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幼少期
27 お茶会終了
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楽しい時間が過ぎるのはあっという間だった。
アーサー以外の子供達とも多少の交流が出来た。
お茶のおかわりを入れてもらい、それをちびちび飲んでいると、義母様達がこちらにやって来た。
「皆さん、お話の途中で申し訳ありませんけれど、そろそろお開きの時間ですよ」
テイラー伯爵夫人の言葉を皮切りに、それぞれの子供達の母親が、自分の子供のところへ近寄っていく。
僕とアーサーの所へも義母様とアーサーの母親がやって来た。
「あら、エドアルド。サヴァンナ様のご子息と仲良くなったのかしら?」
「はい、義母様」
僕が椅子から下りて義母様の横に並ぶと、アーサーも同じように自分の母親の横に立った。
「セレナ様。お身体を大事になさってくださいませ。お先に失礼いたします」
「サヴァンナ様、ありがとうございます」
母親同士が挨拶を交わす横で、僕とアーサーも握手を交わす。
「今日は楽しかったよ。今度、うちに遊びに来ないか?」
アーサーに誘われ、僕が義母様をチラリと見ると、義母様はコクリと頷いてくれた。
「ありがとう。ぜひ伺わせてくれ」
アーサーと母親が先に退出していき、その後に続くように僕と義母様はゆっくりと庭を横切っていく。
馬車は身分の高い順に並んでいて、僕達はしばらく待たされた。
ようやく乗り込んだ馬車が走り出す前に、義母様が思い出したように僕に告げた。
「そうだわ。注文していたドレスが出来ている頃だったわ。エドアルド、御者にスタイナー商会に寄るように伝えてちょうだい」
義母様に言われて僕は後ろの小窓を開けて御者に告げた。
「かしこまりました」
御者はゆっくりと馬車を走らせる。
「義母様、寄り道しても大丈夫なのですか?」
「大丈夫よ。スタイナー商会はちょうど通り道にあるから、大した手間じゃないわ」
義母様はクスリと笑いを溢す。
どうやら僕の言動も過保護だと思われたようだ。
馬車はしばらく走った後で、スタイナー商会の前で止まった。
義母様に続いて僕も馬車を降り、スタイナー商会へと入っていった。
荷物持ちをするつもりだったのだけれど、それはスタイナー商会の従業員がやってくれた。
僕は義母様をエスコートして再び馬車に乗り込み家路に着いた。
******
リリベットはその日、お忍びで王都の街へ出ていた。
王宮の中ばかりでは息が詰まると国王に訴えたところ、馬車から降りない事を条件に王都の街に出る事を許された。
そのため、時々こうして目立たない馬車で王都の街中を見て回っていた。
ゆっくりと走る馬車の中から外を行き交う人々をじっと見つめては、王妃として国民を守らないと、と決意を新たにしていた。
順調に進んでいた馬車だったが、どうした事か急に進みが遅くなりやがて止まった。
「どうした?」
リリベットと一緒に乗っている女性の護衛騎士が馬車の中から御者に問いかけた。
「前方の馬車が車輪が外れて立ち往生しているようですが、もう大丈夫そうですね」
護衛騎士と御者のやり取りを聞きながらリリベットは外を眺めていた。
(あら、あれは…)
斜め前にあるスタイナー商会から一人の女性が出てきた。
それはリリベットと同い年のセレナだった。
リリベットはセレナが妊娠したという話は聞き及んでいた。
(声をかけたいけれど、こんな往来では彼女も迷惑でしょうね)
そもそもリリベットはお忍びで街中に来ているのだ。
こんな場所に王妃がいると知られたら、二度とお忍びで出かけられないかもしれない。
(流石に声をかける訳にはいかないわね)
その時、セレナの隣に立つ少年にリリベットは目が釘付けになった。
(! あれは誰!?)
そこに立っていたのはエドワードそっくりの少年だった。
(エドワード!? まさか!?)
