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幼少期
44 義父の提案
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クリスが生まれて三ヶ月が過ぎた。
最近は首もすわってきたようで、僕も安心してクリスを抱っこする事が出来る。
だけど、僕がクリスを抱っこしていると、周りの人間がハラハラしたような表情を見せるのは何故だろう?
ただ単に僕の抱っこが危なっかしいだけなのか、血の繋がらないクリスに危害を加えるんじゃないかと思われているのかは判断がつかない。
七歳の子供が赤ちゃんを抱っこするなんて危なっかしく見えるだろうから前者なんだろう。
そう思っていた方が僕も気分的に良い。
この世界には赤ちゃん向けのおもちゃなんてないみたいだ。
前世のようにプラスチックがあるわけじゃないから、当然かもしれないな。
プラスチックがないなら木製のおもちゃでも、と思ったが、赤ちゃんと接した事のない僕にはどんなおもちゃがいいのかまったくわからない。
前世の記憶があったところで、今世でも活かせるとは限らないんだな。
そういう僕自身も、最近の生活でちょっと暇を持て余している。
エルガー家は男爵という身分ではあるけれど、古くからある家系なので屋敷はかなり広い。
小さい頃は屋敷の中の探検や庭を駆け回ったりして過ごしていた。
けれど、それもだんだん飽きてきた頃だ。
子供向けの本だってそんなに種類はないし、読書ばかりじゃつまらない。
せめてボールでもあれば、庭で一人でも遊べるんだけれど、生憎そんな物はない。
子供が集まるお茶会だってしょっちゅうあるわけじゃないしね。
そんなある日、朝食の席で義父様が僕に話しかけてきた。
「エドアルドは剣の稽古をするつもりがあるかい?」
突然の問いかけにすぐには答えられず、キョトンとしてしまった。
『ケンノケイコ』
口の中でつぶやいた後、それが脳内で『剣の稽古』と漢字に変換されてようやく納得した。
「剣の稽古をさせてもらえるんですか?」
遠慮がちに義父様に尋ねるとコクリと頷かれた。
「最近、エドアルドが暇を持て余しているらしいと聞いてね。それにそろそろ剣の稽古をさせようかと思っていたんだ。やってみるかい?」
「ぜひ、やってみたいです」
思わず食い気味に返事をすると、義父様だけでなく義母様まで笑い出した。
「わかった。それじゃ今日、騎士団に行って教えてくれる人を探しておくよ」
「ありがとうございます、義父様」
ワクワクした気分で朝食を食べていると、義両親だけでなく、周りの使用人達までもがニコニコと僕を見ている。
ちょっとばかり恥ずかしくなったのは内緒だ。
それから二日後。
僕に剣を教えてくれる人がやって来る日が来た。
僕は朝からソワソワと落ち着かなかった。
予定時間より早く応接室に入って、教師が来るのを今か今かと待っていた。
「エドアルドったら、少しは落ち着きなさい」
義母様に少しあきれられた声で注意されるけれど、とてもじゃないが落ち着けない。
だって、剣の稽古だよ?
護衛騎士の人とか、門番の人とかが剣を持っているのは見たことがあるけれど、実際にその剣を自分が持てるなんて、まるで夢みたいだ。
前世だってゲームのキャラクターが画面上で剣を振るのは見ているけれど、実際に自分が持っているのはわけじゃないからね。
応接室でソワソワと待っていると、扉の向こうから足音が近づいて来るのが聞こえてきた。
僕は義母様の隣に座って、扉が開くのをドキドキしながら待っていた。
やがて足音が扉の前で止まり、ノックが聞こえた。
「奥様、モーリス様がいらっしゃいました」
「通してちょうだい」
義母様が了承を告げると、扉が開いて一人の男性が応接室に入ってきた。
男性は一旦、そこで足を止めると軽く頭を下げる。
「エルガー夫人、ご無沙汰しております」
少し低い声が僕の耳に届く。
「お久しぶりね、アンソニー。どうぞおかけになって」
「失礼します」
アンソニーと呼ばれた男性が近づいて来て僕の前に座った。
いかにも騎士といった風体のがっしりとした男性だ。
なんかスパルタ教師っぽいんだけど、大丈夫かな?
