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冒険者編
190 報告書(フィリップ視点)
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エドアルド達がビッグアントの駆除を行った翌日、王宮に冒険者ギルドからの定例の報告書が届いた。
宰相であるサイラスは最初にそれに目を通すと国王の執務室へと持っていった。
「陛下。冒険者ギルドより報告書が届きました」
サイラスはそう告げると書類の山の上に報告書を重ねる。
フィリップは目を通していた書類を脇にどけるとすぐに報告書を手に取った。
その素早さにサイラスは思わず顔を崩しそうになったが、なんとか無表情を貫いた。
フィリップが気にしているのは学院を卒業して冒険者となったエドアルドの事なのは明白だった。
フィリップは報告書を素早くめくっていたが、何を探しているのかは言わずもがなである。
フィリップは報告書の中にエドアルドの名前を見つけてようやく手を止めた。
「『ビッグアントの駆除』か。無事に達成出来たようだな」
フィリップの呟きにサイラスは思わず眉を動かした。
「『ビッグアントの駆除』ですか? あれはEランクの依頼ではなかったように記憶しておりますが?」
サイラスはフィリップの真横に移動すると、「失礼します」と告げてフィリップが持っている書類を覗き込んだ。
先ほどサイラスが目を通した時は『エドアルド』の名前だけを探しただけで何の依頼をこなしたかまでは把握していなかったのだ。
サイラスの目に『ビッグアントの駆除』と『エドアルド』の文字が飛び込んでくる。
「何故これをエドアルド様が…? 働きアリはともかく、女王アリはCランクの対象ではなかったかと…」
「そこの経緯はわからんが、報告書を見る限り依頼を達成した事は間違いないようだ」
フィリップの言う通り、依頼が達成されたからこそこうして報告書に上がっているのだ。
「学院のマーリン先生からはお二人共にかなり高度な魔法を教え込んだと仰っておられましたから、あながち有り得ない事ではないでしょうね」
サイラスの指摘にフィリップも卒業式の後、王宮を訪れてきたマーリン先生を思い浮かべた。
フィリップとサイラスが通っていた頃とまったく変わらない容姿のマーリン先生に少々戸惑ったものだった。
フィリップ達が通っていた頃もかなりの高齢の教師だと認識してはいたが、まさか未だに教師をやっているとは思っていなかった。
見かけはかなりの高齢の男性なのに腰も曲がっておらず、立ち姿はしゃんとしていて歩く足取りもしっかりしていた。
魔法の腕は確かでフィリップも舌を巻くほどの実力の持ち主だった。
そんなマーリン先生がどうして王宮を訪ねて来たのかは疑問だったが、すぐにエドアルドの素性に気づいているのだとわかった。
だが、マーリン先生は敢えてそれを指摘せずに学院で行った授業についての話を語るだけに留めていた。
その話の中にエドワード王子だけでなくエドアルドとアーサーの名前までもが上がっていた。
マーリン先生の口からエドアルドの名前が出た事に嬉しくもあり戸惑ったのも事実だった。
だが、こうして報告書にエドアルドの名前が挙がることに歯がゆさも感じていた。
手元に置いて成長を見れなかったもう一人の息子に合わせる顔がないのもあるが、それでもやはり親子として対面したいと思う気持ちもある。
(私にそんな資格はないとわかってはいるが…)
そう思いながらフィリップは報告書を静かに閉じた。
宰相であるサイラスは最初にそれに目を通すと国王の執務室へと持っていった。
「陛下。冒険者ギルドより報告書が届きました」
サイラスはそう告げると書類の山の上に報告書を重ねる。
フィリップは目を通していた書類を脇にどけるとすぐに報告書を手に取った。
その素早さにサイラスは思わず顔を崩しそうになったが、なんとか無表情を貫いた。
フィリップが気にしているのは学院を卒業して冒険者となったエドアルドの事なのは明白だった。
フィリップは報告書を素早くめくっていたが、何を探しているのかは言わずもがなである。
フィリップは報告書の中にエドアルドの名前を見つけてようやく手を止めた。
「『ビッグアントの駆除』か。無事に達成出来たようだな」
フィリップの呟きにサイラスは思わず眉を動かした。
「『ビッグアントの駆除』ですか? あれはEランクの依頼ではなかったように記憶しておりますが?」
サイラスはフィリップの真横に移動すると、「失礼します」と告げてフィリップが持っている書類を覗き込んだ。
先ほどサイラスが目を通した時は『エドアルド』の名前だけを探しただけで何の依頼をこなしたかまでは把握していなかったのだ。
サイラスの目に『ビッグアントの駆除』と『エドアルド』の文字が飛び込んでくる。
「何故これをエドアルド様が…? 働きアリはともかく、女王アリはCランクの対象ではなかったかと…」
「そこの経緯はわからんが、報告書を見る限り依頼を達成した事は間違いないようだ」
フィリップの言う通り、依頼が達成されたからこそこうして報告書に上がっているのだ。
「学院のマーリン先生からはお二人共にかなり高度な魔法を教え込んだと仰っておられましたから、あながち有り得ない事ではないでしょうね」
サイラスの指摘にフィリップも卒業式の後、王宮を訪れてきたマーリン先生を思い浮かべた。
フィリップとサイラスが通っていた頃とまったく変わらない容姿のマーリン先生に少々戸惑ったものだった。
フィリップ達が通っていた頃もかなりの高齢の教師だと認識してはいたが、まさか未だに教師をやっているとは思っていなかった。
見かけはかなりの高齢の男性なのに腰も曲がっておらず、立ち姿はしゃんとしていて歩く足取りもしっかりしていた。
魔法の腕は確かでフィリップも舌を巻くほどの実力の持ち主だった。
そんなマーリン先生がどうして王宮を訪ねて来たのかは疑問だったが、すぐにエドアルドの素性に気づいているのだとわかった。
だが、マーリン先生は敢えてそれを指摘せずに学院で行った授業についての話を語るだけに留めていた。
その話の中にエドワード王子だけでなくエドアルドとアーサーの名前までもが上がっていた。
マーリン先生の口からエドアルドの名前が出た事に嬉しくもあり戸惑ったのも事実だった。
だが、こうして報告書にエドアルドの名前が挙がることに歯がゆさも感じていた。
手元に置いて成長を見れなかったもう一人の息子に合わせる顔がないのもあるが、それでもやはり親子として対面したいと思う気持ちもある。
(私にそんな資格はないとわかってはいるが…)
そう思いながらフィリップは報告書を静かに閉じた。
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