王宮にいるはずのエドワードが突然現れたのかと思ったが、すぐにその考えは否定した。
(エドワードはセレナとは会った事がないし、セレナにもエドワードを会わせてはいないわ。ダニエルだってエドワードには会った事がないもの…)
エドワードではないとわかっていても、リリベットはその少年から目が離せなかった。
馬車を降りてその少年の元に駆け寄りたい衝動に駆られたが、それよりも早く馬車が走り出した。
リリベットがその少年を見つめていると、不意に視線が合ったような気がしたのだった。
後ろ髪を引かれる思いでリリベットは王都の街を後にした。
アーサー以外の子供達とも多少の交流が出来た。
お茶のおかわりを入れてもらい、それをちびちび飲んでいると、義母様達がこちらにやって来た。
「皆さん、お話の途中で申し訳ありませんけれど、そろそろお開きの時間ですよ」
テイラー伯爵夫人の言葉を皮切りに、それぞれの子供達の母親が、自分の子供のところへ近寄っていく。
僕とアーサーの所へも義母様とアーサーの母親がやって来た。
「あら、エドアルド。サヴァンナ様のご子息と仲良くなったのかしら?」
「はい、義母様」
僕が椅子から下りて義母様の横に並ぶと、アーサーも同じように自分の母親の横に立った。
「セレナ様。お身体を大事になさってくださいませ。お先に失礼いたします」
「サヴァンナ様、ありがとうございます」
母親同士が挨拶を交わす横で、僕とアーサーも握手を交わす。
「今日は楽しかったよ。今度、うちに遊びに来ないか?」
アーサーに誘われ、僕が義母様をチラリと見ると、義母様はコクリと頷いてくれた。
「ありがとう。ぜひ伺わせてくれ」
アーサーと母親が先に退出していき、その後に続くように僕と義母様はゆっくりと庭を横切っていく。
馬車は身分の高い順に並んでいて、僕達はしばらく待たされた。
ようやく乗り込んだ馬車が走り出す前に、義母様が思い出したように僕に告げた。
「そうだわ。注文していたドレスが出来ている頃だったわ。エドアルド、御者にスタイナー商会に寄るように伝えてちょうだい」
義母様に言われて僕は後ろの小窓を開けて御者に告げた。
「かしこまりました」
御者はゆっくりと馬車を走らせる。
「義母様、寄り道しても大丈夫なのですか?」
「大丈夫よ。スタイナー商会はちょうど通り道にあるから、大した手間じゃないわ」
義母様はクスリと笑いを溢す。
どうやら僕の言動も過保護だと思われたようだ。
馬車はしばらく走った後で、スタイナー商会の前で止まった。
義母様に続いて僕も馬車を降り、スタイナー商会へと入っていった。
荷物持ちをするつもりだったのだけれど、それはスタイナー商会の従業員がやってくれた。
僕は義母様をエスコートして再び馬車に乗り込み家路に着いた。
******
リリベットはその日、お忍びで王都の街へ出ていた。
王宮の中ばかりでは息が詰まると国王に訴えたところ、馬車から降りない事を条件に王都の街に出る事を許された。
そのため、時々こうして目立たない馬車で王都の街中を見て回っていた。
ゆっくりと走る馬車の中から外を行き交う人々をじっと見つめては、王妃として国民を守らないと、と決意を新たにしていた。
順調に進んでいた馬車だったが、どうした事か急に進みが遅くなりやがて止まった。
「どうした?」
リリベットと一緒に乗っている女性の護衛騎士が馬車の中から御者に問いかけた。
「前方の馬車が車輪が外れて立ち往生しているようですが、もう大丈夫そうですね」
護衛騎士と御者のやり取りを聞きながらリリベットは外を眺めていた。
(あら、あれは…)
斜め前にあるスタイナー商会から一人の女性が出てきた。
それはリリベットと同い年のセレナだった。
リリベットはセレナが妊娠したという話は聞き及んでいた。
(声をかけたいけれど、こんな往来では彼女も迷惑でしょうね)
そもそもリリベットはお忍びで街中に来ているのだ。
こんな場所に王妃がいると知られたら、二度とお忍びで出かけられないかもしれない。
(流石に声をかける訳にはいかないわね)
その時、セレナの隣に立つ少年にリリベットは目が釘付けになった。
(! あれは誰!?)
そこに立っていたのはエドワードそっくりの少年だった。
(エドワード!? まさか!?)
王宮にいるはずのエドワードが突然現れたのかと思ったが、すぐにその考えは否定した。
(エドワードはセレナとは会った事がないし、セレナにもエドワードを会わせてはいないわ。ダニエルだってエドワードには会った事がないもの…)
エドワードではないとわかっていても、リリベットはその少年から目が離せなかった。
馬車を降りてその少年の元に駆け寄りたい衝動に駆られたが、それよりも早く馬車が走り出した。
リリベットがその少年を見つめていると、不意に視線が合ったような気がしたのだった。
後ろ髪を引かれる思いでリリベットは王都の街を後にした。
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