「あのお方ならビッグアントの女王アリを駆除したとしても納得がいくわね。王族には特別な力が備わっていると言われているもの」

 事務員はそうつぶやきながら受け取り証を受理した。

 


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