最近は首もすわってきたようで、僕も安心してクリスを抱っこする事が出来る。
だけど、僕がクリスを抱っこしていると、周りの人間がハラハラしたような表情を見せるのは何故だろう?
ただ単に僕の抱っこが危なっかしいだけなのか、血の繋がらないクリスに危害を加えるんじゃないかと思われているのかは判断がつかない。
七歳の子供が赤ちゃんを抱っこするなんて危なっかしく見えるだろうから前者なんだろう。
そう思っていた方が僕も気分的に良い。
この世界には赤ちゃん向けのおもちゃなんてないみたいだ。
前世のようにプラスチックがあるわけじゃないから、当然かもしれないな。
プラスチックがないなら木製のおもちゃでも、と思ったが、赤ちゃんと接した事のない僕にはどんなおもちゃがいいのかまったくわからない。
前世の記憶があったところで、今世でも活かせるとは限らないんだな。
そういう僕自身も、最近の生活でちょっと暇を持て余している。
エルガー家は男爵という身分ではあるけれど、古くからある家系なので屋敷はかなり広い。
小さい頃は屋敷の中の探検や庭を駆け回ったりして過ごしていた。
けれど、それもだんだん飽きてきた頃だ。
子供向けの本だってそんなに種類はないし、読書ばかりじゃつまらない。
せめてボールでもあれば、庭で一人でも遊べるんだけれど、生憎そんな物はない。
子供が集まるお茶会だってしょっちゅうあるわけじゃないしね。
そんなある日、朝食の席で義父様が僕に話しかけてきた。
「エドアルドは剣の稽古をするつもりがあるかい?」
突然の問いかけにすぐには答えられず、キョトンとしてしまった。
『ケンノケイコ』
口の中でつぶやいた後、それが脳内で『剣の稽古』と漢字に変換されてようやく納得した。
「剣の稽古をさせてもらえるんですか?」
遠慮がちに義父様に尋ねるとコクリと頷かれた。
「最近、エドアルドが暇を持て余しているらしいと聞いてね。それにそろそろ剣の稽古をさせようかと思っていたんだ。やってみるかい?」
「ぜひ、やってみたいです」
思わず食い気味に返事をすると、義父様だけでなく義母様まで笑い出した。
「わかった。それじゃ今日、騎士団に行って教えてくれる人を探しておくよ」
「ありがとうございます、義父様」
ワクワクした気分で朝食を食べていると、義両親だけでなく、周りの使用人達までもがニコニコと僕を見ている。
ちょっとばかり恥ずかしくなったのは内緒だ。
それから二日後。
僕に剣を教えてくれる人がやって来る日が来た。
僕は朝からソワソワと落ち着かなかった。
予定時間より早く応接室に入って、教師が来るのを今か今かと待っていた。
「エドアルドったら、少しは落ち着きなさい」
義母様に少しあきれられた声で注意されるけれど、とてもじゃないが落ち着けない。
だって、剣の稽古だよ?
護衛騎士の人とか、門番の人とかが剣を持っているのは見たことがあるけれど、実際にその剣を自分が持てるなんて、まるで夢みたいだ。
前世だってゲームのキャラクターが画面上で剣を振るのは見ているけれど、実際に自分が持っているのはわけじゃないからね。
応接室でソワソワと待っていると、扉の向こうから足音が近づいて来るのが聞こえてきた。
僕は義母様の隣に座って、扉が開くのをドキドキしながら待っていた。
やがて足音が扉の前で止まり、ノックが聞こえた。
「奥様、モーリス様がいらっしゃいました」
「通してちょうだい」
義母様が了承を告げると、扉が開いて一人の男性が応接室に入ってきた。
男性は一旦、そこで足を止めると軽く頭を下げる。
「エルガー夫人、ご無沙汰しております」
少し低い声が僕の耳に届く。
「お久しぶりね、アンソニー。どうぞおかけになって」
「失礼します」
アンソニーと呼ばれた男性が近づいて来て僕の前に座った。
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なんかスパルタ教師っぽいんだけど、大丈夫かな?
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